片付けの歌ピアノで保育士が子どもを動かすコツと楽譜選び

片付けの歌をピアノで弾き歌いする保育士のための完全ガイド

ピアノのテンポを「速くすれば速くするほど」子どもが片付けるとは限らず、クラスの興奮度によっては逆効果になることがあります。

この記事の3つのポイント
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楽譜の選び方が大事

「おかたづけのうた」にはハ長調・ヘ長調など複数の版があり、初心者はハ長調から始めると♭がなくスムーズに弾けます。

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テンポは「クラスの状態」に合わせる

アップテンポは動き出しを促しますが、興奮気味のクラスには落ち着いたテンポの方が片付けを最後まで維持しやすいです。

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毎回同じ曲が「合図」になる

片付けの歌を固定することで、子どもの脳に「この音楽=片付けの時間」が刷り込まれ、声かけを減らしても自然と動けるようになります。


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片付けの歌「おかたづけのうた」の基本知識と歌詞のポイント

 

おかたづけのうた」は、作詞作曲不詳として知られる生活のうたの定番曲です。JASRACの検索サイトで調べると、同タイトルだけで少なくとも21曲が登録されているほど、バリエーションが豊富です。意外ですね。

「おかたづけ おかたづけ さあさ みなさん おかたづけ」という短くシンプルなフレーズが繰り返されるのが特徴で、子どもが耳で覚えやすい構造になっています。曲自体がとても短いため、1コーラスわずか20〜30秒程度。その短さを活かして「この曲が終わるまでに片付けよう」というルール作りに最適な曲でもあります。

同じ「片付けの歌」として保育現場でよく使われる曲には他にも、渡辺茂作曲の「かたづけましょう(かたかたかた かたかたかた かたづけましょ)」や、坂田修が作った手遊び要素のある歌など、複数のバリエーションがあります。これらは全て「おかたづけのうた」として検索上位に出てくることがありますが、メロディーが微妙に異なるため、園での共有の際は動画リンクや楽譜を一緒に見せると認識のズレが防げます。

なお、作詞作曲が「不詳」の曲は著作権上フリーとして扱われることが多く、保育ブログやYouTubeなどで楽譜付き動画が多数公開されています。ただし、出版社が独自に編曲した楽譜には別途著作権が発生するため、「楽譜ごと無料」というわけではない点は要注意です。

片付けの歌ピアノ楽譜の選び方|ハ長調とヘ長調の違い

「おかたづけのうた」のピアノ楽譜は、主にハ長調版とヘ長調版の2種類が広く流通しています。これが初心者にとっては意外な落とし穴になります。

ハ長調は「ドレミファソラシド」の白鍵だけで構成されているため、黒鍵(シャープ・フラット)が一切ありません。ピアノ初心者の保育士さんや保育学生には、まずハ長調版から取り組むことをおすすめします。一方、ヘ長調版は「シ♭(シのフラット)」が1つつきます。聴こえ方はほとんど変わりませんが、譜読みの段階で「♭があることに気づかず弾いてしまう」というミスが起きやすいです。シに注意が必要です。

保育養成校の研究論文(星槎大学、2024年)によると、保育教材曲集82曲のうちヘ長調が29曲と最も多く、次にハ長調が続くというデータが報告されています。ヘ長調が基本です。現場で先輩保育士が弾いている楽譜と調性が違うと、一緒に歌ったときに「音が合わない」という状況が起きることもあります。事前に「何長調で弾いているか」を確認しておくことで、この問題を防げます。

楽譜の入手先としては、印刷楽譜サービスの「at-elise(アットエリーゼ)」では1曲110円からダウンロード購入できます。コンビニ印刷にも対応しているため、急な必要があるときにも便利です。また、著作権フリーの楽譜をYouTubeや専門サイトで探す場合は、「ハ長調」「ドレミ付き」「保育用」などのキーワードで検索すると目的の楽譜に素早くたどり着けます。

おかたづけ(ヘ長調)の楽譜一覧 | アットエリーゼ(1曲110円から購入可)

片付けの歌ピアノの弾き歌いコツ|テンポ設定と子どもの動き方

「テンポを速くするほど子どもが速く片付ける」と思っている保育士は少なくありませんが、これは半分しか正しくありません。現場の実践例をもとに整理します。

アップテンポは確かに「勢い」を生み出し、動き出しのきっかけを作る効果があります。YouTube動画「おかたづけ 保育士がピアノ演奏」の説明欄にも「リズムを少し早く弾くと、子ども達もリズムに合わせて早くお片付けをしてくれますよ」とある通り、一定の効果が認められています。しかし、保育ブログや現場の声では「興奮しやすいクラスでアップテンポを使うと、片付けが最後まで崩れてしまう」という報告も見られます。クラスの状態が条件です。

落ち着いたテンポの曲の方が最後まで動き続ける子が多い、というのは現場経験者の間では知られた話です。テンポの使い分けの目安は次の通りです。

  • 🟢 普段のクラス:やや早め(♩=100前後)で元気よく弾く
  • 🟡 盛り上がっているとき:ゆっくりめ(♩=80前後)で落ち着いて誘導
  • 🔴 外遊び直後など興奮状態:最初はゆっくり→後半少し速くして終わる

弾き歌いで最も重要なのは、「保育士自身が楽しそうに弾いているかどうか」です。テンポよりも表情と雰囲気の方が子どもへの影響が大きいという現場の声も多く、プロのような演奏は必要ありません。子どもと一緒に歌いながら、笑顔で弾くことが基本です。

片付けの歌ピアノの練習法|初心者保育士でも2週間で弾ける手順

保育士を対象にした「ほいくis」のアンケート調査(2020〜2021年)では、「毎日ピアノを弾く機会がある」と答えた保育士は42.3%でした。一方で「弾かなくてもよい」と答えた割合も21.2%に上り、決して全員が毎日弾くわけではないのが現実です。

ただし「おかたづけのうた」は、保育の生活場面で繰り返し使う定番中の定番。この1曲だけでも確実に弾けるようにしておくと、現場での自信につながります。初心者保育士が2週間で弾けるようになるための手順を整理します。

第1週目:歌と片手練習

  • 1〜2日目:楽譜を見ずに「おかたづけ」の歌詞とメロディーを完全に覚える
  • 3〜4日目:右手だけでメロディーを弾きながら歌う(ハ長調版推奨)
  • 5〜7日目:左手だけで伴奏(ドとソの和音2つ程度)を弾きながら歌う

第2週目:両手合わせ

  • 8〜10日目:2小節ずつ両手で弾き歌いの練習を繰り返す
  • 11〜12日目:つながりが難しい部分だけを集中して繰り返す
  • 13〜14日目:1曲通して弾き歌い、本番のテンポに近づける

「おかたづけのうた」はハ長調版であれば、使うコードが「C(ド・ミ・ソ)」と「G(ソ・シ・レ)」の2種類のみで弾ける簡単アレンジが存在します。2コードだけで弾けます。これは初心者に非常に取り組みやすい構成で、YouTube動画「保育:おかたづけ ハ長調【おうちピアノ教室】コード2つだけ!」でも実際の弾き方が確認できます。

練習は毎日10〜15分でも継続することが上達の近道です。短い時間でも毎日続けることを優先しましょう。

【保育士必見】ピアノでの弾き歌いのコツは?練習方法を紹介|保育求人ラボ(片手ずつ練習する手順の詳細解説)

片付けの歌ピアノを「合図」として機能させる保育環境の整え方

片付けの歌をピアノで弾いても「全然動かない」と感じた経験がある保育士は多いはずです。原因は演奏の問題だけでなく、「環境の整備」にあることが少なくありません。これは見落としがちなポイントです。

まず大前提として、毎回必ず「同じ曲」を使うことが重要です。繰り返し同じ音楽が流れることで、子どもの脳に「この音楽=片付けの時間」というルーティンが形成されていきます。音楽は行動切り替えの”スイッチ”として機能するようになり、声かけの回数を大幅に減らせます。複数の曲を気分で変えてしまうと、この効果が薄れます。固定が原則です。

環境面では、棚やボックスに写真ラベル・ひらがなラベルを貼り「どこに何を戻すか」を視覚で一目で分かるようにしておくことが効果的です。「片付けたいけどどこに戻すか分からない」という状況が、子どもが動けない原因のひとつです。文字が読めない年齢の子どもには、おもちゃの写真を棚に貼るだけで問題は解決します。

さらに一歩進んだ実践として、片付けを「2曲に分ける」方法があります。1曲目を「床からおもちゃを集めるフェーズ」、2曲目を「棚やボックスに戻す収納フェーズ」として分けると、片付けの後半で集中が切れる子を立て直しやすくなります。ただし、2曲目を始める前に「次はしまう曲だよ」と短く予告することがポイントです。子どもが2曲目をまだ遊んでいい合図と勘違いしないための予防策になります。

また、「この曲が終わるまでに片付けよう」という時間のゴールを作ることで、子どもが片付けに向かうモチベーションを維持しやすくなります。タイマーアプリの代わりに音楽が時間の枠として機能する、というわけです。これは使えそうです。

なぜ音楽が幼児教育にとってそれほど重要なのか|久屋プリスクール(保育での音楽活用の考え方を解説)

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