スコットランド民謡が日本の歌になった意外な理由と保育活用術

スコットランド民謡と日本の歌をつなぐ音楽の秘密

実は、閉店BGMで流れる「蛍の光」は、本物の「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」という別曲です。

スコットランド民謡と日本の歌 3つのポイント
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音階が共通している

スコットランド民謡と日本の唱歌は「ヨナ抜き音階」という同じ五音音階を使うため、日本人が自然と親しみを感じる理由があります。

🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿

起源は明治時代の唱歌教育

明治政府が西洋の旋律に日本語の歌詞をつけて「唱歌」として普及。スコットランド民謡はその主要な素材として積極的に取り入れられました。

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保育現場でも深く根付いている

「蛍の光」「故郷の空」など、保育や卒園式で歌われる定番曲の多くがスコットランド民謡を起源に持ちます。

スコットランド民謡「蛍の光」の原曲と日本語歌詞の違い

 

蛍の光」はスコットランド民謡「オールド・ラング・サイン(Auld Lang Syne)」が原曲です。 原曲の歌詞は「旧友と再会し、思い出話をしながら酒を酌み交わす」という内容ですが、日本語版は「蛍の灯りや雪明かりで勉学に励み、故郷を遠く離れて旅立つ」という、まったく別のストーリーが描かれています。 歌詞を作ったのは稲垣千穎という人物で、原曲とは独自の世界観を持つ内容に仕上げています。wikipedia+1

この「別のストーリー」という点は意外ですね。

保育士として卒園式に「蛍の光」を歌う機会は多いはずです。原曲の「オールド・ラング・サイン」は英語圏では年越しや仲間の別れの場面で歌われる曲ですが、日本語版では蛍の光を灯しながら勉強に励む情景が描かれています。 スコットランドのホグマネイ(年越し祭)では、手を繋ぎ肩を組みながらこの曲を歌う習慣があり、「仲間の絆を確かめる歌」としての性格は日本語版とも共通しています。

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つまり、「別れを惜しむ感情」が基本です。

子どもたちに歌の背景を伝える際、「この曲はスコットランドの人たちが大切な友だちと別れるとき、肩を組んで歌った曲だよ」と話すと、卒園式の場面でより深く歌の意味が伝わります。実際に保育現場でも「歌の由来を話してから歌うと子どもたちの表情が変わる」と報告する保育士は少なくありません。

スコットランド民謡と日本の歌をつなぐ「ヨナ抜き音階」のしくみ

なぜスコットランド民謡が日本人に馴染みやすいのか。その答えは「ヨナ抜き音階」にあります。 ヨナ抜きとは、ドレミファソラシドの7音のうち、4番目の「ファ(ヨン=ヨ)」と7番目の「シ(ナナ=ナ)」を抜いた5音だけで構成される音階のことです。guidoor+1

この5音、覚えやすいですね。

スコットランドの伝統的な民謡はヨナ抜き音階と同じ五音音階(ペンタトニック)を多く使っており、これが日本の伝統音楽と一致しているため、日本人は外国の曲とは知らずに親しみを感じます。 「蛍の光」も「故郷の空」もこの音階が使われており、耳に残りやすく、保育の現場でも子どもたちが自然と口ずさみやすい理由がここにあります。syoku16.blog.fc2+2

保育士として音楽活動に取り入れる際、「ヨナ抜き音階の曲は子どもが覚えやすい」というポイントは実践的な知識になります。特に3〜5歳児の音楽遊びでは、このような耳に馴染む音の構造を持つ曲が感情表現や記憶定着に効果的です。

スコットランド民謡「故郷の空」の保育現場での活かし方

「故郷の空(ゆうぞら晴れて 秋風吹き)」はスコットランド民謡「ライ麦畑で出会ったら(Comin’ Thro’ the Rye)」が原曲の唱歌です。 明治21年(1888年)刊行の唱歌集「明治唱歌 第一集」に収録された歴史ある曲で、現代の横断歩道の音楽やドリフターズのコントのネタにもなっています。

意外なところで生き続けている曲です。

原曲の「ライ麦畑」は男女の恋愛を大胆に描いた内容ですが、日本語版は故郷の秋の風景と家族を思う内容に完全に書き換えられています。 この書き換えの手法は明治政府の唱歌教育の特徴で、西洋の旋律を活用しながら日本の情操教育に合った歌詞をつけるという方針によるものです。

秋の行事(運動会・お月見・芋掘り)に合わせた保育活動で「故郷の空」を取り上げると、季節感のある音楽教育につながります。「夕空晴れて 秋風吹き」という歌詞は、子どもたちに秋の情景を想像させるのに最適です。歌詞の言葉が古く難しい場合は、「夕方の空が晴れてきれいだね、秋の風が吹いているよ」と言い換えてあげると理解しやすくなります。

スコットランド民謡が日本の学校文化に根付いた歴史的背景

明治時代、日本政府は西洋音楽を学校教育に取り入れる「唱歌教育」を推進しました。このとき、スコットランド民謡はヨナ抜き音階という「日本人が違和感なく受け入れられる音階」を持っていたため、積極的に採用されました。guidoor+1

音階の一致が文化の橋渡しをしたということですね。

「蛍の光」が卒業式の定番として根付いたのは、明治23年(1890年)頃から「仰げば尊し」と組み合わせて歌われるようになったためです。 在校生が「蛍の光」を歌うことで、「友人との絆を大切にする」という徳育(道徳教育)の一環として意図的に導入された経緯があります。 卒園式で「蛍の光」を歌う保育士の方々は、130年以上続く教育的伝統を受け継いでいることになります。

参考)知ってた?卒業式は「蛍の光」、閉店で流れるのは「蛍の光」じゃ…

なお、「仰げば尊し」はスコットランド民謡ではなく、2011年にアメリカの楽譜集「THE SONG ECHO」(1871年出版)が原曲と判明しています。 長い間「スコットランド民謡説」もあったほど、音楽的に似た雰囲気を持つ曲です。

日本人が知る「蛍の光」、元々はスコットランド民謡の「Auld Lang Syne」| Cafetalk

スコットランド民謡の原曲「Auld Lang Syne」の文化的背景・使われる場面・スコットランドの年越し行事との関係を詳しく解説した記事です。

保育士が知っておきたい「閉店BGMは蛍の光ではない」という意外な事実

スーパーやショッピングモールの閉店時に流れる曲を「蛍の光」だと思っている人は多いですが、正式な曲名は「別れのワルツ」です。 「別れのワルツ」はスコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」を4分の3拍子(ワルツのリズム)に編曲したもので、アメリカから日本に伝わりました。

参考)蛍の光じゃない?閉店時間に流れるBGMの本当の曲名って? -…

つまり、同じ原曲から2つの別の曲が生まれたわけです。

「蛍の光」は4分の4拍子ですが、「別れのワルツ」は4分の3拍子という違いがあります。 どちらもスコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」が原曲ですが、リズムが異なるため実際には別の曲です。 保育士として保護者や子どもに音楽の雑学を話す場面で、「卒園式で歌う蛍の光と、お買い物で流れる曲は実は別の曲なんですよ」という話は、楽しい会話のきっかけになります。

参考)閉店の定番BGMは「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」という曲…

🎵 「蛍の光」と「別れのワルツ」の比較

比較項目 蛍の光 別れのワルツ
原曲 オールド・ラング・サイン(スコットランド民謡) オールド・ラング・サイン(スコットランド民謡)
拍子 4分の4拍子 4分の3拍子(ワルツ)
主な使用場面 卒業式・卒園式 スーパー・デパートの閉店時
日本への伝来経路 明治時代に唱歌として導入 アメリカから映画「哀愁」とともに伝来

閉店BGMの雑学は、保護者との会話や子育て支援の場での話題として活用できます。子どもと一緒に買い物に行ったとき、「この曲、卒園式の歌と同じ曲から作られてるんだよ」と話せば、日常と保育をつなぐ素敵な学びの機会になります。

日本の音楽〜受け継がれる和の音階 | Guidoor

スコットランド民謡と日本の五音音階ヨナ抜き音階)の共通点、「蛍の光」の音楽的構造について詳しく解説されています。保育音楽活動の理論的背景として参考になります。

スコットランド民謡 歌詞の意味・日本語訳 | 世界の民謡・童謡

「故郷の空」「蛍の光」「アニー・ローリー」などスコットランド民謡の歌詞と日本語訳、解説がまとめられており、保育現場での曲の背景説明に役立ちます。


蛍の光(スコットランド民謡)