さるかにがっせん歌で保育が輝く活用と導入術

さるかにがっせん歌を保育で使い倒す全ガイド

「さるかにがっせん」の歌は、覚えやすい歌詞が子どもに大人気なのに、定番の唱歌として定着した歌が1曲も存在しません。

この記事でわかること
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さるかにがっせん歌の種類と歴史

明治唱歌から現代のオリジナル手遊び歌まで、種類と成り立ちをわかりやすく解説します。

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年齢別のねらいと活用法

3歳〜5歳それぞれのねらいに合わせた保育への取り入れ方と、導入のコツをご紹介します。

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オペレッタ・劇遊びへの発展

歌を起点に劇あそびやオペレッタへ展開するための具体的な手順と実践ポイントをまとめました。

さるかにがっせん歌の種類と歴史を知ろう

 

「さるかにがっせん」には、実は複数の歌が存在します。それぞれ作詞者・作曲者・時代背景が異なるため、保育の場で「どの歌を使うべきか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

最も古いのは、明治後期に作られた唱歌「さるかに」です。作詞は石原和三郎、作曲は納所弁次郎によるもので、「早く芽を出せ 柿の種 出さぬとハサミでちょん切るぞ」という歌い出しが特徴的です。石原和三郎は「うさぎとかめ」「花咲かじいさん」「金太郎」なども手掛けた昔ばなし歌の大家であり、納所弁次郎は「桃太郎」の作曲者でもあります。両名ともに昔ばなし歌の実績を持つ組み合わせでありながら、この唱歌は後世にあまり定着しませんでした。

つまり、定番が存在しないということです。

その理由の一つは、物語の性質にあります。「さるかにがっせん」は「仇討ち物」に分類される昔話で、誰かが傷つく場面から始まるため、明るく締めくくる童謡・唱歌との相性が悪いとされてきました。また登場人物がクリ・臼・ハチ・牛の糞という組み合わせが地域によって異なる(牛の糞→昆布→うんちくんなど多様なバリエーションがある)ことも、歌を1曲に統一しにくい要因です。

現代の保育現場で多く使われているのは、オリジナルの手遊び歌や、作詞:木村次郎・作曲:丸山亜季による「うんつくてんつく」「ぶつぶつ」「ワーイワイ」の3曲セットなど、複数の場面歌として構成されたものです。秋の手遊び「おいしいあき」の歌詞の中にも「さるかにがっせん かきーかきー!」というフレーズが登場するように、1フレーズをピックアップして他の歌に組み込む形でも親しまれています。

歌の種類が多い分、保育士が目的に応じて選びやすいという見方もできます。手遊びに使いたいなら短いフレーズを、劇遊びに使いたいなら場面ごとの複数曲を、という使い方が実践的です。

参考:さるかにがっせんの歌の歴史と歌詞解説(世界の民謡・童謡)

さるかに合戦(さるかにばなし)歌詞と解説
世界の民謡・童謡

さるかにがっせん歌の年齢別ねらいと保育への取り入れ方

「さるかにがっせん」の歌を保育に取り入れる際は、年齢ごとのねらいを意識することが重要です。対象年齢の目安は3歳〜5歳ですが、アレンジ次第で0歳児クラスでも楽しめます。

年齢 主なねらい 歌の使い方
0〜1歳 音やリズムを楽しむ 保育士が歌いながら顔の表情を見せる、簡単な手拍子
2〜3歳 繰り返しのリズムを楽しむ・物語の展開を知る 「ちょん切るぞ〜」のフレーズをチョキの手で一緒に歌う
4〜5歳 協力・正義・感情理解 場面歌を使って劇遊び・オペレッタへ展開

3〜4歳のねらいは「物語の展開を楽しむ」ことです。この年齢の子どもたちはお友達との関わりが深まり、集団で遊ぶ楽しさを知り始める時期です。小さなクリやハチたちが力を合わせて大きな猿に立ち向かう場面は、「友だちと協力する」という感覚を自然に引き出してくれます。

5歳のねらいは「協力と正義について考える」ことに深化します。お猿さんの気持ち、カニさんの気持ち、それぞれの立場から「どう思ったかな?」と問いかけることで、心情理解や道徳性の芽生えにつながります。これは保育所保育指針の「道徳性・規範意識の芽生え」の領域とも重なります。

導入の基本は絵本の読み聞かせです。絵本専門士でもある現役施設長の大河原悠哉氏(がっちょ先生)は、「さるかにがっせん週間」と名付けて複数の絵本バージョンを続けて読むことを実践していたことで知られています。あかね書房版・BL出版「さるとかに」・童心社「さるかに」・岩波書店「かにむかし」など、同じ昔話でもタイトルや登場人物・展開が微妙に異なります。

いろいろ読むのが基本です。

これが子どもたちにとって「えっ、こっちのお話ではクリじゃなくてきびだんごが出てくる!」という驚きと気づきにつながります。読み比べの体験は語彙力・比較する思考力・物語への深い関心を同時に育む、一石三鳥の活動と言えます。

参考:保育士がっちょによる「さるかにがっせん週間」の絵本エピソード(絵本ナビスタイル)

【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!「さるかにがっせん週間」 | 絵本ナビスタイル
みなさんは「さるかにがっせん」のお話を知っていますか? さるとかにが出てきて、にぎりめしとかきのたねを交換するあのお話です。 私自身は「さるかにがっせん」で幼いころから馴染みがありましたが、実は「さるかに」「さるとかに」「かにむかし」など同...

さるかにがっせん歌の手遊び・歌詞・振り付けを保育で実践するコツ

手遊び歌として「さるかにがっせん」を保育で扱うとき、まず押さえておきたいのが「どのフレーズを使うか」の選択です。物語全体を歌にした長い曲より、特定の場面をひとつの手遊びにまとめた短いバージョンの方が、子どもたちの集中が続きやすくなります。

最も実践で使われているフレーズは「はやく芽を出せ 柿の種 出さぬとハサミでちょん切るぞ」という種まきの場面の歌です。このフレーズは音節のリズムが整っており、「ちょん切るぞ」のところでチョキの手を作るジェスチャーが自然に組み込めます。2〜3歳児でも無理なく真似できるシンプルさが魅力です。

振り付けのポイントは3つあります。

  • 🌱 種まきの場面:両手を地面につけるジェスチャーで「植える」動作を表現する
  • ✂️ 「ちょん切るぞ」の場面:チョキの手を素早く動かして子どもに期待感を持たせる
  • 🌳 木の成長の場面:両手を頭の上でひろげ、「ニョキニョキ」と一緒に声を出す

動きを大げさにするのが原則です。

保育士が体全体を使って大きく動くことで、子どもたちは「自分もやってみたい」という意欲を持ちやすくなります。特に初めて行うクラスでは、ゆっくりとした動作で1回見せた後に「一緒にやってみよう」と声をかけると、スムーズに参加を引き出せます。

秋の手遊び「おいしいあき」の歌詞の中にも「さるかにがっせん かきーかきー!」というフレーズが登場します(保育士求人ホイシル掲載情報より)。秋の食育活動の流れで自然に取り入れられる点が、保育士から支持されている理由の一つです。だんご・かぼちゃ・さつまいも・柿というラインナップは、秋の食材クイズや製作活動との連携にも使えます。

手遊び導入後に「今日の給食に柿は入ってるかな?」と問いかけることで、食への関心と手遊びの記憶が結びつき、子どもの中で活動が深まりやすくなります。実際の「おいしいあき」の手遊び動画はYouTubeや保育士向けサイト「ほいくis」「ホイシル」などで確認できます。

参考:秋に楽しめる手遊びBEST5(ホイシル)

秋に楽しめる手遊びBEST5
手遊び歌は子どもとのコミュニケーションだけではなく、手指の発達や、リズム感を促すことができる遊びです。準備物もないので、ちょっとした空き時間や子どもに興味を持ってもらいたい時など、どこでも楽しむことができるのも良いですよね。朝の会や帰りの会

さるかにがっせん歌を使ったオペレッタ・劇遊びへの発展

「さるかにがっせん」の歌は、オペレッタ(音楽劇)や劇遊びへの展開でもっとも力を発揮します。生活発表会の定番演目としての知名度が高く、3歳児クラスから取り入れられている実績があります。

オペレッタ「サルカニ大合戦」(キングレコード発行のCD教材)は、対象年齢3歳〜として制作されており、カニのテーマ・ファンキーモンキーロックなど複数の場面歌で構成されています。3歳児がセリフを覚えにくい場合も、音楽に合わせて身体を動かすだけで演じられる点が、先生方から評価されています。

劇遊びとオペレッタの大きな違いを把握しておくと準備がしやすくなります。劇遊びは「セリフ中心で子どもが自由に演じる」スタイルで、4歳以上向けとされることが多いです。一方、オペレッタは「音楽・歌・動きが一体となった演目」で、3歳からでも取り組みやすい形式です。どちらの場合も、歌を先に覚えておくことが活動をスムーズに進める鍵になります。

歌から劇遊びへ発展させるステップは以下の順番が実践的です。

  • 📖 ステップ1:絵本の読み聞かせでストーリーと登場人物に慣れる(1〜2週間)
  • 🎵 ステップ2:場面ごとの歌を手遊びとして取り入れ、歌詞とメロディを体に覚えさせる(1〜2週間)
  • 🎭 ステップ3:歌を歌いながら動きをつけ、役になりきって演じる劇遊びへ発展させる(2〜4週間)

焦らないことが大事です。とりわけ「歌を楽しむ→動きをつける→役になりきる」という流れを崩さずに積み重ねると、子どもたちが自然と物語の世界に入っていきます。

擬音語(オノマトペ)の活用も忘れてはなりません。「パチーン!(クリが弾ける)」「チクリ!(ハチが刺す)」「ドッスーン!(臼が落ちる)」という復讐シーンの擬音は、テンポよく大きく言うことで劇のクライマックスが盛り上がります。子どもたちも思わず声を合わせたくなる瞬間です。これは保育士が「声色を変える」だけで実現でき、特別な道具は不要です。

生活発表会の演目に使う場合、シアター用イラストやお面素材を活用すると準備の手間が大幅に減ります。保育サイト「ほいくis」では無料のさるかに合戦シアター用イラスト(PDF・マグネットシアター対応)・サルのお面・カニのお面などをメンバー登録(無料)でダウンロードできます。発表会の準備時間が短縮できるのはありがたいですね。

参考:さるかに合戦の劇遊び無料素材一覧(ほいくis)

保育士が知っておくべきさるかにがっせん歌の注意点と独自活用アイデア

「さるかにがっせん」の歌を保育で使う際には、いくつかの注意点があります。ここでは現場で見落とされやすいポイントと、ほかの保育記事ではあまり取り上げられていない独自の活用アイデアをあわせてご紹介します。

まず、暴力表現の扱いに注意が必要です。カニが怪我をするシーン・クリが猿の顔を直撃するシーン・ハチが猿を刺すシーンは、原典では非常に激しい描写が含まれています。保育の現場では「こらしめる」というコミカルなトーンを前面に出し、実際の痛みを強調しすぎないことが大切です。特に3歳以下の子どもはリアルな痛みの場面に予想外に強い反応を示すことがあるため、歌や劇遊びの中でも「擬音語+大げさな動き」でユーモラスに表現する工夫が求められます。

著作権についても整理しておきましょう。石原和三郎・納所弁次郎による明治後期の唱歌「さるかに」は著作権保護期間(死後70年)がすでに満了しており、歌詞・メロディともに自由に使用できます。一方、現代のオリジナル手遊び歌や、作詞:木村次郎・作曲:丸山亜季版の場合は著作権が存続しています。保護者向けプリントへの歌詞の全文掲載や、動画をSNSに投稿する際は著作権への配慮が必要です。保育室内での子どもとの活動は問題ありませんが、対外的に公開するコンテンツには注意しましょう。

ここからは独自視点の活用アイデアです。「さるかにがっせん」の歌は、実は「感情教育」のツールとしても非常に優れています。物語には「悔しさ・怒り・悲しみ・喜び・達成感」という子どもが日常生活でも感じる感情がすべて詰まっています。歌を歌いながら「このとき、カニさんはどんな気持ちだったかな?」と問いかけることで、感情を言語化する力を育てることができます。

感情の言葉を覚えるきっかけになります。

たとえば「おにぎりをとられた」場面では「悔しい」「悲しい」、「柿が実った」場面では「嬉しい・わくわくする」、「仲間が助けてくれた」場面では「安心する・頼もしい」という言葉を引き出せます。4〜5歳クラスでは、これをグループで話し合う活動に発展させると、言語領域と社会性の両方に働きかける豊かな保育活動になります。

また、「さるかにがっせん」の歌は秋の保育に特に相性が良いことを忘れないでください。柿・クリという秋の食材が物語の核心を占めているため、収穫の秋を感じる製作活動(クリや柿の製作)との連動が自然です。10〜11月の壁面製作で「柿の木」を作りながら歌を歌う、というような複合的な活動は、子どもにとって「歌の世界が現実につながる」体験となり、記憶への定着度が高まります。

さるかにがっせんの歌は、手遊びだけで完結させないことが重要です。読み聞かせ・歌・製作・劇遊びという複数の活動を有機的につなぐ「テーマ週間」のような構成にすることで、子どもたちの没入感と学びの深さが格段に上がります。前述の「さるかにがっせん週間」はまさにそのアプローチを実践しているものです。

参考:さるかに合戦 年齢別ねらいと劇遊びポイント(ちょきぺたファクトリー)

https://choki-peta.com/product/0098/

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