お正月の歌の歌詞ひらがなと保育士のための完全活用ガイド
歌詞プリントを子どもに配った保育士さんが、著作権侵害で使用停止になったケースがあります。
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お正月の歌の歌詞ひらがな全文と読み方
保育の現場でまず必要なのが、歌詞の正確な「ひらがな表記」です。子どもに歌を教えるとき、保育士自身が歌詞をすらすら読めることが大前提になります。
童謡「お正月」の歌詞をひらがなで、以下に全文掲載します。
| 番号 | 歌詞(ひらがな) |
|---|---|
| 1番 | もういくつねると おしょうがつ おしょうがつには たこあげて こまをまわして あそびましょう はやくこいこい おしょうがつ |
| 2番 | もういくつねると おしょうがつ おしょうがつには まりついて おいばねついて あそびましょう はやくこいこい おしょうがつ |
読み方のポイントが2つあります。「たこあげて」の「たこ」は凧(カイト)のことです。現代の子どもには馴染みが薄い言葉なので、「空に飛ばす風船のような紙の道具」とひと言添えると伝わりやすくなります。
「おいばねついて」という言葉も要注意です。これは「追い羽根(おいはね)」が語源で、羽根つき(はねつき)のことを指します。羽子板で羽根を落とさないように相手と打ち合う遊びで、現代では羽根つきと言えば通じますが、「おいばね」という言葉自体を知らない子どもがほとんどです。
つまり歌詞の言葉=説明が必要な単語というわけですね。
「まりついて」はお手玉に似た「手まり」を地面に向かってついてはずませる遊びで、「円満に一年を過ごす」という縁起の意味が込められていました。こういった遊びの意味をひと言添えながら歌うと、保育としての深みが増します。
歌詞の参考として、「世界の民謡・童謡」サイトでも歌詞と解説が確認できます。
世界の民謡・童謡「お正月」歌詞・解説ページ(歌詞の意味と遊びの由来が詳しく紹介されています)
お正月の歌の作詞・作曲と著作権について保育士が知るべきこと
「お正月」の曲には、保育士が知っておかなければならない著作権上の注意点があります。意外と見落とされがちな部分なので、しっかり確認しておきましょう。
作詞は東くめ(ひがし くめ、1877年〜1969年)、作曲は瀧廉太郎(たき れんたろう、1879年〜1903年)です。この2人は東京音楽学校の同窓生で、1901年(明治34年)に刊行された『幼稚園唱歌』で20曲を共同制作しました。そのうち13曲が東くめの作詞によるものです。
著作権の有効期限に注意が必要です。
- 🎼 メロディ(楽曲)の著作権:瀧廉太郎は1903年に23歳で早世しており、死後70年以上が経過しているため、楽曲の著作権はすでに消滅しています。
- 📝 歌詞の著作権:東くめは1969年に92歳で没しました。著作権は死後70年間存続するため、歌詞の著作権は2039年まで有効です。
つまり「お正月」は曲だけ使うなら問題ありませんが、歌詞を印刷して配布・販売したり、商用コンテンツに掲載したりする場合は著作権者(東くめの遺族または管理団体)の許可が必要になります。
保育現場で問題になりやすいのは、「歌詞カードを大量印刷してお便りやおたよりに添付する」「SNSに歌詞の全文を投稿する」といったケースです。園内での非商業的な活用(歌指導で使うなど)は通常問題ありませんが、外部発信・販売目的の場合は確認が必要です。
歌詞の著作権管理については、JASRACが窓口になっていることが多いです。詳しくは以下で確認できます。
JASRAC(日本音楽著作権協会)公式サイト(著作権の利用申請・手続きの詳細が確認できます)
この情報を得た上で保育現場での使い方を整理すると、「歌の指導・歌い聞かせ・子どもと一緒に歌う」は問題なし、「歌詞を印刷して外部配布・商用利用する」は確認が必要、という基準で行動すれば安心です。
著作権を守った上での活用が原則です。
お正月の歌の歌詞に込められた遊びの意味と子どもへの伝え方
歌詞の中に登場する4つの遊び(凧あげ・こま回し・まりつき・おいばね)には、それぞれ深い意味と由来があります。これを知っているかどうかで、子どもへの伝え方が大きく変わります。
まず1番に登場する「たこあげ(凧揚げ)」は、江戸時代には男の子の誕生を祝い、無事な成長を祈る儀礼として親が行っていたものです。「願いごとを凧に乗せて天まで届ける」という意味もあり、新年の願掛けとしてお正月の定番になりました。保育士が子どもに伝えるときは「空高く飛ばして、お空の神様に願いを届けるんだよ」という言葉が分かりやすいです。
「こまをまわして」のコマ回しには、「まっすぐ芯が通ってよく回ることから、物事が円滑に進む」という縁起の意味があります。これがお正月の遊びとして定着した理由です。
次に2番の「おいばねついて(追い羽根)」つまり羽根つきは、羽根に使われる「無患子(むくろじ)」という植物の実に由来します。「無患子」は文字通り「子どもが患うことなく育つ」という意味です。羽根を打ち合うことが「厄をはねる」という縁起にもつながっていました。
縁起の意味が深いですね。
「まりついて(まりつき)」の手まりは、糸を丸く巻いて作った球を地面に突いて遊ぶもので、「まる=円満」という縁起から一年を丸く収めるという願いが込められています。
こういった由来を子どもに伝えるときのコツは、「昔の子どもたちはお正月にこの遊びをするとよいことが起きると信じていたんだよ」とシンプルに話すことです。3〜4歳の子どもでも「縁起がいい」という感覚を何となくつかめるようになります。
保育士が知らない「お正月の歌」の音楽的な特徴と歌い方のコツ
多くの保育士が「なんとなく日本らしい曲調」と感じながら弾いているこの歌には、実は明確な音楽的理由があります。これを知ると、保育でのピアノ伴奏や歌い方の指導がぐっとやりやすくなります。
「お正月」は「ヨナ抜き音階(四七抜き音階)」で作られています。これは西洋音階のドレミファソラシの中から4番目の「ファ」と7番目の「シ」を抜いた音階です。この音階は、日本の伝統的な民謡や雅楽に使われる「日本らしさ」を生み出す基本構造です。
実は全体の音数が少ないんですね。
なぜこの音階が使われているのかというと、瀧廉太郎がドイツで西洋音楽を学びながらも「日本の子どもたちが自然に歌いやすい旋律」を意図的に追求したからです。当時の子どもたちが普段から口ずさんでいたわらべうたと同じ音の並びを使うことで、初めて聴いた子どもでもすぐに覚えられる曲を作ろうとしていたわけです。
保育士がピアノを弾くときに実用的なのは次のポイントです。
- 🎹 「ファ」と「シ」の音が出てこないため、黒鍵の多い難しいパターンが少ない
- 🎵 テンポはゆったり目(♩=80前後)が子どもの歌声に合いやすい
- 🎤 「はやくこいこい」の部分は少し弾んだリズムで弾くと子どもの声が自然と大きくなる
初級〜中級レベルのピアノ楽譜として保育士向けに公開されているものも多く、以下でピアノ楽譜と練習動画が無料で確認できます。
ほいくis「お正月のピアノ楽譜と練習動画セット」(初心者保育士向けの楽譜とヨナ抜き音階の解説があります)
また、この曲は「日本の歌百選」に2007年に選ばれています。全国の小学校・保育園で歌い継がれるべき曲として公式に認定されているという事実は、保育士としての「この曲を大切に教える」という姿勢の根拠にもなります。
これは使えそうです。
年齢別・お正月の歌を保育に活かす手遊びとねらいの設定方法
同じ「お正月」の歌でも、対象の年齢によって活用の仕方とねらいは大きく変わります。ここでは0歳〜5歳の年齢別に、保育士がすぐ使える活動アイデアとねらいをまとめます。
0〜1歳(乳児クラス)のねらいと活動例
この年齢では「お正月を理解する」ことは目的ではありません。歌のリズムに体を揺らす、保育士の声を聞く、という感覚的な体験が大切です。「もういくつねると」のゆったりしたメロディに合わせて、膝の上で体を前後に揺らすふれあい遊びが適しています。
ねらいは「保育士の歌声に親しみ、音のリズムを体で感じる」が基本です。
2〜3歳(乳幼児の境目)のねらいと活動例
少しずつ言葉を覚えてくる時期です。「たこあげ」「こまわし」という言葉と実物(あるいは絵カード)を合わせて見せることで、歌の内容と実体験がつながり始めます。手遊び歌「お正月」として、「たこあげて」の歌詞に合わせて両手を上に広げる動作などの簡単な振り付けを取り入れると楽しめます。
ねらいは「お正月という節目を感じながら歌い、日本の遊びに親しみを持つ」です。
4〜5歳(幼児クラス)のねらいと活動例
歌詞の意味を理解し、伝承遊びと連動させる段階です。歌を歌った後に実際に「こま回し」や「羽根つき」を体験させると、歌の歌詞に登場する遊びと体験が一致して理解が深まります。
- 🪁 「凧揚げ」:紙コップと割り箸で簡単な凧を製作してから外で揚げる
- 🪀 「こま回し」:紙皿こまをつくる製作活動とセットにする
- 🎉 「羽根つき」:風船を使ったアレンジ版で室内でも楽しめる
- 🎐 「まりつき」:バルーンや柔らかいボールで代替できる
ねらいは「伝統遊びの意味を知り、歌と遊びを通じて日本の文化への興味・関心を高める」です。4歳からは「なんで凧を揚げるの?」という問いかけに答えられるよう、由来の説明も取り入れましょう。
年齢別の月案(指導案)の書き方については、以下のサイトに具体的な文例が掲載されています。
保育士.net「お正月遊びの保育のねらいや指導案の書き方を紹介!」(年齢別のねらい設定と指導案の文例が詳しく解説されています)
月案に書く際のポイントは「歌と遊びを連動させたねらいにする」ことです。「歌を覚える」だけでなく「歌に登場する遊びを体験し、伝統文化への関心を育む」と書くことで、保育のねらいとして深みが出ます。
月案はこの視点で書くと強くなります。

