キャベツの歌の歌詞と保育士が押さえるべき手遊び活用法
「お父さんあおむし」は、生物学的には実在しない。
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キャベツの歌「キャベツの中から」の歌詞全文
「キャベツの中から」は、保育現場で長く歌い継がれてきた定番の手遊び歌です。作詞・作曲ともに不詳で、いわば”口伝え”で広まったこともあり、地域や保育施設によって歌詞が微妙に異なるバージョンが存在します。しかしどのバージョンにも共通しているのは、あおむしの家族がキャベツの中から一人ずつ顔を出し、最後にちょうちょになるというストーリー展開です。
以下が標準的な歌詞の全文です。
| 番号 | 歌詞 |
|---|---|
| ① | キャベツの中から あおむし でたよ ニョキ ニョキ おとうさんあおむし |
| ② | キャベツの中から あおむし でたよ ニョキ ニョキ おかあさんあおむし |
| ③ | キャベツの中から あおむし でたよ ニョキ ニョキ おにいさんあおむし |
| ④ | キャベツの中から あおむし でたよ ニョキ ニョキ おねえさんあおむし |
| ⑤ | キャベツの中から あおむし でたよ ニョキ ニョキ あかちゃんあおむし |
| ⑥ | キャベツの中から あおむし でたよ ニョキニョキ ニョキニョキ ニョキ… ちょうちょになりました |
「おとうさん→おかあさん→おにいさん→おねえさん→あかちゃん」という5人家族の構成が基本です。手の指が5本であることと見事に対応しており、この構造が手遊び歌として完成度を高めています。
なお先ほどの「驚きの一文」に触れると、実際のあおむし(チョウ目の幼虫)は成長するとちょうちょになるので、生物学的には”親”も”子”もすでにちょうちょのはずです。しかし子どもの感性では虫を見て「大きいからお父さん」「小さいから赤ちゃん」と自然に読み取ることができます。この歌はその豊かな子どもの想像力をそのまま歌にしたものと考えるとよいでしょう。大人の「正しさ」より子どもの「感じ方」が大切だということですね。
バージョンの違いとしては、「おじいさんあおむし・おばあさんあおむし」を加えて7番構成にしたものや、「ピッピッ」という擬音を加えたバリエーション、さらに沖縄方言で歌うアレンジ版なども確認されています。どのバージョンが正解というわけではなく、クラスの子どもたちの状況や季節の行事に合わせて柔軟に選べばOKです。
参考:歌詞の全文と遊び方の詳細は下記のサイトで確認できます。
キャベツの歌の振り付けと手の動かし方のポイント
この手遊びの最大の特徴は、5本の指を1本ずつ順番に使うという点にあります。指を個別にコントロールする動作は、子どもにとって決して簡単ではありません。だからこそ、保育士が丁寧に見本を見せることが、子どもたちの集中力と模倣意欲を高めるカギになります。
振り付けの基本の流れは次の通りです。
- 🤜 「キャベツの中から」:片手をグーにしてキャベツに見立て、もう片方の手のひらで覆うようにして包み込む
- 🐛 「あおむし でたよ」:グーの中から指を1本するりと出す(出てくるあおむしのイメージ)
- ☝️ 「ニョキ ニョキ」:出した指を上下にゆっくり揺らす
- 👨 「おとうさんあおむし」:親指を立てて大きく動かし、お父さんらしさを表現する
- 👩 「おかあさんあおむし」:人差し指をそっと立て、やさしい動きで表現する
- 🧑 「おにいさんあおむし」:中指を立てて元気よく動かす
- 👧 「おねえさんあおむし」:薬指をそっと立てる(個別に動かすのが一番難しい指!)
- 👶 「あかちゃんあおむし」:小指を可愛らしく立てる
- 🦋 「ちょうちょになりました」:両手を広げ、バタバタと羽ばたく動作を加える
最後のちょうちょの場面は、歌全体のクライマックスです。「ニョキニョキ ニョキニョキ…」と繰り返しながら少しずつ指を全部伸ばしていき、最後に両手をパッと広げると子どもたちの気持ちも一気に盛り上がります。メリハリが大切です。
実演の際に特に注意したいのが「薬指」の扱いです。人間の指の構造上、薬指は隣の中指・小指と筋が繋がっているため、単独で動かすのが最も難しい指とされています。2〜3歳の子が薬指だけを立てられなくても全く問題ありません。その場合は保育士が手を添えてサポートするか、「おねえさんはここにいるよ〜」と声をかけながら笑顔でカバーしましょう。
テンポの調整も重要なポイントです。最初はゆっくり丁寧に、子どもたちが覚えてきたら少しずつテンポアップすると、繰り返し遊んでいても飽きにくくなります。「もっとはやく!」「もっとゆっくり!」と子どもたちに決めてもらうのも参加感が高まって効果的です。
参考:振り付け動画と実演解説は下記で確認できます。
キャベツの中から|まな&ゆうによる振り付き動画 – ほいくnote
キャベツの歌の年齢別ねらいと導入の工夫
「キャベツの中から」は2歳から5歳まで幅広く使える手遊び歌ですが、年齢によってねらいも関わり方も変わってきます。同じ歌を使いながら、アプローチを工夫するだけで発達支援の質が大きく変わります。つまり「年齢別の使い分け」が原則です。
2歳児:動作の模倣と指先への気づき
2歳児はまだ「指を1本ずつ立てる」という精細な動作が難しい年齢です。完璧にできなくて当然。グーをパーにするだけでも十分に楽しめます。「キャベツはポコポコってなるね」などやさしく声をかけながら動作を見せることで、安心して参加できる雰囲気をつくることが大切です。動作を目で見て体に取り込む模倣力の発達がこの時期の主なねらいになります。
3歳児:家族構成の理解と参加意欲
3歳になると「お父さん・お母さん・お兄さん」という家族構成を理解して楽しめるようになります。「おとうさんあおむしはどの指かな?」と問いかけると、子どもたちが自分で考えて参加するようになります。集中力や記憶力の発達を支援するために、繰り返しの中でストーリーを認識させることが有効です。
4歳児:動きの切り替えと表現の楽しさ
4歳児は「指の動き→ちょうちょ」という場面転換を楽しめるようになります。「ちょうちょになるときはどんなふうに飛ぶ?」と動きのイメージを一緒に考えると、それぞれが工夫した表現を見せてくれます。物語性を感じながら表現する力が育まれる時期です。
5歳児:アレンジと創造表現
5歳児にはある程度の自由度を与えて「自分ならどんな家族やストーリーにする?」と問いかけてみましょう。「おじいちゃんあおむし」「ロボットあおむし」などユニークなアイデアが飛び出すこともあります。これは想像力と創造力の発達そのものです。
参考:保育における手遊びの発達効果については下記の研究資料も参考になります。
手遊びの効果ってスゴイ!~子どもの心と体を育む活用のコツ – 保育士しごとnet
キャベツの歌が子どもの発達に与える効果
「キャベツの中から」をはじめとする手遊び歌の効果については、保育学の研究でも多くのことが明らかになっています。大阪芸術大学の研究によれば、手遊びをすることで「言葉の発達」「数の理解」「旋律の記憶」「拍子感覚」「リズムの記憶」という5つの領域にわたる多面的な発達効果が確認されています。これは使えそうです。
まず体・脳への効果として注目すべきなのが、手指と脳の深い関係です。手は「外部の脳」とも呼ばれるほど脳の広い領域と繋がっています。左右の手をバランスよく動かす手遊びは、脳の活動を活性化させて発達を促します。「キャベツの中から」では特に右手と左手がそれぞれ異なる役割(キャベツ役・あおむし役)を担うため、両手協調運動のトレーニングになります。
指先の巧緻性という点でも、この歌は優れています。親指→人差し指→中指→薬指→小指と1本ずつ動かす動作は、箸の持ち方や文字を書く準備運動としても有効です。特に薬指の単独運動は日常生活ではなかなか練習できない動きです。
言語・コミュニケーション面では、「ニョキ ニョキ」という擬音の繰り返しが語感とリズム感を育てます。歌詞に家族の呼び名(おとうさん・おかあさん・おにいさん・おねえさん・あかちゃん)が含まれているため、語彙学習としての効果もあります。
心の安定という点でも手遊びは重要な役割を果たします。保育士と子どもが向き合って触れ合いながら歌うことで、「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンが分泌され、子どもの情緒を安定させます。読み聞かせや活動の前に「キャベツの中から」を導入として使うと、クラス全体の気持ちが落ち着く効果が期待できます。
また、鹿児島大学の研究では「手遊びの有用性として、指先を使うことで知能の発達に有効であること、集団活動時の導入として優れていること」が確認されています。現場の感覚と一致する内容です。
参考:保育における手遊びの効果についての研究資料。
キャベツの歌のアレンジ活用:手袋シアター・テンポ変化・季節展開
「キャベツの中から」は手遊びとして完成されていますが、保育の中でさらに深く活用するためのアレンジ方法が複数あります。慣れてきたクラスほど飽きが出やすいので、バリエーションを知っておくと時間の節約になります。
🧤 手袋シアターへの展開
「手袋シアター」は、軍手に指人形を取り付けてビジュアルで物語を表現するツールです。「キャベツの中から」は手袋シアターとの相性が特によく、各指に「おとうさんあおむし」「おかあさんあおむし」などのキャラクターを取り付けると、子どもたちの視線が一気に集中します。minneなどのハンドメイドマーケットでオリジナル手袋シアターが1,000〜2,000円台で販売されており、保育実習前にも手軽に入手できます。もちろん自作することも可能で、フェルト生地と軍手さえあれば500円程度で作れます。
🎵 テンポ変化による盛り上がり
子どもたちが歌をほぼ覚えた段階で、「じゃあ、今度はゆーっくりでやってみよう」「今度は超高速!」と声をかけるだけで、雰囲気が大きく変わります。特にスピードを上げる「早口バージョン」は子どもたちが大喜びします。テンポを変えることは、リズム感の発達という観点からも有効な技術です。
🌸 季節や活動テーマとの連動
「キャベツの中から」は春(4〜5月)に特におすすめの手遊び歌です。あおむしやちょうちょが実際に活動し始める時期と重なるため、園庭での自然観察や虫の絵を描く造形活動と連動させやすい歌です。「今日お散歩で青虫みたね、あの子も歌の中にいるかも!」という一言で子どもたちのイメージが膨らみます。食育の場面で「キャベツってどんな野菜?」という話題から手遊びにつなげる使い方も効果的です。
📖 絵本との組み合わせ
「キャベツの中から」の世界観と近い絵本として「はらぺこあおむし」(エリック・カール著)が有名です。絵本の読み聞かせの前後に手遊びをセットで行うと、あおむしへの親しみが深まり、絵本への集中力も高まります。「はらぺこあおむし」は世界で3,300万部以上が売れているロングセラーで、視覚的な仕掛けが豊富なため1〜5歳のどのクラスでも使いやすい一冊です。
参考:手袋シアターの実演動画・制作の参考になるサイト。
キャベツの中から|手遊び歌を保育士が実演 – ほいくis

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