あじさいの歌を保育で活かす梅雨の季節の歌と遊び方
あじさいは”花全体に毒があるのに”、保育製作で子どもが直接触れる素材として使われることがあります。
あじさいの歌・保育でよく歌われる定番曲と歌詞の特徴
保育園で「あじさいの歌」と聞いて最初に浮かぶのは、まきみのりさんが作詞・作曲した童謡「あじさいのうた」ではないでしょうか。この曲は、雨の中でやさしく咲くあじさいの姿を歌った作品で、歌詞には「なにを夢みているのかな あじさい 雨のなかでやさしい顔だよ」という一節があります。
この曲がユニークなのは、”子ども向けの花ことば”を持っているという点です。意外に思うかもしれませんが、あじさいの一般的な花言葉は「移り気」「浮気」など、あまりポジティブではありません。しかし、まきみのりさんはこの歌を通して子どもたちに「小さい花のひとつではさびしい、ひとつではまとまらない、けれどたくさん集まったとき、とっても大きなすてきな花になる」というメッセージを込めました。子ども向けの花ことばは「仲良くしようね」です。
つまり、この歌は梅雨の季節の情景を楽しむだけでなく、友だちと協力することの大切さを自然に伝えられる歌なのです。集団生活の中で子ども同士の関わりが深まる6月の保育にぴったりです。
歌詞が短くシンプルなので、0歳児クラスから楽しめます。保育者がゆっくり歌いながら腕を左右にやさしくゆらすだけでも、子どもの心を引きつけることができますよ。
参考:あじさいのうた(まきみのり)の歌詞と保育メッセージ
あじさいのうた 作詞・作曲 まきみのりさん(あそびぐみブログ)
あじさい歌の年齢別おすすめ・乳児から幼児まで楽しめる曲一覧
6月の保育に取り入れたいあじさいや梅雨をテーマにした歌は、クラスの年齢によって選び方が変わります。曲の難易度やテンポ感を年齢に合わせることで、子どもたちが自然と歌に引き込まれていきます。
乳児クラス(0〜2歳)で歌いやすい曲は以下のとおりです。
- 🐌 かたつむり(文部省唱歌):頭の上で人差し指を立てて”つの”を作る動きで楽しめます。0歳児でも保育者が手を動かして見せるだけで喜びます。
- 🐸 かえるのがっしょう(ドイツ民謡):「クワクワクワクワ」の部分に合わせて手拍子やジャンプができ、リズム感が自然に育ちます。
- 🌧️ あめふり(北原白秋/中山晋平):「ピッチピッチチャップチャップ」のリズムが心地よく、乳児でも足踏みや手拍子で楽しめます。
幼児クラス(3〜5歳)向けには、歌詞のストーリーや情景が豊かな曲がぴったりです。
- 🐻 あめふりくまのこ(鶴見正夫/湯山昭):しとしと降る雨のイメージを絵本と組み合わせながら歌えます。3歳以上で情景を想像しながら歌える曲です。
- 🌈 にじのむこうに(坂田修):雨上がりの虹をテーマにした、年中・年長児がのびのびと歌える歌唱曲です。
- 🌿 あじさいのうた(まきみのり):全年齢に対応しますが、歌詞の意味を話し合えるのは3歳以上です。
これが基本です。乳児は「音とリズムで体を動かす体験」、幼児は「歌詞の意味や情景をイメージしながら歌う体験」というねらいで使い分けるのがポイントです。
参考:6月に歌いたい歌・手遊び歌の年齢別リスト
あじさい歌の振り付けと導入アイデア・手遊びで子どもを引きつけるコツ
歌の前の「導入」がうまくいくと、子どもたちの集中力がぐっと上がります。あじさいの歌を使うときの導入は、実物に近いものを見せることが効果的です。たとえば、雨の日に窓の外を見ながら「今日はあじさいが喜んでいるよ」と一言伝えるだけで、子どもの意識が歌のイメージに結びつきます。
振り付けのポイントを確認しましょう。
「あじさいのうた」(まきみのり)の簡単な振り付けの例は次のとおりです。
- 🌸 「なにを夢みているのかな」:両手を頬に添えて首をかしげる(考えているポーズ)
- 💧 「雨のなかでやさしい顔だよ」:指をひらひらと下に動かして雨を表現し、最後に笑顔をつくる
- ☀️ 「空が晴れてあかるい顔だよ」:両手を頭上に広げて太陽や晴れた空を表す
これは使えそうです。振り付けは「子どもが自然に絵を思い浮かべられるか」を基準に作ると、先生から教えなくても子どもが自分でアレンジしはじめます。
また、「かみなりどんがやってきた」のような体の部位を押さえる手遊び歌は、梅雨の季節感を出しながら、体の名称を覚えるねらいにも使えます。1歳〜3歳クラスの室内遊びの導入として特に人気が高い曲です。歌のテンポをゆっくりにするだけで、乳児クラスでも十分楽しめます。
ゆっくり歌うのが条件です。導入では先生が楽しそうに歌う姿を見せることが、何より子どもの興味を引きます。先生が体を動かして楽しんでいれば、子どもは自然についてきますよ。
あじさい歌と製作・色水遊びを組み合わせた保育展開のアイデア
歌と製作を組み合わせると、子どもの理解が深まります。あじさいをテーマにした6月の保育展開では、「歌を歌う→製作をする」という流れがとても有効です。製作の前に歌を歌うことで、子どもたちの中にあじさいのイメージが先に育ち、製作への意欲が上がります。
あじさいの製作として特に人気があるのは以下のアイデアです。
- 🖌️ にじみ絵(コーヒーフィルター):薄めた絵の具をコーヒーフィルターに垂らすと、あじさいの花びらのようなにじみが出ます。0〜1歳児でも楽しめます。
- 🧽 スポンジスタンプ:スポンジを指で押すだけでふわふわのあじさい表現ができます。プチプチ(緩衝材)を使っても同様の効果が出ます。
- 📄 折り紙切り絵:4〜5歳児向けに、折り紙をじゃばら折りにしてカットし広げるとあじさいの花びら形が完成します。
また、「色水遊び」とあじさいの歌を組み合わせるのも、保育の深みが出るアイデアです。ただし、あじさいの実物を使った色水遊びには注意が必要です。本物のあじさいの花や葉には毒性があるため、子どもが口に含む可能性がある色水遊びには使用しないでください。色水遊びには絵の具や食紅を使うのが安全です。
色水遊びのねらいは「色彩感覚を育む・混色の変化を楽しむ・知的探究心を育てる」です。歌でイメージを膨らませてから色水遊びをすると、「あじさいって何色あるの?」「混ぜたらどうなる?」という自発的な問いが生まれやすくなります。これが理想的な保育の流れです。
参考:あじさい製作の年齢別アイデアと保育のねらい
【0・1・2・3・4・5歳児/年齢別】梅雨時期のあじさい製作アイデア(保育士バンク)
保育士が知っておくべきあじさいの毒性と歌を通じた安全教育
あじさいは見た目が美しく、梅雨の時期に道路脇や公園でよく目にする植物です。そのため、「かわいい花だから触ってもいいよ」と思っている人は少なくありません。しかし、あじさいの花・葉・茎にはすべて毒性があります。
毒性について整理しましょう。
- ⚠️ 毒成分:青酸配糖体(シアン化水素を発生させる成分)が含まれています。成分の詳細は現在も研究中で、完全には解明されていません。
- 🤢 誤食した場合の症状:摂取後30〜40分以内に、嘔吐・めまい・顔面紅潮・息切れ・痙攣などが起こります。
- 💀 死亡例:これまでのところ人間での死亡例は報告されていませんが、ペット(犬)では命を落とした事例があります。
実際に過去には、飲食店でテーブルの飾りに使ったあじさいの葉を客が誤って食べて中毒症状を起こした事例があります。保育士が知っておかなければいけない点は、触れるだけでは症状は出ないが、口に入れると危険という事実です。
散歩中にあじさいを見かけても、子どもが葉っぱや花を口に入れないよう声かけをすることが大切です。「きれいだね、でもお口に入れちゃダメだよ」という一言を、歌を歌いながら自然に伝えられるのが保育の強みです。歌で親しんだ植物だからこそ、安全の話も子どもの心に届きやすくなります。
緊急時に備えて、以下の連絡先を保育室に貼っておくのがおすすめです。
- 📞 大阪中毒110番(365日24時間対応):072-727-2499
- 📞 つくば中毒110番(365日24時間対応):029-852-9999
参考:保育士が知っておくべき危険な植物と誤食時の対応
園外活動時は要注意!保育士が知っておくべき危険な植物9選(保育求人ラボ)
参考:厚生労働省によるアジサイの毒性データ
高等植物:アジサイ 自然毒のリスクプロファイル(厚生労働省)

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 HDリマスター版(第29作)

