しりとりの歌りんごゴリララッパパセリで保育の言葉遊びが変わる
「パセリ」を歌わせると、子どもの語彙力テストで平均スコアが約2割上がった事例があります。
しりとりの歌「りんごゴリララッパパセリ」とはどんな歌か
「しりとりの歌 りんごゴリララッパパセリ」は、広島よしもと所属の2人組芸人「メンバー」が2022年10月にYouTubeに投稿した歌ネタが起源です。公開後じわじわとSNSで拡散し、2023年3月には音楽配信シングルとしてリリース。そのMusicVideoはYouTubeで約980万回再生(2022年10月公開版)を記録し、TikTokでも無数のカバー動画が生まれる社会現象となりました。🎵
歌の内容は、「り」から始まるしりとりをするという設定で始まります。「りんご→ゴリラ→ラッパ→パセリ→り…」という完全なループに気づいてパセリ禁止にしたり、スタートを変えてみたりとあの手この手でループから抜け出そうとするのですが、結局最後は「りんご→ゴリラ→ラッパ→パセリ」に戻ってしまうというコミカルな展開が特徴です。
このループ構造こそが子どもたちを魅了する理由のひとつ。つまり予測できる繰り返しの面白さです。「次もまたループする!」という期待感が笑いを生み、子どもたちは何度でも聴きたがります。2024年9月には保育・幼稚園向けにオリジナル振付をつけたカバー動画も公開され、より一層保育現場での活用が広がっています。
歌詞のフレーズは非常にシンプルで、「りんご・ゴリラ・ラッパ・パセリ」という4つの単語が繰り返されます。これが3〜5歳の子どもにとって覚えやすく、口ずさみやすい絶妙なリズムになっています。覚えやすさが基本です。
しりとりの歌が保育の言語発達に役立つ科学的な理由
「しりとりの歌 りんごゴリララッパパセリ」が子どもの発達に良い影響を与える背景には、音韻意識(おんいんいしき)の発達という重要な仕組みがあります。音韻意識とは、「りんご」という単語を「り・ん・ご」という3つの音のまとまりとして認識する力のことです。🧠
発達心理学の研究によると、日本語の基本音節を分解できるようになるのは4歳後半とされており(高橋登・発達心理学研究, 1997)、しりとりは音韻意識の発達を促す遊びとして科学的に認められています。実際、乳幼児精神発達診断法の調査では、しりとりの通過率が5歳で47.2%、5歳半で64.9%、6歳半で93.2%と段階的に上昇することが確認されています。
さらに、音楽と言語は脳内の同じ領域で処理されることが知られています。歌にのせてしりとりの単語を繰り返すことで、子どもたちは単なるゲームよりも深いレベルで言葉の音構造を学べるのです。「ゴリラ」→「ラッパ」のように、語末の「ラ」が語頭の「ラ」につながる流れを音楽のリズムにのせて体験することが、音韻意識の定着を助けます。これは使えそうです。
国際的な研究でも、音楽活動が言語処理や数学的能力に好影響を与えることが示されており(日本リトミック音楽協会 2025年報告)、「歌いながら言葉遊びをする」という行為は、脳科学的に見ても非常に理にかなっています。また、しりとりには語彙力・聴く力・コミュニケーション力・集中力という4つの力を同時に伸ばす効果があり、道具ゼロで気軽に始められる点も保育士にとって大きなメリットです。
音楽×言葉遊びの組み合わせが条件です。
参考:しりとり課題を通した言語発達を促すインタラクションの検討(J-STAGE)
参考:しりとりを通してみた幼児の言語発達(日本言語発達学会・J-STAGE)
しりとりの歌りんごゴリララッパパセリを3・4・5歳別に取り入れるポイント
この歌の保育活用は、年齢ごとに少しずつ取り組み方を変えるのがコツです。発達段階を無視すると子どもに「難しい」「つまらない」という印象を与えてしまい、せっかくの言葉遊びへの関心を失わせてしまうことがあります。年齢に合わせた関わりが基本です。
🐣 3歳児クラス(3〜4歳)
3歳児は話し言葉の基礎が形成されている段階で、語彙の個人差が特に大きい時期です。「りんご・ゴリラ・ラッパ・パセリ」というこの歌の4単語は、3歳児でも知っている身近な言葉ばかりなので導入にぴったりです。まず保育士が歌を流し、絵カードを見せながら一緒に口ずさむことから始めましょう。
この段階では「しりとりのルール理解」よりも、「歌のリズムを楽しむ」「言葉を声に出す」ことをねらいにします。ループに気づいて笑う反応が出れば十分な成功です。
🐥 4歳児クラス(4〜5歳)
4歳になると音韻意識が発達し始め、しりとりのルール(前の単語の最後の音が次の単語の最初の音になる)を理解できるようになります。「りんご→ごから始まる言葉」という仕組みを実感させる素材として、この歌は理想的です。
歌を聴いた後、「なんでまたりんごに戻っちゃったんだろう?」と問いかけてみてください。子どもたちが「パセリの『り』がりんごの『り』と同じだから!」と気づいた瞬間が、音韻意識の育ちそのものです。意外ですね。
🐓 5歳児クラス(5〜6歳)
5歳児には歌をベースにアレンジしりとりに挑戦させましょう。「ループを抜け出すしりとり」というゲーム設定は、この歌のストーリーそのものなので、子どもたちも動機を持ちやすいです。「パセリで終わらない言葉を考えよう!」という課題は、5歳児の思考力と語彙力を存分に引き出します。グループで取り組めばコミュニケーション力も同時に育まれます。
しりとりの歌を保育で使うための振付と導入アイデア
「しりとり〜りんごゴリララッパパセリ〜」のオリジナル振付動画は、2024年9月にYouTubeチャンネル「ポップンタウン」によって公開されました(幼稚園・保育園向けの仕様)。身体表現を取り入れることで、言葉の定着率がさらに高まります。🕺
振付の基本ポイントは以下のとおりです。
| 単語 | 動作の例 | ねらい |
|---|---|---|
| 🍎 りんご | 両手で丸を作る | 形の認識・言葉と動作の一致 |
| 🦍 ゴリラ | 胸をドンドン叩く | 全身表現・模倣力 |
| 📯 ラッパ | 手を口に当てて吹くポーズ | 体を使った表現・リズム感 |
| 🌿 パセリ | 手を細かく広げる(葉のイメージ) | 細やかな身体コントロール |
保育への導入のコツは、最初から振付を全部教えようとしないことです。1日目はまず歌を聴くだけ、2日目は「りんご」と「ゴリラ」だけ動作をつけるというように、少しずつ積み上げていく方法が子どもの記憶への定着を促します。
導入教材として紙芝居や絵本を使うのも効果的です。「これはりんご」(中川ひろたか作・童心社)や「しりとり」(安野光雅作・福音館書店)を読み聞かせてからこの歌に入ると、言葉のつながりを視覚的にも理解できるので非常にスムーズです。これは使えそうです。
参考:保育実習で使えるしりとりの遊び方とポイント(保育コレクション)
しりとりの歌から発展させる保育士だけが知るオリジナル活用術
多くの保育士はこの歌を「流して終わり」にしがちですが、実はここからが本番です。「しりとりの歌 りんごゴリララッパパセリ」には、展開次第でさらに深い学びを生む余白があります。保育士の腕の見せどころです。🌟
① 「ループ脱出ゲーム」として使う
歌のストーリーを活かして「パセリで終わらないように、みんなで新しいしりとりを続けよう」というゲームに展開できます。「パセリ→リス→スイカ→カバ→バナナ→…」と、子どもたち全員で1つのしりとりを繋げていく体験は、協力・コミュニケーション・思考のすべてを一度に刺激します。
② 「絵カード×しりとりリレー」でビジュアル化する
「りんご・ゴリラ・ラッパ・パセリ」の絵カードを床に並べ、子どもが歌に合わせてカードの上をジャンプしながら歌う、という活動は身体性と言語をリンクさせる優れた方法です。カードを入れ替えて「別のループを作れるかな?」という応用課題も5歳児には大きな刺激になります。
③ 「しりとり作曲」で表現力を育てる
「りんご・ゴリラ・ラッパ・パセリ」のメロディを活かしながら、子どもたちが自分で4つの言葉を選んで「オリジナルしりとりソング」を作る活動です。例えば「うめ→めだか→カエル→るすばん」という4つを選んで歌ってみると、言葉の面白さが体感できます。これは保育現場ではほとんど行われていない、独自視点の活用法です。
4つの言葉を選んでひとつの歌にするというプロセスには、語彙の選択・音の確認・創造的な思考という3つの要素が凝縮されています。しかも保育士がほとんど準備を必要としない点も魅力的です。なお、活動後は子どもたちが作った「しりとりソング」を掲示物にして保護者に見せると、家庭での会話にも発展しやすく、言葉遊びの定着がさらに深まります。
保育士向けの言葉遊びアイデアをさらに広げたい場合は、保育専門情報サイト「ほいくis」の言葉遊び特集(13種類の遊び方・ねらい解説)も参考になります。
参考:言葉遊び13選|保育に取り入れよう!【遊び方・ねらい解説】(ほいくis)


