指の歌の歌詞と保育での使い方まとめ
「おはなしゆびさん」の歌詞を暗記しなくても、指人形を使うと子どもの集中力が3倍以上に跳ね上がります。
指の歌「おはなしゆびさん」の歌詞・全文と作詞・作曲の背景
「おはなしゆびさん」は、作詞:香山美子、作曲:湯山昭によって昭和37年(1962年)に制作された日本の童謡です。NHKラジオ「みんなであそぼう」での放送をきっかけに全国に広まり、60年以上たった今も保育園・幼稚園の定番曲として歌い継がれています。
香山美子さんは「げんこつやまのたぬきさん」「おべんとうばこのうた」「いとまきのうた」でも知られる児童文学・絵本作家で、子どもの心をつかむ言葉選びに定評があります。湯山昭さんは神奈川県出身の作曲家で、「あめふりくまのこ」など多くの童謡を手がけています。この二人のコンビが生み出した「おはなしゆびさん」は、シンプルな繰り返し構造でありながら、音の幅が広く難易度の高い曲という一面も持ちます。
歌詞は以下の通りです。
| フレーズ | 指 | 家族の設定 |
|---|---|---|
| このゆびパパ / ふとっちょパパ / やあやあやあやあ / ワハハハハハハ / おはなしする | 🖐 親指 | ふとっちょなパパ(頼れる存在) |
| このゆびママ / やさしいママ / まあまあまあまあ / オホホホホホホ / おはなしする | ☝️ 人差し指 | やさしいママ |
| このゆびにいさん / おおきいにいさん / オスオスオスオス / エへへへへへへ / おはなしする | 🤞 中指 | おおきい兄さん |
| このゆびねえさん / おしゃれなねえさん / アラアラアラアラ / ウフフフフフフ / おはなしする | 💍 薬指 | おしゃれな姉さん |
| このゆびあかちゃん / よちよちあかちゃん / うまうまうまうま / アブブブブブブ / おはなしする | 🤙 小指 | よちよちな赤ちゃん |
最後は5本の指を全部立てながら家族全員でにぎやかにまとめるフィナーレが続き、子どもたちのテンションが自然とあがります。これが基本歌詞です。
歌詞が短く、何度でも繰り返せる構造になっているのが特徴です。2歳の子どもでもすぐに口ずさめるシンプルさと、それぞれの「キャラクター感」がある擬音(ワハハ・オホホ・エへへ・ウフフ・アブブブ)が、子どもの模倣本能をくすぐります。
参考リンク(歌詞・作詞作曲背景の詳細)。
おはなしゆびさん 歌詞と解説 – worldfolksong.com
指の歌に登場する指の名前の由来と意外な歴史
「おはなしゆびさん」では、5本の指がそれぞれ「パパ・ママ・にいさん・ねえさん・あかちゃん」という家族に見立てられています。実は、この家族的な呼び名の背景には、きちんとした理由があります。知っておくと保育の場で子どもたちへの話しかけが深まるので、ぜひ覚えておきましょう。
- 親指(おとうさんゆび):5本の中で一番大きく、力も強い。道具を握ったり細かい作業をしたりする際に欠かせない指で、「家族の大黒柱=お父さん」のイメージに重なります。
- 人差し指(おかあさんゆび):人や物を指す動作に最も使われる指です。「人差し」の語源そのままで、家庭での中心的な役割を担うお母さんにたとえられます。
- 中指(おにいさんゆび):5本の指のちょうど真ん中にある指。家族の真ん中で元気いっぱいなお兄さんのイメージです。
- 薬指(おねえさんゆび):薬指の由来は「昔、薬を練るときに使った指だから」とされています。独立して動かしにくい構造を持ちながら、おしゃれな指輪をはめる指でもあり、「おしゃれなねえさん」の描写と一致しています。
- 小指(あかちゃんゆび):5本の中で一番小さいことから、「よちよちあかちゃん」にたとえられています。
ここで意外な事実があります。「おとうさんゆびどこでしょう?」という手遊び歌(親指を隠して出す遊び)は英語でも “Father’s finger” と呼ばれており、指を家族に見立てる表現が世界共通の感覚であることがわかっています。
薬指が「おねえさん」に対応するのは偶然ではありません。薬指を独立して動かすのが難しいことが「おしとやかなねえさん」のイメージと絶妙にリンクしている点は、歌詞の深みを感じさせます。子どもたちへの語りかけのネタとしても使えそうですね。
参考リンク(指の名前の由来解説)。
童謡「おはなしゆびさん」歌唱ポイントと指の呼び方の由来 – himawari-song.com
指の歌の年齢別ねらいと導入の仕方【2歳〜5歳対応】
「おはなしゆびさん」のすごいところは、対象年齢が2歳児から5歳児と幅広い点です。ただし、年齢によって子どもの発達段階が大きく異なるため、ねらいと導入の工夫も変える必要があります。年齢別に整理しておくと保育指導案も書きやすくなります。
2歳児では、「指を出す・隠す・触る」という単純な動作を楽しみながら、指先の巧緻性を育てることがねらいになります。「おとうさんはこの指かな?」と保育者が歌いかけながら模倣を誘うのが効果的です。まだ歌詞を全部覚えることは求めず、音とリズムに反応する楽しさを優先しましょう。
3歳児になると、指と家族の対応関係を理解しながら歌えるようになります。模倣力・記憶力を高めることがねらいです。「最後はちいさな小指さん!はずかしがらず出してみよう」と参加を促すと、気恥ずかしさを感じ始める子も引き込めます。
4歳児では、リズムに合わせて速さを調整する活動に挑戦できます。「今度は2倍速でやってみよう!」と変化を加えることで集中力と反射神経が磨かれます。指の動きがスムーズかどうかを意識して観察するのも大切です。
5歳児になると、指人形をつけて役割を演じるなど、創作へとつなげられます。それぞれの指に声色やキャラクターをつけて発表してもらうと、想像力と表現意欲が大きく育まれます。クラス全体の発表会的なアクティビティとしても機能します。
| 年齢 | 主なねらい | 導入のポイント |
|---|---|---|
| 2歳 | 指先の巧緻性・模倣を楽しむ | 保育者が歌いかけ、真似を誘う |
| 3歳 | 指と家族の対応を理解・記憶力 | 参加を促す声かけを工夫する |
| 4歳 | リズム・集中力・反射神経 | スピードアップで変化をつける |
| 5歳 | 表現意欲・想像力の発揮 | 指人形や創作を取り入れる |
参考リンク(年齢別ねらい・振り付き実演動画)。
おはなしゆびさん|まな&ゆうによる振り付き動画 – ほいくnote
指の歌が子どもの脳発達に与える科学的な効果
「指の歌を歌うのは楽しいから」だけではありません。手遊び歌には、子どもの脳発達や言語能力の向上に関わる研究が複数存在します。これを知っておくと、保護者への説明や保育指導案の根拠づけにも活用できます。
鹿児島大学の研究(「幼稚園における手遊び歌に関する実践的研究」)では、音楽に合わせた指先運動が脳を活性化させる効果を持つ可能性が示唆されたと報告されています。手や指は「第二の脳」とも呼ばれており、複雑な動作を行うことで脳への刺激が増大します。
指の歌に代表される手遊び歌が子どもに与える主な効果は次の通りです。
- 🧠 脳の活性化:左右の指をバランスよく動かすことで、右脳・左脳の両方が刺激されます。
- 💬 言語発達の促進:歌詞を口ずさみながら指を動かす「デュアルタスク」が、言語処理に関わる脳領域を鍛えます。
- 🖐 巧緻性の向上:細かい指の動きが手先の器用さにつながり、箸使いや文字書きの土台になります。
- 👀 集中力・観察力の向上:保育者の指の動きを真似しようとする過程で、観察する力が育まれます。
脳の神経発達が著しい乳幼児期に、音楽とリズムと指の動きを組み合わせた手遊び歌を繰り返すことは、非常に合理的な発達支援です。つまり、「楽しく歌っているだけ」で多くの発達課題を同時にカバーできるということです。
保護者への伝え方としては、「指を動かすことで脳が育ちます。お家でも一緒に歌ってみてください」と一言添えるだけで、家庭との連携もスムーズになります。
参考リンク(手遊び歌と脳発達の研究)。
幼稚園における手遊び歌に関する実践的研究 – 鹿児島大学リポジトリ(PDF)
指の歌をさらに盛り上げる!指人形・手袋シアターの活用アイデア
「おはなしゆびさん」の歌詞を歌うだけでも子どもは喜びますが、視覚的な仕掛けを加えると反応がまるで違います。特に有効なのが、指人形と手袋シアターの活用です。これは「何のリスクにも対策できる」のではなく、子どもの集中が切れやすい場面(活動の切り替え・待機時間・誕生会など)で、一気に場を引き締められるという具体的なメリットがあります。
指人形の作り方と使い方
最もシンプルな方法は、各指の第一関節あたりに小さなシールや描いた顔のパーツを貼るだけです。フェルトで5人家族のキャラクターを作って指にはめるタイプは、視覚的インパクトが大きく特に2〜3歳児向けに効果的です。はじめは保育者だけが指人形をつけて演じ、徐々に子ども自身にもつけさせると参加意欲が高まります。
手袋シアターの作り方
手袋の各指に、フェルトや布で作ったキャラクターをボンドや縫い付けで固定します。5本の指にパパ・ママ・にいさん・ねえさん・あかちゃんを配置して、歌いながら該当する指だけを動かして「お話しする」演技をするのが基本的なスタイルです。市販品(手袋シアターキット)もネット通販で3,000〜5,000円程度で購入でき、手作りが難しいと感じたときはそちらも活用してみてください。
アレンジのバリエーション
- 動物家族バージョンに替え歌する(パパ=くま、ママ=うさぎなど)
- スピードを徐々に速くして集中力チャレンジにする
- 「このゆびだーれ?」とクイズ形式にして子どもを引き込む
これは使えそうです。特にスピードアップのアレンジは4〜5歳児が大好きで、自然と「もう一回!」という声が上がります。
誕生会やお楽しみ会での導入としても最適です。手袋シアターを袋や箱から取り出すだけで「何が始まるんだろう?」という期待感が子どもに生まれます。この導入効果は通常の手遊びと比べて特に強力です。
参考リンク(手袋シアターの作り方・ねらい)。
保育に使う手袋シアターとは?おすすめの題材と作り方も紹介 – てぶら登園

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