加藤まさを 保育園 童謡 月の沙漠 由来

加藤まさを 保育園 童謡

加藤まさをの童謡を保育園で活かす要点
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「月の沙漠」を事実と想像で分ける

発表媒体・時代背景などの事実と、歌詞が誘う想像(物語)を分けると、子どもの発言が増えます。

🧠

難しい語は「説明」より「体験」

沙漠・らくだ・おぼろ等は定義で教えるより、光・影・歩くリズムなど体験で近づける方が定着します。

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保護者共有は“歌詞の全文”より“子どもの気づき”

園だよりや掲示は、子どものつぶやき・絵・活動写真で価値を伝えるとトラブルも起きにくいです。

加藤まさを 保育園 童謡「月の沙漠」由来と発表の背景

 

加藤まさをは抒情画家・詩人として知られ、童謡「月の沙漠」の作詩者でもあります。藤枝市の紹介では、加藤まさを(本名・正男)は1897年生まれで、幼い頃から絵や歌が好きで、学生時代から詩や童謡、画を発表していた人物として説明されています。さらに大正12年に発表された「月の沙漠」は、佐々木すぐるの曲を得て、現在も広く愛唱されている、とまとめられています。

ここを保育に落とすときのポイントは、「作者は“童謡作家”としてだけでなく“絵も描いた人”」という事実です。実際、同志社女子大学のコラムでは、加藤まさをが「月の沙漠」を発表したのは大正12年3月の『少女倶楽部』誌上で、自身が描いた挿絵も付いていた、と書かれています。つまり、歌は“音楽”だけで完結していなくて、ことば・絵・情景がセットで届く作品として生まれた、と整理できます。

園での導入は「作者紹介の暗記」より、次の順番が安全で伸びます。

  • 🌙 先に絵:月の光・砂の道・歩く二人を、子どもが自由に描く。
  • 🎵 次に音:歌を1回聴き、気になった言葉を拾う(言えない子は指さしでもOK)。
  • 🗣️ 最後に事実:大正時代の雑誌に、詩と挿絵で発表された作品だと短く伝える。

補足:園内研修や上司説明の“根拠”として使える、権威性のある参考リンク

このリンクは「発表媒体(少女倶楽部)」「挿絵が付いていた」「震災の前後に作曲」「ラジオ放送で評判」など、由来の要点がまとまっています。

「月の沙漠」の不思議

加藤まさを 保育園 童謡「月の沙漠」歌詞の世界観を子どもへ伝えるコツ

「月の沙漠」は、説明しすぎると魅力が消えます。同志社女子大学のコラムでは、王子と姫がどこを目指して旅しているのか、読者の想像に委ねられている、といった読みの広がりが紹介されています。さらに、恋の逃避行、死出の旅、極端にはマリアとヨセフの旅という大胆な推理まであり得る、と書かれており、作品が“答えのない余白”を持っていることが分かります。

保育園でこの“余白”を扱うコツは、正解探しにしないことです。おすすめは「3つの問い」を、活動に合わせて使い分ける方法です。

  • 👂 聴く問い:「いちばん耳に残った言葉はどれ?」(語彙を増やす)
  • 🖼️ 見る問い:「この歌、何色に見える?」(情景を広げる)
  • 🚶 動く問い:「らくだの歩く速さ、どれくらい?」(リズムを身体化)

また、「難しい語を“言い換えさせる”」のも有効です。たとえば「さばく」は、年齢によって理解が割れるので、

  • 年少:さらさらの砂、足が沈む感じ(触覚)
  • 年中:水が少ない場所、暑い/寒いがある(生活の対比)
  • 年長:昼と夜で景色が変わる、静かな広い場所(想像の広がり)

と段階を分けると、同じ曲でもクラスの差が出にくくなります。

加藤まさを 保育園 童謡を行事・環境構成に落とす(実践案)

加藤まさをは藤枝市出身で、抒情画全盛時代に雑誌で多くの抒情詩や抒情画を発表し、読者に親しまれていた、と藤枝市の解説にあります。ここから読み替えると、作品は「歌の時間」だけでなく、環境(飾り・展示・コーナー)と相性が良いタイプです。歌唱が苦手な保育者でも、環境構成から入ると成立しやすくなります。

日常保育に落としやすい“セット活動”を用意します(入れ子にしないで使える形)。

  • 🧺 砂の感触コーナー:砂・さらさら布・紙吹雪などで“沙漠っぽさ”を体感する。
  • 🖍️ 抒情画ごっこ:月の光を、黒画用紙×白/銀/金の画材で表現する。
  • 👣 行進あそび:二人ならんで歩く、止まる、振り返るを音に合わせてやる。
  • 📷 記録展示:「子どもの言葉カード」を壁に貼り、絵と並べて保護者へ共有する。

行事に接続するなら、発表会で“合唱の完成度”を狙いすぎない方が安全です。理由は、作品が静けさや余韻で魅力が出るためで、テンポや声量で押すと世界観が変わりやすいからです。活動のゴールを「上手に歌う」から「情景をそろえる」に変えると、発達差があってもチームとしてまとまりやすくなります。

参考:藤枝市出身であることや、抒情画家・詩人としての説明がまとまっており、園内の“根拠資料”として使いやすいページです。

「月の沙漠」の詩人 加藤まさを|藤枝市ホームページ
加藤まさを (抒情画家・詩人) 〈1897-1977〉

加藤まさを 保育園 童謡の独自視点:作品の「誤り」を教材にする

検索上位の一般的な記事は「名曲紹介」で止まりがちですが、保育では“あえて扱える面白さ”があります。同志社女子大学のコラムでは、本多勝一が歌詞内容に対して、遊牧民は水甕ではなく革袋を使う、二人旅は危険、砂漠で月が「朧にけぶる」は砂嵐が静まる時くらい、といった批判を挙げていると紹介されています。そして加藤まさを自身が、外国へ行ったことはなく、沙漠へのあこがれがあって作詞した、という趣旨で答えたことも書かれています。さらに、挿絵のラクダがヒトコブラクダではなくフタコブラクダだった、という指摘まで載っています。

この“ズレ”は、保育でとても使えます。なぜなら、子どもは「本当かな?」「なんで?」が大好物で、そこから観察・調べる・比べるが始まるからです。つまり「作者が間違えた」ではなく、「想像で作ったから、現実と違うところが出る。それでも歌は美しい」という視点にすると、創作と事実の違いをやさしく学べます。

実践案(独自視点を保育計画に落とせる形)

  • 🔎 くらべっこ:らくだの絵を2種類見て「どっちが歌のらくだ?」と話す(正解は急がない)。
  • 💧 水の運び方:革袋・水筒・ペットボトルなどを見比べ、「運ぶ」動作あそびをする。
  • 🌫️ おぼろ体験:霧の日や雨上がりに窓から空を見る→「今日はおぼろ?」と生活に戻す。
  • 🧩 創作の許可:「ほんとうの沙漠」じゃなくても、“想像の沙漠”を書いていい日を作る。

この設計にすると、童謡が「昔の歌を覚える」から、「想像する力と確かめる力を両方育てる」へ変わります。保育者の言葉かけも、「合ってる/間違い」ではなく「どうしてそう思った?」へ寄せられるので、子どもの自己表現が増え、クラス運営も柔らかくなります。


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