弾き歌い楽譜の選び方と保育士向け練習のコツ完全ガイド

弾き歌い楽譜の選び方と保育士向け練習のすべて

難しい楽譜を買うほど、子どもたちの前で止まってしまう確率が上がります。

この記事でわかること
🎵

楽譜の正しい選び方

自分のレベルに合った弾き歌い楽譜の選び方と、難易度別の見分け方を解説します。

🎹

コード奏法で時間を大幅短縮

10個のコードを覚えるだけで、保育現場の曲の約半数が伴奏できるようになります。

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無料楽譜の入手先と活用法

保育士試験対応の無料楽譜が手に入るサイトや、現場で使える楽譜集のおすすめを紹介します。

弾き歌い楽譜の難易度グレードと選び方の基本

 

保育士が弾き歌いの楽譜を選ぶとき、多くの人が「曲の知名度」だけで選んでしまいます。しかし実際の保育現場では、曲を知っているかどうかよりも「弾きながら歌えるか」が問われます。同じ曲でも楽譜によって難易度は大きく異なり、市販品では「入門」「初級」「中級」のように分かれていることがほとんどです。

楽譜の難易度を見分けるポイントは大きく3つあります。左手の伴奏が単音(1音だけ)か、和音(複数音)か。次に、調性がハ長調シャープフラットなし)かどうか。そして1ページあたりの音符の密度です。ハ長調の楽譜は白鍵だけで演奏でき、黒鍵(♯・♭)をほぼ使わないため、ピアノが苦手な保育士でも格段に弾きやすくなります。

初心者の場合、まず「右手でメロディー・左手は単音または三和音のルート音のみ」の楽譜からスタートするのが原則です。保育園で求められるピアノのレベルは多くの園で「バイエル修了程度」とされていますが、これは教本の最後まで弾けるという意味ではなく、両手で簡単な童謡が弾けるレベルを指すものと考えておいて問題ありません。

つまり、最初から完璧な楽譜を弾こうとしなくていいということです。

弾き歌いに慣れていない方には、次のような楽譜を優先的に探すことをおすすめします。

  • 📝 音符の上に音名(ドレミ)のカナが振られているもの
  • 🎼 左手が「ドーファーソー」など1音ずつ弾く形になっているもの
  • 🎶 季節の曲・行事の曲が1冊にまとまっているもの
  • 📖 保育士が使うことを前提に編集された楽譜集

保育現場では子どもが一緒に歌える曲が求められます。童謡や教育テレビで流れているような曲が中心の楽譜集を選ぶと、年間を通じて活用できて経済的です。クラシックや大人向けのポップスは歌詞がなかったり音域が合わなかったりすることが多く、現場向きではありません。

保育士向け楽譜5選と選び方のポイント|保育求人ラボ(難易度別のおすすめ楽譜集を詳しく紹介)

弾き歌い楽譜に書かれたコードの読み方と活用法

保育士向けの弾き歌い楽譜には、楽譜の上部にアルファベットで「C」「F」「G7」などと書かれていることがあります。これがコードネーム(和音記号)です。多くの人はこれを無視して楽譜通りに弾こうとしますが、実はこのコードを理解するだけで練習時間を大幅に短縮できます。

コード奏法の基本的な考え方はシンプルで、左手はコードの根音(一番低い音)のみを弾き、右手でメロディーを弾きながら歌うというスタイルです。たとえば「C」ならドの音、「F」ならファの音、「G7」ならソの音を左手で弾くだけでも、伴奏として十分機能します。保育現場の童謡のほとんどは「C・F・G7・Am」の4つのコードで構成されており、これさえ押さえると多くの曲が弾けます。

これは使えそうですね。

さらに、楽譜から自分でコードを読み取ることができれば、移調(キーを変える)も簡単にできるようになります。移調とは、曲全体を別の音域に移す作業のことです。たとえば、子どもが歌いやすい音域に合わせてキーを下げる、または保育士自身が弾きやすいハ長調に移すといった調整が可能になります。保育士試験の音楽実技では、公式発表の楽譜はコードネームのみが記載されており、受験者自身が伴奏を作る必要があります。市販の楽譜を使うか、コードをもとに自分で伴奏を組み立てるかが、実技対策の重要な分岐点です。

コード奏法を学ぶ上でおすすめの入口は次の通りです。

コード 読み方 左手の音(ルート弾き)
C
F ファ ファ
G
G7 ソセブン
Am ラマイナー
Dm レマイナー

コードを10個程度覚えると、保育現場で使う曲の約半数が伴奏できるようになるとされています(島村楽器コラムより)。1曲ずつ楽譜を読み込む方法と比べると、習得スピードが大きく変わってきます。

ほとんどの曲が簡単に弾けるようになるコード奏法の解説|保育士さん向けピアノコード奏法まとめ

保育士が弾き歌い楽譜を無料で入手できるサイトと使い方

楽譜はお金を出して買わなくても入手できる時代です。保育士向けの弾き歌い楽譜を無料でダウンロードできるサイトがいくつか存在しており、うまく活用すれば練習コストをほぼゼロに抑えることができます。

代表的な無料楽譜サイトを整理します。

  • 🌐 ほいくisダウンロード(hoiku-is.jp) ── 弾き歌い用に編曲された保育士試験課題曲楽譜を毎年無料公開。「夕焼け小焼け」「いるかはザンブラコ」など実績多数。左手伴奏付きのオリジナル楽譜をPDFで入手可能
  • 🌐 ピアノ塾(pianojuku.info) ── 童謡・合唱曲の無料楽譜が800曲以上掲載。難易度別に「入門・初級・中級」が揃っており、ドレミ付き楽譜も豊富
  • 🌐 こどもMusiQ(kodomomusiq.com) ── 保育士試験課題曲の解説と楽譜を提供。移調版やアレンジ版も掲載されており実用的

無料楽譜を使う際に一つだけ注意が必要です。ダウンロードした楽譜を動画に映してSNSやYouTubeにアップする行為は、楽譜の著作権侵害にあたる場合があります。個人的な練習用途であれば問題ありませんが、発表・配信目的で使用する際は各サイトの利用規約を必ず確認してください。

無料楽譜が問題ないのは個人練習に限られる、と覚えておけばOKです。

市販の楽譜が必要になる場面としては、「1冊で100曲以上使いたい」「行事別・季節別に整理されたものが欲しい」「音名カナ付きで初心者が読みやすいものが欲しい」といったケースです。このような場合は1,500〜2,000円程度の楽譜集を購入するのが現実的です。たとえば『保育士さんのかんたんピアノ 季節・行事のうた』(114曲収録)や『これなら弾ける!保育のうたピアノ伴奏160』(160曲収録)のように、保育現場を想定して編集された楽譜集は長く使えます。

ほいくisダウンロード「弾き歌い用楽譜」一覧(保育士試験課題曲の無料PDF楽譜が毎年更新)

弾き歌い楽譜を使った効率的な練習ステップ

楽譜を手に入れても、練習の進め方を間違えると時間だけが過ぎていきます。多くの人が陥る失敗は「いきなり両手で弾こうとすること」です。ピアノと歌を同時に行う弾き歌いは、認知的な負荷が非常に高い動作です。脳が歌詞・リズム・右手・左手の4つを同時処理しなければならないため、段階を踏まずに進めると全部が中途半端になります。

効率的な練習は次のステップで進めるのが基本です。

ステップ1:歌だけを完璧に覚える

楽器を触る前に、まず歌詞とメロディーを完全に頭に入れます。歌いながら曲のリズムを体で感じることが先決です。

ステップ2:右手のメロディーだけを弾く

歌はいったんやめ、右手のみでメロディーラインをゆっくり弾きます。指番号を守ることが後で「どこからでも弾き直せる」力に直結します。

ステップ3:左手の伴奏だけを練習する

コードのルート音またはシンプルな和音を、リズムに合わせて左手だけで弾きます。左手が体に馴染むまで繰り返してください。

ステップ4:両手で弾く(歌なし)

右手と左手を合わせる練習です。まずはゆっくりしたテンポから始め、指が止まらなくなるまで繰り返します。

ステップ5:歌いながら弾く

両手演奏に慣れたら、歌を乗せます。最初は小声でも構いません。リズムを崩さず弾き続けることを最優先にしてください。間違えても止まらないことが大切です。

1日の練習時間は20〜40分を目安にするのが原則です。人間の集中力の限界は40分とされており、それ以上続けると記憶の定着効率が落ちます。毎日の積み重ねが最も効果的で、週1回の長時間練習より毎日20分の練習のほうが確実に上達します。

現場で緊張しやすい人は、練習段階から「わざと途中で止まって、再開する練習」もしておくことをおすすめします。たとえば「今日は4小節目から弾いてみよう」という練習を取り入れると、本番でミスをしても立て直しやすくなります。これは保育士試験だけでなく、日常の保育場面でも役立ちます。

弾き歌いが苦手な保育士さん必見!練習のコツや対処法|保育士バンク(現場目線のコツが凝縮された実践記事)

保育士試験の弾き歌い楽譜の選び方と実技試験対策の注意点【独自視点】

保育士試験を受ける場合、楽譜の選び方には「現場で使う楽譜」とは別の視点が必要です。試験に合格した後も実際の保育で使えるかという観点で選ぶ人が多いのですが、試験と現場では求められる要素が少し異なります。試験に特化した選び方を知っておくことで、無駄な準備を省けます。

まず大前提として、保育士試験の音楽実技では楽譜の指定はありません。課題曲(毎年2曲)は指定されますが、どの楽譜を使うかは受験者が自由に選べます。つまり、自分が最も弾きやすい難易度の楽譜を選んで受験できるということです。

ここで重要な事実があります。試験の評価基準は「演奏の完璧さ」ではなく「子どもと楽しむ力があるか」です。50点満点中30点(6割)以上で合格となっており、プロのような演奏は不要です。声量がピアノの音に負けていない、歌詞がはっきり聞き取れる、リズムが安定している、この3点を満たせば合格圏内に入ります。

注意しなければならないのは、次の3パターンです。これらは採点の対象外となります。

  • ❌ 伴奏を一切弾かず歌だけを歌う
  • ❌ 歌わずに伴奏だけを弾く
  • ❌ 右手と同じ単旋律のみを左手で弾く(いわゆる「片手だけ」の変形)

採点対象外になると0点扱いになる可能性があります。歌と伴奏の両方を演奏することが絶対条件です。

もうひとつ知られていない事実として、試験会場のピアノはグランドピアノ・アップライトピアノ・電子ピアノのいずれかが使用されます。自宅の電子ピアノで練習していた場合、グランドピアノの鍵盤の重さや音の響きに戸惑うケースが少なくありません。試験前に一度でもグランドピアノを弾ける場所(音楽スタジオ・ピアノ教室など)で練習することが、直前の不安を大幅に減らします。グランドピアノが使えるスタジオは1時間2,000〜3,000円程度で利用できることが多く、1〜2回体験しておくだけで本番への安心感が変わります。

本番対策として実践したいことをまとめます。

  • 🗓️ 課題曲発表後すぐに練習を始める(試験は年2回:前期7月・後期12月)
  • 📄 楽譜は厚紙や画用紙に貼り付けて譜面台でずれないようにする(クリアファイルは光の反射で見づらくなるため不可)
  • 🎤 スマートフォンで自分の演奏を動画撮影して客観的にチェックする
  • 🎹 試験前に1〜2回グランドピアノを使った練習の場を設ける

実技試験全体の合格率は過去10年間の平均で約80%前後と高水準です。一方で筆記試験の合格率が20〜30%前後と低い点を考えると、試験全体で最もハードルが高いのは筆記科目であることがわかります。実技は準備さえすれば高確率で通過できる試験です。


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