おいもほり歌で保育が変わる楽しい手遊び活動のすべて

おいもほり歌を保育で活かす手遊び・導入・ねらいの完全ガイド

「いもほりのうた」を保育で歌っているのに、実は子どもの8割近くが「芋はツルを引っ張って取るもの」だと思ったまま本番の芋掘りに行き、スコップで掘る作業にがっかりして泣いた経験があります。

この記事でわかること
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いもほりのうたの基本情報と歌詞の魅力

作詞・作曲の背景から3番まである歌詞のポイントまで、保育士が知っておくべき基礎知識を整理します。

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年齢別の振り付け・手遊びアレンジ

0歳児から5歳児まで、発達段階に合わせた振り付けの工夫と、子どもが夢中になる導入方法を紹介します。

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おいもほり行事との連携・ねらいの立て方

芋掘り遠足の前後に歌をどう使うか、子どもが「えっ本物と違う!」とならないための事前準備のポイントも解説します。

おいもほりの歌「いもほりのうた」の歌詞と作者について知ろう

 

「うんとこしょ どっこいしょ でてくるおいもは どろんこおいも」——この出だしを聞けば、多くの保育士さんがすぐに口ずさめるはずです。『いもほりのうた』は、作詞・高杉自子、作曲・渡辺茂によって生まれた童謡で、秋の保育園・幼稚園では定番中の定番として長年親しまれています。

歌詞は1番から3番まで構成されており、基本の歌詞はほぼ共通。ポイントは一番最後のフレーズだけが変わるというシンプルな構造にあります。

番号 最後のフレーズ おいものイメージ
1番 でっかいぞ 大きなおいも
2番 ちっちゃいぞ 小さなおいも
3番 まっかだよ 赤いさつまいも

この繰り返し構造は、幼児が歌詞を覚えやすい設計になっています。1つ前のフレーズを体で覚えたら、最後の1フレーズだけ変わる——つまり「また変わった!」という発見の楽しさが生まれます。これが特に2〜3歳児の記憶力と注意力を引きつける理由です。

「うんとこしょ どっこいしょ」というかけ声は、ロシアの民話『おおきなかぶ』と同じフレーズです。保育の現場でよく使われる絵本と歌がつながっているので、読み聞かせとセットで導入すると子どもたちの反応が大きく変わります。つまり、2つの活動を連動させる効果は非常に高いということです。

ただし、注意点があります。絵本や手遊びのイラストでよく見られる「ツルを複数人で引っ張る」という表現は、実際の芋掘り体験とはかなり異なります。本物の芋掘りでは、ツルはあらかじめ除去されており、スコップで周囲の土を掘り起こしてから手で取り出すのが一般的です。芋掘りのイメージが絵本通りだと思っている子どもは少なくないため、歌を教える際に「実際はスコップで掘るよ」と一言添えるだけで、当日のがっかりを防ぐことができます。

世界の民謡・童謡「いもほりのうた」歌詞と解説 — 歌詞の内容・おおきなかぶとの関係・芋掘り体験との違いが詳しく解説されています

おいもほりの歌を使った年齢別の振り付け・手遊びアレンジ

手遊びには、言葉の発達・指先の器用さ・リズム感・集中力を同時に育てる効果があることが複数の保育研究で示されています。大阪芸術大学の研究では、手遊びが「旋律を記憶する、拍子を感じる、リズムを記憶する」経験を提供し、子どもが楽しみながら能力を習得できるとまとめています。効果は1つではありません。

『いもほりのうた』は年齢を問わず取り入れやすい曲ですが、発達段階に合わせてアレンジすることで、活動がより充実します。

🍼 0歳・1歳児(乳児クラス)

  • 保育士が膝の上に乗せて、歌のリズムに合わせてゆっくり揺らす
  • 「うんとこしょ」のタイミングで軽く持ち上げるふれあい遊び
  • 子どもの手首を優しく持って、左右に振って拍子を感じさせる

🌱 2歳・3歳児(移行期)

  • 「うんとこしょ」で両手を上に伸ばし、「どっこいしょ」で引っ張る仕草
  • 「でてくるおいも」で床に座り込んでおいもの形を体で表現する
  • 最後の「でっかいぞ/ちっちゃいぞ/まっかだよ」で手で大きさや色を表す

🌾 4歳・5歳児(幼児クラス)

  • 友達とペアになってツルを引っ張るごっこ遊びに発展
  • 「1番はでっかいおいも、次はどんなおいもかな?」と問いかけながら参加型にする
  • グループで「おいもの種類当てゲーム」を取り入れる

4・5歳児は、「なぜ1番は大きくて2番は小さいの?」と問いかけを加えることで、言語能力と想像力の両方を刺激できます。これは使えそうです。

活動の前には、さつまいもの実物や写真を見せてから歌に入ると、子どもたちの興味がより高まります。「このでこぼこしたお芋が、土の中に埋まってるんだよ」という一言で、歌詞の「どろんこおいも」が一気にリアルに感じられるようになります。

大阪芸術大学「保育における手遊びの効果」 — 手遊びが子どもの言語・音楽・運動発達に与える影響が学術的に論じられています(PDF)

おいもほりの歌をいもほり行事の導入と振り返りに活かす方法

芋掘り遠足は、9〜11月(さつまいもの場合)に実施する園が多く、秋の保育における最大の行事のひとつです。この行事を最大限に活かすためには、「歌→絵本→本番→歌→製作」という一連のつながりを意識して計画することが重要です。

行事前の活用(導入)

芋掘り遠足の1〜2週間前から、朝のサークルタイムや帰りの時間に『いもほりのうた』を歌い始めましょう。これが基本です。毎日歌うことで、当日の活動への期待感が自然と高まります。

さらに効果的なのは、「さつまいもクイズ」と組み合わせる方法です。

  • ❓ 「さつまいもはどこに実る?(地面の上 or 土の中)」
  • ❓ 「さつまいもは何色?(オレンジ・白・赤紫)」
  • ❓ 「土の中でどうやって取り出す?(スコップ or 手で引っ張る)」

3問目が特に重要です。絵本やイラストの影響で「引っ張る」と答える子どもが多いですが、実際はスコップで掘るのが主流です。事前に正しいイメージを持たせておくことで、当日の混乱が格段に減ります。

「でぶいもちゃんちびいもちゃん」や「おいもごろごろ」などの関連曲と合わせて複数の歌を使うと、行事への期待感がより高まります。いもほりのうただけで全部やらなくても大丈夫です。

行事後の活用(振り返り)

芋掘り体験後に再び『いもほりのうた』を歌うと、子どもたちの反応が変わります。「あのときのどろんこのお芋だ!」という体験との結びつきが生まれるためです。その後、掘ったさつまいもを使った製作(スタンプ、絵など)や、スイートポテト作りなどの食育活動へと展開させると、歌→体験→表現というサイクルが完成します。

行事後は子どもたちに「一番大きなおいもはどれだった?」「何番の歌みたいなおいもだった?」と問いかけてみましょう。歌の1番「でっかいぞ」や2番「ちっちゃいぞ」と結びつけることで、記憶が定着します。

おいもほりの歌に合わせた製作・絵本・さつまいもグッズの活用アイデア

『いもほりのうた』は、単体で歌うだけでなく、製作活動や絵本との組み合わせで活動の幅が大きく広がります。これは独自の視点ですが、「歌×絵本×製作」を連動させた3層の保育設計を意識すると、子どもの記憶への定着率が高まるという現場の声が多くあります。

🎨 おいもほりに合わせたおすすめ製作アイデア

  • 紙袋+新聞紙の「おいもほりごっこ」セット

新聞紙を丸めてお芋の形に整え、紙袋に詰めたものを段ボールの「畑」に埋めます。歌に合わせて「うんとこしょ!」と引っ張り出すごっこ遊びは、室内でも実施できる定番アイデアです。

  • さつまいもスタンプ製作

実際のさつまいもを輪切りにして絵の具でスタンプします。「まっかだよ(3番)」の歌詞に合わせて赤紫の絵の具を用意すると、製作と歌の内容がリンクします。

  • 毛糸とコーヒーフィルターの焼き芋製作

コーヒーフィルターに茶・黄・橙などのお花紙を詰め、外側を毛糸で巻けばリアルな焼き芋の飾りが完成します。部屋に飾ると秋らしい保育室の雰囲気が生まれます。

📚 導入におすすめの絵本3冊

タイトル 作者 おすすめポイント
『いもほり』 はまの ゆか(ほるぷ出版) 芋掘りの楽しい様子がリアルに描かれ、焼き芋シーンも登場
『いもいも ほりほり』 西村 敏雄(講談社) さつまいもの多様な形(かえるいも・おしりいもなど)が登場。子どもの共感を呼ぶ
『おいも!』 石津ちひろ文・村上康成絵(小峰書店) 収穫から焼き芋までの流れを歌うように描いた一冊

絵本を読んだ直後に歌を歌うのが最も効果的なタイミングです。絵本で「どろんこのおいも」を視覚的に見てから歌に入ると、子どもたちの表情が変わります。

🎲 やきいもグーチーパーとの組み合わせ

『いもほりのうた』で秋の芋掘りのイメージを高めたあと、「やきいもグーチーパー」でじゃんけん遊びへ移行するという流れは、保育現場で非常に人気の高い構成です。3歳児以上から使えます。「グー・チョキ・パー」の手の形を示したペープサートを用意しておくと、より分かりやすく盛り上がります。

保育求人ラボ「保育士が知っておきたいお芋ほりのねらい!持ち物と服装まで」 — 芋掘りのねらい・当日の注意点・保育士の服装チェックリストが実用的にまとめられています

おいもほりの歌を使う際に保育士が知っておくべき著作権の注意点

保育現場で歌を使う際、案外見落とされがちなのが著作権の問題です。保育室の中で子どもたちと一緒に歌うことは問題ありませんが、SNSや動画配信に関しては状況が変わります。

🎵 いもほりのうたの著作権状況

『いもほりのうた』は作詞・高杉自子、作曲・渡辺茂によって制作された楽曲で、JASRACに管理楽曲として登録されています。日本の著作権法では、著作者の死後70年間は著作権が保護されます。著作者が現時点で生存中または死後70年を経過していない場合は、依然として著作権が生きています。

📱 SNS・動画投稿での注意点

保育士がSNSやYouTubeで手遊び動画を投稿する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

プラットフォーム JASRACとの契約状況 注意点
YouTube 包括契約あり 管理楽曲の使用は原則可。ただし収益化には別途手続きが必要な場合あり
Instagram 包括契約あり 管理楽曲の使用は基本OK
TikTok 包括契約あり 管理楽曲の使用は基本OK
X(旧Twitter) 提携なし 楽曲を含む演奏動画の投稿は原則として個別手続きが必要

X(旧Twitter)は要注意です。JASRACとの包括的な許諾契約が結ばれていないため、演奏動画を投稿する場合は個別に対応が必要な場合があります。保育の様子をSNSで発信する機会が増えている中で、この点はしっかり確認しておきたいところです。

なお、保育園の卒園・発表会のDVDやムービーに市販の曲を使用する場合も、JASRACへの申請が必要です。「みんなで楽しんでいるだけだから大丈夫」とは限りません。不安な場合はJASRACの公式サイトで楽曲の管理状況を確認するのが確実です。

著作権違反は知らなくてもペナルティの対象になることがある、というのが原則です。保育士個人としてSNS発信を行っている方は、特に一度確認しておくと安心です。

JASRAC「YouTubeなどの動画投稿(共有)サービスでの音楽利用」 — 各SNSプラットフォームでのJASRAC管理楽曲の利用ルールが公式に説明されています
愛知文教女子短期大学「保育現場で必要な著作権の知識」 — 保育士が日常的にやりがちな著作権違反の具体例と、子どもへの著作権教育についての実践レポートです

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