ありがとうのうた 幼稚園 卒園式
ありがとうのうた 幼稚園 卒園式の歌詞と場面づくり
「ありがとうのうた」は、入園直後の不安(4月に泣いたこと)から、園で見つけた景色(こいのぼり、くじゃく、にじ、笑い声)へと時間が進み、先生・友だち・パパママ・ようちえんへ順番に感謝を届けていく構成です。卒園式では“歌”というより「みんなで思い出を読み上げる」感覚にすると、年長児の言葉が前に出て感動が増します。実際の歌詞にも「ようちえんでは せんせいがママだよ」と抱きしめてもらった安心や、「ありがとう ともだち はなれてても ぜったいにわすれない」といった別れの核心が入っています。これらのフレーズは、発音を揃えるより“誰に向けて言っているか”を揃えると表情が変わります。
場面づくりのコツは「歌詞の映像化」です。子どもが覚えやすくなるだけでなく、保護者の涙腺に直撃しやすくなります。たとえば以下のように、園の実際の生活と接続します。
- 4月:入園当初の“泣いていた頃”の写真やエピソードを、練習前の導入トークに使う。
- 5月:園庭のこいのぼり、散歩で見た空など、園独自の風景を思い出す質問をする。
- 行事:まつり、うんどう、踊りなど、子どもが「今年こそ1い」を語れる場面を引き出す。
- 旅立ち:小学生になる姿(ランドセル、制服など)を想像させ、声を前に出す理由を作る。
なお、歌詞は作品そのものなので全文掲載は避け、園内指導では“引用の範囲”に留め、保護者配布物も利用規約や著作権に配慮してください(動画説明文や楽譜販売の案内があるケースもあります)。卒園式での使用可否・音源利用条件は、提供元の案内に従うのが安全です。
参考:曲の背景(卒園・謝恩会用に書き下ろし、作詞作曲者情報、利用に関する記載)

ありがとうのうた 幼稚園 卒園式の練習スケジュールと先生の声かけ
卒園式の歌は、短期で仕上げるほど「声量」だけに寄りやすく、子どもの気持ちが置き去りになりがちです。式の完成度を上げるには、練習を“音取り→通し”だけにせず、「思い出想起→言葉→姿勢→音」の順に積み上げます。卒園ソング全般の選曲や練習ポイントとして、テーマ設定(感謝、希望など)、歌いやすさ(音域やアップダウン)、歌詞のメッセージ性を確認するとよい、と整理されている例もあります。
おすすめの流れ(年長向け、目安)は次の通りです。
- 導入(1回目):歌詞の場面(4月・5月・行事・旅立ち)を写真で振り返り、子どもが一言ずつ“思い出”を話す。
- 言葉(2〜3回目):「先生」「友だち」「パパママ」「ようちえん」など宛先を確認し、語尾まで言い切る練習をする。
- 姿勢(4回目以降):足の位置、手の置き場、視線(保護者の方向を見る回数)をルール化する。
- 音(並行):ピアノ伴奏で“早くならない”練習をする。テンポが走ると感情が置いていかれます。
声かけは、抽象的な「もっと気持ちを込めて」より、具体的な問いの方が効きます。
- 「この“ありがとう”は、だれに言ってる?」
- 「4月の自分は、どんな顔だった?」
- 「友だちの名前を思い浮かべて、1回だけ歌ってみよう」
- 「最後は“かっこいい小学生”の顔で立てる?」
参考:卒園ソングの選び方(テーマ・歌いやすさ・歌詞の魅力)と、練習で意識したいポイントの整理
卒園式で歌いたい名曲30選!おすすめ卒園ソングをテーマ別に紹…
ありがとうのうた 幼稚園 卒園式の演出(隊形・マイク・スライド)
「ありがとうのうた」は“思い出の連続”が強みなので、演出は盛りすぎるより「言葉が届く設計」に寄せると成功します。特に卒園式は会場が反響しやすく、子どもの声が散るので、隊形とマイク運用が重要です。
現場で使いやすい演出案です。
- 隊形:ひな壇があるなら、背の順より“声の出る子を中央”に寄せると全体の芯ができます。
- マイク:無理にソロを作らず、前列左右に2本程度で“拾う”運用が安定します。
- 視線:サビや「ありがとう」を言う箇所だけ、保護者席を見てもよいとルール化します。
- スライド:歌詞表示は避け、写真は「4月・5月・行事・卒園直前」の4章構成にして歌の流れと合わせます。
- 手話・振り:入れたい場合は“サビのみ”など最小に。動きが増えるほど音程が崩れやすいです。
意外と効くのが「間(ま)」です。たとえば前奏の間に、先生が小声で「4月の自分、思い出して」と合図するだけで、子どもの表情が変わり、保護者側の受け取り方も変わります。逆に、演出で一番避けたいのは“次の段取りを急がせる声”が客席に聞こえることなので、誘導係は合図を手サインにするなど静かに回します。
ありがとうのうた 幼稚園 卒園式の保護者対応と涙のリスク管理
卒園式の歌で起きるトラブルは、音楽的な失敗より「感情」と「環境」です。泣いて歌えない子、緊張で固まる子、保護者のすすり泣きで子どもがつられる子は毎年出ます。ここを“想定内”にできると、式全体が崩れません。
当日のリスク管理は、次のように準備すると安定します。
- 涙対策:泣いてもOKの合図を事前に共有(例:泣いたら一回深呼吸、隣の子の肩を見て再開)。
- 立ち位置対策:泣きやすい子は端より中央寄りにし、先生が近づきやすい導線を作る。
- 声が出ない対策:口パクでもOKのルールにする。声量より姿勢と口の形を褒める。
- 保護者への一言:式次第の注意書きに「撮影は他の方の妨げにならないよう」などを明記し、歌の時間は席移動しない協力をお願いする。
- 終わり方:歌い終わった直後に拍手を急がず、3秒だけ静止して“卒園児の顔”を見せる。
保護者への価値提供としては「子どもが何を覚えたか」を言語化して伝えるのが効果的です。たとえば、歌の練習を通して身につくのは、音程だけではなく「前を向いて立つ」「言葉を相手に届ける」「別れを受け止める」といった小学校以降にも続く力です。事前におたよりでその観点を共有しておくと、保護者の見方が“上手い下手”から“成長”に切り替わり、子どもの自己肯定感も守れます。
ありがとうのうた 幼稚園 卒園式の独自視点:園の「ありがとう」を子どもの言葉で設計する
検索上位の多くは「おすすめ卒園ソング」「定番曲」「泣ける曲」の紹介に寄りがちですが、現場で差がつくのは“園の物語化”です。つまり、同じ「ありがとうのうた」でも、その園で過ごした具体の体験に“紐づけ”られるかで、感動の質が変わります。ポイントは「歌わせる」のではなく、「この園のありがとうを、子ども自身が思い出して言える」状態を作ることです。
実践しやすい仕掛けをいくつか挙げます。
- 「ありがとうノート」:式の2〜3週間前から、子どもが1日1回だけ“ありがとう”を口頭で言い、先生が短くメモする(文字が苦手でもOK)。
- 「先生はママだよ」の解釈:このフレーズを、そのまま情緒的に扱うだけでなく「困ったとき助けてくれる人がいる安心」と言語化して伝える。
- 行事の固有名詞化:まつり・じびきあみ等、歌詞にある行事が園の実態と違う場合は、練習の導入で“うちの園の楽しかった行事”を対応づけて語る(歌詞改変ではなく連想で合わせる)。
- 「次に会える」設計:卒園後の再会(同窓会、近況報告、園開放など)がある園は、最後の「またあえるときまで」を“現実の予定”に寄せると、別れが怖い子が落ち着きます。
この独自視点が効く理由は、卒園式が「イベント」ではなく「節目の体験」になるからです。歌が上手に聞こえるよりも、子どもが“自分の言葉を持って旅立つ”ことに価値が生まれます。結果として、保護者にとっても「うちの子、こんなふうに考えられるようになったんだ」と実感できる式になります。


