パン屋さんの歌 歌詞と手遊びを保育で活かす全ガイド

パン屋さんの歌 歌詞と保育での手遊び活用法を完全解説

歌詞を一字一句丁寧に歌うほど、子どもの言葉の発達が遅れるケースがあります。

この記事でわかること
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パン屋さんの歌の歌詞と振り付け

「パンやさんにおかいもの」の全歌詞・手の動き・顔の表現を詳しく解説。2歳〜5歳まで幅広く使える基本の振り付けをマスターできます。

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「5つのメロンパン」「ラララパン屋さん」など、保育現場で人気のパン関連手遊び歌の歌詞・ポイントを一覧で紹介します。

保育での効果的な活用アレンジ

歌詞のアレンジ方法・絵本との組み合わせ・ごっこ遊びへの展開など、子どもの発達を引き出すために知っておきたい応用テクニックを解説します。

パン屋さんの歌「パンやさんにおかいもの」の歌詞と振り付け完全版

 

保育士さんの多くが定番として使っている手遊び歌「パンやさんにおかいもの」。作詞は佐倉智子さん、作曲はおざわたつゆきさんによるオリジナル曲で、2歳児から5歳児まで幅広いクラスで活躍します。

歌詞はシンプルで覚えやすく、リズムが速めに設定されているのが特徴です。全歌詞の流れは以下のとおりです。

歌詞(前半) 歌詞(後半)
パンパン パンやさんに おかいもの ホイホイ たくさん まいどあり
サンドイッチに メロンパン サンドイッチに メロンパン
ねじりドーナツ パンのみみ ねじりドーナツ パンのみみ
チョコパン ふたつ くださいな チョコパン ふたつ はい どうぞ

歌詞に合わせた振り付けが、この手遊びの最大の魅力です。振り付けのポイントをまとめると以下のようになります。

  • 「パンパン パンやさんに」:胸の前で手を2回たたく
  • 「サンドイッチ」:両手で頬をグーッと挟む
  • 「メロンパン」:片手で舌をベーと出す(メロンパンの網目模様をイメージ)
  • 「ねじりドーナツ」:片手で鼻をひねるようにつまむ
  • 「パンのみみ」:両手で自分の耳をつまむ
  • 「チョコパン ふたつ」:両手でこちょこちょとくすぐるようなジェスチャー
  • 「くださいな」:胸の前で手を2回たたいてから、手のひらを前に向ける

手の動きと顔の表情を組み合わせることが、このパン屋さんの歌最大のポイントです。とくに「サンドイッチ」で頬を挟む動作は、子どもたちが大笑いしやすい場面。笑いが生まれると自然に次の動作への集中が高まります。

始めはリズムを少しゆっくりに設定するのが基本です。歌詞と動きが噛み合ってきたら少しずつテンポを上げると、子どもたちの達成感も高まります。

参考として、保育士が実際に実演している動画を確認できます。

パン屋さんの歌「5つのメロンパン」の歌詞と保育での数え歌活用法

「5つのメロンパン」は、保育士さんが3歳以上のクラスで数の学びを取り入れたいときに重宝する手遊び歌です。作詞は絵本作家・シンガーソングライターの中川ひろたかさん。実はこの曲、イギリスのナーサリーライム(子ども向けの童謡)「Five Currant Buns(ファイブ・カラント・バンズ)」が原曲なんです。これは意外ですね。

歌詞の構造はシンプルで、5番まで繰り返しながら数が1つずつ減っていきます。

  • 「パン屋に いつつの メロンパン」:右手を広げて5本指を胸の前に出す
  • 「ふんわり まるくて おいしそう」:顔の周りで両手を円を描くように動かす
  • 「子どもが おみせに やってきて」:人差し指を歩かせるようにトコトコ動かす
  • 「おばさん メロンパン ひとつちょうだい」:呼びかけるように手を口の脇に当てる
  • 「はい どうぞ」:手のひらを差し出す
  • 「メロンパン ひとつ かってった」:指1本を立てながら歩き去るジェスチャー

歌詞の「いつつ」が「よっつ」「みっつ」「ふたつ」「ひとつ」と減っていくのが数え歌としての核心部分です。数字の変化を指の本数で表現するため、子どもの視覚と聴覚が同時に「数」を認識します。

6番(売り切れ)の歌詞については歌い方が複数あります。中川ひろたかさんによる原詞では「メロンパン ぜんぶ かってった」と全体を振り返る表現になっていますが、「0このメロンパン」として数の連続性を保つ替え歌や、「売り切れです!」の一言で締めるシンプルな方法も保育現場では広く使われています。年齢が低いクラスには「売り切れです!」で締める方法が伝わりやすくておすすめです。

3歳以上であれば、グループごとに「パン屋さん役」と「子ども役」に分かれてロールプレイのように歌うと、会話をともなう社会性の発達にもつながります。

「5つのメロンパン」歌詞と替え歌・原曲解説|世界の民謡・童謡

パン屋さんの歌「ラララパン屋さん」の歌詞とゲームとしての活用法

ラララパン屋さん」は、パンの名前が次々に出てくる中で「パン」という言葉が出るたびに手をたたくゲーム要素が加わった手遊びです。難易度がやや高めで、とくに4歳〜5歳児が夢中になります。

歌詞の内容はあんパン、ジャムパン、クリームパン、コッペパン、食パン、味付けパンなど、子どもたちに馴染みのある複数のパンが登場する構成です。「ラララ」のあとに突然「パン!」という言葉が来るため、反射的に手をたたく必要があり、集中力とリズム感が同時に鍛えられます。

これはゲーム性の高い手遊び歌です。ただ歌うだけでなく「間違えたら負け」というドキドキ感が生まれ、4歳以上のクラスでは活動前の集中を高める導入として非常に効果的に機能します。

歌詞の「パン」の部分を見落とさないよう、最初はゆっくりのテンポから始めて徐々に速くすると盛り上がります。また、保育士さんが「あえてわざと間違える」演技をすると、子どもたちのドヤ顔が見られる場面も生まれます。これは使えそうです。

給食にパンが出る日の直前に行うと、食事への期待感がより高まるという現場の声も多く聞かれます。給食前の「ラララパン屋さん」はシーンと気持ちを切り替えるのにも役立つ一曲です。

「ラララパン屋さん」歌詞付き手遊びゲーム解説|こどもっと

パン屋さんの歌 歌詞アレンジで保育の引き出しを10倍に増やす方法

「パンやさんにおかいもの」の歌詞はアレンジが自由にできる構造になっており、ここを活かすかどうかで保育の深みがまったく変わります。定番の歌詞を覚えたら、次のステップとしてアレンジに挑戦してみましょう。

最も簡単なのは、「チョコパン ふたつ くださいな」のパン名と数を変えるアレンジです。たとえば「あんパン みっつ くださいな」「メロンパン よっつ くださいな」のように変えるだけで、数の学習と語彙の拡張が同時に行えます。

  • 🌸 春アレンジ:「さくらパン ふたつ くださいな」(季節の言葉を入れる)
  • 👦 子どもの名前アレンジ:「たろうくんの パン ひとつ くださいな」(名前を入れると大喜び)
  • 🎃 ハロウィンアレンジ:「かぼちゃパン みっつ くださいな」(行事とリンク)
  • 🔢 数字練習アレンジ:数を毎回変えてカウントアップ・カウントダウンの両方を体験する

つまり歌詞のアレンジは「保育のテーマと手遊びをつなぐ橋」として機能します。

また、大阪芸術大学の白倉朋子氏による研究では「手遊びをすることで、言葉の発達や数の理解を助け、音楽的な見解からも旋律を記憶する、拍子を感じる、リズムを記憶するといった経験ができる」と指摘されています。歌詞をただ歌うだけでなく、言葉を意識させながら行うことで子どもの語彙と音感が同時に育ちます。

さらにパンを題材にした絵本と組み合わせると、歌詞の言葉のイメージが豊かになります。手遊びの前に『からすのパンやさん』(かこさとし・偕成社)や『パンどろぼう』(柴田ケイコ・KADOKAWA)を読み聞かせると、歌詞に登場するパンのイメージが子どもの頭にしっかり定着します。

「保育における手遊びの効果」─コダーイ・メソードとの関連から─(大阪芸術大学・白倉朋子 研究ノート)

パン屋さんの歌 歌詞が持つ発達効果と「ただの導入」にしない保育の視点

多くの保育現場では、手遊び歌は「活動の前の導入」として使われています。実際、笠井・久原・坂田・横山(2015年)の「保育現場での手遊び歌についての調査」によると、83%の保育士が手遊び歌を「保育の導入」として活用しており、「保育活動そのもの」として活用しているのはわずか6%という結果が出ています。これは厳しいところですね。

「パンやさんにおかいもの」のような手遊び歌が子どもにもたらす発達上の効果は、導入としての役割をはるかに超えています。具体的には次の4つの力が育ちます。

  • 🖐️ 指先の器用さ:「ねじりドーナツ」「チョコパン」などの細かい動作が手指の運動機能を刺激する
  • 🗣️ 言語発達:「サンドイッチ」「メロンパン」など食べ物の語彙が歌とセットで定着しやすい
  • 🎵 リズム感・音感:歌詞のリズムに合わせて体を動かすことで、拍子感と旋律の記憶力が自然に育つ
  • 👫 社会性・コミュニケーション力:2人向かい合って歌うアレンジにすることで、相手の動きを見る注意力と関係性が育つ

手遊び歌で育つ力は多様です。

保育士さんが「この手遊びで何を育てたいか」というねらいを1つ明確にして取り入れると、子どもの反応が変わります。たとえば「今日は指先の動きに集中して声かけしよう」とねらいを絞るだけで、活動後の振り返りも深くなります。

また、子どもが慣れてきたら「パン屋さんごっこ」に展開するのもおすすめです。折り紙で作ったパンを並べて店員役とお客さん役に分かれ、「チョコパン ふたつ ください」「はい、どうぞ」のやりとりをリアルに再現することで、言語表現と社会的なルール理解が一気に深まります。手遊びが「遊び」として完結せず、次の活動への橋渡しになる点が保育としての価値を高めます。

「幼稚園における手遊び歌に関する実践的研究」(鹿児島大学リポジトリ)─保育における手遊びの有用性と発達への効果を論じた学術研究

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