六手連弾楽譜を保育士3人で選ぶ完全ガイド

六手連弾の楽譜を保育士3人で活かすための全知識

ピアノが得意な保育士でも、六手連弾の楽譜選びで失敗すると、本番前夜に3人全員のやる気が消える。

この記事でわかること
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六手連弾の楽譜とは何か

1台のピアノを3人・6本の手で演奏するアンサンブル形式。パート分けの仕組みと楽譜の読み方の基本を整理します。

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保育現場に合った楽譜の選び方

初級〜中級向け曲集の種類と特徴を比較。保育発表会・卒園式・運動会など場面別に最適な一冊を紹介します。

3人で合わせる練習のコツ

譜めくり問題の解決策、パート配置、ペダルの分担まで、保育士が現場ですぐ使えるノウハウを具体的に解説します。

六手連弾の楽譜の基本構造と保育士が知るべきパート分け

 

六手連弾とは、1台のピアノを3人で演奏するスタイルのことです。2人×3組で合計6本の手を使うことから「六手連弾」または「6手連弾」と呼ばれます。英語では”one piano for six hands”と表記されることが多く、輸入楽譜を探す際にはこのキーワードが役立ちます。

パートの名称は楽譜によって異なりますが、多くの六手連弾楽譜では次の3つに分かれています。Primo(プリモ)は鍵盤の右側を担当し、主旋律を受け持つことが多いパートです。Secondo(セコンド)は中央付近で全体の調和を支えるパートで、アンサンブルの軸となります。Terzo(テルツォ)は鍵盤の左端を担当し、低音のリズムや和音の土台を作る役割を持ちます。

つまり3パートが役割分担をしているということです。

保育士にとって重要なポイントは、このパート分けが演奏スキルの分散に直結するという点です。1人が難しいパートを担当し、残り2人が比較的やさしいパートを受け持つという柔軟な構成が可能なため、スキルに差がある3人でも成立します。ソロ演奏では一人が全ての音を出さなければなりませんが、六手連弾は1人あたりの音数がかなり少なくなるのが特徴的です。これは使えそうです。

たとえば、「ブルクミュラー修了程度」と記載された楽譜であれば、Primo担当者はブルクミュラーが弾けるレベルが求められますが、TerzoやSecondoは片手のみ・5指以内のポジションで演奏できることも多くあります。保育士3人が全員同じスキルである必要はないということです。

パート名 担当音域 主な役割 スキルの目安
Primo(プリモ) 高音域(右側) 主旋律・装飾 中〜上級
Secondo(セコンド) 中音域(中央) ハーモニー・テンポキープ 中級
Terzo(テルツォ) 低音域(左側) ベースライン・リズム 初〜中級

参考:ピアノの連弾形式について詳しく説明しているページです。六手連弾の基礎知識として活用できます。

ピアノの連弾について|動画で選べる!ピアノ発表会おすすめ曲

六手連弾楽譜の種類と保育発表会に向いた曲集の選び方

楽譜市場には、六手連弾のための曲集がいくつか存在します。ただし、4手連弾(2人)の楽譜と比べると種類が圧倒的に少ないのが現状です。しかし近年は少しずつ増えており、保育現場で使いやすいラインナップが揃ってきました。

代表的な曲集として、まずデプロMP発行の「たのしいピアノ やさしい6手連弾曲集」シリーズ(1〜3巻)が挙げられます。価格は1冊あたり1,870円前後で、初〜中級レベルの学習者を対象に作られています。子どもにも大人にも親しみのある曲を揃えており、収録曲の例としては「さんぽ」「アイスクリームのうた」「線路は続くよどこまでも」「オバケなんてないさ」「ねこバス」などが含まれています。これらはどれも保育現場で子どもたちが喜ぶ曲ばかりです。3人で並んで弾きやすい3ページ製本も採用されており、実際の演奏時に楽譜が見やすい設計になっています。

楽譜の基本が押さえられています。

次に、ヤマハ発行の「譜めくりのいらないピアノれんだん(4手&6手)」シリーズも非常に実用的です。このシリーズは見開き4ページを4手と6手のパートに分け、3人が1冊を1台のピアノの上に置いて演奏できる設計になっています。演奏中に譜めくりをする必要がなく、本番でのミスリスクを大幅に下げられます。

さらに個別の曲を1枚から購入したい場合は、ヤマハの「ぷりんと楽譜」が便利です。ここでは「ねこバス(6手)」などジブリ系の楽譜も取り扱われており、コンビニ印刷や即日ダウンロードに対応しています。1曲あたり数百円から購入でき、発表会前に「この曲だけ追加したい」という場面でも柔軟に対応できます。

また、クリエイターの個人楽譜が集まるPiascoreでは、J-POPや人気アニメソングの六手連弾アレンジが多数販売されています。1曲あたり770〜1,200円程度のものが多く、練習用の動画がセットになっているものもあり、独学で取り組む際に役立ちます。

選ぶ際の基準として覚えておくべきことは、「譜めくりが不要か」「各パートの難易度差が明記されているか」「本番で使う曲が実際に収録されているか」の3点です。この3点が条件です。

参考:ヤマハの楽譜ストアで六手連弾楽譜を実際に確認できます。

発表会におすすめピアノ連弾楽譜特集|ヤマハ楽譜ストア

参考:デプロMP「たのしいピアノ やさしい6手連弾曲集1」の詳細。保育向きの収録曲や製本情報が確認できます。

たのしいピアノ やさしい6手連弾曲集1|デプロMP

六手連弾の楽譜を使った3人での合わせ方と座り方のコツ

六手連弾で最初につまずくのは、演奏スキルよりも物理的な問題であることが少なくありません。88鍵のピアノの横幅は約122cmです。ちょうどダブルベッドの幅と同じくらいと考えるとイメージしやすいでしょう。そこに大人3人が肩を並べて座るわけですから、スペースの確保が最初の課題になります。

椅子は、連弾用のベンチ型を2台並べるのが最も安定します。ベンチが1台しかない場合は、両端のどちらかに小型の補助椅子や丸椅子を追加するのが一般的です。座高がずれると腕の角度が変わり、弾きにくさにつながるため、高さ合わせは本番前にリハーサルで必ず確認してください。

次に重要なのが、ペダルの担当者を事前に決めておくことです。3人が1台のピアノを囲む状況では、足元のスペースも限られます。基本的には中央のSecondo(セコンド)か、左端のTerzo(テルツォ)が担当しますが、靴が当たって音が出てしまったり、ペダルを離すタイミングがずれたりすることがあります。厳しいところですね。

合わせ練習のポイントも整理しておきます。まず3パートが揃う前に、まずは2人で合わせる「部分練習」を繰り返すことが効果的です。全員で合わせると問題の所在がわかりにくくなるため、PrimoとSecondoの2人→SecondoとTerzoの2人→3人全員という順序で進めていくと、全体の精度が上がりやすくなります。

テンポに関しては、3人全員がメトロノームを使った練習に慣れておくことが前提です。特に保育士の場合は「子どもと一緒に音楽活動をする」日常業務の中でテンポキープの感覚を培っていることも多く、その経験が六手連弾でも活きます。

  • 🎵 座り順の基本:左端Terzo→中央Secondo→右端Primoが標準。ピアノの音域に対応した自然な配置です。
  • 🪑 椅子の高さ:3人の座高が異なる場合は、全員が同じ腕の角度になるよう高さを微調整する。
  • 🦶 ペダル担当:左端または中央の人が担当。本番前に足元のリハーサルを忘れずに。
  • 🎼 練習の順序:2人ずつの部分練習→3人全員の通し練習の順で進める。
  • テンポキープ:メトロノームアプリを使い、全員が同じ基準テンポを共有しておく。

保育発表会で使える六手連弾のおすすめ曲と難易度の目安

では実際にどのような曲が保育の発表会や行事で使いやすいのでしょうか。六手連弾には「子どもが知っている曲であること」「演奏時間が長すぎないこと」「3パートの音域が自然に分かれていること」の3つが重要です。

まず童謡・保育系の定番として「さんぽ」(となりのトトロより)が非常に人気です。明るいテンポとなじみのあるメロディで子どもたちの注目を集めやすく、初〜中級向けの楽譜が複数出版されています。「オバケなんてないさ」「アイスクリームのうた」なども同様で、デプロMPの「やさしい6手連弾曲集」シリーズに収録されています。

ジブリ系では「崖の上のポニョ」「ねこバス」「海の見える街」が六手連弾の定番です。特に「ねこバス」はYouTubeに演奏動画が多数公開されており、演奏前のイメージトレーニングにも活用できます。ぷりんと楽譜でも単独購入が可能です。

クラシック系では「きらきら星変奏曲」を自由にアレンジしたものや、ブルクミュラー作品の「アラベスク」「タランテラ」などが人気です。たぶちさえこさんのオンラインショップでは、ブルクミュラーの六手連弾アレンジ楽譜が1曲770〜990円で販売されており、難易度設定も丁寧です。

行事別に分類すると次のようになります。

  • 🌸 卒園式卒業式:「いつも何度でも」「海の見える街」など、しっとりとした曲調が合います。
  • 🎉 お楽しみ会・発表会:「さんぽ」「ねこバス」「崖の上のポニョ」など、子どもが知っていて盛り上がる曲が最適。
  • 🎶 職員演奏コーナー:「アラベスク」「きらきら星変奏曲」など、聴いて楽しめるクラシック系がおすすめ。
  • 👨‍👩‍👧 保護者参加イベント:「糸」(中島みゆき)など、保護者世代に響く楽曲の六手連弾アレンジも存在します。

演奏時間の目安としては、発表会の1演目として適切な長さは2〜4分程度です。六手連弾の楽譜は原曲をコンパクトにアレンジしているものが多く、この時間に収まるケースがほとんどです。問題ありません。

参考:ぷりんと楽譜での六手連弾楽譜(ねこバスなど)の購入ページ。ダウンロードとコンビニ印刷の両方に対応しています。

ヤマハ「ぷりんと楽譜」|楽譜を簡単ダウンロード&コンビニ購入

六手連弾の楽譜をデジタルで入手する方法と著作権の注意点

六手連弾の楽譜を入手するルートは、書店・楽器店での購入に加え、デジタル配信による購入が主流になってきています。保育士にとっても、「すぐに楽譜が欲しい」「1曲だけ試したい」という場面でデジタル購入は非常に便利です。

代表的な購入先を確認しましょう。まずヤマハ「ぷりんと楽譜」(print-gakufu.com)は、PDFダウンロードとコンビニ印刷の両方に対応しています。六手連弾の楽譜も取り扱いがあり、信頼性の高い商業出版社による楽譜が中心です。月額定額プランは「スタンダードプラン:990円(税込)」と「ライトプラン:480円(税込)」があり、複数の曲を試したい場合はプランの活用も検討できます。

次にPiascore楽譜ストア(store.piascore.com)は、個人アレンジャーによるオリジナル六手連弾楽譜が豊富です。「6手連弾」タグで検索すると、J-POPやアニメソングのアレンジが多数見つかります。1曲770〜1,200円程度のものが多く、購入後はiPadアプリで閲覧可能です。

Piascoreは便利なサービスです。ただし、個人制作の楽譜は品質にばらつきがある場合もあるため、サンプルの画像や演奏動画を必ず確認してから購入することをすすめます。

著作権については1点だけ注意が必要です。楽譜を購入しても、それを「コピーして他の人に配布する」行為は著作権法上の問題になります。六手連弾では3人が演奏するため、「1冊購入して3人分にコピーして使いたい」と思うケースが出てきますが、この場合は必ず人数分を購入するか、コピーが明示的に許可された楽譜を選んでください。デプロMPの「やさしい6手連弾曲集」シリーズのように、1冊で3パートが見開きにまとめられた設計の楽譜であれば、コピー不要で3人が1冊を共有して演奏できます。著作権への配慮が条件です。

  • 📱 ぷりんと楽譜:大手出版社監修の信頼できる楽譜。コンビニ印刷・ダウンロード対応。
  • 🎼 Piascore楽譜ストア:個人アレンジのJ-POPや人気曲が充実。サンプル確認必須。
  • 📦 書籍(曲集):デプロMP・ヤマハなどの出版社による曲集。譜めくり設計が考慮されているものが多い。
  • 著作権の注意:楽譜のコピー配布は著作権法違反。人数分の購入か、3パート一体設計の楽譜を選ぶこと。

参考:Piascoreの六手連弾タグページ。個人アレンジ楽譜の種類と価格を確認できます。

タグ「6手連弾」の楽譜一覧|Piascore楽譜ストア

保育士だからこそ活かせる六手連弾の「子ども巻き込み」演出アイデア

これは検索上位の記事では取り上げられていない、保育士ならではの視点です。六手連弾は「3人の大人が演奏する」だけで終わる形式ではありません。保育の現場に立つ保育士だからこそできる、子どもたちを巻き込んだ演出との組み合わせが非常に効果的です。

たとえば、「ねこバス」の演奏中に保育士の1人が「今からねこバスが走るよ!」と演奏前に声かけをするだけで、子どもたちの集中が一気に高まります。演奏が進む中で、観客席の子どもたちが自然に体を揺らし始めることも多く、コンサートではなく「みんなで楽しむ音楽体験」になります。

「きらきら星変奏曲」を六手連弾で演奏する場合は、最初の1コーラスを保育士が弾いた後、途中で子どもたちに「一緒に歌ってね」と促す構成にするのもよい手法です。六手連弾は音が豊かなので、子どもたちの歌声を包み込むような伴奏として機能します。これは使えそうです。

運動会や保護者参観では「保育士3人が一緒に演奏している」という姿そのものが、保護者への信頼感や「チームとして働いている」という印象を与えます。個人のソロ演奏よりもチームワークが可視化されるため、園の雰囲気を伝える場面として有効です。

また、少し発展的な使い方として、子どもが途中でTerzo(低音パート)の一部を叩く簡易打楽器パートを追加するアイデアもあります。大きなドラムを1台置いて、リズムのある部分だけ叩かせることで、子どもたちが「演奏に参加している」という達成感を得られます。もちろん難しい楽譜は不要で、タン・タン・タンのリズムを繰り返すだけで成立します。

このように、六手連弾は演奏形態としての完成度だけでなく、保育の「体験の質」を上げるツールとして捉えることができます。保育士が主役になるのではなく、子どもと保護者が主役になる場をつくるための「仕掛け」として六手連弾を活用する発想が、保育の現場ならではのアプローチです。

  • 🎤 演奏前の声かけ:曲名や物語の背景を一言伝えるだけで、子どもの集中度が大きく変わります。
  • 🎵 歌との組み合わせ:途中から子どもたちに歌を促す構成にすると、一体感が生まれます。
  • 🥁 子ども参加パート:簡易打楽器で子どもを巻き込むと、演奏への参加感が高まります。
  • 👥 チームワークの可視化:保育士3人が並んで演奏する姿は、保護者への安心感にもつながります。


ピアノ連弾 初級 ~ピアノ1台で3人4手~はじめてアンサンブル こどもポップスの定番