コスモスの歌・童謡を保育で活かす秋の歌の全知識
「わらいんぼコスモス」の歌詞は、たったの3番しかないのに子どもたちの語彙を秋一杯に育てます。
<% index %>
コスモスの歌(童謡)の種類と歌詞の全体像
保育の現場で「コスモスの歌」と言うと、大きく分けて2曲が存在します。混同している保育士も意外と多いので、まずここで整理しておきましょう。
1つ目は「わらいんぼコスモス」(作詞:まどみちお/作曲:磯部俶)です。こちらが保育園・幼稚園の現場で最もよく歌われる童謡で、特に10月の秋の歌として定番化しています。歌詞は3番まであり、コスモスが風・郵便屋さん・夕焼けに向かって笑いかける、という温かいイメージが特徴です。
| 番 | 相手 | 言葉 |
|---|---|---|
| 1番 | 風さん | いらっしゃいって笑う |
| 2番 | 郵便やさん | ごくろうさんって笑う |
| 3番 | 夕焼けに | またあしたって笑う |
2つ目は「コスモスのうた」(作詞:まどみちお/作曲:中田喜直)です。こちらは音楽之友社の教材カタログにも収録されている楽曲で、「わらいんぼコスモス」よりも少し落ち着いた曲調が特徴です。「すきコスモスが すきコスモス」というフレーズで始まる抒情的な曲です。
つまり、2曲とも作詞はまどみちお先生です。同じ詩人が書いたコスモスへの愛情表現が、それぞれ異なる作曲家によってまったく違う雰囲気の童謡になっています。これは意外ですね。
保育の現場では「わらいんぼコスモス」が圧倒的にポピュラーで、音楽之友社の保育教材集にも収録されています。いずれも「コスモスの歌 童謡」として検索すると上位に出てくる曲なので、目的の曲を取り違えないよう、事前に確認することが大切です。
コスモスの歌の作詞者・まど・みちおとはどんな人物か
「わらいんぼコスモス」「コスモスのうた」どちらも作詞しているまど・みちお(本名:石田道雄)は、1909年(明治42年)に山口県周南市(旧・徳山町)に生まれた詩人・作詞家です。「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」など、保育の現場で今も歌い継がれる数多くの童謡を生み出しました。基本が原則です。
幼少期に台湾で育ち、台北工業学校の土木科を卒業するという、詩人とはかけ離れた経歴を持ちます。25歳のとき、雑誌「コドモノクニ」の童謡募集に応募し、5篇を投稿したところ詩人・北原白秋に才能を認められたことが転機となりました。
その後の歩みも非常にドラマチックです。太平洋戦争中は帝国陸軍に召集され、マニラ・シンガポールなど各地を転戦しながらも、戦後は出版社「チャイルドブック」の創刊に関わり詩作を続けました。自らの人生経験と自然への深い観察眼が、コスモスのような小さな花を主人公にした温かい詩を生み出す源になっています。
1994年には国際アンデルセン賞(作家賞)を日本人として初めて受賞しました。これは「児童文学のノーベル賞」とも称される賞で、まどみちおの詩が世界的に評価されていることを示しています。2014年2月28日、104歳で老衰のため永眠。生涯にわたって詩作を続けた姿勢は、保育士として子どもたちに伝えたい「生きることへの誠実さ」そのものです。
なお、作曲者・磯部俶(いそべとし)は戦後の童謡・幼児教育音楽に大きく貢献した作曲家で、NHKの番組音楽なども多く手がけています。まどみちおとは複数の楽曲でコンビを組んでいます。
まど・みちお Wikipedia(経歴・受賞歴・代表作の詳細)
コスモスの歌・童謡のピアノ弾き歌いの調とコツ
保育士がもっとも悩むのが、ピアノの調(キー)の問題です。「わらいんぼコスモス」の原調は変ホ長調(E♭メジャー、♭が3つ)です。
♭が3つあると、慣れていない保育士にとっては少しハードルが高く感じられます。そこで実際の保育現場では、1音上げたヘ長調(F、♭が1つ)に移調して弾くケースが多くみられます。
| 調 | ♭の数 | 難易度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 変ホ長調(E♭) | ♭3つ | やや難しい | 原調 |
| ヘ長調(F) | ♭1つ | 比較的弾きやすい | 保育現場で多用 |
| ハ長調(C) | なし | 初心者向け | 移調簡易版 |
弾き歌いの楽譜は、ひかりのくに社の「年齢別声域配慮版 こどものうた12か月」に収録されており、コードネームと3番の歌詞付きで1ページにまとまったPDF楽譜がPiascore(楽譜ダウンロードサービス)でも販売されています。これは使えそうです。
ピアノを弾きながら歌う際のポイントは3点あります。
- 🎵 テンポは軽やかに、でも走りすぎない:コスモスがふわりと揺れるイメージに合わせて、やや軽めのテンポを保ちます。
- 🎵 笑う部分は少し間をとる:「わらう」の前の一拍は、子どもたちと表情を合わせる絶好のタイミングです。
- 🎵 左手は子どもの声域を支える役割:左手の音量を落とし、歌声が前に出るよう意識しましょう。
楽譜の確認は早めが鉄則です。9月中旬には仕上げておくと、10月の保育にゆとりをもって臨めます。
わらいんぼコスモス 弾き歌い楽譜(Piascore)コードネーム・歌詞付きPDF
コスモスの歌・童謡の手遊び振り付けと保育への導入アイデア
「わらいんぼコスモス」は、シンプルな手遊びの振り付けが付けられる曲で、1歳児・2歳児から取り組める点が大きな魅力です。
基本の振り付けは以下のような動作が一般的です。
- 🌸 「コスモス コスモス」:両手を花びらのように広げてひらひらさせる
- 🌸 「わらいんぼ わらいんぼ」:両手を頬に当てて笑顔を作る
- 🌸 「かぜさんに いらっしゃいって」:手を振って挨拶する動作
- 🌸 「わらう」:両手を上げてにっこりとする
こういった全身を使う動作が自然と含まれているため、音楽的な発達だけでなく、表情表現・コミュニケーション力の発達にも貢献します。情操教育への効果は大きいですね。
保育への導入のコツとして、歌の前に「秋のお花の名前知ってる?」と語りかけながら、コスモスの写真や絵本を見せると関心が高まります。子どもたちが「コスモスって笑ってるみたいだね」と感じてくれると、歌詞への理解が一気に深まります。
3歳以上の子どもには振り付けを段階的に覚えてもらい、慣れてきたら一人ひとりが自分なりの「コスモスの笑い方」を表現できるよう促すと、個性が生まれて豊かな活動になります。年長クラスでは3番まで通して歌い、最後の「またあしたって笑う」のフレーズに合わせてお別れの挨拶の練習に応用する保育士も多いです。
保育園で歌える秋の歌17曲(保育求人ガイド)わらいんぼコスモスの歌詞・活用法
コスモスの歌・童謡と秋の製作・壁面飾りの組み合わせ方
「わらいんぼコスモス」を歌いながら、コスモスをテーマにした製作活動を組み合わせると、保育計画の一貫性が高まります。歌と製作が連動することで、子どもたちが「コスモス」という概念をより深く、感覚的に理解できるようになります。
秋の製作アイデアとしておすすめなのが以下の3つです。
- 🎨 お花紙を使ったコスモス製作(3歳児〜):ピンクや赤のお花紙を細長く切って花びらに見立て、丸めた真ん中部分に貼り付ける。壁面に飾ると立体感が出てコスモス畑になります。
- 🎨 糸巻きスタンプのコスモス(4歳児〜):太めの毛糸を木製の糸巻きに巻きつけてスタンプを作り、秋色の絵の具で画用紙に押すだけで味のあるコスモスが完成します。
- 🎨 型紙使いのコスモス壁面飾り(5歳児〜):コスモスの花びら型紙を使い、画用紙から切り抜いて色を塗って組み立てる工程で、ハサミや糊の使い方も練習できます。
壁面飾りを完成させた後に「わらいんぼコスモス」を改めて歌うと、子どもたちの反応が明らかに変わります。自分が作ったコスモスに向かって「いらっしゃいって笑う」動作をするだけで、歌への愛着が深まるからです。
製作に迷ったときは「保育士バンク」や「ほいくis」などの保育情報サイトに豊富なアイデアが掲載されています。まずは1つ試してみると、保育計画への組み込み方が見えてきます。
コスモスをテーマにした製作・遊び3選(マイナビ保育士)製作の手順と応用例

歌集 蜘蛛の歌 (コスモス叢書 第1232篇)

