イノシシの歌0655を保育で活かす干支ソング完全ガイド
毎朝0655を見ている子どもが、干支の順番を自然に言えるようになることはありません。
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イノシシの歌「オレ、いのししだし!」の歌詞と聴きどころ
「オレ、いのししだし!」は、NHK Eテレ0655で2019年(亥年)に放送された干支ソングです。歌っているのは、ブラザートムさん。レゲエのリズムに乗ったゆるくて明るい曲調で、一度聴いただけでフレーズが頭から離れないと話題になりました。
歌詞のなかで特に印象的なのが、イノシシが神様の家に向けて真っ直ぐ猛ダッシュするシーンです。「とっしーん!走り出したら止まれない」というフレーズは、猪突猛進を完璧に表現しています。しかも「ギリギリ12位 すべりこみセーフ」という言葉で、イノシシが十二支の最後になった由来まで楽しく説明されているのがポイントです。
歌詞を通して子どもが知ることができる情報は多岐にわたります。
- 🐗 イノシシは「猪突猛進」で、一直線にしか走れない性格
- 🏆 十二支を決める「なぞの大会」で、スピード最速だったのに12位になった
- 😨 「こうみえても 結構 しんけーしつ」という、意外な一面(神経質)
- 🌏 「Long Time no see」「I wish you a happy new year」と英語フレーズも登場
作詞は貝塚智子・うえ田みお、作曲は堀江由朗(だんご三兄弟の作曲者)という豪華な制作陣によるものです。これが重要です。ただのキャラクターソングではなく、「干支の由来」を正しく伝える教育的な内容になっているのが、保育士にとって嬉しいポイントです。
曲の中にはイノシシ以外の干支の動物たちも登場します。キリン、ゾウ、タコ、ミーアキャット、ペンギン、カモノハシ、カエルまで出てきて、「なんでこんな動物が競争してるの?」と子どもが笑える場面も。なるほど、ということですね。十二支の動物だけに限定せず、ユーモラスな描写が子どもの注目を集めやすく作られています。
アニメーション担当は堀岡光次さんで、「ゆるキャラ」のような独特の絵柄が特徴的です。音楽と映像がセットになっているため、視覚からも聴覚からも記憶に残りやすい構成になっています。
日本コロムビア|Eテレ 0655/2355「オレ、いのししだし!」楽曲詳細ページ(CDリリース情報あり)
イノシシの歌0655を含む干支ソング・歴代12曲の一覧
Eテレ0655の干支ソングが始まったのは、2013年(巳年)のことです。「きたー!チームにょろにょろの歌」というヘビのキャラクターが登場する曲が第1弾で、以降、毎年その年の干支に合わせたオリジナルソングが制作・放送されてきました。
2024年の「たつこたつ」(辰年)でちょうど一周し、十二支すべての干支ソングがそろいました。つまり干支ソングは現在で13曲以上あり、次のサイクルに入っています。以下が歴代の一覧です。
| 年 | 干支 | 曲名 | 歌い手 |
|---|---|---|---|
| 2013年 | 巳(ヘビ) | きたー!チームにょろにょろの歌 | — |
| 2014年 | 午(ウマ) | 走れ ウマダ ウマジロウ | — |
| 2015年 | 未(ヒツジ) | メーメーメーがやってきた | — |
| 2016年 | 申(サル) | 喜多喜多さる年 | — |
| 2017年 | 酉(トリ) | 庭野トリ彦 今年も ケコケッコー | — |
| 2018年 | 戌(イヌ) | ポチが通ります | 三山ひろし |
| 2019年 | 亥(イノシシ) | オレ、いのししだし! | ブラザートム |
| 2020年 | 子(ネズミ) | みんなあつまれ!!2020 | — |
| 2021年 | 丑(ウシ) | うしうしソング | ジャングルポケット |
| 2022年 | 寅(トラ) | トラ太郎&トラッタラッタオーケストラ | — |
| 2023年 | 卯(ウサギ) | 勇者うさの大冒険 | — |
| 2024年 | 辰(タツ) | たつこたつ | 柴田聡子 |
| 2025年 | 巳(ヘビ) | DAPPI | 大槻ケンヂ |
それぞれの曲に共通しているのが、「その動物に関する豆知識」が歌詞に盛り込まれているという点です。うし年の曲では「牛は1日5万回咀嚼する」「鼻紋(びもん)は牛ごとに異なる」といった情報が入っていました。とりどし年の曲では、各国のニワトリの鳴き声の違いまで登場します。
単なる童謡や子ども向け歌と一線を画しているのが、この「知的好奇心を刺激する設計」です。保育士として注目すべき点です。子どもだけでなく大人が聴いても新鮮な発見があり、保護者との話のネタにもなります。
Wikipedia|Eテレ0655&2355(干支ソングの歌詞クレジットや制作情報を含む詳細ページ)
Eテレ0655番組の概要とイノシシの歌が生まれた背景
Eテレ0655は、NHK教育テレビ(現Eテレ)が2010年3月29日から放送している5分間のミニ番組です。毎週月曜から金曜、朝6時55分から7時の間に放送されています。「テレビで生活のリズムを刻む」をコンセプトに誕生した番組で、番組監修は慶應義塾大学教授の佐藤雅彦さん、制作はNHKエデュケーショナルとクリエイター集団ユーフラテスが手がけています。
5分という短い枠の中に、「日めくりアニメ」「おはようソング」「ねこのうた」「犬のうた」などのコーナーが凝縮されています。ユーモアと知的刺激を両立した内容は、子どもだけでなく大人にも人気があり、長年にわたって親しまれてきました。
干支ソングが始まった背景について理解しておくと、保育での活用イメージが広がります。0655はもともと「生活のリズム」を作ることを意識した番組です。年が変わるたびに流れてくる干支ソングは、「今年もまた年が変わった」「今年はこの動物の年だ」というリズムを視聴者に自然に感じさせる仕掛けになっています。これは保育で目指す「季節感・行事感」の育みと完全に一致しています。
「オレ、いのししだし!」が特に子育て世代・保育関係者の間で話題になったのは、歌の内容が「親しみやすいのに本格的」だったからです。ブラザートムの独特のレゲエ声と、ゆるいイノシシのアニメがセットになることで、子どもは笑い大人は懐かしい感覚を覚える二層構造になっています。
なお、0655のオープニングテーマは真心ブラザーズの「朝が来た!」です。この曲が流れると「今日が始まる」という感覚を多くの視聴者が持っており、保育園のお迎えや朝のルーティンに取り入れている家庭も少なくありません。
NHK公式|Eテレ0655番組ページ(放送予定・動画情報が確認できる)
イノシシの歌から学ぶ十二支の由来と保育での教え方
「オレ、いのししだし!」の歌詞には、「十二支決める なぞの大会」というフレーズが登場します。これは十二支の由来として広く知られる「神様が動物たちに競争させ、順番に来た動物を干支とした」という伝説をもとにしています。
十二支の由来を子どもに伝えることは、保育の場で大切な文化的教育のひとつです。しかし、由来の話は少し複雑で、そのまま話しても幼児には伝わりにくいことがあります。ここが大事です。「オレ、いのししだし!」のような歌を入口にすることで、話の骨格を音楽として先に体に刷り込んでおくと、その後の絵本や紙芝居での説明が格段に入りやすくなります。
なお、イノシシが12番目になった理由については諸説あります。
- 🐗 真っ直ぐにしか走れないため、神様のいる場所を通り過ぎてしまった(最も広く知られる説)
- 🐗 猪突猛進でゴールをオーバーランしてしまった
- 🐗 神様のいる山を間違えて迷ってしまった(別の民間伝承)
「なぞの大会 いのししは まっすぐ突進 だんとつの速さ だったのに 止まれずに ゴール通りすぎ」という歌詞はこの最初の説に基づいており、子どもに最も分かりやすく説明できるバージョンです。「一番速かったのに、止まれなかったから最後になった」というオチには、笑いと教訓が同居しています。
保育で十二支を教えるときの流れとして有効なのは、「歌→絵本→製作」の3ステップです。
- 🎵 ステップ1:「オレ、いのししだし!」をYouTubeや配信で一緒に聴き、イノシシの個性を知る
- 📚 ステップ2:「十二支のはじまり」系の絵本を読み聞かせし、由来の物語を理解する
- ✂️ ステップ3:干支の動物を使った製作活動で、十二支の順番を体で覚える
十二支の「ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い」という順番は、リズム読みとして繰り返すだけでも2〜3歳児から覚えることができます。つまり歌は最初の突破口です。歌詞に出てくる動物の名前を指で数えながら言う活動は、手遊びとしても成立します。
保育ラボ|干支ってなに?子どもに分かりやすく説明しよう!(十二支の由来を保育士向けにまとめた記事)
保育士が知っておきたいイノシシの歌0655の活用アイデア
「オレ、いのししだし!」を保育に取り入れる場面は、主に1月の新年期です。ただし、亥年(2019年)以外の年に使う場合でも、十二支の学習素材として活用できます。干支は12年サイクルですが、十二支の概念は毎年の保育に登場するテーマです。これなら問題ありません。
朝の会で「今年の干支は○○年!」と紹介するとき、過去の干支ソングを動画で見せると子どもの関心が一気に高まります。「オレ、いのししだし!」は亥年の曲ですが、「十二支の競走」のくだりで全12匹の動物が登場するため、どの年でも導入として使いやすいのが特徴です。
製作活動との連携
歌を聴いた後にイノシシの製作をするのも有効です。製作のモチーフとして、以下のものが人気です。
- 🖌️ 手形・足形でイノシシを作る(低年齢児向け)
- 📦 紙コップやトイレットペーパーの芯を使ったイノシシ立体工作(3〜5歳向け)
- 🎨 「なぞの大会」の絵を描き、好きな動物を干支の順に並べる活動(4〜5歳向け)
絵本との連動
「オレ、いのししだし!」の歌詞に興味を持った子どもには、「十二支のはじまり」を題材にした絵本が非常に有効です。歌でストーリーの骨格を知っているため、絵本の内容が吸収されやすくなります。保育現場で評価の高い絵本としては、多数の出版社から「じゅうにしのおはなし」「十二支のはじまり」といったタイトルが出版されており、読み聞かせに取り入れやすいです。
保護者との情報共有
意外に見落としがちですが、0655の干支ソングは家庭でも視聴できるコンテンツです。NHK Eテレは朝6時55分(月〜金)に放送されており、子どもが家で見ている可能性が高い番組のひとつです。保育園でも扱っていることを保護者に伝えると、家庭と保育園で同じ歌を共有でき、子どもの語彙や文化理解が一気に深まります。これは使えそうです。
発達段階別の活用ポイント
- 🍼 0〜1歳:リズムに乗って体を揺らす、大人が歌い聴かせる
- 👧 2〜3歳:「いのしし」「うま」など動物の名前を繰り返し言う
- 🧒 4〜5歳:歌詞の意味を理解し、十二支の順番を覚える活動へ発展
- 🎓 5〜6歳:「なぜイノシシは最後になったのか」をグループで話し合う
年齢ごとにアプローチを変えるだけで、同じ1曲の干支ソングが複数クラスで使い回せる万能教材になります。活用の幅は広いです。
ほいく求人|保育園で楽しめる十二支の製作アイデアを紹介(干支・お正月製作の具体的な方法がまとまっている)
保育士だからこそ気づくイノシシの歌0655の独自視点
「オレ、いのししだし!」が保育士にとって特別な理由は、この曲が子どもの「感情の読み取り」練習に使えるからです。これは一般的にはあまり語られていない視点です。
歌詞の中にある「こう見えても 結構 しんけーしつ ドキドキしちゃう だけども 目的見えたとたん とっしーん!」というフレーズに注目してください。このフレーズは、「外見と内面のギャップ」「緊張しながらも行動する勇気」という、子どもの情緒発達にとって非常に重要なテーマを含んでいます。
保育士の立場からこのフレーズを子どもと一緒に聴く際、以下のような問いかけが有効です。
- ❓「イノシシさんって、怖かったと思う?それとも平気だった?」
- ❓「あなたも『ドキドキしたけどやってみた』ことがあるかな?」
- ❓「一番速かったのに12番目になっちゃったの、どんな気持ちだと思う?」
これらの問いは、感情語の獲得(嬉しい・悲しい・怖い・ドキドキ)の支援や、他者への共感能力を育む活動として機能します。歌から気持ちを読み取る力は、保育所保育指針に示される「表現」や「人との関わり」の領域にも直結しています。
また、「ギリギリ12位 すべりこみセーフ」という表現は、「失敗に見えても実は成功した」という前向きな捉え方を示しています。保育現場では「うまくできなかった」と感じる場面が子どもにも多くあります。そのとき「イノシシさんも一番最後だったけど、ちゃんと仲間に入れたね」と声をかけることで、失敗体験をポジティブに変換する保育言葉として使える場面があります。
歌が「感情教育の入口」になる、という発想です。単なる「お正月の定番ソング」として扱うのではなく、子どもの心の育ちにつながる素材として活用できると、保育の深みが格段に増します。
なお、「猪突猛進」という四字熟語は、5〜6歳児になると少しずつ意味を理解できるようになります。「止まれなかったけど、とにかく前に進もうとした」という意味を歌と結びつけることで、四字熟語の初歩的な理解へとつなげることも可能です。語彙の拡充は保育が担う重要な役割のひとつです。
干支ソングを「音楽活動」として楽しむだけでなく、「情緒・言語・文化」の複合的な学びの場として捉え直すことが、保育士としての独自の視点です。「オレ、いのししだし!」はその可能性を十分に持った、稀有な保育教材と言えるでしょう。


