音楽の教科書小学校曲を保育士が知るべき理由と全学年解説

音楽の教科書の小学校曲を保育士が知っておくと子どもの未来が変わる

保育園のお楽しみ会で歌った曲が、小1の音楽でまた登場して子どもが自信満々に歌い出す。

この記事でわかること
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歌唱共通教材24曲とは何か

文部科学省が定める全国共通の必修24曲を学年別に整理。保育現場で先行して歌える曲がたくさんあります。

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教科書に載っているJ-POPや合唱曲

COSMOS・BELIEVEなど教科書定番合唱曲と、ハナミズキ・手紙など教科書掲載のJ-POPを一挙紹介します。

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保育士が音楽知識を持つメリット

幼小接続・保幼小連携の観点から、小学校の音楽教科書の曲を知ることが子どもの「学びの橋渡し」になる理由を解説します。

音楽の教科書の小学校曲はなぜ保育士に関係するのか

 

小学校の音楽の教科書に載っている曲は、保育士とは関係ない——そう思っている方は少なくないかもしれません。しかし実は、保育現場と小学校の音楽教育は、歌を通じて密接につながっています。

文部科学省の学習指導要領では、幼児教育と小学校教育の「滑らかな接続(幼小接続)」が重要課題として位置づけられています。音楽教育の分野でも同様で、保育士が小学校で使われる曲を把握していることは、子どもの学びを連続させるうえで大きな意味を持ちます。これは「知っていると得する」情報です。

たとえば「うみ」「かたつむり」「春がきた」といった文部省唱歌は、1年生・2年生の歌唱共通教材として全国の小学校で必ず扱われる曲です。これらはわらべうたや童謡に近い性格を持ち、保育園でも親しまれている曲ばかりです。保育士がこれらの曲を意識的に保育に取り入れておくことで、子どもは入学後の音楽授業に自信を持って臨むことができます。

帝京大学の研究(「音楽教育における幼保小連携・接続はどうあるべきか」)でも、音楽の領域における保幼小連携の必要性が論じられており、保育士が小学校の音楽教材を知ることの教育的意義が指摘されています。幼小接続の観点から学ぶ意欲が高まっています。

帝京大学「音楽教育における幼保小連携・接続はどうあるべきか」(PDF)

音楽の教科書の小学校曲:歌唱共通教材24曲を学年別に完全解説

小学校の音楽の教科書で最も重要な柱のひとつが「歌唱共通教材」です。文部科学省の学習指導要領により、全国すべての小学校で扱うことが義務付けられた計24曲のことを指します。各学年4曲ずつ、1年生から6年生まで合計24曲が設定されており、使用する教科書の出版社に関係なく共通です。つまり全国どこの小学校でも同じ24曲が教わるということですね。

以下に学年別の全24曲をまとめます。

学年 曲名 分類
1年生 うみ 文部省唱歌
かたつむり 文部省唱歌
日のまる 文部省唱歌
ひらいたひらいた わらべうた
2年生 かくれんぼ 文部省唱歌
春がきた 文部省唱歌
虫のこえ 文部省唱歌
夕やけこやけ 文部省唱歌
3年生 うさぎ 日本古謡
茶つみ 文部省唱歌
春の小川 文部省唱歌
ふじ山 文部省唱歌
4年生 さくらさくら 日本古謡
とんび 文部省唱歌
まきばの朝 文部省唱歌
もみじ 文部省唱歌
5年生 こいのぼり 文部省唱歌
子もり歌 日本古謡
スキーの歌 文部省唱歌
冬げしき 文部省唱歌
6年生 越天楽今様 日本古謡
おぼろ月夜 文部省唱歌
ふるさと 文部省唱歌
われは海の子 文部省唱歌

特に低学年(1・2年生)の曲は、保育園や幼稚園でも歌われる機会が多いものです。「ひらいたひらいた」はわらべうたとして保育現場でも定番の手遊び歌であり、「夕やけこやけ」や「春がきた」も保育の現場でよく歌われます。これが基本です。

保育士がこれらの曲に意識的に親しんでおくことで、子どもの「知っている!」という感覚を引き出せます。保育では遊びの中で自然に歌う機会を作れるのが強みです。小学校の音楽授業よりも自由度が高い保育の場を活かして、楽しみながら先取りできます。

文部科学省「第2章 各教科 第6節 音楽」(歌唱共通教材の規定)

音楽の教科書の小学校曲に載っているJ-POP・合唱曲の名曲とは

歌唱共通教材の24曲が唱歌・童謡中心であるのに対し、各出版社の教科書にはJ-POPや現代の合唱曲も多く掲載されています。意外なことに、CDで聴いたことのあるポップスが教科書に載っているケースが珍しくありません。

まず合唱曲として特に有名なのが「COSMOS」(作詞・作曲:ミマス)です。音楽ユニット「アクアマリン」の一員であるミマス氏が2000年に発表したこの曲は、宇宙と人間のつながりを歌ったもので、2021年から教育芸術社の教科書に掲載されています。全国の小中学校の合唱コンクールで毎年大きな存在感を放つ一曲です。「COSMOS が合唱界における21世紀最初のヒット曲」と称する声楽関係者もいるほどの定番ぶりです。

同様に「BELIEVE」(作詞・作曲:杉本竜一)も広く知られています。NHK『生きもの地球紀行』エンディングテーマとして1998年に発表されたこの曲は、友情や支え合いをテーマにしており、合唱版が多くの教科書に掲載されています。卒業式や発表会でもよく使われる曲ですね。

さらに驚くのが「翼をください」の経歴です。フォークバンド「赤い鳥」が1971年2月5日にシングル「竹田の子守唄」のB面曲として発表したこの曲は、1976年以降、音楽教科書に繰り返し掲載されています。半世紀近く教科書に載り続けているという事実は意外に知られていません。これは使えそうです。

教科書掲載のJ-POPとしては「ハナミズキ」(一青窈)、「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」(アンジェラ・アキ)、「ひまわりの約束」(秦 基博)、「虹」(ゆず)なども有名です。ゆずの「虹」は国語の教科書にも登場したことがあり、教科横断的に扱われた例として注目されています。

保育士として「BELIEVE」や「COSMOS」のメロディーを知っておくことは、小学校高学年になった子どもたちとの話題にもなります。卒園式で「BELIEVE」を歌う保育園も多く、保育現場と小学校の教育がここでつながるのです。

教育芸術社「令和6年度 小学生の音楽 教科書掲載教材一覧」

音楽の教科書の小学校曲と保育現場をつなぐわらべうた・童謡の役割

歌唱共通教材24曲の中に「わらべうた」が含まれているのは、保育士にとって特に注目すべきポイントです。1年生の「ひらいたひらいた」、3年生の「うさぎ」(日本古謡)、4年生の「さくらさくら」(日本古謡)などは、保育現場でも長年親しまれてきた楽曲です。

わらべうたは、特定の音域で構成されており子どもの声に自然にフィットするという点で音楽教育的に重要視されています。小学校の学習指導要領でも、「日本の音楽のふし(旋律)を感じ取る」ための教材として位置づけられており、3年生の「うさぎ」では「陰音階(都節)」と呼ばれる日本独自の音階を味わわせることがねらいとされています。保育現場でわらべうたを歌うことは、実は小学校音楽の下地を作ることにもなっています。

一方、「夕やけこやけ」(文部省唱歌、2年生共通教材)や「春がきた」(文部省唱歌、2年生共通教材)は、歌詞の情景を想像しながら強弱変化をつけて歌う練習に使われます。保育で「情景を思い浮かべながら歌う」体験を積ませておくことが、小学校での音楽学習の土台として機能するのです。

研究の面でも、九州女子大学の論文「音楽科における保幼小連携に関する研究」では、わらべ歌と郷土の音楽が保幼小の音楽連携における核心的な教材として注目されていることが示されています。単なる歌遊びに留まらない教育的意義があります。

保育でわらべうたをする際に参考になるのが、楽器不要・場所不要で気軽に実践できる点です。「ひらいたひらいた」の手遊び、「うさぎうさぎ」の拍感遊び、「さんちゃんが」「おおなみこなみ」などは、保育の隙間時間でも無理なく取り入れられます。

九州女子大学「音楽科における保幼小連携に関する研究」(PDF)

音楽の教科書の小学校曲を保育士が活用するための独自視点:「聴かせる」アプローチの効果

ここまでは「保育士が曲を歌って聴かせる・一緒に歌う」という視点を中心に解説してきました。しかし実はもうひとつ、あまり語られない重要なアプローチがあります。それが「子どもに小学校の曲をBGMとして聴かせる」という方法です。

保育の場では音楽は歌うだけのものではありません。給食の時間・お昼寝・製作活動の時間など、BGMが流れる場面が多数あります。この時間に小学校の音楽教科書に掲載されている曲を自然に流すことで、子どもは「聴いたことがある」という記憶を積み上げていくことができます。

音楽の教科書に定番として掲載されている「COSMOS」や「BELIEVE」「旅立ちの日に」などの合唱曲をBGMとして取り入れることは、入学後の音楽鑑賞や歌唱活動での親しみやすさに直結します。「あ、この曲、知ってる!」という体験は、子どもの音楽的自己効力感——「自分は音楽が得意かもしれない」という感覚——を育てます。

さらに、保育士がただ流すだけでなく「これ、小学校でも歌うんだよ」と一言添えるだけで、子どもの就学への期待感を高める効果もあります。小学校への楽しみを具体的なイメージで持たせられるのは、保育士ならではのアドバンテージです。

具体的に活用しやすい音源としては、YouTubeで公開されている「小学校音楽 歌唱共通教材全24曲 標準伴奏弾き歌い」(川内奈保子)などが参考になります。弾き歌い形式なので音楽的にも自然で、子どもが聞き取りやすい音質です。教科書準拠の音源を保育で活用するのは完全に合法の範囲ですが、CDや楽曲ファイルを複製・配布する行為には著作権上の注意が必要です。使用場面と方法を確認すれば問題ありません。

また、保育士を目指す学生や資格取得後のスキルアップを考える方には、教育芸術社が出版している大学・短大向けテキストが参考になります。このテキストには小学校音楽科の歌唱共通教材全曲と、保育士試験課題曲が両方収録されており、保育士養成と小学校音楽教育の両面をカバーできると評価されています。

教育芸術社「2026年度 大学・短大向け教科書カタログ」(PDF)

赤ちゃんサメ子供 の歌日本語で