笠地蔵 歌を保育で活かす完全ガイド
発表会CDをそのまま録画して保護者に配ると、著作権法違反になる場合があります。
笠地蔵の歌とはどんな曲?ストーリーと歌の関係
「笠地蔵」は、雪の降る大みそかの夜、貧しくも心優しいおじいさんとおばあさんが路傍のお地蔵様に笠をかぶせてあげ、その夜にお地蔵様から恩返しを受けるという日本昔話です。この物語を保育の場で劇やオペレッタとして表現するとき、歌は欠かせない要素になります。
物語の雰囲気を作り出すのが歌の役割です。「しんしんしんしん 雪が降る」という歌詞に代表されるように、静かで神秘的な雪の夜の情景を音楽で描写することで、子どもたちは物語の世界観に自然と引き込まれていきます。
歌には大きく分けて2つの使い方があります。ひとつは物語の導入や場面転換に使う「情景描写の歌」で、もうひとつはキャラクターが歌いながら演技する「劇中歌」です。前者は保育士がBGMとして流すだけで効果的ですが、後者は子どもたちが実際に歌えるシンプルな旋律と歌詞が求められます。
代表的な歌詞の例として、お地蔵様が夜に荷物を運んでくる場面では「よいやさ こらしょ どっこいしょ」という威勢のよいかけ声が登場します。この「よいやさ」は、重いものを担ぐときのかけ声で、古くから労働の場で使われてきた日本語の表現です。子どもたちがこのリズムに合わせて体を動かすと、劇に自然なダイナミズムが生まれます。
つまり、歌は「聴かせる」だけでなく「動かす」ためにも機能しているということですね。
保育士としては、使う歌を1曲に絞らず、「静かな情景描写の歌」と「元気なかけ声系の歌」を組み合わせることで、発表会の全体的なメリハリが生まれます。これが子どもたちの集中力を最後まで保つカギになります。
笠地蔵の歌の種類と保育向けCDの選び方
「笠地蔵 歌」と一口に言っても、実はいくつかの種類があります。整理しておきましょう。
- 🎵 オペレッタCD(劇あそびセット):BGM・効果音・セリフの見本がすべて入ったCD。子どもの年齢や人数に合わせてセリフをアレンジしやすい構成のものが多く、保育士の負担を大きく減らせます。
- 🎹 ピアノ楽譜つきの劇中歌:「かさじぞう 劇中歌 ピアノ楽譜あり」として販売されているもの。保育士がピアノで伴奏しながら子どもたちが歌うスタイルです。対象年齢は3歳ごろを目安にしたものが多いです。
- 📖 参考図書付属CD:チャイルド社・ひかりのくに・自由現代社などの出版社が発行する劇あそび参考書に付属しているCD。台本・衣装・小道具アイデアとセットで使えるので、初めて取り組む保育士にとって安心感があります。
- 🖥️ YouTubeやデジタル楽譜(有料):Piascore楽譜ストアやmucome.netなどで購入できるデジタル楽譜。自宅やコンビニでプリントできるため入手が手軽です。ただし著作権の扱いには後述するように注意が必要です。
CDを選ぶとき、見落とされがちなのが「上演時間と人数の対応力」です。たとえばキングレコードやコロムビアのCDでは7〜10分程度の演奏時間のものが多く、クラスの人数が15〜25名程度を想定して作られています。一方で乳幼児教育研究所のオペレッタCDは「主な歌を5曲に絞り込み、そのくり返しで進行する」構成になっており、歌が覚えやすく、動きも簡単にできる工夫がされています。
これは使えそうです。
年中・年長のどちらが使うかによっても選択肢が変わります。年中(4歳)向けは登場人物が少なくシンプルなセリフ量、年長(5歳)向けはセリフを長めにアレンジしたり、うさぎやふくろうなど動物キャラクターを追加して人数を増やせる構成が合っています。クラスの子どもの人数と実力に合わせて選ぶことが基本です。
笠地蔵の歌をピアノで弾くときのコツと楽譜の入手方法
発表会に向けてピアノ伴奏を準備する保育士にとって、楽譜の入手先と弾き方のコツは切り離せない話題です。
まず楽譜の入手先として代表的なのは以下の3つです。
- 🎼 at-elise(アット・エリーゼ):ドレミ楽譜出版社など有名出版社の「かさじぞう」ピアノ・ソロ譜(初級〜中級)を1曲単位でダウンロード購入できます。作詞はあだちやえ、作曲は横山潤子のバージョンが代表的です。
- 🎼 Piascore楽譜ストア:「発表会・ごっこあそび・劇遊びにピッタリ」として販売されているピアノソロ譜(初〜中級)があります。生活発表会の劇の始め・劇中・ラストどこで使っても合う構成になっています。
- 🎼 mucome.net:「かさじぞう 劇中歌 ピアノ楽譜あり」としてPDFファイルで販売されています。デジタル商品のため購入後すぐに使えます。
ピアノが苦手な保育士向けのコツとして、まず「テンポを落として練習する」ことが鉄則です。子どもたちが歌いやすいテンポは、大人が弾きやすいテンポより少しゆっくりになることが多く、無理に速くする必要はありません。
次に「左手の伴奏を単音またはオクターブに簡略化する」方法があります。和音を押さえるのが難しい場合でも、左手を単音のルート音(コードの一番低い音)だけにするだけで、十分に安定した伴奏になります。ひかりのくにから出版されている参考書では「ピアノが苦手な方にも弾きやすい、左手の伴奏に音名を記載した保育ソング集」が収録されており、こうした音名付き楽譜を選ぶのも賢い方法です。
楽譜を選ぶ際は「初級」と書かれていても難易度に幅があるため、必ずサンプルを確認してから購入することをおすすめします。
笠地蔵の歌と発表会における著作権の正しい知識
発表会でCDの音楽を流したり、保育士がピアノを弾いたりすることに対して、著作権の心配をする方も多いと思います。ここは正確に押さえておきたいポイントです。
JASRACが定める著作権法第38条によると、以下の3条件をすべて満たす場合は、楽曲使用の手続きは不要です。
- ① 営利を目的としていない
- ② 名目を問わず、入場料をとらない
- ③ 演奏者や指揮者など出演者へ報酬の支払いがない
保育園や幼稚園の生活発表会は、一般的に①②③すべてに該当するため、会場で音楽を演奏・使用することについての著作権手続きは不要です。安心していいところです。
注意が必要なのは「録画・録音して配付する場合」です。発表会のようすをDVDやデータにして保護者に配付するには、演奏が無料でも、JASRACへの手続き(利用許諾)が必要になります。演奏自体と録画配付は、著作権上の扱いが別になっていると覚えてください。
また「楽譜のコピー」にも注意が必要です。市販の楽譜をスキャンして複数人に配布するのは、クラブ活動・保育活動を問わず著作権侵害になります。保育士同士で「コピーして使おう」とやってしまいがちですが、ここは必ず人数分を正式に購入するか、各自がダウンロード購入する形をとってください。
もうひとつ見落とされやすいのが「SNSへの投稿」です。発表会のようすを保育園の公式SNSや動画サイトにアップロードする場合は、著作権管理された楽曲が含まれると問題になることがあります。JASRACのウェブサービスではなく、著作権フリーの劇中歌(例:自作曲や無料フリー素材)を使うか、事前に確認する必要があります。
これが条件です。著作権のルールは難しく見えますが、「会場での演奏はOK・録画配付と楽譜コピーとSNSはNG(または要手続き)」と覚えると整理しやすいです。
参考:JASRACによる学校・教育機関での音楽利用案内
笠地蔵の歌で劇を盛り上げる!配役・台本・小道具のアイデア
「笠地蔵 歌」を使った劇をより魅力的にするために、保育現場で役立つアイデアをまとめます。
まず配役についてです。笠地蔵の基本的な登場人物は「おじいさん・おばあさん・お地蔵さま・町の人・ナレーター」の5役が中心ですが、クラスの人数が多い場合は動物キャラクター(うさぎ・ふくろう・ネズミなど)を加えることで役を増やせます。実際に5歳児クラスでうさぎとふくろうを追加したバージョンはYouTubeにも複数の実例が公開されており、会場が温かい笑いに包まれるシーンが生まれています。
台本のアレンジも効果的です。原作に忠実なシンプルな構成でも十分ですが、たとえば「おじいさんが1人に対してお地蔵さまも1体ずつ設けて、おじいさんが個別に笠をかぶせてあげる」という演出にすると、子どもたちそれぞれの出番が増えてひとりひとりが主役になれます。
衣装はシンプルで十分です。お地蔵さまの衣装は「グレーのワンピース+赤い前掛け」が定番で、銀色のポリ袋で腕と顔をくり抜いて手作りすることもできます。笠は半径20〜25cmのボール紙や段ボールを円形に切り、中心から40度分を切り落として重ねると立体的な笠のかたちになります。子どもたちと一緒に作るプロセス自体が、5歳児に大切な「協同的な学び」にもなります。
小道具のポイントは「お地蔵さまからのお礼の品を大きく作ること」です。原作では米俵や食べ物ですが、子どもたちがどんなお礼をしたいか事前に話し合い、自分たちで作ったプレゼントを渡す演出にすると、より子どもの表現力と主体性が引き出されます。「もし自分たちがお地蔵さまだったら、どんなお礼をするかな?」という問いかけで、子どもたちの豊かなアイデアが生まれます。
歌については、静かな雪景色シーンでは「しんしんしんしん 雪が降る」のような穏やかな曲調、お地蔵さまが歩いてくるシーンでは「よいやさ こらしょ どっこいしょ」のようなリズミカルな曲調と、場面ごとに使い分けることで、劇全体のメリハリが生まれます。曲を使い分けるのが基本です。
笠地蔵の歌が子どもの育ちに与える保育的な意義(保育士だけが知る視点)
「笠地蔵 歌」を使った活動には、単に「発表会を成功させる」以上の保育的な価値があります。ここは、保育士として現場を経験しなければ見えてこない独自の視点です。
まず歌を通じた「情操教育」の効果です。「しんしんしんしん 雪が降る」という歌詞を繰り返し口にすることで、子どもたちは「雪の静かさ」「寒さの中の温かさ」という感覚を体験的に身につけていきます。言葉と音楽が組み合わさることで、絵本の読み聞かせだけでは届かない深さで物語が子どもの内側に入っていくのです。これがいいところです。
次に「道徳的な感受性」の育ちです。笠地蔵のストーリーは、貧しくても人(お地蔵様)を思いやることで報われるという構造を持っています。3〜5歳の子どもが歌いながら繰り返しこの物語に触れることで、「親切にすることの価値」が感覚として育まれていきます。文部科学省の幼稚園教育要領でも「道徳性・規範意識の芽生え」は幼児期の重要な育ちの領域として位置づけられています。
また、劇中の歌では「全員で声を揃えて歌う体験」が子どもたちに社会性をもたらします。自分のパートだけでなく、友達の声を聴きながら息を合わせて歌う行為は、小学校以降の集団活動の基礎となる協調性を育てます。
さらに注目したいのが「声の大きさのコントロール」です。雪の降る静かな場面では小さな声で、お地蔵様が荷物を運んでくる場面では大きな声でと、歌の内容に合わせて声の出し方を変える練習は、そのまま「感情表現力」のトレーニングになります。
そして保育士として忘れてはならないのが「ねらいと振り返りのセット」です。笠地蔵の歌を使う活動を組むとき、「なぜこの歌を選ぶのか」「活動後にどんな言葉が子どもから出てくるか」を事前に考えておくことで、保育の質が大きく変わります。子どもの姿を観察して月案・週案の振り返りに活かせるかどうかが、ベテランと若手の保育士を分ける大きな差になります。
「笠地蔵 歌」を選ぶこと自体が、すでに保育のねらいを持った「意図的な選択」です。それを保護者や園長に説明できるようにしておくと、発表会後の評価も変わります。
参考:幼稚園教育要領(文部科学省)における「表現」領域の位置づけ
参考:JASRACの著作権と保育・教育での音楽利用
JASRAC「学校など教育機関での音楽利用」公式ページ

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