キツツキの歌の歌詞と保育で使える手遊び完全ガイド
「大工のきつつきさん」の歌詞に出てくる「ホルディヒヒア」は、実はキツツキの鳴き声ではなくカッコウの声が原曲です。
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キツツキの歌「大工のきつつきさん」の歌詞全文と読み方
「大工のきつつきさん」は、保育園や幼稚園で長年愛されてきた手遊び歌です。正式な歌詞を知らないまま「なんとなく」歌っている保育士さんも意外と多いのではないでしょうか。まずは歌詞の全体像をしっかり押さえましょう。
歌の前半(メロディーパート)は以下のとおりです。
| パート | 歌詞 |
|---|---|
| Aメロ1行目 | みどりの もりかげに ひびくうたは |
| Aメロ2行目 | だいくの きつつきさん せいだすうた |
| コーラス冒頭 | ホールディーアー |
| コーラス繰り返し | ホルディッヒッヒッア ホルディックック(×3) |
| コーラス末尾 | ホルディッヒッヒッア ホー |
コーラス部分の読み方は複数のバリエーションが存在します。「ホルディクック」「ホルディヒヒア」「ホルディヒヒヤ」など、保育現場や資料によって表記がやや異なるのが現状です。これが覚えにくさの一因にもなっています。
コーラスが基本です。その後に「物語パート」が続く構成になっています。
物語パートは、キツツキさんが森で作業していると何者かの影がサッと横切る、というストーリーで進行します。動作ごとに「サッ」「ハッ」「ホッ」「あっかんべー」を順番に積み重ねていく「積み木式構造」が、この歌最大の特徴です。
| 場面 | 内容 | 追加動作 |
|---|---|---|
| 1回目 | 影がサッと横切る | 「サッ」→手を横に払う |
| 2回目 | きつつきがハッと驚く | 「ハッ」→両手を広げる |
| 3回目 | よく見ると小人さんでホッとする | 「ホッ」→胸をなでおろす |
| 4回目 | きつつきがあっかんべーをする | 舌を出す・指で目を引っ張る |
繰り返すたびに動作が1つずつ増えていくのが特徴です。子どもたちは「次は何が来る?」とわくわくしながら参加でき、自然と集中力が引き出されます。これは使えそうです。
別バージョンでは、最後に「あっかんべー」ではなく「投げキッス」で返すという展開もあります。年齢や場の雰囲気に応じて使い分けると、保育がより豊かになりますね。
キツツキの歌の原曲と歴史:オーストリア民謡との意外なつながり
「大工のきつつきさん」は日本で生まれた歌だと思っている保育士さんも多いですが、実はオーストリア民謡が原曲です。これは意外ですね。
原曲は「Und jetzt gang i ans Petersbrünnele(ペーターの泉に行って)」というオーストリア民謡です。コーラス部分の「ホルディックック」は、この原曲ではカッコウ(コウノトリ科の鳥)の鳴き声を表現したものです。キツツキの鳴き声ではありません。
つまり元の歌詞はキツツキと一切関係がなく、森でカッコウが鳴く情景を歌ったものでした。それを日本語に訳詞・アレンジする際にキツツキを主役とする物語が付け加えられ、現在の手遊び歌として定着したのです。訳詞は「宮林茂晴」氏によるもので、現在の歌詞とストーリーの骨格は同氏の解釈が元になっています。
また「ホルディリディア」という少し似た名前のスイス民謡(別タイトル:ホルディリディア)も存在しますが、これは全くの別曲です。保育士同士の話題の中でも混同されやすいので注意が条件です。
日本では幼稚園・保育園向け以外にも、ガールスカウトのキャンプソングとして長く使われてきた歴史があります。大人から子どもまで幅広い場面で親しまれてきた曲である点は、保育現場での汎用性の高さに直結しています。
この背景を知っておくと、保護者への説明や年長児への話かけの中で「実はオーストリア発祥の曲なんだよ」とひとこと添えることができ、活動に深みが生まれます。
「大工のきつつきさん」の原曲・歌詞・物語バリエーションの詳細(世界の民謡・童謡)
キツツキの歌の振り付けと年齢別アレンジのポイント
「大工のきつつきさん」の振り付けには基本形がありますが、年齢に合わせた調整が重要です。3歳・4歳・5歳で使い分けると、子どもの反応が大きく変わります。
まず基本の振り付けから確認しましょう。メロディーパートでは、膝を両手でパタパタと叩く動作が基本です。コーラス部分では「膝を叩く→胸の前で拍手→頭の上で指鳴らし」の3ステップをリズムよく繰り返します。
神奈川県レクリエーション協会の資料では、以下のように動作を段階的に追加するやり方が紹介されています。
- 🐦 2回目:キツツキが木を突く「コン、コン、コン」→手指をすぼめて先をとがらせ、突っつく動作を追加
- 🐄 3回目:牛が登場「モー」→両手で角をつくり振り向く動作を追加
- 🥛 4回目:牧場の搾乳「キュッ、キュッ」→両手をグーにして左右交互に握る動作を追加
- 🤧 5回目:牧場夫のくしゃみ「ハックション」→顔をしかめて大きくくしゃみをする動作を追加
年齢別のアレンジを整理すると次のようになります。
| 年齢 | おすすめの難易度 | ポイント |
|---|---|---|
| 3歳児 | 基本の歌とコーラスのみ | 膝叩き・拍手だけで十分。物語部分は保育士が読み聞かせ形式で行う |
| 4歳児 | 物語パート追加(2〜3場面) | 「サッ・ハッ・ホッ」の3つまでを一緒に積み上げていく |
| 5歳児 | 動作のフル積み上げ+アレンジ | 子ども自身が登場人物を提案するなど、創造的なアレンジも可能 |
本来この歌は4番まで歌詞があり、動作の難易度も相当高くなります。しかし保育現場では1番だけ用いるのが基本です。年齢や活動の目的に応じて無理なく取り入れましょう。
子どもたちと一緒に「次はどんな動物が来る?」「何の動作にする?」と相談しながらアレンジを考えるのも、創造性の発達という観点から非常に有意義な取り組みです。
神奈川県レクリエーション協会による振り付けの段階的な解説資料(PDF)
キツツキの歌を保育の導入で使う効果と活用場面
手遊び歌を「導入」として使うことは、保育士にとって非常にコスパの高い手法です。道具も準備も不要で、いつでも使える点が最大の強みです。
研究の観点からも、手遊び歌の導入活用は明確に支持されています。埼玉東萌短期大学の研究では「活動の導入で用いられる手遊び歌は、幼児の集中力を引き出す点において有益な効果をもたらす」と報告されています(目久田・越中 2018年)。
「大工のきつつきさん」が特に導入として優れている理由は、次の3点に整理できます。
- 📢 物語性がある:ストーリーが続くため、子どもが「次はどうなる?」と自然に聞く姿勢になります。読み聞かせや絵本活動の前置きとして非常に相性がよいです。
- 🔁 反復・積み上げ構造:毎回1つずつ動作が増えるため、「繰り返し見ることで理解が深まる」幼児の特性にぴったりです。記憶力・注意力の発達にも働きかけます。
- 😂 笑いが生まれやすい:「あっかんべー」や「投げキッス」など、少し滑稽な動作が含まれており、自然と笑いが起き、場の空気が温まります。集会の冒頭や朝の会にも最適です。
特に初めてこの歌を使う際は、保育士自身が表情豊かに演じることが鍵です。物語の「サッ→ハッ→ホッ」の感情の動きを大げさに表現することで、子どもたちは感情移入しやすくなり、模倣したいという意欲が高まります。
手遊び歌の効果について体系的に学びたい場合は、大阪芸術大学や鹿児島大学の研究論文も参考になります。
保育における「手遊び」の効果についての研究論文(大阪芸術大学)
キツツキの歌を保育士が上手に伝えるための独自の工夫
歌詞と振り付けを子どもに正確に伝えるには、「教える」のではなく「一緒に発見する」という関わり方が効果的です。これが原則です。
多くの保育士が陥りがちなのは、最初から全部の動作を説明してしまうことです。しかし「大工のきつつきさん」の構造は、ストーリーの展開に合わせて動作を1つずつ増やしていく「段階的習得」が前提になっています。
最初の1回目は歌のみ、2回目で「サッ」を追加、というように少しずつ動作を加えていく方法が、子どもの集中を維持しやすいです。
また、コーラス部分「ホルディッヒッヒッア ホルディックック」は聞き慣れない言葉であるため、最初は戸惑う子どもが多いです。この「聞き慣れない感」は逆に子どもの好奇心を刺激する武器になります。「なんて言ってるの?」「変な言葉だね」という反応を引き出し、そこから会話に発展させると活動が豊かになりますね。
さらに進んだアレンジとして、登場人物を子どもたちが自由に決める方法があります。「小人の代わりに何を出す?」「先生、恐竜はどうかな」などの発言を尊重して即興で動作を考えると、5歳児では特に大きな盛り上がりを見せます。こうした創造的なプロセスは「表現」「言葉」「人間関係」という保育の5領域のうち3つに同時にアプローチできる点で非常に価値があります。
手遊び本や保育参考書が手元にない場合でも、YouTubeには「大工のきつつきさん(歌詞付き)」「だいくのきつつきさん 4歳児」などで検索すると動画が複数確認できます。視覚的に動作を確認してから実践に臨むと、初めて行う際の自信につながります。
歌詞が少し曖昧で不安なときは、事前に1〜2回通しで確認しておくだけで十分です。完璧に覚えてから使う必要はありません。子どもと一緒に「間違えながら覚えていく」姿を見せること自体が、失敗を恐れずチャレンジする姿勢を示す保育の実践になります。


