お弁当箱の歌の歌詞「おにぎりを握り」を保育士が正しく知る
「おにぎりを握り」と子どもに教えると、その子が一生その歌詞を信じたまま育ちます。
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お弁当箱の歌の正しい歌詞「おにぎりおにぎり」が正解
「おにぎりを握り」という歌詞は、2011年10月に2ちゃんねる(現5ch)の投稿が起源とされるデマです。そのスレッドでは「こっちが正しいんじゃないか?」という仮説として書かれたに過ぎませんでしたが、それが断定的な「驚き情報」として変質し、SNSで何度も再拡散されています。
正しい歌詞は、「おにぎり おにぎり ちょいとつめて」です。
これは作詞者・香山美子さんが2012年5月17日に自身のホームページで公式に声明を出して明確に否定しています。「おにぎりを握り」という読み方はリズム的にも不自然で、「おにぎり(4音)おにぎり(4音)ちょいと(4音)つめて(3音)」というリズムが崩れます。それだけの根拠があります。
リズムの違いを見てみると、以下のようになっています。
| パターン | 音の配置 | 正誤 |
|---|---|---|
| おにぎり/おにぎり/ちょいと/つめて | 4音・4音・4音・3音 | ✅ 正しい |
| おにぎりを/握り/ちょいと/つめて | 5音・3音・4音・3音 | ❌ 間違い |
リズムで判断すれば一目瞭然です。保育士が子どもたちに教えるとき、誤った歌詞を何年もかけて伝え続けてしまうリスクは決して小さくありません。「どちらでもいい」という問題ではなく、著作権者が公式に否定している情報です。正しい歌詞が条件です。
参考:作詞者・香山美子さんによる公式声明ページ
香山美子のホームページ|「おべんとうばこのうた」の歌詞について
お弁当箱の歌の歌詞がSNSで誤解される理由と保育士が注意すべきこと
「おにぎりを握り」というデマが2011年以降、何度もSNSで蘇る理由は「検証されないまま感染力の高い情報として拡散されやすい」構造にあります。
具体的には、「衝撃!実は知らなかった!」という切り口が感情を刺激し、シェアされやすいのです。意外性のある話ほど、ファクトチェックが飛ばされてしまいます。これは専門家やリテラシーの高い人でさえ例外ではなく、著書を多数持つ著名人でも誤情報を拡散したケースが報告されています。
保育士にとって、これは単なるトリビアの話ではありません。保護者から「先生、歌詞が違いますよ」と指摘されるシーンは十分ありえます。特にSNSが普及した現代では、保護者が検索して確認する機会は増えています。意外ですね。
このデマは2013年・2018年・2023年と少なくとも3回以上の「バブル」を起こしているとされています。つまり、あなたが今後も遭遇する確率は高い情報です。正しい知識を持ったうえで保護者や同僚に落ち着いて伝えられる準備が、保育士としての信頼につながります。つまり「知っておくこと」が自分の信用を守ることです。
参考:このデマの経緯と情報伝播を詳しく分析した記事
【指摘用テンプレ】《おべんとうばこのうた》の歌詞が「おにぎりを握り」というのはデマです|poc39.com
お弁当箱の歌の歌詞の変化「さんしょう」が「さくらんぼ」になった背景
「おにぎりを握り」問題とは別に、歌詞には別の「変化」が実際にあります。それが「さんしょうさん」から「さくらんぼさん」への変更です。これは作詞者による意図的な変更ではなく、NHK「おかあさんといっしょ」でこの歌が取り上げられた際に、子どもへの配慮から置き換えられたと言われています。
原曲は数え歌の構造になっています。にんじんさん(に:2)、さくらんぼさん(さん:3)、しいたけさん(し:4)、ごぼうさん(ご:5)という順番で数字が隠れています。本来「さん(3)」に対応する食材は「さんしょう(山椒)」でしたが、子どもには辛すぎるという理由でさくらんぼに変更されたとされています。意外ですね。
保育現場では「さくらんぼさん」バージョンが現在の主流です。さくらんぼのほうが子どもには親しみやすく、お弁当のデザートとしても自然です。ただし「さんしょうさん」が原曲であることを知っていると、歌詞の数え歌としての論理が見えてきます。数え歌なら問題ありません。
さらに、現代版では「サンドイッチ」バージョンも存在します。おにぎりがサンドイッチに、具材が卵焼き・ウィンナー・から揚げなどに置き換えられたアレンジで、YouTubeやTikTokなどにも多数の動画が公開されています。食の多様化を反映したアレンジとして、子どもたちへの導入に使うのも一つの選択肢です。
お弁当箱の歌の手遊びのねらいと保育への活用のポイント
「おべんとうばこのうた」の手遊びには、保育士として意識したい複数のねらいがあります。大阪芸術大学の研究によれば、手遊び歌は「言葉の発達・数の理解・旋律の記憶・リズムの習得」を助けるとされています。歌いながら手を動かすという行為は、脳の複数の部位を同時に使う高度な活動です。
具体的なねらいは以下のとおりです。
- 🎵 歌への親しみ:メロディとリズムを楽しみ、歌うことへの積極性を育む
- 🥕 食材への関心:にんじん・しいたけ・ごぼう・れんこん・ふきなど、日常的に食べる食材の名前と見た目を覚える
- 🤝 他者とのつながり:保育士や友だちと一緒に歌うことで、楽しさを共有する経験を積む
- 🧠 脳・手指の発達:歌いながら手を動かすことで、手指の巧緻性と脳の血流アップが期待できる
対象年齢は主に2〜5歳児で、日本コロムビアも「2〜4歳児向け」として分類しています。ただし1歳児でもリズムを楽しむことができるため、実質的にはどの年齢でも活用できます。一年中いつでも使える歌です。
参考:大阪芸術大学「保育における手遊びの効果」(研究論文)
お弁当箱の歌の振り付けとテンポ変化で子どもがより楽しめる実践テクニック
保育現場での定番アレンジとして特に効果的なのが、同じ歌詞を使いながらサイズとテンポを変えて繰り返す方法です。たとえば次のように展開できます。
- 🐘 「ゾウさんのお弁当」:大きな動作・ゆっくりテンポで1回目を演じる
- 🐜 「アリさんのお弁当」:小さな動作・速いテンポで2回目を演じる
- 🐶 「○○さんのお弁当」:子どもが好きな動物を選ばせて3回目を演じる
このアレンジの最大のメリットは、同じ歌詞・メロディを繰り返しながらも毎回新鮮な体験を提供できる点です。子どもたちは自分が選んだキャラクターのお弁当を作る「主人公感」を味わえます。これは使えそうです。
振り付けのポイントとして意識したいのが「メリハリ」です。動作は大げさになるくらいはっきりと見せ、子どもが真似しやすくなるよう体全体で表現します。歌う側の表情が明るいほど子どもは引き込まれやすく、「上手に歌えているか」より「楽しそうか」のほうが重要です。歌の上手下手は関係ありません。
また、遠足やお弁当持参の行事前に歌うことで、食材への関心を自然に高める導入としても機能します。「今日のお弁当に何が入ってるかな?」と問いかけてから歌い始めると、子どもたちは自分のお弁当と歌詞を照らし合わせながら聴くようになります。保育のねらいをより深められるアレンジです。
絵本「おべんとうばこのうた」(さいとうしのぶ・絵、ひさかたチャイルド、税込1,100円)は、歌詞と連動した手遊びを視覚的に楽しめるよう構成されています。読み聞かせと手遊びをセットで行うことで、食材の見た目と名前をより自然に記憶できるようになります。
参考:保育士監修の手遊び歌解説・実演動画
お弁当箱の歌の歌詞「おにぎりを握り」問題を保育士が保護者に説明するときの伝え方
保護者から「先生、SNSで『おにぎりを握り』が正しいって見ました」と聞かれたとき、スムーズに対応できる準備が必要です。このやり取りは今後も繰り返される可能性が高く、保育士の知識と信頼が直接試される場面です。
伝え方のポイントは3つに絞れます。
- 📋 作詞者本人が公式に否定している事実を伝える:香山美子さんが2012年にホームページで明確に「おにぎりおにぎりが正しい、おにぎりを握りは間違い」と声明を出しています。個人の見解ではなく著作権者の公式発言であることを伝えると信頼性が上がります。
- 🎶 リズムで体感してもらう:「おにぎりおにぎり(タタタタ・タタタタ)」と「おにぎりを握り(タタタタタ・タタタ)」を実際に声に出してもらうと、前者のほうが自然なリズムになることが直感的にわかります。
- 🔗 情報源を示す:香山美子さんのホームページや、Wikipediaの「おべんとうばこのうた」の記事はJASRACの作品データベースと照合された信頼性の高い情報です。「気になったらこちらで確認できます」と伝えると、押しつけ感なく情報を提供できます。
保護者の多くはSNSで面白い話を見てシェアしただけです。責めるのではなく「それ、私も最初は驚きましたよ」と共感から入ると、会話がスムーズになります。結論は「おにぎりおにぎりが正解」です。
保育士としては、こうした「歌詞のデマ情報」を一つ一つ把握しておくことが、保護者からの信頼を積み重ねる機会にもなります。知識が保護者との対話の入り口になるということですね。日々の保育の質を上げるためにも、歌の背景を深く理解しておくことは確かな強みになります。

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