みんな生きている 保育園 いのちの歌 ありがとう

みんな生きている 保育園 いのちの歌

この記事でわかること
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歌の背景と意味

「いのちの歌」が何を歌っているのかを、保育で扱いやすい言葉に翻訳して整理します。

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年齢別の伝え方

0〜5歳の発達に合わせて、同じ歌でも“届く問いかけ”に調整する具体例を出します。

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保育園の活動案

朝の会・帰りの会・発表会・命の学びにつなげる、実践しやすい活動案をまとめます。

みんな生きている 保育園 いのちの歌 歌詞の意味

 

「いのちの歌」は、“生きていることの意味”を問いながら、日々の出会いや支えへの感謝へと着地していく構造を持っています。歌詞には「生きてゆくことの意味」「めぐり会えた奇跡」「本当にだいじなものは隠れて見えない」「そのすべてにありがとう」など、抽象度の高い言葉が並びますが、保育では“出来事の手触り”に戻すと理解が進みます(例:今日の給食、園庭で一緒に笑った友だち、迎えに来てくれる人、先生がそばにいる安心)。

ポイントは、子どもに「意味を説明して理解させる」よりも、歌の言葉が生まれるような体験を日常の中で増やすことです。歌詞中の「隠れて見えない」は、幼児にとっては難語ですが、保育に置き換えると「目に見えないけど、ある(優しさ・心・思い出・安心)」というテーマになります。たとえば、転んだ子にハンカチを渡した、泣きそうな友だちのそばに座った、そうした行動を「いま“見えない大事”が出てきたね」と拾い上げると、歌が“説明”ではなく“実感のラベル”になります。

また、狙いワードに含まれる「みんな生きている」は、童謡「手のひらを太陽に」のフレーズとして広く知られています。そこでは、ミミズ・オケラ・アメンボなど小さな生き物まで「友だちなんだ」と歌われ、“生命の多様性”と“仲間意識”が強調されます。保育園では「いのちの歌(感謝・つながり)」と「手のひらを太陽に(みんな生きている)」を、同じ“いのち”でも角度の違う2曲として並べると、活動に厚みが出ます。

みんな生きている 保育園 いのちの歌 年齢別

同じ歌でも、0〜2歳と3〜5歳では“響くポイント”が違います。年齢別の扱い方を、言葉の難しさではなく「体験の持ち方」で切り分けるのがコツです。

🍼0〜2歳(“安心”が中心)

  • ねらい:歌詞理解ではなく、声・表情・リズムで「そばにいてくれる」感覚を育てる。
  • 工夫:サビや繰り返しやすい部分を短く歌い、抱っこ・トントン・ゆらしなど身体感覚とセットにする。
  • 声かけ例:「いっしょ、いっしょ」「ここにいるよ」「だいじだよ」など短い肯定語に寄せる。

🧒3〜4歳(“わかる言葉”への翻訳)

  • ねらい:“奇跡”“命”など抽象語を、園生活の具体に置き換える。
  • 工夫:歌う前後に1分だけミニ対話。「今日うれしかったこと」「ありがとうって言いたいこと」を1つずつ出す。
  • 注意:死や別れの話題に直結させすぎない。まずは「出会えた」「一緒にいた」へ。

🧑‍🎓5歳(“問い”を持てる年齢)

  • ねらい:「どうしてありがとうなんだろう?」と自分の言葉で考える入口にする。
  • 工夫:行事や卒園に寄せる場合も、主役は“別れの悲しみ”ではなく“積み重ねた日々”に置く。
  • 活動例:写真や作品を見返しながら、歌詞の一行に「自分の出来事」を当てはめる(例:「めぐり会えた奇跡」=友だちと同じクラスになったこと)。

ここで意外に効くのが、“歌う前に説明しない”という選択です。先に説明しすぎると、子どもは「正解を当てる歌」になってしまいがちです。1番を一度通して歌い、子どもの表情やつぶやきを拾ってから、必要な言葉だけ小さく補うほうが、子どもにとって歌が“自分ごと”になります。

みんな生きている 保育園 いのちの歌 活動

保育園での実践は「歌唱指導」単体にしないほうが、いのちのテーマが自然に立ち上がります。以下は、日常〜行事まで流用できる活動案です(入れ子にしない箇条書きで整理します)。

🎵日常(朝の会・帰りの会)

  • 「ありがとうリレー」:帰りの会で“今日ありがとうと思ったこと”を1人1つだけ言う(言えない子は先生が代弁OK)。
  • 「見えない大事探し」:けんかの仲直り後に「今、見えない大事はどこにあった?」と聞く(答えは「やさしさ」「ごめんね」「ゆるす」など)。
  • 「1フレーズ保育」:歌詞の一行だけを取り出して短く歌い、エピソードと結び付ける(例:「寄り添うあなたの影」=泣く子の隣に座った場面)。

🌱自然・生命の体験(園庭・散歩)

  • 虫・草花を観察した日に「みんな生きている」を関連付ける(命=人だけに限定しない)。
  • 水やり当番とセットにして、「育ててもらえたこと」を“育つ側・育てる側”の両方で実感する。

🧪食育(給食・栽培)

  • 野菜の栽培→収穫→食べる、までを一続きにし、「この命にありがとう」を食育の言葉として扱う。
  • 「いただきます」を“言わされる挨拶”にしないために、献立のどれか一つだけ「どこから来た?」をみんなで話す(魚・米・野菜など)。

🎤発表会・卒園(行事)

  • “上手に歌う”より、“誰に届けたいか”を決める(保護者、友だち、未来の自分、先生)。
  • 歌の前に短いナレーションを子どもの言葉で入れる(例:「いっしょにわらったこと、わすれない」など)。長文にしないのがポイント。
  • 伴奏が難しい場合は、ピアノを簡略化して“歌の安定”を優先する(テンポを落としてもOK)。

参考:曲の背景(朝ドラ『だんだん』との関係、作詞がMiyabi=竹内まりや名義、作曲が村松崇継)を押さえると、行事で紹介文を書く際に説得力が増します。

背景・作詞作曲の整理(園だよりや行事プログラムの紹介文に使える)

いのちの歌|歌詞(合唱)Miyabi=竹内まりや
「いのちの歌」の歌詞、作曲者、作詞家、編曲家、ピアノ伴奏などを紹介しています。NHKの朝ドラで、マナカナちゃん(三倉茉奈&三倉佳奈)が歌っていた歌です。作曲は村松崇継さん。第81回NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲「ゆうき」の作曲...

みんな生きている 保育園 いのちの歌 配慮

“いのち”を扱う歌は、クラスの状況によっては丁寧な配慮が必要です。特に、家族の入院・死別、ペットの死、災害の経験などが近い時期にある子がいる場合、歌が急に刺さることがあります。配慮は「歌わない」だけではなく、「歌っても安心していられる設計」を作ることが要点です。

配慮の具体例(チェックリスト)

  • 強制参加にしない:歌詞がしんどい日は、聴くだけ・口パク・楽器担当など“居場所の形”を複数用意する。
  • 感情の出口を用意する:「泣きたい日もある」という歌詞がある分、泣くことを止めない雰囲気を作る(泣いても、戻ってこれる)。
  • “正しい感想”を求めない:「どう思った?」に一言で答えられなくても良い。沈黙も反応の一つ。
  • ことばの選び方:命=死の話に直行させず、「出会い」「支え」「ありがとう」から入る。
  • 保護者連携:行事で歌う場合は、事前に曲名と意図を知らせ、家庭の事情で配慮が必要なら相談できる導線を作る。

ここで、狙いワードの「みんな生きている」を組み合わせるメリットがあります。死別や重い話題に寄りすぎそうな時は、「虫も草も人も、みんな生きている」という“広い生命観”に視点を移すと、クラスの空気が少し柔らかくなります。童謡の歌詞は具体物が多いので、幼児にとっては心の負担が軽く、話題を着地させやすいこともあります。

「ぼくらはみんな 生きている」などの歌詞確認(活動の言葉選びに使える)

「手のひらを太陽に/童謡・唱歌」の歌詞 って「イイネ!」
「ぼくらはみんな 生きている 生きているか…」勇気をもらったり、泣けたり、癒されたり…、この歌詞をチェックしてみて!人の心を打つ「言葉」がぎっしり!

みんな生きている 保育園 いのちの歌 独自

検索上位に出やすいのは「歌詞の意味」「卒業式で歌う」といった文脈ですが、保育園での独自視点として提案したいのは、“歌を自己肯定感の記録装置にする”方法です。つまり、歌を「その場の発表」ではなく、「この子が生きている日々を大事にしてきた証拠」に変換します。

やり方はシンプルです。クラスで“ありがとうの具体”を集め、可視化してから歌に戻します。

  • ありがとうカード:子どもが描いた絵(文字が難しければ絵だけ)に、先生が一言を添える。「いっしょにあそんでくれてありがとう」「てつだってくれてありがとう」など。
  • ありがとう地図:模造紙に園の一日(登園〜降園)を描き、「ありがとうが生まれた場所」にシールを貼る(玄関、砂場、絵本コーナー、給食室前)。
  • ありがとうの相手を広げる:友だち・先生だけでなく、調理員、用務員、バス運転手、地域の人、虫や植物(育ってくれた)にも広げる。

この取り組みの意外な効果は、「大きな出来事がなくても、かけがえない喜びがある」という歌詞の核心が、園生活の地味な場面(靴をそろえる、席を譲る、待つ、分ける)に宿ると、子ども自身が気づきやすくなる点です。結果として、発表会で歌う時にも“感動させるための歌”ではなく、“自分たちの生活の歌”になります。保育士にとっても、日誌や要録に書く「育ちの記述」が具体化しやすくなり、行事が終わった後に何が残ったかを説明しやすくなります。


死体はみんな生きている