えんかわ 歌から広がるわらべうたと手遊びの保育実践
ピアノが上手に弾けなくても、わらべうたを正確に歌えなくても、子どもの愛着形成には関係ありません。
えんかわ 歌とわらべうたの基本:童謡との違いとは
「えんかわ」という言葉を聞くと、縁側でのんびり過ごす日本の原風景が浮かぶ方も多いでしょう。縁側は、昔の子どもたちが集まり、歌いながら遊んだ場所でもありました。そうした場所や日常の遊びの中から生まれた歌が「わらべうた」であり、えんかわ 歌もその流れをくむ伝承遊び歌の一つです。
わらべうたと童謡には、明確な違いがあります。童謡は「ぞうさん」「チューリップ」のように、大人が子どものために作詞・作曲した曲です。一方、わらべうた(えんかわ 歌を含む伝承的な遊び歌)は、作者が明らかではなく、地域の子どもたちの間で口から口へと伝えられてきました。つまり著作権が存在しないのが原則です。
これは保育士にとって大きなメリットになります。
市販の音源や楽譜を使わなくても、自由にアレンジして歌えます。地域によって歌詞やメロディーが少し違う場合もありますが、それは「間違い」ではありません。シュタイナー教育の研究者・名古屋短期大学の山下直樹教授も「わらべうたには厳密なルールがなく、環境や風土に合わせて自由に楽しむもの」と述べています(参考リンク参照)。
歌詞を少し変えたり、テンポを遅くしたりと、クラスの子どもたちに合わせて自由にカスタマイズできる点が、えんかわ 歌やわらべうたの最大の魅力です。これが条件です。
また、わらべうたは日本語のアクセントに合った自然な音階で作られています。子どもにとって聞き取りやすく、覚えやすいというのも大切なポイントです。保育の現場で「歌ってみたいけれど難しそう」と感じている保育士ほど、実はわらべうたに向いているかもしれません。
「わらべうた」が子どもの発達を左右する!?保育学・心理学的視点から見た、伝承遊びの効果とは(マイナビ保育士)
―わらべうたが子どもの4つの感覚(触覚・生命感覚・運動感覚・平衡感覚)に与える影響を専門家が解説
えんかわ 歌のねらい:発達を育む4つの感覚とふれあいの力
えんかわ 歌・わらべうたを保育に取り入れるねらいは、単に「楽しく遊ぶ」だけではありません。子どもの発達に深く関わる、科学的な根拠があります。
名古屋短期大学の山下直樹教授によると、わらべうたは「触覚」「生命感覚」「運動感覚」「平衡感覚」という4つの感覚を育む効果があります。この4つは、子どもの発達の土台となる感覚です。
まず「触覚」についてです。抱っこやくすぐり、手に触れながら歌うふれあい遊びは、親子・保育士と子どもの間に安心と信頼を育みます。0〜1歳の乳児期において、この安心感は情緒の安定に直結します。「いっぽんばしこちょこちょ」のように手のひらをなぞる歌は、その典型例です。
次に「生命感覚」です。朝の会で毎日同じ歌を歌う、食事の前に決まったわらべうたを歌うなど、日常のリズムに歌を組み込むことで、子どもの自律神経が整いやすくなります。いいことですね。
「運動感覚」については、体を動かしながら歌を歌うことで、自分の体の大きさや動かし方を子ども自身が学びます。関節や筋肉のコントロール力が自然と身につくのです。4〜5歳になると、なわとびに合わせて歌う「ゆうびんやさん」のような集団遊びへと発展します。
最後の「平衡感覚」は、膝の上で揺らしながら歌う「うまはとしとし」のような遊びで育まれます。前後・上下・左右の動きを通して、外部空間と自分との位置関係を感じ取る力が育ちます。
この4つの感覚を育む、という具体的な視点を持つだけで、保育士の歌の選び方やクラスでの取り入れ方が変わります。「今日はこの子にふれあいの時間を作ろう」という意識が生まれるでしょう。
乳児が楽しめるわらべうた遊び!ねらいや人気のうた一覧(保育士バンク!コラム)
―0歳〜2歳向けわらべうたのねらいと具体的な曲リストを網羅した参考記事
えんかわ 歌の遊び方:年齢別おすすめ歌詞と活用シーン
えんかわ 歌・わらべうたを実際の保育に活かすには、子どもの年齢・発達段階に合った曲選びが重要です。ここでは年齢ごとにおすすめの歌と遊び方の実践ポイントを紹介します。
0〜1歳:一対一のふれあいが中心 🍼
この時期の赤ちゃんにとって、保育士の声と肌のぬくもりが最大の遊び道具です。大人数で一斉に歌うより、1〜3人で膝を合わせて歌う形が最も効果的です。
| 歌のタイトル | 遊び方のポイント | 育む感覚 |
|---|---|---|
| おせんべやけたかな | 子どもの手のひらを優しく触れながら、ゆっくりと歌う | 触覚・生命感覚 |
| いっぽんばしこちょこちょ | 手のひら→腕→こちょこちょと展開。最後の笑顔を楽しむ | 触覚・運動感覚 |
| うまはとしとし | 膝の上に乗せ、歌に合わせてゆっくり揺らす | 平衡感覚 |
| ぼうずぼうず | 頭をなでながら歌い、子どもとアイコンタクトをとる | 触覚・愛着形成 |
短い歌詞が多く、繰り返しの構造になっているので、保育士自身も楽に覚えられます。
2〜3歳:友だちとつながる遊びへ 👫
2歳を過ぎると「友だちと一緒に遊びたい」という気持ちが芽生えてきます。この時期には、2人で向かい合って遊ぶ歌や、みんなで手をつないで動く遊びが向いています。
- なべなべそこぬけ:2人で手をつなぎ、腕の輪っかをくぐる。全身の柔軟性が高まります
- おちゃをのみに:向かい合ってお辞儀しながら歌う。新学期のクラス馴染みにも最適
- ひらいたひらいた:輪になって花が咲く動きを表現。体で言葉の意味を覚えられます
この時期は「同じ遊びを何度も繰り返したい」という気持ちが強い時期でもあります。繰り返しの要求には積極的に応えましょう。これが原則です。
4〜5歳:集団遊び・数え歌・鬼ごっこへ 🎯
4〜5歳になると、ルールのある集団遊びを楽しめるようになります。わらべうたは、こうした遊びの進行役にもなります。
- はないちもんめ:2チームに分かれた伝統的な集団遊び。協調性・コミュニケーション力が育ちます
- いちわのからす:1から10まで数を数えながら歌う数え歌。なわとび遊びとの相性も抜群
- おちゃらかほい:じゃんけんと歌を組み合わせた遊び。勝ち・負け・あいこの感情処理の練習にも
また、5歳児クラスでは子どもたち自身がリードして遊べるようになります。保育士は少し引いて見守る形が、自主性を伸ばします。
―0歳〜5歳まで、年齢別わらべうたの遊び方と動画付き解説
えんかわ 歌の弾き歌い:ピアノが苦手な保育士でも使える実践法
「えんかわ 歌をはじめ、わらべうたを歌いたいけれどピアノが弾けない…」と感じている保育士は少なくありません。でも、実はわらべうたと伝承的な遊び歌は、ピアノ伴奏がなくても成立します。これは使えそうです。
保育士試験の音楽実技では「弾き歌い」が求められます(2025年度課題曲:「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」「証城寺の狸囃子」)。しかし、実際の保育現場での日常の歌は、ピアノの技術よりも「子どもに向けて歌う温かい声」のほうが重要とされています。
実際、東京未来大学の資料でも「最近はオーディオ機器を活用する園も増えている」と記載されており、ピアノを弾かない保育士が現場にいることは珍しくなくなっています。
そこで、ピアノが苦手な保育士のための実践ポイントをまとめます。
🎤 声だけで歌う際のコツ
| ポイント | 具体的な方法 |
|---|---|
| テンポをゆっくりに | 楽譜の速度より少し遅めに歌うほうが、子どもは聞き取りやすい |
| 音程より表情 | 多少音程がずれても、笑顔と視線のほうが子どもには伝わる |
| 繰り返しを大切に | 同じ歌を3〜5回繰り返すことで、子どもが安心して歌に入ってくる |
| 手拍子を活用 | 伴奏の代わりに手拍子でリズムを刻む。音楽的にも十分機能する |
また、ピアノの弾き歌いを少しずつ練習したい保育士には、「保育士向けの簡単伴奏楽譜集」がおすすめです。バイエル修了程度のレベルで弾けるよう編曲された楽譜集が複数出版されており、わらべうたを含む保育定番曲をカバーしています。ピアノの鍵盤に慣れる、というのが最初の一歩になります。
重要なのは「正確な演奏」ではなく「歌を通じた子どもとの関係づくり」です。音程や伴奏の正確さにこだわりすぎると、むしろ子どもへの視線が減り、ふれあいの質が下がることがあります。この点は専門家も指摘しています。
山下先生も「正しいかどうかなんて気にせず、思うがまま自由に歌ってください」と述べています。保育の歌においては、完璧な演奏よりも、目の前の子どもに届く歌声のほうが価値があります。
―保育士試験の弾き歌い対策に、無料楽譜と動画解説が掲載された実践的なページ
えんかわ 歌で保育が変わる:独自視点「声の温度」が愛着形成を決める
ここで一つ、保育士向けの情報としてあまり語られない、独自の視点をお伝えします。それは「声の温度」という概念です。
現在、多くの保育園でCDやスマートフォンの音楽を流す形で歌の時間を設けているケースが増えています。手軽で便利な方法ですが、一つ見落とされているポイントがあります。乳幼児の愛着形成(アタッチメント)において、音楽そのものより「誰が歌っているか」が非常に重要だということです。
発達心理学の研究では、生後6ヵ月の赤ちゃんでも、録音された歌声と目の前で生きた人間が歌う声を聴き分けることが示されています。生の声には、呼吸・体温・視線・表情・わずかな揺れが伴います。これらが複合的に赤ちゃんの安心感を形成するとされています。これは意外ですね。
えんかわ 歌・わらべうたは、まさにこの「生の声での歌いかけ」を前提として作られた遊び歌です。楽器も録音も不要で、保育士の声と手があれば完成します。
具体的に言うと、「ぼうずぼうず」という短いわらべうたをスマホ音源で流した場合と、保育士が子どもの目を見ながら直接歌いかけた場合では、子どもの脳内で起きていることが異なります。後者のほうが、オキシトシン(愛着ホルモン)の分泌量が多くなるという研究報告もあります(参考:植草学園大学・乳幼児わらべうた論文)。
「歌が下手だから」という理由でスマホ音源に頼りがちな保育士ほど、実は子どもに与える影響が大きい実践を手放しているかもしれません。これがデメリットにつながります。
また、保育士自身の精神的な側面からも利点があります。子どもと向き合い、直接声で歌うことで、保育士自身も「今、この子と一緒にいる」という存在感が生まれます。忙しい保育現場の中で、数分でも「ふれあいの時間」として意識した歌の時間を設けることは、保育士のバーンアウト予防にもつながるという報告があります。
声の温度とは、音程や技術ではなく、「この人は私を見てくれている」という感覚を子どもに届けるものです。えんかわ 歌が長い時代を超えて伝わってきた理由は、そこにあるのかもしれません。
保育におけるわらべうたの教育的効果(北海道・聖ロクス学園大学研究紀要)
―5歳児4園のわらべうた遊びを観察・声紋分析し、日本語リズムや旋律構造の教育的効果を論じた学術論文
えんかわ 歌の実践アイデア:保育の中への取り入れ方とタイミング
「わかった、やってみよう」と思っても、実際にえんかわ 歌・わらべうたをどのタイミングでどう取り入れるかで悩む保育士は多いはずです。ここでは、保育の流れの中で無理なく歌を組み込む具体的なアイデアを紹介します。
🌅 朝の会に取り入れる
朝の会は、わらべうたを習慣化する絶好のタイミングです。毎日同じ歌を歌うことで、子どもたちは「今日も始まる」という安心感を持ちます。特に月曜日など、生活リズムが崩れやすい日には、おなじみのわらべうたが気持ちを落ち着かせる効果があります。
おすすめは「ひらいたひらいた」や「ぐるりとまわれ」など、体の動きと歌が連動するもの。朝から体を軽く動かすことで、子どもたちの目が覚めます。
🍱 給食・おやつの前に取り入れる
食事の前後は子どもたちが落ち着かない時間帯でもあります。短いわらべうたを1〜2曲歌うことで、気持ちをリセットし、食事の空間に意識を向けさせることができます。「おせんべやけたかな」の発展版として、おにぎりやパンなど食べ物にちなんだ即興歌詞を加えても楽しいです。
💤 お昼寝前に取り入れる
乳児クラス(0〜2歳)のお昼寝前は、わらべうたの重要なシーンです。子どもを膝に抱きながら、ゆったりとしたテンポで歌いかけることで、眠りに入る準備が整います。「ねんねんころりよ」などのこもりうたはその代表例ですが、保育士が独自にアレンジした歌でも構いません。子どもに聞こえる声でそっと歌いかけるだけで十分です。
🌿 自由遊びの時間に取り入れる
一斉保育の場面だけでなく、自由遊びの時間に1〜3人の子どもと個別に遊ぶ形が最も効果的だと専門家は指摘しています。特定の子どもと一対一でわらべうたを楽しむことで、その子の情緒の安定や保育士への信頼感が明確に高まります。他の子が「私もやりたい!」と集まってくることも多く、自然な形で遊びが広がっていきます。
📅 季節や行事と結びつける
わらべうたや伝承遊び歌には、季節に関連した歌詞が多く含まれています。春には「たんぽぽたんぽぽ」、秋には「いもむしごろごろ」など、その季節の自然や出来事と結びつけて歌うことで、子どもの五感の発達にもつながります。また、伝統行事(節分・七夕など)にちなんだわらべうたを取り入れることは、日本の文化への理解を育むうえでも有効です。
わらべうたを特別な活動としてではなく、日常の保育の中に自然に溶け込ませる、ということが基本です。週に1回の「わらべうた遊びの時間」を設けるより、毎日のちょっとした場面で繰り返し歌うほうが、子どもへの定着度がはるかに高くなります。
―保育士試験対策から実際の保育への活用まで、年齢別おすすめわらべうたをまとめた実用的な記事


