ファゴットの値段と中古を徹底解説
中古ファゴットでも、メーカー保証なしだと修理費が新品を超えることがあります。
ファゴットの値段:新品と中古の相場を比較する
ファゴットは木管楽器の中でも特に価格帯が広い楽器です。新品の場合、入門モデルでも50万円前後が相場で、プロ仕様になると200万〜500万円以上になることも珍しくありません。
一方、中古市場では同じモデルが30〜60%オフで手に入るケースがあります。たとえば定価80万円のモデルが中古で35万〜45万円程度で流通していることも多く、予算を抑えたい方には魅力的な選択肢です。
ただし、値段だけで判断するのは危険です。状態や整備履歴によっては、購入後すぐに5万〜10万円規模の修理が必要になるケースもあります。
以下に新品・中古の大まかな価格帯をまとめます。
- 🎵 入門・スチューデントモデル(新品):40万〜80万円
- 🎵 中級モデル(新品):100万〜200万円
- 🎵 プロモデル(新品):200万〜500万円以上
- 💰 入門モデル(中古):15万〜40万円
- 💰 中級モデル(中古):40万〜100万円
- 💰 プロモデル(中古):100万〜300万円
値段の幅が非常に広いということですね。同じ「中古」でも、整備済みか未整備かで実質的なコストは大きく変わります。購入前に整備状況の確認が条件です。
ファゴット中古を選ぶ際の状態チェックポイント
中古ファゴットを購入するとき、外見だけで判断するのは大きなリスクがあります。ファゴットはキー(音孔を塞ぐ機構)の数が約25〜30個と多く、一つでも曲がりや緩みがあると正しい音程が出ません。
まず確認すべきは「タンポ(パッド)」の状態です。タンポは空気漏れを防ぐゴム状の部品で、劣化すると音がかすれたり音程が不安定になったりします。全てのタンポ交換となると、工賃込みで3万〜8万円かかることもあります。
次に、ボア(管内部)のひび割れや腐食です。木製ボディのモデルは特に注意が必要で、乾燥によるひびが内部に入っている場合、修理が困難になるケースもあります。
これは痛いですね。見えない部分の不具合が後から高額修理につながります。
チェック項目をまとめると以下の通りです。
- ✅ タンポ(パッド)の浮きや硬化がないか
- ✅ キーの曲がり・緩みがないか
- ✅ ボア(管内部)のひびや腐食がないか
- ✅ ジョイント部(接続部)のコルクが劣化していないか
- ✅ 整備記録や保証書が付いているか
可能であれば、購入前に管楽器専門の修理技術者(リペアマン)に有料で診断してもらう方法があります。費用は5,000〜10,000円程度ですが、後の大きな出費を防げます。リペアマンへの事前相談が原則です。
ファゴット中古の購入先別メリットとデメリット
中古ファゴットの購入先は大きく4つに分けられます。それぞれに特徴があるため、自分の優先事項に合わせて選ぶことが重要です。
①管楽器専門店(中古楽器コーナー)
整備済みの個体が多く、購入後のアフターサービスも期待できます。価格は相場より10〜20%高めですが、安心感は最も高いといえます。島村楽器やヤマハミュージック、山野楽器などの大手では整備証明書を発行しているケースもあります。
メルカリやヤフオクでは、専門店より30〜50%安い価格で出品されていることがあります。ただし、整備状態の保証がないため、購入後に予期せぬ修理費が発生するリスクが高いです。これは慎重に判断が必要です。
③楽器専門のネット中古販売(下取り品)
ドルチェ楽器やウインドクルーなど、管楽器専門のオンラインショップでは、査定・整備済みの中古を販売しています。実物を見られないデメリットはありますが、品質の信頼性は比較的高いです。
④個人間取引(SNS・知人から)
最も価格が安くなりやすい反面、不具合の見落としリスクが最大です。信頼できる奏者仲間や音楽教師からの購入であれば選択肢になりますが、完全に初心者の場合は避けるのが無難です。
| 購入先 | 価格 | 整備状態 | 安心度 |
|---|---|---|---|
| 管楽器専門店 | やや高め | ◎ 整備済み | ★★★ |
| オークション/フリマ | 安い | △ 不明が多い | ★☆☆ |
| 専門ネットショップ | 中程度 | ○ 整備済みが多い | ★★☆ |
| 個人間取引 | 最安 | × 保証なし | ★☆☆ |
安さだけを優先すると、結果的に高くつくことがあります。予算と安心感のバランスが条件です。
保育士がファゴットを選ぶ際に知っておきたい独自視点:重量と演奏姿勢の問題
これはあまり語られない視点です。保育士という職業柄、腰や肩への負担は見落とされがちなポイントになります。
ファゴットは重量が約3〜3.5kgあり、これはペットボトル2本分弱の重さに相当します。長時間の立奏や、子どもの前でのパフォーマンス演奏では、腰・肩・首への負担が蓄積します。特に、すでに保育業務で身体的な疲労を抱えている保育士には注意が必要です。
この問題に対処するために「シートストラップ」や「バランサー」と呼ばれる補助器具が存在します。ハンデルシュトランド(Handelhstrand)やFagottinoブランドが展開する専用ストラップは、楽器の重心を分散させ腰への負担を約30〜40%軽減するとされています。価格は5,000〜15,000円程度です。
これは使えそうです。中古楽器の購入費を節約できた分を、こういった補助器具に充てる考え方もあります。
また、中古楽器を選ぶ際に「軽量モデル」という概念はファゴットにはほぼ存在しませんが、ボディ素材がポリプロピレン製(プラスチック系)の入門モデルは、木製より若干軽量で湿度管理も楽です。Fox社のModel Iや、Schreiber社のスチューデントモデルなどが代表例です。
保育士の身体的負担を考えた楽器選びが重要ということですね。楽器の値段だけでなく、長期的な健康コストも含めて検討するのが賢い選び方です。
ファゴット中古購入後のメンテナンスと維持費の実態
中古楽器を買って終わり、ではありません。ファゴットは定期的なメンテナンスが必要な楽器で、維持費を把握しておかないと後から驚くことになります。
まず「リード」は消耗品で、1本あたり500〜1,500円程度、1ヶ月に2〜4本使うのが一般的です。月換算で1,000〜6,000円の継続コストになります。自作リードを作れるようになると大幅なコスト削減になりますが、習得には半年〜1年程度かかります。
次に定期オーバーホール(全体整備)の費用です。3〜5年に一度が目安とされており、費用は2万〜5万円が相場です。これを怠ると小さな不具合が連鎖して、最終的に10万円以上の修理になるケースもあります。
- 🔧 リード代:月1,000〜6,000円
- 🔧 グリス(コルク用):年間500〜1,000円
- 🔧 スワブ・クリーニングペーパー:年間2,000〜5,000円
- 🔧 定期オーバーホール:3〜5年に1回、2万〜5万円
- 🔧 緊急修理(タンポ交換など):1〜3万円程度
つまり年間維持費として最低でも3万〜5万円は見込む必要があります。中古購入で初期費用を抑えた場合も、この維持コストは変わりません。
維持費込みで総合的に判断するのが基本です。購入価格だけでなく、3年・5年のトータルコストを計算してから予算を組む方法が、長く楽器と付き合うための賢い考え方といえます。管楽器専門店では購入時に維持費の目安を教えてもらえることも多いので、購入前に一度相談してみることをおすすめします。


