保育ソング CDの選び方と現場で使える活用法
保育ソングCDをとりあえず買ったのに、いざ使おうとしたら子どもたちの反応がいまひとつだった——そんな経験はありませんか?実は、CDの選び方には明確な基準があります。
保育ソングCDを選ぶ前に知っておきたい年齢別の発達段階
保育ソングCDを選ぶとき、「人気があるから」「自分が好きだから」という理由で選んでしまうと、子どもたちの反応が薄くなることがあります。これは選曲の問題というよりも、子どもの発達段階に合っていないことが原因であるケースがほとんどです。
音楽と子どもの発達には密接な関係があります。0〜1歳の乳児は、ゆったりとしたテンポのリズムを心拍数や呼吸と自然に同期させることで安心感を得ます。これは胎内で聞いていた母親の心音や呼吸のリズムに近い感覚であるためと言われています。つまり、この時期は複雑な歌詞より「音のリズム感」と「テンポのゆっくりさ」が最優先です。
2〜3歳になると、言葉の発達とともに歌らしきものを口ずさむようになります。この時期のCDは歌詞がシンプルで繰り返しが多い楽曲がよく合います。「おべんとバス」「バスにのって」のようなオノマトペや乗り物を題材にした楽しい曲が喜ばれやすいです。
4〜5歳は音楽に合わせて体を自由に動かせるようになり、ストーリー性のある歌や少し難しい歌詞も理解できるようになります。これが基本です。「エビカニクス」「ぼくらは小さな海賊だ」など振り付けのある体操・ダンス系のCDが特に好まれます。
| 年齢 | 発達の特徴 | おすすめのCDジャンル |
|---|---|---|
| 0〜1歳 | 音のリズムに反応する | ゆっくりテンポの子守歌・わらべうた系 |
| 2〜3歳 | 歌らしきものを口ずさむ | 繰り返しが多い・オノマトペ系あそびうた |
| 4〜5歳 | 体を動かしながら楽しめる | 振り付け付き体操・ダンス系、ストーリー系 |
年齢に合わせた選曲が最初の一歩です。
保育ソングCDの行事・季節別おすすめ選曲ポイント
保育現場では、日常の保育で使う「あそびうた」と、行事・季節に合わせて使う「イベントソング」を分けて考えることが大切です。一年を通じて保育ソングCDを賢く使い回すためには、収録内容の幅広さと曲数のバランスを事前に確認するのがポイントになります。
🌸 春(3〜5月) に特に需要が高いのは入園・進級に関する歌です。「先生とお友達(入園の歌)」「はるですね はるですよ」のような明るく前向きな曲は、子どもたちの新生活への期待感を高めます。この時期だけでなく、新しいクラスの雰囲気づくりにも活用できます。
☀️ 夏(6〜8月) は「ヤッホッホ!夏休み」などテンポの速い明るい曲が活躍します。プールや水遊びの場面では、テンポよく気分が上がる曲を選ぶと子どもたちの動きも活発になりやすいです。
🍂 秋(9〜11月) は運動会シーズンです。「運動会のうた(♪運動会だチャッチャチャチャッ)」「エビカニクス」「かえるのたいそう」などリズムがはっきりしていて体を動かしやすい曲が重宝されます。振り付けが公式動画でも確認できる曲が入ったCDを選ぶと、指導の負担が減ります。これは使えそうです。
❄️ 冬(12〜2月) はクリスマス・お正月・節分・ひな祭りと行事が続きます。「クリスマスのうたがきこえてくるよ」「うさぎ野原のクリスマス」「もちつき(♪もちつきぺったんこ)」「ゆきだるまのチャチャチャ」といった季節感のある曲が収録されたCDを一枚持っておくと通年で使い回せます。
🎓 卒園式(2〜3月) は感動的な場面に合う曲選びが求められます。現場での調査によると、卒園式で最も歌われる曲1位は「さよならぼくたちのほいくえん・ようちえん(作詞:新沢としひこ)」で、保育士25名のアンケート調査でも他の曲を大きく引き離してトップです。2位以下は「おおきくなったよ」「『ね』」「ビリーブ」がそれぞれ7票で並んでいます。卒園ソングが複数収録されているCDは保存版として一枚手元に置いておく価値があります。
↑卒園ソングの選曲に迷ったときの参考として、ランキング形式で詳しくまとめられています。
保育士イチオシ!Hoick殿堂入り保育ソングCDとは
保育士向けCDとして現場での評価が特に高いのが、キングレコードから2021年にリリースされた「〈Hoickおすすめ!〉超★殿堂入り ほいくソング~みんなが歌った!保育士さんイチオシの50曲~(品番:KICG-8446〜7)」です。税込み価格は2,530円で、2枚組50曲という圧倒的なボリュームがあります。
このCDが選ばれた背景には、月間25万人が訪れる保育者向けWebサイト「Hoick」でのデータがあります。10万人以上が閲覧した曲を中心に厳選されており、保育の現場で実際に使われているかどうかという実績ベースの選曲がポイントです。単に「子どもが好きな曲」ではなく「保育士が使いやすい曲」として選ばれているため、保育現場での即戦力になりやすいです。
収録内容はテーマ別に整理されており、「いっしょにうたおう!」「げんきなあそびうた」「人気のたいそう&ダンス」「季節・行事のうた」「心にのこる卒園ソング」「お誕生日のうた」という6つのカテゴリーで構成されています。一枚でほぼ一年分のシーンをカバーできるという点が、多忙な保育士に支持される理由です。
収録されている主な人気曲を以下に挙げます。
- 🎵 にじ(新沢としひこ×中川ひろたか)── 発表会でも定番の感動的な合唱曲
- 🎵 世界中のこどもたちが(新沢としひこ×中川ひろたか)── 全国的知名度No.1クラスの定番
- 🎵 エビカニクス(ケロポンズ)── 振り付け動画リンク付きで指導しやすい体操曲
- 🎵 おべんとバス(阿部直美)── 2〜3歳クラスで大人気のあそびうた
- 🎵 さよならぼくたちのほいくえん(新沢としひこ)── 卒園式の定番ソング1位
振り付け動画リンク(☆マーク)や遊び方の説明(★マーク)が付いている曲も多く、ベテラン保育士だけでなく新人保育士にとっても安心して使えるつくりになっています。結論は「まず1枚目に買うならこれ」です。
〈Hoickおすすめ!〉超★殿堂入り ほいくソング 公式ページ(キングレコード)
↑全収録曲リストと商品詳細が確認できます。購入前に収録曲を必ずチェックしてください。
保育ソングCDと著作権──知らないと1,000万円の罰金リスクあり
保育ソングCDを「購入したから自由に使える」と思っているなら、注意が必要です。CDを購入した費用は、あくまでも「その音源を個人で楽しむためのライセンス料」に過ぎません。保育園内での使用方法によっては、追加の著作権手続きが必要になります。
著作権法に違反した場合、民事上の損害賠償請求だけでなく、刑事上は「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」が科される可能性があります。一般的な刑法の窃盗罪に比べても重い罰則設定です。これは厳しいところですね。
では実際、保育現場ではどこに気をつければいいのでしょうか?以下の3つのシーンが特に注意ポイントです。
① 保育室内でのBGM再生(日常保育)
保育室内で市販のCDを流す行為は、JASRACの管理下にある楽曲の場合、施設利用型のBGMとしての手続きが必要になるケースがあります。ただし、非営利かつ入園料・利用料などを一切取らない完全無償の公立施設の場合は著作権法第38条の適用余地があります。一方、月額利用料を徴収している認可保育園や民間保育園での使用は、グレーゾーンになる可能性があります。
② 運動会・発表会での使用(行事)
行事の場で市販CDを流す場合も同様です。特に来場者(保護者)がいる前で流す場合は「公の場での演奏・再生」に該当するため、JASRACへの手続きが必要になるケースがあります。
③ SNS・園の公式サイトへの動画アップ(ネット配信)
子どもたちの様子を動画で撮影してSNSや園のホームページに掲載する際に、BGMとして市販CDの曲が流れていると著作権侵害になります。YouTubeやニコニコ動画などのサイトはJASRACと包括契約をしているため、そこへのアップロードはこの問題をクリアしやすいです。しかし園の独自サイトや他のSNSでは個別の対応が必要な場合があります。著作権フリーのBGMを使うのが条件です。
安全に使うための対策として、著作権フリーの保育専用BGMサービスの活用が選択肢に入ります。「SmartSchool」などの保育専門の音楽配信サービスは、保育現場での使用を前提としたライセンスで提供されているため、行事での使用や保育室内のBGMとして安心して使えます。
↑保育所も含む教育機関での音楽利用ルールが公式に解説されています。手続きが必要かの判断基準はここで確認してください。
保育ソングCDを現場で最大活用するための独自視点:「繰り返し力」で選ぶ
保育ソングCDを選ぶ観点として、あまり語られないのが「繰り返し力」という視点です。同じCDを何十回再生しても子どもも保育士も飽きないかどうか、これが長く使えるCDかどうかの最大の判断基準になります。
一般的なCD選びでは「収録曲数が多い」「有名な曲が入っている」という点に目が行きがちですが、保育現場では一枚のCDを繰り返し使い続けます。たとえばある3歳クラスでは、同じ体操の曲を週に3〜4回、年間を通じて合計100回以上再生するケースも珍しくありません。このとき「100回聴いても子どもが楽しめるかどうか」が実はいちばん重要な判断軸です。
「繰り返し力」が高い曲には以下の共通点があります。
- 🎵 コール&レスポンス型(保育士が呼びかけ、子どもが答える構造)
- 🎵 スピードチェンジ対応(速くしたり遅くしたりして毎回変化をつけられる曲)
- 🎵 アレンジしやすい歌詞(動物・食べ物・子どもの名前を入れ替えられる曲)
「バスにのって」「かみなりどんがやってきた」「おべんとバス」などは、この繰り返し力が特に高い曲として保育士の間で評価されています。曲そのものが強いゲーム性を持っており、毎回少しずつ変化をつけて楽しめるからです。つまり「収録曲のゲーム性」という視点も持っておくとCDの選択眼が上がります。
また、同じ曲を繰り返すことには子どもの発達上の利点もあります。繰り返し同じ歌を聴くことで語彙や発音が定着しやすくなり、言語発達の後押しになります。これは保育の専門知識としても知られており、わらべうたが長年使われ続けているのもこの理由があります。「飽きさせない工夫ができる曲かどうか」を基準に選んでみてください。
音楽教室のねらいと効果的な教材選びとは?リトミックと指導実例
↑発達段階に合わせた音楽指導の考え方が詳しく解説されています。CDの選曲基準を深掘りしたい保育士に参考になります。


