やぎさんゆうびん 保育園 童謡
やぎさんゆうびん 保育園 童謡 歌詞の導入とことば
「やぎさんゆうびん」は、しろやぎ・くろやぎが“手紙を食べてしまう”ため、用事が分からないまま手紙のやりとりが続く、繰り返し構造の童謡です。作詞はまど・みちお、作曲は團伊玖磨で、1953年にNHKラジオで放送されたとされています。
この「同じことがまた起こる」面白さは、未満児でも“予想して笑える”強い武器になります。歌い始める前に、以下の語を1分だけ確認すると、歌の理解がぐっと上がります。
・「おてがみ」:封筒・はがき・メモでもOK。「誰に」「何を」伝えるかがポイント。
・「よまずに」:読む前に食べちゃった、という“順番のズレ”が笑いどころ。
・「しかたがないので」:困った→じゃあどうする?という問題解決の入り口。
・「ごようじ」:普段の会話ではあまり使わないが、“丁寧な言い方”として紹介できる。
導入の小ネタ(保育者の語り)。
「今日は“読む前に食べちゃう”やぎさんが出てくるよ。手紙って、何のためにあるんだろうね?」と投げると、歌のあとに自然に対話が生まれます。
参考(歌の基本情報・由来の確認に有用)。
歌詞・作詞作曲・放送年などの解説(記事の基礎情報の根拠)

やぎさんゆうびん 保育園 童謡 手遊びのポイント
保育園で扱いやすいのは、「手紙が届く→開ける(読む)→食べる」の動きを、手遊びや簡単な所作で見せる方法です。歌のストーリーが短いので、振りが少しでも入ると、子どもの集中が持ちます。
手遊び(基本形の例)
・「おてがみ ついた」:片手をポストに見立て、もう片手で投函の動き→最後に“届いた”で両手をぱっと開く。
・「よまずに たべた」:手紙を開く“ふり”を一瞬だけしてから、口に運ぶ(食べる)→あえて“読む前”を強調。
・「おてがみ かいた」:空中に指で字を書く(なぞる)。
・「ごようじ なあに」:首をかしげる+両手を軽く上げて「?」のポーズ。
安全面・衛生面の注意(保育園での言い換え)
「食べるまね」は、年齢によっては模倣が強く出るので、0〜2歳では“パクッ”より「しまっちゃった(おなかに入っちゃった)」などの表現に置き換えるのも手です。実物の紙を使う活動を組み合わせる場合は、誤飲につながる小片を避け、厚紙・大型の封筒を使うと安心です。
子どもの反応が鈍いときのテコ入れ
・テンポを落として「よ・ま・ず・に!」を区切って言う。
・一度止めて「今、読む前?読んだ後?」と確認してから続ける。
・“食べちゃった音”を保育者が小さく入れる(意味のある擬音)。
やぎさんゆうびん 保育園 童謡 ごっこ遊びと製作
この童謡は、歌だけで終わらせず「郵便屋さんごっこ」につなぐと、言葉・社会性・数量感覚まで広げられます。手紙の“目的”が分からないという設定は、「伝えるって難しい」「分かるように書く」というテーマにも発展します。
活動アイデア(保育園向け)
・郵便ごっこコーナー。
- ポスト(段ボール)を置く
- はがきサイズの画用紙、シール、クレヨンを用意
- 宛名は「〇〇ぐみ」「しろやぎさん」「くろやぎさん」など、読めなくても運用できる形にする
・配達体験。
- “配達係”を決めて回る(歩行が安定している年齢向け)
- 配達前に「誰から誰へ?」を必ず確認する(コミュニケーション練習)
・言葉あそび。
- 「ごようじ」カードを作る(例:あそぼう/ありがとう/おめでとう)
- 歌の最後に「さっきの手紙のごようじは、これでした!」と“オチ”を子どもが作れるようにする
製作のコツ(簡単で映える)
・ヤギの口が開く仕掛け:紙皿や厚紙で“口がパクパク”するだけで、歌の理解が一気に上がります。
・封筒は“でかい”が正義:A5〜B5くらいにすると、集団でも視認性が高いです。
・色は白黒+赤(封印)程度に抑えると、歌詞理解に直結します。
評価(ねらいの見取り)
・子どもが「読む前に食べた」を言い換えられる(例:「まだ開けてないのに」)。
・やりとりが成立する(渡す→受け取る→返す)。
・繰り返しに飽きる子が出たら、“ごようじ”を付け足してストーリーを更新できる。
やぎさんゆうびん 保育園 童謡 年齢別の援助
同じ歌でも、年齢で“楽しいポイント”が変わります。繰り返しが得意な子もいれば、オチが見えないと不安になる子もいます。以下はクラス運営の観点での調整案です。
0〜1歳児(感じる中心)
・短く:1番の前半だけでも成立します。
・視覚優位:白と黒のヤギ人形(大きめ)だけでOK。
・援助の言葉。
「届いたね」「あーぷん(口)」「なくなっちゃったね」など、短語でテンポを崩さない。
2歳児(まねと“順番”が伸びる)
・「読む→食べる」の順番遊びにする。
・“読む前に食べた”を、あえて大げさにやると爆発的に笑います。
・ただし誤飲模倣が気になる子には、食べる動作を小さくし「かくしちゃった」に寄せる。
3〜4歳児(理由づけ・対話が育つ)
・「なんで食べたの?」を問い、自由回答を歓迎。
・子どもが“ごようじ”を考えて手紙を書く(絵でも可)。
・「困った→どうする?」の問題解決として扱える。
5歳児(表現・構成を作る)
・“ループ”の面白さを言語化できるので、替え歌・劇遊びに向きます。
・例:最後に郵便屋さんが「読んでから食べようね」と提案する第三者視点を入れて、ストーリーを完成させる。
・音楽的には、強弱や間を工夫して“演出”できる年齢です。
実技(ピアノ弾き歌い)を意識する園・先生向けの参考。
課題曲としての要点、1番のみ等の規定、表現の観点(保育士試験の整理に有用)

やぎさんゆうびん 保育園 童謡 独自視点の音楽
保育園の現場では「歌詞がかわいい」「手遊びが盛り上がる」で十分成立しますが、少し踏み込むと“音楽そのもの”の面白さも拾えます。意外な話題として、メロディがチャイコフスキーの交響曲第2番(第4楽章の主題)と似ている、という指摘が紹介されていることがあります。これを知っていると、保育者同士の教材研究や研修での話題として使いやすく、「童謡は子ども向け」だけで終わらない広がりが出ます。
現場での活かし方(子どもへは“難しく言わない”)
・先生同士。
「同じように聞こえるメロディがあるらしいよ」と共有し、音源を聴き比べて“耳のトレーニング”にする。
・子どもへ。
「似てるメロディって、世界のどこかにもあるんだって」と、軽い言い方で“音の世界は広い”に接続する。
・行事のBGM選定。
曲調が軽快なので、郵便ごっこ発表や劇遊びの導入に“同系統の雰囲気”を揃える発想ができる。
この視点のポイントは、「専門知識をひけらかさない」ことです。子どもに必要なのは、難しい背景ではなく、“繰り返しって楽しい”“伝えるって面白い”という体験です。一方で、保育者が背景を少し持つことで、同じ歌を何年扱ってもマンネリ化しにくくなります。


