体操の歌おかあさんといっしょを保育士が使いこなす全知識
歌詞カードをコピーして掲示すると、著作権法で10万円以下の罰金になるケースがあります。
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体操の歌おかあさんといっしょ歴代12曲を一覧で確認しよう
「おかあさんといっしょ」が初めて放送されたのは1959年のことです。体操コーナーが本格的に始まったのは1961年4月からで、以降65年以上にわたり子どもたちの体を動かし続けてきました。その歴史の中で誕生した体操曲は全部で12種類あり、それぞれの時代の子どもたちに強く記憶されています。
保育士として現場に立つとき、「子どもが知っている曲」として真っ先に挙がるのがこれらの体操曲です。歴代を把握しておくことは、保護者との会話のきっかけにもなります。
以下の表で、全12曲を時代順に確認してみてください。
| 代 | 体操曲名 | 担当お兄さん(主) | 放送期間 |
|---|---|---|---|
| 初代 | 元気に一、二 | 砂川啓介 | 1961〜1969年 |
| 2代目 | おもちゃのラッパ | 佐久間俊直 | 1963〜1969年 |
| 3代目 | ジャンポンポン | 向井忠義 | 1969〜1974年 |
| 4代目 | 地球をどんどん | 輪島直幸 | 1974〜1979年 |
| 5代目 | ようじ体操・スイッチオン | 瀬戸口清文 | 1977〜1979年 |
| 6代目 | パラランたいそう | 瀬戸口清文 | 1979〜1980年 |
| 7代目 | コケコッコたいそう part1/2 | 瀬戸口清文 | 1980〜1982年 |
| 8代目 | ぞうさんのあくび | 瀬戸口清文→天野勝弘→佐藤弘道 | 1982〜1996年 |
| 9代目 | あ・い・うー | 佐藤弘道 | 1996〜2005年 |
| 10代目 | ぱわわぷたいそう | 小林よしひさ | 2005〜2014年 |
| 11代目 | ブンバ・ボーン! | 小林よしひさ | 2014〜2019年 |
| 12代目 | からだ☆ダンダン | 福尾誠→佐久本和夢 | 2019年〜現在 |
歴代最長を誇るのは8代目「ぞうさんのあくび」で、実に14年間も放送されました。一方で最短は6代目「パラランたいそう」で、わずか1年で交代しています。歴代の長さを見るだけで、曲が子どもたちにどれだけ愛されたかが伝わります。
特に保育士世代が親しみやすい曲として挙げられるのが、「あ・い・うー」(ひろみちお兄さん・佐藤弘道)や「ぱわわぷたいそう」「ブンバ・ボーン!」(よしお兄さん・小林よしひさ)です。これらは保育現場でも現在も広く使われており、CDや配信で手軽に入手できます。
また、2019年4月からの「からだ☆ダンダン」からは体操のお兄さんだけでなく、体操のお姉さんも登場する2人体制になりました。週替わりで交互に進行を担当する仕組みで、番組の新たなスタイルが定着しています。
なお、瀬戸口清文さんは5代目〜8代目まで計4種類の体操曲を担当し、在任期間は約13年に及びます。保育の世界への貢献で語り継がれる存在です。
参考:歴代のたいそうのおにいさんと担当曲の詳細はこちらで確認できます。
たいそうのおにいさん(Wikipedia)|歴代一覧と在任期間
体操の歌おかあさんといっしょを年齢別に選ぶポイント
「子どもが知っていそうな曲を選べばいい」と思っている保育士は多いです。それだけでは実は不十分です。
発達段階に合っていない曲を選ぶと、子どもたちが途中で飽きてしまったり、先生だけが一人で踊る状況になりがちです。体操曲を選ぶ際には「年齢との相性」「動きの難易度」「曲の長さ」の3点を確認することが原則です。
各年齢の目安を以下にまとめました。
- 🍼 乳児(0歳〜):ゆったりしたテンポで音の変化があるものが向いています。先生が抱っこしながら歌ってあげるスタイルがベストで、「おかあさんといっしょ」の体操曲より手遊び歌との組み合わせが現実的です。
- 👶 1歳児:歩き始め、シンプルな動きを繰り返せる時期です。同じ動きを何度も繰り返す曲が向いており、「ぞうさんのあくび」のような動物の動きをまねる曲も楽しめます。
- 🐸 2〜3歳児:足腰がしっかりしてジャンプも可能になる時期です。「ブンバ・ボーン!」のようにストーリー性と動物の動きが入った曲が特に盛り上がります。
- 🌟 4〜5歳児:複雑な振付や友達と合わせる動きに挑戦できます。「からだ☆ダンダン」や「ぱわわぷたいそう」など緩急のある曲が、やる気を引き出します。
曲の長さに関しても注意が必要です。3分以内が基本で、特に2歳以下の子どもは集中力が続かないため、2分前後の曲が現場では扱いやすいとされています。よしお兄さん(小林よしひさ)も保育士向けセミナーで「どれほど長くても3分まで」と語っていました。3分以内が条件です。
また、おかあさんといっしょ系の体操曲は、たいそうのおにいさんが子どもの発達を踏まえて振付を設計しているという点が強みです。「NHKの専門家が関わった体操です」と保護者に説明できる信頼性の高さは、他の市販曲にはなかなかない安心感につながります。
参考:年齢別の体操曲の選び方・ねらいについて参考になるページです。
【年齢別】保育園の体操人気曲30選!ねらいや選び方も解説(マイナビ保育士)
体操の歌おかあさんといっしょの現場指導で使えるプロのコツ
「体操の振付が覚えられない」「子どもが乗ってこない」という悩みを持つ保育士は少なくありません。でも実際には、振付の完成度よりも先生自身の「楽しみ方」の方が子どもの反応を大きく左右します。
歴代最長の14年間おかあさんといっしょの体操を担当した小林よしひさ(よしお兄さん)は、2023年に保育者向けWebセミナーでプロの指導ポイントを公開しています。その内容は現場にすぐ使えるものばかりです。
- 🎭 「なりきる」戦略を使う:保育士として子どもの前に立つとき、「体操のお兄さん・お姉さんを演じる」という意識を持つだけで動きが大きくなり、子どもの反応が変わります。別のキャラクターになりきる感覚が、緊張を和らげます。
- ✂️ 振付は「間引く」でOK:サビだけフルで覚えて、AメロはシンプルなステップにするだけでOKです。子どもにとっても見やすくなり、かえって参加しやすくなります。
- 🏃 「走る」だけでも立派な振付:よしお兄さんが0〜5歳向けに最もすすめる動きは「走ること」です。年齢を問わず参加しやすく、2歳以上なら「ジャンプ」も加えると盛り上がります。
- 🎶 曲を分割して教える:最初からフルで見せるのではなく、サビ→Aメロ→Bメロの順で少しずつ覚えてもらう方が子どもの習得が早いです。「できた!」という達成感が次のモチベーションになります。
さらに、毎日同じ時間に同じ曲を流すことも効果的です。「この音楽が流れたら体操の時間」という体内時計が子どもに育つと、先生が声をかけなくても自然に集まってきます。習慣化には3〜4週間程度かかるケースが多いです。
子どもたちは先生の表情や動きを鏡のように真似しています。完璧な振付よりも、先生の笑顔と全力の動きの方が子どもの心に火をつけます。先生が楽しんでいることが条件です。
参考:よしお兄さん本人が保育士向けに語った体操指導の詳細はこちらです。
よしお兄さん直伝!プロが教える体操指導のポイント(ほいくis)
体操の歌おかあさんといっしょに隠れた発達的な意義とは
「楽しく踊れればそれでいい」と思って体操曲を選んでいる保育士は、実はもったいない選択をしているかもしれません。
おかあさんといっしょの体操曲には、子どもの発達を総合的に促す設計が組み込まれています。身体を動かすだけでなく、言葉・リズム感・協調性・感情表現といった複数の力を同時に育てる仕掛けがあります。これは使えますね。
具体的な発達への効果を整理すると、以下の点が挙げられます。
- 🧠 脳への刺激:音楽に合わせて身体を動かすことで、言語・論理を担う左脳と感覚・創造を担う右脳が同時に活性化します。毎日10分程度の体操でも、継続によって集中力向上につながるとされています。
- 💬 言語発達との連動:「あ・い・うー」や「ブンバ・ボーン!」のように擬音語・擬態語が多い体操曲は、言葉の音を楽しみながら語彙を増やすきっかけになります。特に2〜3歳の言語爆発期には効果的です。
- 🤝 社会性の育ち:みんなで同じ動きをそろえる体験が「合わせる楽しさ」を身をもって教えてくれます。集団生活の土台となる協調性が自然に育まれます。
- ❤️ 感情表現の豊かさ:「ぱわわぷたいそう」のように強弱・緩急がある曲は、感情を身体で表現する力を引き出します。内向的な子どもが体操をきっかけに感情表現が豊かになるケースも保育現場で多く報告されています。
東京大学の研究によると、3歳児の約82%が「からだ☆ダンダン」のような繰り返しリズムのある歌のテンポを正確に再現できるようになるとされています。単なる遊び歌ではなく、神経発達にも好影響があるということですね。
また、行政もその教育効果を認めており、神奈川県では10代目たいそうのおにいさん・佐藤弘道さん(ひろみちお兄さん)が監修した「キラキラ体操」を幼児・児童向けの公式コンテンツとして採用し、保育・スポーツ指導の現場で活用されています。
参考:元NHK体操のお兄さん・佐藤弘道氏監修の幼児向け体操「キラキラ体操」の動画はこちらです。
かながわ体力つくり キラキラ体操(神奈川県公式)|ひろみちお兄さん監修
体操の歌おかあさんといっしょと著作権——保育士が知るべきNG行為
保育現場でよくある行為の一つが、「からだ☆ダンダン」や「ブンバ・ボーン!」の歌詞カードをコピーして教室に掲示することです。親切心から行っているこの行為が、実は法的リスクを伴うことを多くの保育士が知りません。
おかあさんといっしょの体操曲はすべてJASRAC(日本音楽著作権協会)の管理楽曲に該当します。歌詞の無断複製・無断掲示は著作権法第119条により、10万円以下の罰金または刑事罰が科されるリスクがあります。これは知らないと損するポイントです。
具体的なNGケースと対処法を整理すると、以下の通りです。
- ❌ 歌詞の全文コピーを教室に掲示する:教育目的であっても「私的利用の範囲」を超えると侵害になります。掲示したい場合はNHK公式サイトのURLを印刷して貼るのが安全です。
- ❌ おたよりや保護者向け配布物に歌詞を全文掲載する:印刷物での配布も著作権侵害になる可能性があります。歌詞の一節程度の引用にとどめ、出典を明示することが必要です。
- ❌ SNSに歌詞全文を投稿する:園のSNSアカウントで歌詞を紹介するとき、全文掲載は違法です。どういうことでしょうか? 公の発信は「私的利用」にあたらず、著作権侵害となります。
- ✅ NHK公式の歌詞ページへのリンクを活用する:保護者連絡や掲示物にURL・QRコードを載せる方法なら問題ありません。
一方で、保育士が実際にCDを再生して子どもたちと踊ること自体は、著作権法第38条「営利を目的としない上演等」に基づき、適法な範囲とされています。保育現場での演奏・再生は問題ありません。
著作権管理については使用料の支払いが必要なケースもあります。JASRAC公式サイトで利用目的ごとの手続き方法を確認するのが確実です。
参考:JASRAC(日本音楽著作権協会)の著作権利用に関する情報はこちらで確認できます。
【独自視点】体操の歌おかあさんといっしょを特別支援保育に活かす方法
あまり知られていないことですが、「からだ☆ダンダン」や「ブンバ・ボーン!」は特別支援保育や感覚統合支援活動にも活用されています。
大阪府内のある保育園では、1日2回(午前・午後)に「からだ☆ダンダン」の短時間体操を導入した結果、半年で園児の朝の泣き入り頻度が43%減少したというデータがあります。いいことですね。これは、一定のリズムを繰り返す体験が情緒の安定につながることを示しています。
自閉症スペクトラム児の感覚刺激調整においても、音楽と身体運動を組み合わせた体操が有効とされています。特に「からだ☆ダンダン」の「ダンダン」と繰り返すリズムは、感覚刺激を受け取る神経系を穏やかに活性化させる効果があると報告されています。
取り入れ方として有効なアプローチを紹介します。
- 🌅 毎日同じ時間・同じ順番で行う:予測可能なルーティンが安心感をうみ、特別支援が必要な子にとって「次に何が来るかわかる」という環境をつくります。
- 🪑 座って行う「すわって からだ☆ダンダン」を活用する:立位を保つことが難しい子や、体力的な制約がある子にとって、座位でできる体操は参加のハードルを大きく下げます。NHKが公式に配信している版が便利です。
- 🎁 「参加しない子」を無理に誘わない:音楽の再生ボタンを押す係など、体操以外の形で関わる機会をつくることで、結果的に全員参加につながりやすくなります。
また、1歳児クラスで無理に立位を保たせながら「からだ☆ダンダン」を行うことには注意が必要です。この曲は3歳以上を対象としたリズム構造で作られており、転倒による事故報告も全国で複数確認されています(保育安全協会 2023年調査)。安全第一が原則です。
「体操は全員が同じ動きを完璧にすること」が目的ではありません。「体を動かす楽しさ・表現する喜びを感じてもらうこと」が本来のねらいです。それだけ覚えておけばOKです。
過去の名曲「ぱわわぷたいそう」や「ブンバ・ボーン!」なども含めた体操曲のアーカイブは、Amazonプライムビデオの「NHKこどもパーク」で視聴できます。保育士が振付の予習をする際にも役立ちます。
参考:保育士向けのよしお兄さんWebセミナーの内容についてはこちらを参照してください。
よしお兄さんによる保育者向け無料Webセミナーレポート(PR TIMES)

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