トルコ行進曲モーツァルト楽譜の選び方と活用術
無料で入手できる楽譜サイトを保育士が誤って商用利用すると、著作権侵害で10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科されるケースがあります。
トルコ行進曲モーツァルト楽譜の難易度と全音区分
モーツァルトのトルコ行進曲は、正式名称を「ピアノソナタ第11番 イ長調 K.331 第3楽章(Alla Turca)」といいます。 全音ピアノピースでは「B(初級上)」に分類されていますが、現場では「Cくらいが妥当では?」と感じるピアノ講師も多いのが実情です。vrpiano.co+2
原曲はツェルニー30番〜40番、ソナチネ終盤〜ソナタレベルに相当し、右手のオクターブ連続・16分音符の速いパッセージがある点で、手の大きさや指の独立性が問われます。 繰り返しが多いため譜読みはしやすく、区切りが付けやすいという特徴もあります。pianojuku+1
以下に難易度区分をまとめます。
| バージョン | 難易度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 原曲 | 中級上(C相当) | 16分音符・オクターブ連続あり |
| 簡単アレンジ | 初級〜中級 | 和音を省き単音化、中盤を削除 |
| 入門アレンジ | 初級 | 黒鍵を最小限に移調、教本向け |
| ジャズアレンジ | 中級〜 | ジャズ要素を取り入れた編曲版 |
原曲が「B」なのに難しいのは、速いパッセージと装飾音の処理が要因です。
参考)モーツァルトのトルコ行進曲の難易度は?ピアノで弾けるようにな…
トルコ行進曲モーツァルト楽譜を無料でダウンロードする方法
モーツァルト(1756〜1791)の作品はすでに著作権が切れており、パブリックドメインとして原曲楽譜を合法的に無料で入手できます。 代表的な入手先として、IMSLP(国際楽譜ライブラリープロジェクト)があり、モーツァルト自筆譜をもとにした校訂版PDFを無料でダウンロードできます。pianoclassics+1
これは使えそうです。
ただし注意が必要なのは、「原曲がパブリックドメイン」であっても、出版社やアレンジャーが加えた編曲・校訂には新たな著作権が発生する点です。 たとえば楽器店やオンラインストアで配信されている「初級アレンジ版」や「やさしいアレンジ版」は、1曲110円〜の有料配信が一般的です。 無料サイトからダウンロードした楽譜でも、保育園内の発表会や合奏指導に使う「私的利用の範囲を超えた用途」では別途許諾が必要になる場合があります。at-elise+1
参考:著作権とパブリックドメインについての詳細な解説(文化庁)
参考:IMSLPでモーツァルト原曲楽譜を無料ダウンロードする方法はこちら
IMSLP: Piano Sonata No.11 K.331(モーツァルト)原曲無料楽譜
トルコ行進曲モーツァルト楽譜の練習のコツ:右手の16分音符
トルコ行進曲で多くの人が最初に苦戦するのが、右手の16分音符の連続パッセージです。 特に32小節目以降の「ド♯レド♯シラシラソ♯〜」という黒鍵が連続する箇所は、原曲の中で最難関とされています。piadoor+1
練習の基本は音名を声に出しながら弾くこと。 「声・意識・指」を同時に動かすことで、弾き間違えた瞬間に気づきやすくなり、修正のスピードが上がります。装飾音(短前打音)については、指で1音ずつ弾くのではなく、「ソラシ」に「123」の指をセットして手首をクルッと回転させると素早く処理できます。
離鍵(指を上げる動き)も同時に意識するのが原則です。 鍵盤を押している時間を短くすることで、モーツァルト特有の軽やかで粒立ちの揃ったタッチが生まれます。これが原曲らしい”颯爽とした”テンポ感の秘訣です。
保育士がトルコ行進曲モーツァルト楽譜を子どもの保育に活かすには
保育士にとってピアノは「伴奏の道具」と思われがちですが、トルコ行進曲のようにリズムが強調されたクラシック曲は子どもの音感・リズム感の発達に直接つながります。 高松大学の研究によると、保育者の弾き歌いやピアノ演奏は子どもが最も身近に触れる音楽環境であり、保育者の技量次第で子どもの音楽体験の質が大きく変わると指摘されています。
参考)https://www.takamatsu-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/11/68_JG016_001-021_shibata.pdf
参考:保育者の音楽環境と子どもへの影響に関する研究論文はこちら
具体的な活用場面を整理するとこう使えます。
- 🎵 お遊戯・体操のBGM:軽快な2/4拍子がマーチングや行進遊びと相性抜群
- 🎹 弾き聴かせ:子どもに「どんな気分?」と問いかけながら情操教育に活用
- 🏫 発表会の連弾・アレンジ版:初級〜中級アレンジで保育士自身が演奏披露
- 👐 リズム打ちゲーム:曲に合わせて手拍子・太鼓打ちで参加型音楽遊びに
トルコ行進曲はテンポの変化が少なく安定しているため、子どもがリズムに乗りやすいという強みがあります。
参考)最も有名なピアノ曲「トルコ行進曲」はなぜトルコ風? – Ph…
トルコ行進曲とベートーヴェン版の違い:保育現場で選ぶポイント
「トルコ行進曲」という名称の楽曲は実は2種類あり、モーツァルト版とベートーヴェン版が存在します。 保育現場で「トルコ行進曲」と言えば、ほぼ例外なくモーツァルト版を指します。
参考)【無料楽譜】トルコ行進曲は2種類ある?(モーツァルト / ベ…
2つの違いを比較すると選びやすくなります。
| 比較項目 | モーツァルト版 | ベートーヴェン版 |
|---|---|---|
| 出典 | ピアノソナタ第11番 K.331 第3楽章 | 劇付随音楽「アテネの廃墟」Op.113 |
| 調 | イ短調→イ長調 | 変ロ短調 |
| 楽譜難易度 | 全音B(初級上) | 中級(短前打音が多い) |
| 子ども認知度 | 非常に高い | やや低い |
| 保育での使いやすさ | ◎ 軽快で明るく使いやすい | △ 短前打音処理が難しい |
ベートーヴェン版は短前打音の処理が難しく、ある程度指が慣れていないとモーツァルト版以上に難しく感じることもあります。 保育士試験や発表会を念頭に置くなら、子どもの認知度が高いモーツァルト版が原則です。
保育士が知らないと損するトルコ行進曲の意外な歴史的背景
多くの人がトルコ行進曲を「昔から人気のピアノ曲」として認識していますが、実はモーツァルトが作曲した1781〜1783年当時、ウィーンではトルコ軍楽(オスマン帝国の軍隊音楽)がヨーロッパ全土で爆発的に流行していました。 モーツァルトはその流行に乗り、あえてトルコ風リズムをピアノ曲に取り込んだのです。rain-music+1
つまり「時代の流行歌」でもあったということです。
さらに驚くのが、2014年にハンガリーの図書館でピアノソナタ第11番の自筆譜4ページが新たに発見されたという事実です。 それまでは最後のページしか見つかっておらず、長年の謎だった楽譜上の「誤りとされていた箇所」が、実はモーツァルトの意図した独自の表記だったことが次々と判明しました。
参考:トルコ行進曲の音楽的・歴史的背景を詳しく解説しているページはこちら
phonim.com「最も有名なピアノ曲『トルコ行進曲』はなぜトルコ風?」
この背景を子どもたちに伝えると、「音楽は時代のトレンドを映す鏡」という視点で音楽教育に深みが加わります。 ピアノを弾く前に「昔のウィーンではこの曲がJ-POPみたいに流行ってたんだよ」と一言添えるだけで、子どもたちの聴く姿勢が変わります。これは使えそうです。


