カバの歌歌詞と手遊びを保育士が徹底解説

カバの歌歌詞と保育での使い方ガイド

手遊びを「導入のついで」にしか使っていない保育士は、子どもの言語発達を8割以上見逃しています。

この記事でわかること
🦛

2曲の「カバの歌」歌詞を完全収録

「かばかば」と「おーいかばくん」、それぞれの歌詞・作詞作曲情報・対象年齢を整理してお伝えします。

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振り付けと発達効果の解説

「かばかば」の手の動きを3ステップで説明。0〜2歳の発達にどう働きかけるかを研究データとともに紹介します。

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保育士が知っておきたい活用シーン

プール前・遠足前・絵本前など、場面別の使い方と「おーいかばくん」CD付き絵本の読み聞かせのコツを解説します。


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カバの歌「かばかば」の歌詞と振り付けを確認しよう

 

保育の現場でよく歌われる「カバの歌」には、大きく分けて2つの曲があります。まずは手遊び歌として0〜2歳向けに広く親しまれている「かばかば」を確認しましょう。

歌詞はとてもシンプルで、全体を覚えるのに5分もかかりません。以下が完全な歌詞です。

パート 歌詞
Aメロ かばかば かば かばは どこだ
Bメロ ブルル ルンル ルン
ブルル ルンル ルン
サビ おいけの なかに ハッ… かば〜!!

歌詞が短い分、リズムと動きに集中できるのがこの曲の強みです。

振り付けは3つのステップで構成されています。まず「てんとうむし」として指先をピンと立てます。次に手をグーにして「でんでんむし」の形を作ります。最後に開いた両手を大きく広げてカバの口を表現し、「かば〜!!」のタイミングで思い切り大きな口をパクっと開けます。

この一連の動きがとてもシンプルで、0歳の赤ちゃんでも保育士の手の動きを目で追えるサイズ感になっています。つまり、対象年齢0〜2歳が基本です。「かばかば」は動きが激しめになるので、子どもと一緒にノリノリで遊べる点も魅力の一つです。

サビの「ブルルルンルルン」という音の連なりは、唇を震わせる動きを自然に引き出します。繰り返すことで唇・舌・頬の筋力を楽しみながら鍛えることができるのです。これは発音練習そのものです。

カバの歌「おーいかばくん」歌詞と作品背景を押さえよう

もう一方の「カバの歌」が、童謡「おーいかばくん」です。こちらは手遊び歌の「かばかば」とは性格が大きく異なります。

作詞は中川いつこさん、作曲・歌は中川ひろたかさんで、実は1970年代後半に幼児向けテレビ番組「ひらけ!ポンキッキ」(フジテレビ系列)でオンエアされた名曲です。その後「ママとあそぼう!ピンポンパン」でも歌われました。2007年には出版社「ひさかたチャイルド」からCD付き絵本としてリリースされ、現在も全国の保育現場で歌われ続けています。

歌詞は3番まであり、全文は以下のとおりです。

歌詞(メインパート) テーマ
1番 おーいおーいかばくん
きみのせなかかたいのかい
それともほんとはやわらかいのかい
かたそうでやわらかそうで
やわらかそうでかたそうで
おーいおーいかばくん
きみのせなかにのりたいな
せなか(固い?柔らかい?)
2番 おーいおーいかばくん
きみのおなかつめたいのかい
それともほんとはあったかいのかい
つめたそうであったかそうで
あったかそうでつめたそうで
おーいおーいかばくん
きみのおなかにもぐりたいな
おなか(冷たい?温かい?)
3番 おーいおーいかばくん
ぼくとかくれんぼしようよ
おひるねばかりじゃつまらないだろう
おおきなおしりとちっちゃなしっぽ
おーいおーいかばくん
みつけにいくよもういいかい
かくれんぼ(おしりとしっぽ)

ゆったりとした曲調が特徴で、子どもが「固い?柔らかい?」という問いかけを通してカバの体感を想像できる構造になっています。意外ですね。

「かたそうでやわらかそうで、やわらかそうでかたそうで」という繰り返しフレーズは、子どもが自然に言葉のリズムを体感できるように計算されています。難しい単語は一切使われていない、でも語彙が豊かになる工夫が随所に施されているのです。

「おーいかばくん」CD付き絵本の詳細(ひさかたチャイルド公式)

カバの歌歌詞が持つ発達効果を保育士は知っておこう

「カバの歌は子どもが喜ぶだけ」と思っているなら、大きなメリットを見落としています。保育における手遊び歌の効果については、大阪芸術大学の白倉朋子氏による研究(2021年)でも詳しく分析されており、以下の発達効果が示されています。

まず、言葉の発達を促す効果です。「おーいかばくん」の歌詞の中には「かたい・やわらかい」「つめたい・あったかい」という対義語ペアが自然に組み込まれています。1番と2番でそれぞれ異なる形容詞を覚えられるため、語彙の獲得を音楽とセットで進められます。これは「歌詞は言葉を意識化する基礎作りに著しい効果がある」というコダーイの教育理論とも合致する点です。

次に、「かばかば」の「ブルルルンルルン」という音はリップロール(唇を震わせる発音練習)そのものです。唇・舌・頬の筋力発達につながると言語聴覚士の分野でも指摘されており、発音トレーニングを「遊び」の形で自然に提供できます。

さらに、手を「てんとうむし→でんでんむし→カバ」の3段階に変える振り付けは、指先の微細運動と脳の活性化を同時に行います。手は「外部の脳」とも呼ばれ、左右の手を使った動作は脳の発達と強く結びついています。これは使えそうです。

笠井ほか(2015年)の調査では、手遊び歌が「保育の導入として使われている」と答えた保育士はなんと83%に上ります。しかし「保育活動そのものとして」活用している割合はわずか6%にとどまります。つまり、手遊びを「つなぎ」として使うだけでは、言語発達・微細運動・内的聴感など多くの教育効果を活かしきれていないのです。

保育における「手遊び」の効果(大阪芸術大学・白倉朋子氏研究ノート)

カバの歌歌詞を使った保育シーン別の活用方法

「かばかば」と「おーいかばくん」は使うタイミングが異なります。それぞれの特性を知れば、同じ曲でも場面に合わせた使い方が広がります。

「かばかば」が特に効果を発揮するのは、次のような場面です。

  • 🏊 プール遊びの前後:「かばは水の中にいる!」という導入で、子どもの気持ちをプールモードに自然に切り替えられます。終わった後の着替えタイムにも使えて、次の行動へのスムーズな移行に役立ちます。
  • 🦁 動物園への遠足の前:遠足当日の朝、バスに乗る前に「かばかば」を歌うと、子どもたちのテンションが一気に上がります。「今日、本物のカバ見るね!」という言葉かけとセットにすると効果的です。
  • 📖 絵本の読み聞かせ前:「おーいかばくん」の絵本を読む前に「かばかば」を歌うと、子どもたちがカバへの関心を持った状態で読み聞かせに入れます。注目度が段違いに上がります。
  • 🔔 集合・次の活動への切り替え:短く終わるシンプルな構成なので、活動の合間に「集まってー」の合図代わりに使えます。

「おーいかばくん」はゆったりした曲調のため、絵本読み聞かせの際にCDをかけながら使うのが最も効果的です。保育士みふぃこさん(現役保育士)の実践でも、1歳半〜3歳の子どもたちに見せたところ、CDで曲を流しながら見せると「普段の読み聞かせとは違う楽しみ方」として強い興味を持つ姿が見られたと報告されています。歌詞を覚えた子どもが「♪おーいおーいかばくん」と一緒に歌いだす姿は、言葉の発達が目に見える形で現れた瞬間とも言えます。

「おーいかばくん」の絵本は出版社「ひさかたチャイルド」から販売されています。対象年齢は2〜3歳からとされていますが、2歳前でも曲を聴く・絵を楽しむという形で十分使えます。絵はあべ弘士さん(元旭山動物園飼育員・絵本作家)が手がけており、リアルで温かみのあるカバの表情も子どもたちを惹きつけます。

「おーいかばくん」の読者レビューと詳細(絵本ナビ)

カバの歌歌詞の替え歌アレンジで保育の幅を広げよう【独自視点】

「かばかば」の歌詞は驚くほど短く、構造もシンプルです。だからこそ、保育士が独自にアレンジを加えやすい曲でもあります。「かば」の部分を他の動物名に差し替えるだけで、全く違う手遊びとして成立するのです。

たとえば「ぞうぞう ぞう ぞうは どこだ」に替えると、子どもたちが自然と長い鼻のジェスチャーをし始めます。「うさぎうさぎ うさぎはどこだ」に替えれば、両手を耳に当てる動きが生まれます。曲の骨格が同じなので、保育士が慌てずに伴奏しながら動物名を変えていくだけで良い、非常に使い勝手の良い構造なのです。

発言小町のある投稿では、「子どもたちが替え歌にして歌っていた」「他の動物の名前に変えていろんな表現をして楽しんでいた」という声が寄せられています。子ども自身が「替えていい」と感じて創造性を発揮する場になることも、この曲ならではの強みです。

替え歌アレンジを実践する際の手順を整理します。

  • 🐘 ステップ1:動物を選ぶ:季節のイベント(遠足・飼育展示など)に合わせて動物を決めます。子どもに「次は何の動物にする?」と問いかけるだけで、子どもが主体的に歌に参加するようになります。
  • 🖐️ ステップ2:体の動きを考える:その動物を体で表現するジェスチャーを1つ決めます。「サビでどんな動きをする?」と子どもと一緒に考えると、子どもの想像力が引き出されます。
  • 🎵 ステップ3:歌詞の「かば」だけを差し替える:「ブルルルンルルン」はそのままにして、動物名だけを変えます。構造が変わらないので子どもも迷いません。

この「替え歌」アプローチは、保育所保育指針で重要視されている「自分なりに表現する」「自分のイメージを動きや言葉で表現する」というねらいとも直結します。決められた振り付けをそのまま行うだけでなく、子どもが「自分で作る」感覚を持てる点が、この活用法の最大のメリットです。

替え歌アレンジに慣れたら、保育士がとっさにその場で動物名を変えてみるのも有効です。子どもが「えっ、なんで変えるの?」と笑いながら反応してくれる場面が生まれ、その笑いが次の活動への自然な橋渡しにもなります。これが基本です。


雲をあやつる -副題「カバコフの夢」を歌う-