おおかみとこぶたの歌を保育で活かす完全ガイド
手遊び歌をただ「歌うだけ」で終わらせていると、子どもの発達チャンスを半分以上逃しています。
おおかみとこぶた歌の歌詞と基本の振り付けを覚えよう
「おおかみとこぶた」の手遊び歌には、保育現場でよく使われるバージョンがいくつかあります。もっとも広く知られているのが「3びきのこぶた」の手遊び歌で、作詞・作曲ともに不詳ですが、保育現場では長年歌い継がれてきた定番です。
歌詞は3番構成になっています。1番目はわらのおうち、2番目は木のおうち、3番目はレンガのおうちと、繰り返しの中で少しずつ結末が変わる仕掛けが子どもたちの心を引きつけます。
| 番 | 建てるおうち | オオカミが吹いたら |
|---|---|---|
| 1番 | わらのおうち | ぺっちゃんこ |
| 2番 | 木のおうち | ぺっちゃんこ |
| 3番 | レンガのおうち | だいじょうぶ! |
歌詞(代表的なバージョン)は次のとおりです。
3びきのこぶたの 1匹が 1匹が
わらのおうちをたてました
トントントン トントントン
おおかみがきて ふーっと吹いたら
わらのおうちはぺっちゃんこ
(2番:きのおうち → ぺっちゃんこ)(3番:レンガのおうち → あれ?あれ? → だいじょうぶ!)
振り付けの基本の流れは以下のとおりです。
- 「3びきの」→ 片手の人差し指・中指・薬指を3本立てる
- 「こぶたの」→ 人差し指を鼻に当てて上に向け、ぶたの鼻を表現する
- 「1匹が」→ 人差し指を1本立てる
- 「おうちをたてました」→ 両手の人差し指でおうちの形(△の屋根)を描く ✕ 2回
- 「トントントン」→ グーの手でドアをノックする動き
- 「おおかみがきて」→ 両手を上にあげ、おおかみが飛びかかる様子を表現
- 「ふーっと吹いたら」→ 実際に息をフーッと吹く(ここで表情豊かに!)
- 「ぺっちゃんこ」→ 両手のひらを合わせてパチンと叩く
- 3番「あれ?」→ 首をかしげて不思議そうな表情にする
- 「だいじょうぶ!」→ 両腕でガッツポーズ。最後は「イェイ!」でピースをするバージョンも
3番目のレンガのおうちでオオカミが何度吹いても崩れない場面が最大の見どころです。「あれ?」と首をかしげるオオカミの表情をオーバーに演じるほど、子どもたちのどよめきと笑いが生まれます。表情豊かに演じることが基本です。
保育士向けの参考動画・歌詞解説ページとして、実演つきで確認できる情報があります。
振り付け付き実演動画・歌詞解説(ほいくis):手遊び歌の歌詞全文と保育士実演動画が確認できます。
おおかみとこぶた歌のバリエーション「さっとにげました」も使いやすい
「おおかみとこぶたの歌」というと「3びきのこぶた」が代名詞ですが、保育現場ではもうひとつ大人気の手遊び歌があります。それが「さっとにげました」です。こちらはテンポが軽快で、低年齢児からでも楽しみやすいのが特徴です。
歌詞の冒頭はこのようになっています。
ぶたのとうさん ブーブーブー
ぶたのかあさん ブーブーブー
ぶたのおにいさん ブーブーブー
ぶたのおねえさん ブーブーブー
ぶたのあかちゃん ブーブーブー
おおかみあらわれて まてまて やだやだ まてまて やだやださっとにげました!
「まてまて」「やだやだ」の掛け合いフレーズが子どもたちに大ウケします。また、ぶたの家族がお父さん・お母さん・おにいさん・おねえさん・あかちゃんと登場するため、「どの指がお父さんかな?」と指を使った知育遊びとしても活用できるのが嬉しいポイントです。
「3びきのこぶた」がストーリーを楽しむ手遊びなら、「さっとにげました」はリズムと掛け合いを楽しむ手遊びと言えます。これは使えそうです。
2つの手遊び歌を組み合わせることで、活動にメリハリが生まれます。たとえば、「さっとにげました」でウォームアップしてから、絵本の読み聞かせ前に「3びきのこぶた」の手遊びで期待感を高めるという使い方が実践しやすいです。
もう一つ知っておきたいのが「こぶたがみちを」という手遊びです。こぶたが散歩に出かけるストーリー展開で、途中でゾウ・うさぎ・キリンなどに変身するユニークな構成になっています。「うそ!うそ!うそうそうそ!」のフレーズが子どもの心をぐっとつかむ一曲で、幅広い年齢に対応できます。
保育現場でよく使われる「さっとにげました」の動画・歌詞参考ページです。
「さっとにげました」歌詞・振り付け解説(cozre 保育士監修):元保育士監修の歌詞全文と動画が確認できます。
おおかみとこぶた歌を年齢別に活用するポイント
手遊び歌を保育に取り入れるうえで、年齢(発達段階)を意識することは非常に重要です。「おおかみとこぶた」系の手遊び歌は、2歳児〜5歳児まで幅広く使えますが、活用のポイントには年齢ごとの違いがあります。
まず対象年齢を整理しておきましょう。
| 年齢 | 楽しみ方のポイント | おすすめバリエーション |
|---|---|---|
| 2〜3歳 | 繰り返しのリズムを楽しむ。保育士の動きをまねるだけでOK | 「さっとにげました」「3びきのこぶた」基本版 |
| 3〜4歳 | ストーリーを理解しながら楽しむ。1番→2番→3番の変化に気づく | 「3びきのこぶた」フル版 |
| 4〜5歳 | オオカミ役・こぶた役などロールプレイに発展可能 | 「3びきのこぶた」アレンジ版・劇遊び展開 |
2〜3歳児に対しては、まず保育士が楽しそうに演じて見せることが最優先です。「真似する力」が育ちの大きなエンジンになっている時期のため、子どもが完璧にできなくてもOKという姿勢で進めましょう。国士館大学による手遊び歌の研究でも「模倣を通じた言語習得・理解力の深まりが手遊び歌の主要な発達効果のひとつ」と指摘されています。
3〜4歳になると、ストーリーの繰り返し構造を子どもたちが意識して楽しめるようになります。「こんどは木のおうちだよ!」「今度こそぺっちゃんこになるかな?」という期待感を共有しながら進めると、集中力がぐっと上がります。3番のレンガのおうちで「だいじょうぶ!」となった瞬間の子どもたちの歓声は格別です。
4〜5歳では、保育士が演じるだけでなく、子どもたち自身にもオオカミ役やこぶた役を割り当てた「劇遊び」へと発展させることができます。絵本の読み聞かせと組み合わせて、登場人物の気持ちを想像するワークへとつなげるのも効果的です。
手遊びを活動の導入として使う場面のイメージは、次のとおりです。
- 🎪 朝の会のオープニング → 子どもの気持ちを集める
- 📖 絵本の読み聞かせ前 → ストーリーへの期待感を高める
- 🍽️ 給食前のつなぎ → 待ち時間の間をうめる
- 🎭 劇遊び・発表会の導入 → テーマへのウォームアップ
つまり「3びきのこぶた」の手遊び歌は、何かひとつの場面専用ではなく、1日のどのタイミングでも使える万能なレパートリーです。
HoiClueによる振り付け詳細解説も参考になります。年齢別の活用アイデアが丁寧にまとめられています。
振り付け詳細解説(HoiClue):ステップごとの動きのイラスト付きで、初めて覚える方にも安心です。
手遊びで楽しむ「3びきのこぶた」〜繰り返しとストーリー性がおもしろい手遊び〜
おおかみとこぶた歌を使ったスケッチブックシアターの作り方と保育への活かし方
手遊び歌に慣れてきたら、次のステップとしてスケッチブックシアターやペープサートを取り入れることをおすすめします。これは保育士にとっての独自視点のプラスワンで、手遊び歌だけでは難しい「視覚的な物語体験」を子どもたちに届けられます。
スケッチブックシアターとは、スケッチブックの各ページに絵を描き、めくりながらお話を演じるシアター教材です。材料はスケッチブック1冊とマーカーペンだけなので、費用の目安は200〜500円程度と非常に低コストです。
「3びきのこぶた」のスケッチブックシアターを作る際の基本構成は以下のとおりです。
- 1ページ目:わらのおうちとこぶた1匹のイラスト
- 2ページ目:オオカミが吹いてつぶれるおうちのイラスト(めくると変化)
- 3ページ目:木のおうちとこぶた1匹のイラスト
- 4ページ目:木のおうちがぺっちゃんこのイラスト
- 5ページ目:レンガのおうちとこぶた1匹のイラスト
- 6ページ目:オオカミが「あれ?」と首をかしげているイラスト
- 7ページ目:3匹のこぶたがガッツポーズで勝利のイラスト
ポイントは、オオカミのキャラクターをペープサート(棒人形)として別途作成することです。こうすると、オオカミをページの上から登場させたり、吹いた後に去っていかせたりと動きを自由につけられます。こぶたは固定のイラストで、オオカミだけ動かせるとドラマチックな演出になります。
無料で使えるシアター用イラスト素材もあります。ほいくisでは「さんびきのこぶたシアター用イラスト(PDF)」を無料会員登録後にダウンロードできます。印刷してマグネットシアターやスケッチブックシアターに活用できるため、製作時間の大幅な節約になります。
保育施設での実践報告を見ると、スケッチブックシアターと手遊び歌を同じ活動内で組み合わせた場合、子どもたちの注目時間が伸びやすくなる傾向が報告されています。手遊び歌で体を動かし、シアターで視覚的にストーリーを楽しむという流れが、子どもの集中力を自然につなぎとめるのです。
さんびきのこぶたシアター用イラスト素材(無料会員登録で入手可)。
さんびきのこぶたシアター用イラスト【PDF】 – ほいくis
おおかみとこぶた歌は保育士試験の実技対策にも直結する
「おおかみとこぶたの歌」は保育現場での日常の手遊びとして活躍するだけではありません。令和8年度(2026年)の保育士試験・実技「言語に関する技術」においても、「3びきのこぶた」が3つの課題のうちの1つに指定されています。これは見逃せない事実です。
保育士試験の言語実技は、「3歳児クラス15人程度の子どもを前にしたことを想定して、3分間のお話をする」というものです。課題は以下の3つで、当日に試験室入室後に指定されます。
- ①「ももたろう」(日本の昔話)
- ②「おむすびころりん」(日本の昔話)
- ③「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)
注意点です。2025年(令和7年)から試験方式が変更されており、以前は自分でお話を選べましたが、現在は当日指定となっています。3つすべてを準備しておくことが必須条件です。
「3びきのこぶた」の素話(すばなし)を3分でまとめる際のポイントは3つあります。
1つ目は、「繰り返し構造」を活かすことです。わら→木→レンガと3回繰り返す構造は、子どもが次を予測しながら聞ける形になっています。話の流れが予測できるからこそ、子どもたちは安心して「次はどうなるんだろう?」という楽しさを味わえます。
2つ目は、オオカミが「ふー」と吹く場面を感情豊かに演じることです。試験の採点基準には「幼児に対する話し方ができること」とあります。オオカミの息を吹く動作では、実際に深呼吸してから大きく「ふーっ」と吹く動作を加えることで、15人の子どもたちが画面から目を離せなくなります。
3つ目は、3分間の時間調整です。緊張すると早口になりがちで、2分弱で終わってしまうケースが報告されています。最後に「みんなはどんなおうちに住みたい?」と子どもたちへ問いかける言葉を台本に入れておくと自然に時間調整ができます。
手遊び歌でおおかみとこぶたのストーリーを日頃から体で覚えておくことが、試験の素話演技においても確かな土台になります。歌で身体に染み込んだストーリーの流れは、台本を見ずに演じる際の大きな助けになるのです。つまり、手遊び歌の練習が試験対策にもなるということです。
保育士試験実技「3びきのこぶた」の台本・実演動画(ほいくis、令和8年度対応):試験対策の台本PDFも無料ダウンロード可能です。


