保育士の弾き歌い指導・歌の上達コツと練習手順

保育士の弾き歌い指導で歌をマスターする実践ガイド

音程を外すと子どもが落ち着きをなくすと、保育現場の研究報告に書かれています。

🎵 この記事でわかること
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弾き歌いはピアノより「歌」が主役

弾き歌い指導で最初にマスターすべきは演奏ではなく歌。歌が土台にないと子どもはついてこられません。

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練習は「歌→片手→両手」の順番が鉄則

いきなり両手で弾き歌いを試みると挫折しやすく、段階を踏むことで確実に上達できます。

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喉のケアを知らないと声帯ポリープのリスクあり

保育士は歌声を酷使する職業。正しい発声法と喉ケアを身につけることが長期的なキャリアを守ります。

保育士の弾き歌い指導でまず「歌」から始めるべき理由

 

弾き歌いと聞くと、多くの保育士はピアノの演奏技術を磨くことを最優先に考えがちです。しかし実は、弾き歌い指導の核心は「歌」にあります。近畿大学九州短期大学の研究報告(2024年)でも明確に示されているように、保育現場の先生の音程が不安定だと子どもたちが戸惑い、落ち着きがなくなるという声が現場から上がっています。

つまり歌が基本です。

ピアノの音が多少乱れても、保育士が自信を持ってはっきりとした歌声を響かせていれば、子どもたちは歌のテンポや音程を自然につかんでいきます。逆に、ピアノを正確に弾いていても、歌声が小さかったり音程がふらついていたりすると、子どもはどこに合わせればいいか迷ってしまいます。

弾き歌いの出発点として、まず手放したい思い込みがあります。「演奏ができれば歌はついてくる」という発想です。実際には、歌詞をきちんと覚えていないまま演奏に臨むと、頭が分散して両方とも不完全になります。試しに今すぐ鼻歌でいくつかの童謡を歌ってみてください。歌詞がスラスラ出てくる曲と、途中で「あれ?」となる曲があるはずです。

歌が条件です。まず歌だけを徹底して覚えることが、弾き歌い上達の最短ルートになります。

練習の段階 内容 ポイント
第1段階 歌を完全に覚える 歌詞・音程・リズムを全て暗唱できるレベルに
第2段階 右手メロディ+歌 口の動きと手の動きが連動しやすく取り組みやすい
第3段階 左手伴奏+歌 左手に意識を向けながら歌を止めない練習
第4段階 両手+歌(2小節単位) 小節ごとに繰り返し、つなげていく

保育士試験実技試験(音楽)を例に挙げると、試験官が評価する観点の一つは「はっきりとした歌声で歌えているか」という点です。音楽のスペシャリストである試験官よりも、子どもの反応の方が正直です。どれだけ演奏が上手でも、歌声が聞こえなければ子どもは歌ってくれません。歌が主役という意識は、試験対策であれ現場の指導であれ、共通して有効な土台です。

参考:保育士実技試験のピアノ・弾き歌い対策情報(アミーズミュージック)

保育士実技試験受験生必見!ピアノは弾き歌いです 実は歌が大事なんです | アミーズ音楽教室|千葉市 海浜幕張 ぐんぐん楽しく上達できて自信がつくピアノ・ボーカル・ヴァイオリン・話す声のボイトレ  幕張ベイタウン・ベイパーク
こんにちは、千葉市海浜幕張のピアノ・ボイトレ アミーズ音楽教室 主宰の安藤歩です。保育士実技試験受験生にお伝えしたいこといよいよ保育士実技試験が10日後に迫ってきましたね。ここで受験生のあなたに思い出してほしいことがあります。それは弾き歌い...

保育士の弾き歌い練習で音程・発声を整えるコツ

「歌は好きだけど音程に自信がない」という保育士は少なくありません。正しい音程で歌えない原因は大きく二つに分かれます。一つは発声技術の問題、もう一つは音程感覚の欠如です。近畿大学九州短期大学の中野亮子氏の研究(2024年)では、保育士養成校の学生25名を対象に音程感覚の調査を実施し、音程の高低を正しく知覚できなかった学生が4名いたことを報告しています。

意外ですね。音程感覚があっても、それが必ずしも正しい歌唱に直結するわけではない、というのが研究の興味深い点です。

発声の問題がある場合、最初に取り組むべきは「腹式呼吸」の習得です。保育士向けのボイストレーニング指導でも、腹式呼吸は喉への負担を減らし、声帯への直接的な圧力を下げる最優先事項として挙げられています。具体的な練習方法として、少し前傾みになってお腹に手を当て、息を吸ったときにお腹が膨らみ、声を出すときにお腹がへこむ感覚を身につけます。

音程感覚の問題がある場合は、歌詞を外してラララやハミングだけで歌う練習が有効です。歌詞に意識を取られず、音の高低だけに集中できるためです。また、片耳を軽く押さえながら歌うと自分の声が聞こえやすくなり、音程のずれに気づきやすくなります。これなら問題ありません。

  • 🎵 ハミング練習:口を軽く閉じて眉間あたりがビリビリ振動する感覚を探す。声を共鳴させるポジションを見つけると自然と声量が増します。
  • 🎵 ラララ歌い:歌詞を取り除いてメロディのみを口ずさむ。音程の「迷子」がなくなり、正確な音高を再現しやすくなります。
  • 🎵 片耳押さえ練習:片方の耳を手で軽く塞いで歌う。自分の声が頭蓋骨を通じて聞こえ、音程のブレを自覚しやすくなります。
  • 🎵 階段イメージ:音程の跳躍箇所を「階段の段数」に例えて覚える。「ミからソは2段上がる」など視覚的にイメージすると習得が早いです。

子どもが自然にきれいな声で発声できる音域は「ミ・ファ・ソ・ラ」の音階といわれています。選曲の段階からこの音域を意識することも、弾き歌い指導を楽にする工夫の一つです。

参考:保育士の歌の悩みをズバッと解決!ボイストレーナーが練習のコツを解説(保育IS)

保育士の歌の悩みをズバッと解決!ボイストレーナーが練習のコツを伝授|保育士・幼稚園教諭のための情報メディア【ほいくis/ほいくいず】
「スグ簡単に遊べる音楽」作品を発表しているミュージシャン&ピアノ講師で元保育士の藤本ちかさんによるコラム。今回は、歌に自信がない方も必見! おうちで簡単にできるボイストレーニングのコツをプロに取材します。

保育士が弾き歌い指導で行う子どもへの歌の教え方ステップ

いざ子どもへの歌の指導場面になると、弾き歌いそのものとは別の技術が求められます。どんなに保育士自身の弾き歌いが上達していても、子どもの興味を引き出せなければ歌の活動は機能しません。

導入の場面では、まず保育士が「楽しそうに歌ってみせる」ことが最初のステップです。子どもは大人の感情に非常に敏感で、保育士が義務感でピアノに向かっていると、その雰囲気がそのまま伝わります。これは使えそうです。

具体的な指導の流れとしては、まず保育士がお手本として一度歌い、次にサビから子どもと一緒に練習するのが効果的です。サビはメロディの特徴が最も際立つ部分で、子どもが最も覚えやすいという性質があります。サビへの親しみができてから、1番・2番と全体に広げていきます。

  • 🎶 選曲のポイント:子どもが自然に発声できる「ミ・ファ・ソ・ラ」の音域を中心にしている曲、アップテンポでリズムが明確な曲が向いています。
  • 🎶 導入の工夫:ペープサートや絵カードを使って歌詞のイメージを広げてから歌に入ると、歌詞の覚えが早くなります。
  • 🎶 歌い方の声かけ:「大きな声で」と言うとがなり声になりがちです。「お口をしっかり開けて」「まあるい優しい声で」という声かけに変えることで、喉に優しい発声を促せます。
  • 🎶 難しい箇所の扱い:歌声が小さくなる部分を見逃さず、そこだけ繰り返し練習します。ゆっくりのテンポでお手本を見せてから、徐々にテンポを戻す方法が有効です。

また、楽譜通りに両手フル伴奏で弾かなくてはならないわけではありません。右手でメロディだけ弾きながら歌う形でも、子どもはしっかりついてきます。音楽専門家の視点でも「ピアノ発表会ではないので、楽譜通りに正確に弾くことが全てではない」という考え方は広く共有されています。つまり歌の充実が優先です。

参考:保育園での歌の教え方・指導ポイント(保育士就職)

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保育士の弾き歌いに向いている歌の選び方と季節の定番曲

弾き歌い指導の質を高めるうえで、曲選びは思っている以上に重要です。同じ練習時間でも、弾き歌いしやすい曲を選べば上達のスピードが大きく変わります。

弾き歌いに向いている曲の条件を整理すると、伴奏パターンが単純で繰り返しが多いこと、音域が狭くてテンポが安定していること、歌詞のリズムがシンプルで覚えやすいことが挙げられます。

  • 🌸 かえるの歌(通年):コードの変化が少なく、左手の動きが最小限で済む入門的な1曲。輪唱にも応用できるため、年長クラスへの発展的な指導にも使えます。
  • 🌸 キラキラ星(通年):フランス民謡をもとにした世界的な定番曲。コードがC・F・G7の3種類に集約されるため、コードネーム奏の練習にも最適です。
  • 🌸 チューリップ(春):4月の入園・進級シーズンの定番。ゆったりしたテンポと単純なメロディラインが、ピアノ初心者の弾き歌いにも適しています。
  • 🌸 たなばたさま(夏):七夕行事に合わせた季節の歌として毎年登場する定番曲。比較的音域が狭く、弾き歌いしやすい部類に入ります。
  • 🌸 むすんでひらいて(通年):手遊びと組み合わせられ、乳児クラスから幼児クラスまで幅広く使えます。伴奏の難易度も低く、ピアノが苦手な保育士にも取り組みやすい1曲です。

コードネームを活用した「ベース音だけ伴奏」という方法も、現場では広く使われています。例えばCコード(ドミソ)なら左手はドだけ、G7なら左手はソだけを弾くというシンプルな奏法です。楽譜に書かれたコードネームが読めれば、複雑な左手伴奏に悩まなくて済みます。これなら違反になりません。ピアノが苦手な保育士でも実践できる即効性の高いアプローチです。

なお、子どもが「ゆっくりした曲より速い曲が楽しい」と感じる傾向があることも選曲時に意識しておきたいポイントです。明るくノリのよい曲を選ぶことで、子どもの歌への意欲が自然に高まります。

保育士の弾き歌い指導で見落とされがちな喉ケアと発声習慣

弾き歌い指導を長く続けていくうえで、見落とされがちなのが喉のケアです。保育士は一日を通じて大きな声で話したり歌ったりする機会が多く、声帯への負担が蓄積しやすい職種です。声枯れは保育士の職業病の一つとも言われており、悪化すると声帯結節(声帯にできるいわゆる「たこ」)や声帯ポリープへ進展するリスクがあります。

痛いですね。しかし日常的なケアと正しい発声習慣で、そのリスクを大きく下げることができます。

まず発声の面では、胸や喉だけで声を出す「浅い発声」を避けることが最優先です。腹式呼吸を使ってお腹から声を出す習慣をつけると、声帯への直接的な圧力が軽減されます。同時に「鼻腔共鳴」を意識すると、少ない力で遠くまで通る声が出るようになります。眉間の間にハミングで振動を感じる練習が、その感覚を得るのに効果的です。

  • 💧 こまめな水分補給喉の潤いを保つことが声帯の保護に直結します。冷たすぎる水や熱すぎる飲み物は逆に喉に負担をかけるため、常温または少し温かい飲み物が推奨されています。
  • 💧 休日は喉を休める:声帯は筋肉と粘膜から成る繊細な器官です。休日に積極的に声を出さない時間を作ることが、翌週の声の質に影響します。
  • 💧 就寝時のマスク着用:口呼吸による乾燥は就寝中に進みやすいです。マスクや加湿器で喉の湿度を保つことが、声帯ケアの基本となります。
  • 💧 発声前のウォームアップ朝の保育開始前に軽いハミングや唇をブルブルふるわせる「リップトリル」を行うだけで、声帯への急激な負担を減らせます。

喉のトラブルが深刻化する前に、「声がいつもより出にくい」「かすれが続く」と感じたら耳鼻咽喉科への受診を検討するのが大切です。声帯ポリープや声帯結節は早期発見・早期対処で回復しやすくなります。弾き歌い指導を長く続けるためにも、喉は資産として日頃から守っていく意識が必要です。

参考:保育士の声枯れ対策・原因と即効対処法(保育士バンク)

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参考:保育者の歌声に求められる「声質」に関する実験的研究(ヤマハ音楽振興会)

https://www.yamaha-mf.or.jp/shien/report/2013/shimada03.html

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