かくれんぼの歌童謡で保育に活かす歌の全知識

かくれんぼの歌・童謡を保育で活かす完全ガイド

保育士試験の課題曲に選ばれた回数が10年で複数回にのぼるほど、「かくれんぼ」関連の童謡は保育の現場で重要視されています。

この記事でわかること
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2曲の「かくれんぼ」童謡の違い

文部省唱歌「かくれんぼ」とサトウハチロー作詞の「かわいいかくれんぼ」、それぞれの歌詞・作者・誕生背景をわかりやすく整理します。

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保育での発達効果と活用ポイント

かくれんぼ遊びが育む空間認識・忍耐力・社会性など、根拠をもって保護者に説明できる発達的効果をまとめています。

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保育士試験との関係と実技のポイント

「かわいいかくれんぼ」が保育士試験の課題曲に複数回選ばれている理由と、実技に向けた音楽的特徴を解説します。


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かくれんぼの歌・童謡には2種類ある:歌詞と作者の基本知識

 

「かくれんぼの歌」と聞いて、保育士のみなさんが思い浮かべる歌は1曲ではないかもしれません。実は、保育現場でよく使われる「かくれんぼ」関連の童謡は大きく2曲あります。この2曲の違いを押さえておくことは、保護者への説明や指導案作成の際にも役立ちます。

1曲目は文部省唱歌の「かくれんぼ」です。作詞は林 柳波(はやし りゅうは)、作曲は下総 皖一(しもふさ かんいち)で、昭和16年(1941年)2月に発表されました。「かくれんぼするもの よっといで♪」という歌い出しで知られるこの曲は、現在でも小学校2年生の歌唱共通教材として学習指導要領に明記されています。歌詞はじゃんけんでオニを決め、「もういいかい まあだだよ」と掛け合う様子をそのままシンプルに描写したものです。子どもが実際に遊ぶ場面がそのまま歌になっているため、幼児でも場面が想像しやすいという特長があります。

2曲目は「かわいいかくれんぼ」です。作詞はサトウ・ハチロー(1903〜1973年)、作曲は中田 喜直(なかだ よしなお/1923〜2000年)で、1951年(昭和26年)に発表されました。「ひよこがね おにわで ぴょこぴょこ かくれんぼ♪」という歌い出しが特徴的です。歌詞は3番まであり、1番がひよこ、2番がすずめ、3番が子犬がかくれんぼをする様子を描いています。どの動物も「じょうずにかくれたつもりでも、体のどこかが見えてしまう」というオチで統一されており、幼児の愛らしい姿そのものを表現した内容です。

つまり2曲は別の曲です。

項目 「かくれんぼ」 「かわいいかくれんぼ」
作詞 林 柳波 サトウ・ハチロー
作曲 下総 皖一 中田 喜直
発表年 1941年(昭和16年) 1951年(昭和26年)
分類 文部省唱歌 童謡
主な使用場面 小学校2年生の共通教材 保育園・幼稚園・保育士試験

参考:小学校音楽科歌唱共通教材の詳細はこちら(林柳波下総皖一の作品情報含む)

かくれんぼ 日本の童謡・世界の遊び(worldfolksong.com)

かくれんぼの歌・童謡の作詞者・作曲者をもっと深く知る

2曲の「かくれんぼ」の歌を深く理解するには、それぞれの作者について知っておくと指導の深みが増します。保育の現場でも、子どもや保護者に伝えられる小話として知っておくと便利です。

まず文部省唱歌「かくれんぼ」の作詞者、林 柳波(1892〜1974年)は、群馬県沼田市生まれの詩人です。現在の明治薬科大学を卒業後、「海」「かたつむり」など数多くの文部省唱歌を手がけた人物として知られています。海のない群馬県出身でありながら「うみ はひろいな おおきいな♪」という「うみ」を作詞したことも有名なエピソードです。そういう意外性が柳波の詩の想像力の豊かさを示しています。

作曲者の下総 皖一(1898〜1962年)は、東京音楽学校(現・東京藝術大学)を卒業した音楽教育家です。林柳波との名コンビは「かくれんぼ」のほか「たなばたさま」「スキー」など多くの名曲を残しました。

次に「かわいいかくれんぼ」の作詞者、サトウ・ハチローは「ちいさい秋みつけた」「うれしいひなまつり」「リンゴの唄」でも知られる昭和を代表する詩人です。子どもの目線に徹した温かい言葉選びが特徴で、「ぴょこぴょこ」「よちよち」「ちょんちょん」といったオノマトペ(擬音語)の使い方が特に秀逸です。オノマトペは幼児の言語発達を促すうえで保育でも積極的に活用したい表現技法です。

作曲者の中田 喜直は「めだかの学校」「夏の思い出」「雪の降るまちを」など、誰もが知る名曲を数多く生み出した作曲家です。「かわいいかくれんぼ」は、中田が童謡作曲家としての第一歩を印した記念碑的な楽譜集のタイトルにもなっています。この1曲が彼の出発点でもあったわけです。

参考:中田喜直の童謡作品について詳しい解説があります

なっとく童謡・唱歌 中田喜直の童謡唱歌(個人研究サイト)

かくれんぼの歌・童謡が保育士試験の課題曲に選ばれる音楽的理由

「かわいいかくれんぼ」は、複数回にわたり保育士試験の実技試験課題曲の候補として取り上げられてきた曲です。単なる「かわいい歌」というだけではなく、音楽的な構造の面で幼児教育に適した要素が数多く詰まっています。ここが案外知られていないポイントです。

まず音階の特徴として、この曲は主に5つの音(ド・レ・ファ・ソ・ラ)を中心に構成されています。音楽理論でいう「ペンタトニック・スケール」に近い構造で、幼児が音の高低を認識しやすく、無理なく歌える音域に収まっています。子どもが自然と口ずさめる要因のひとつです。

次にリズムの特徴です。「ひよこがね」「おにわでぴょこぴょこ」の部分には、いわゆる「タッカのリズム」と呼ばれる付点のリズムが使われています。これは体を自然に揺らしたくなるリズムで、幼児が感覚的に音楽を楽しめる仕掛けになっています。保育士が弾き歌いをする際も、このリズムを意識すると子どもの反応が変わります。

さらに注目すべきは音の跳躍です。「ひよこがね」の「ひよこが」の部分は「ド」から「ファ」へ4度上がる跳躍があります。このような音のジャンプが含まれることで、聴く側の耳に程よい刺激を与え、音感を育む教材としての価値が高まります。難しすぎず、ちょうどよい挑戦が条件です。

保育士実技試験での弾き歌いにおいては、ヘ長調で演奏するパターンが多く見られます。「シ♭(フラット)」に注意が必要な点として、試験直前に確認しておきたいポイントです。音楽理論の基礎が確認できる教材として、楽器店や保育士専門スクールの教材が役立ちます。

参考:保育士実技試験課題曲の過去の演奏動画まとめ

【演奏動画】保育士試験実技課題曲まとめ2016年度〜(島村楽器)

かくれんぼの歌・童謡を保育で歌うときの子どもへの発達効果

「かくれんぼ」の歌を歌ったり遊んだりすることで、子どもたちにはさまざまな発達効果が生まれます。保護者への説明や、保育計画の立案時に根拠として使える情報をまとめます。

まず、言語発達への効果があります。「かわいいかくれんぼ」に登場する「ぴょこぴょこ」「ちょんちょん」「よちよち」といったオノマトペは、子どもの語彙を豊かにするうえで非常に有効です。言語習得の研究では、オノマトペは幼児が新しい言葉を覚える際の「橋渡し」として機能することが示されています。繰り返し歌うことで自然に記憶されます。

次に情緒の安定です。「もういいかい」「まあだだよ」という文部省唱歌「かくれんぼ」の掛け合いは、やりとりの楽しさを歌を通して体験させてくれます。鬼に見つかったときのドキドキ、見つかったときの達成感、これらの感情体験が心の発達を支えます。

空間認識能力への効果も見逃せません。実際のかくれんぼ遊びでは、「どこに隠れれば見えないか」「どの方向から探してくるか」を考える必要があります。これが自分を中心として周囲の空間を把握する力(空間認識能力)を育てると言われています。さらに、自分の体の大きさを空間に当てはめる身体認識も同時に鍛えられます。

社会性の育成も重要なポイントです。かくれんぼでは、ルールの理解・役割の交代・相手の気持ちを想像するという3つの社会的スキルが自然に求められます。3歳頃からルールのある遊びを通してこうした力が育まれ始めます。保育の「ねらい」として「友達と協力して遊ぶ楽しさを知る」を設定しやすい遊びです。

忍耐力を育む側面もあります。鬼は最後の一人まで探し続け、隠れる側は息をひそめて待ち続ける。この両方に忍耐が求められます。「諦めずにやり遂げる経験」は、幼児期に積み重ねることで自己効力感につながります。

参考:かくれんぼ遊びの発達効果の詳細

かくれんぼ遊びを子どもと一緒に楽しもう!歴史や遊びの効果(旭川ふたば幼稚園)

かくれんぼの歌・童謡を保育でもっと活かす:バリエーションと独自活用アイデア

「かくれんぼ」の歌を毎回同じように歌うだけでは、子どもたちが飽きてしまうこともあります。歌のポテンシャルをもっと引き出す活用のバリエーションを知っておくと、保育の引き出しが増えます。

まず手遊びとしての活用です。「かわいいかくれんぼ」は手遊び歌としても広く親しまれており、振り付き動画が多数公開されています。ひよこ・すずめ・子犬と3番で動物が変わるため、それぞれ異なる手の動きをつけることで、子どもが繰り返し楽しめる構造になっています。1番ごとに担当の動物を変えてグループで歌うアレンジもおすすめです。

次にペープサートとの組み合わせです。保育者養成校の研究でも、「かわいいかくれんぼ」はペープサートで動物たちがかくれんぼをする様子を表現しやすく、幼児の想像力かき立てる要素があることが指摘されています。厚紙で作った動物キャラクターを使って歌いながら「あ、しっぽが見えてるよ!」と保育士が演じると、子どもたちの笑いと集中が一気に高まります。

「かくれんぼ」の歌を起点にした発展活動として、「逆かくれんぼ」や「宝探しかくれんぼ」なども活用できます。逆かくれんぼは鬼が隠れて全員で探す遊びで、3人以上いれば成立します。宝探しかくれんぼはぬいぐるみを隠して子どもに探させる形式で、2人でも遊べるため少人数クラスや家庭との連携にも応用できます。

独自の保育活用として、「かわいいかくれんぼ」の3番の動物を子どもたちが自分で決める「オリジナルかくれんぼソング」を作る活動も有効です。「こうもりがね どうくつで ふらふら かくれんぼ」など自分で歌詞を考えることで、語彙力・創造性・音楽表現力が同時に育まれます。4〜5歳クラスの言語活動として指導案に組み込みやすいです。

「かわいいかくれんぼ」には文化庁が選定した「親子で歌いつごう日本の歌百選」にも収録されており、次世代への伝承が期待されている名曲です。これは使えそうです。

参考:保育でのオノマトペ活用や歌唱活動の参考に

かわいいかくれんぼ 歌詞と解説(worldfolksong.com)

いないいないばあっ! ふゆのコンサート