野菜のうた歌と手遊びを保育に活かす完全ガイド

野菜のうた歌を保育で活かすための全知識

「野菜のうた」の歌詞は全部で12種類の野菜が登場するのに、作詞者・作曲者が完全に不明のまま何十年も全国の保育園で歌われ続けています。

この記事でわかること
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歌詞と振り付けを完全収録

「トマトはトントントン」から「もやしはもじゃもじゃもじゃ」まで、全12種類の野菜の歌詞と年齢別の振り付けのコツをまとめました。

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食育との連携ポイント

子どもの88.2%がなんらかの野菜嫌いを持つというデータをふまえ、「野菜のうた」を食育に活かす具体的な方法を解説します。

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年齢別ねらいと取り入れ方

0歳児のふれあい遊びから5歳児のオリジナル創作まで、発達段階に合った活用法を年齢ごとに紹介しています。

野菜のうた歌詞と各野菜のオノマトペの意味

 

「野菜のうた」は、作詞・作曲ともに不詳の童謡です。これだけ広く普及しているにもかかわらず、誰が作ったかがわかっていない曲というのは、意外ですね。全国の保育現場で長年歌い継がれてきた「口コミ文化」の賜物と言えます。

歌詞は以下のとおりです。

野菜名 オノマトペ 動きのイメージ
🍅 トマト トントントン 手で丸を描きながら叩く
🥬 キャベツ キャッキャッキャッ 両手を開いて葉を揺らす
🥒 キュウリ キュッキュッキュッ 指先をキュッと曲げる
🥕 だいこん コンコンコン 腕をまっすぐ下に伸ばす
🫑 ピーマン ピッピッピッ 指を立ててリズムよく動かす
🎃 かぼちゃ チャッチャッチャッ 両手で丸いかぼちゃを表す
🥕 ニンジン ニンニンニン 両手を細長く前に出す
🥬 はくさい くさいくさいくさ~い 鼻をつまむ仕草で笑いを誘う
🧅 タマネギ エンエンエン 目をこする泣き顔の動作
🌿 ゴボウ ヒョ~ロヒョロ 体をひょろひょろ揺らす
🟢 グリーンピース ピースピースピース ピースサインを連続して出す
🌱 もやし もじゃもじゃもじゃ 頭をかくか両手をわしゃわしゃ動かす

注目したいのは「はくさいは くさいくさいくさ~い」「タマネギ エンエンエン」の部分です。実際には白菜はほとんど臭わず、タマネギが目に染みる理由はアリシンという成分によるものなのですが、子どもたちがイメージしやすい”あるある体験”に変換されています。この2フレーズは毎回笑いが起こる定番のくだりで、クラス全体の雰囲気を一気に和ませてくれます。

つまり、リズムと笑いが食育の入口になるということですね。

保育士が歌う際のポイントは「メリハリ」です。各野菜のオノマトペをただ歌うのではなく、その野菜のキャラクターになりきって表情豊かに演じることで、子どもたちの模倣意欲が格段に高まります。テンポを少し上げる「スピードアップ遊び」も盛り上がる定番の工夫です。

野菜のうた歌の年齢別ねらいと保育への取り入れ方

「野菜のうた」は一見すると幼児向けに見えますが、0歳児から5歳児まで幅広く使える曲です。年齢ごとに「ねらい」と「関わり方」を変えることが大切です。

0〜1歳児(ふれあい遊びとして)

この年齢では「歌詞を覚える」よりも「保育士と一緒に楽しむ安心感」が最優先です。子どもを膝の上に乗せて抱っこしながら歌い、「トントントン」では優しく背中を叩いたり、「ヒョ~ロヒョロ」では体を左右に揺らしたりと、スキンシップを中心にした関わりがぴったりです。歌の長さが心配な場合は前半6種類だけに絞って歌うだけで十分です。

2〜3歳児(模倣遊びとして)

この時期は「見て真似る」力が大きく育ちます。保育士がゆっくりはっきりと動いて見せることで、子どもたちは自然と真似してきます。最初は歌詞がわからなくても問題ありません。動きのメリハリが一番の引きつけポイントになります。

4〜5歳児(創作・食育への発展として)

5歳になると「ほかの野菜のオノマトペを自分で考える」創作活動へとつなげられます。例えば「ブロッコリーはブロブロブロ!」「とうもろこしはコロコロコロ!」といったオリジナルフレーズを子どもたちが考えると、活動がぐっと広がります。

年齢クラス 主なねらい おすすめの取り入れ方
0〜1歳児 保育士との信頼関係・安心感 抱っこでスキンシップ中心
2〜3歳児 言葉の模倣・リズム感の発達 ゆっくり動いて見せる真似っこ遊び
4〜5歳児 創造的表現・食育への興味 オリジナル野菜フレーズ創作活動

また、食育の観点から「給食の前」に取り入れるのも非常に効果的です。給食に入っている野菜と歌をリンクさせると「今日のごはんにニンジン入ってるね、ニンニンニンだね!」と自然な会話につながります。

保育士バンク「野菜の歌の手遊び」歌詞・楽しむポイント・取り入れる年齢の詳細解説

野菜のうた歌が子どもの語彙発達に与えるオノマトペ効果

保育の現場では「とにかく楽しい手遊び」として親しまれている「野菜のうた」ですが、その教育的効果は想像以上に大きいです。研究が注目されているのです。

近畿大学の研究論文「子どもの歌におけるオノマトペの効果と役割について」(2021年)では、オノマトペが子どもの言語発達・想像力表現力の育成に広く効果を発揮していることが示されています。語彙獲得期の1〜3歳において、オノマトペは「感覚とことばをつなぐ橋渡し」の役割を果たしているとされています。

これを「野菜のうた」に当てはめると、次のような発達的意義が見えてきます。

  • 🔤 語彙の定着:「トントン(トマト)」のように音と名前が結びつくことで、単純な暗記よりも格段に覚えやすくなります。
  • 🖐️ 身体表現の発達:各オノマトペに対応した動作を行うことで、言葉と体の連動性が育まれます。
  • 😄 感情表現の豊かさ:「くさいくさい」「エンエンエン」といった感情的なフレーズは、自分の気持ちを言葉で表す体験として機能します。
  • 👁️ 集中力の向上:テンポよく変化するリズムを追うことで、注意持続時間が自然と延びていきます。

これは使えそうです。単に「野菜の名前を覚える歌」ではなく、「言語発達全般を支える教材」として位置づけられるのが、この手遊び歌の深みです。

実際の保育現場では、パネルシアターペープサートを組み合わせることで視覚的な理解も促せます。野菜のイラストカードを用意し、歌いながら該当する野菜を見せるだけで、特に2〜3歳児の興味が飛躍的に高まります。メルカリやCreemaなどのハンドメイドサイトでは、やさいのうた専用のペープサートデータが500〜800円程度で購入できます。作成時間が省けて保育準備が楽になります。

近畿大学「子どもの歌におけるオノマトペの効果と役割について」論文PDF(言語発達・表現力育成へのオノマトペの効果を詳細に解説)

野菜のうた歌を食育活動の導入として最大活用する方法

カゴメの「野菜定点調査2025」によると、子どもが嫌いな野菜の1位はピーマン(28.1%)でした。また別の調査では「3〜10歳の子どもの88.2%がなんらかの嫌いな野菜がある」という結果も出ています。約9割の子どもが野菜嫌いを抱えているのが現状です。

保育士として気になるのは「どうすれば苦手意識を和らげられるか?」という点でしょう。実はこの課題に「野菜のうた」は意外なほど力を発揮します。

理由は「楽しい文脈で繰り返し名前に触れる」という点にあります。人間は怖いものや嫌なものでも、安心した状態で繰り返し接すると慣れていく「系統的脱感作」という仕組みを持っています。これを食育に応用したのが「歌や手遊びを通じた食材への接触」です。野菜の名前を楽しく何度も口にする体験が、実際に食べる場面での心理的なハードルを少し下げてくれます。

食育として「野菜のうた」を使う際の具体的な流れを紹介します。

ステップ1:歌で名前と親しむ(給食の2〜3日前から)

その週の給食に登場する野菜を先取りして手遊びに組み込みます。「今日はピーマンやるよ!ピッピッピッ!」とリズムで紹介するだけで、子どもの中に「知っている野菜」として刷り込まれていきます。

ステップ2:絵本や実物で視覚的に確認する(給食前日)

野菜が登場する絵本を読み聞かせするか、実際の野菜を見せながら「これが昨日のピッピッピッだよ!」と関連づけます。特に効果的な絵本としては「やさいだいすき」(柳原良平著・こぐま社)や「ごめんやさい」(わたなべあや著・ひかりのくに)などがあります。

ステップ3:給食前に歌って気持ちを整える(当日)

「今日のごはんに入ってる野菜を探してみよう!」と声がけしてから食事に移ります。給食の前に歌を歌う習慣をつけると、食事の時間全体が楽しい雰囲気になります。

食育が条件です。楽しい体験の積み重ねが、長期的な食習慣の基礎になります。

農畜産業振興機構「子どもの野菜嫌いと食育」PDF(野菜嫌い克服に向けた食育の考え方を専門家が解説)

野菜のうた歌のアレンジ・発展活動アイデア【保育士の独自視点】

検索上位の記事には「振り付けのポイント」や「ねらい」は掲載されています。しかし意外と触れられていないのが「マンネリ化してきたときのアレンジ」です。定番の手遊びは慣れてきた頃が腕の見せどころです。

以下に保育現場で使いやすいアレンジ案をまとめます。

🌿 季節バージョンへのアレンジ

「やさいのうた 冬バージョン」として、冬に旬の野菜に入れ替えて歌うアレンジがYouTubeでも人気です。例えば白菜・ほうれん草・ねぎ・れんこんなどを入れ替えると季節感が出ます。旬の野菜に差し替えることで「給食の野菜と歌が一致する」体験が生まれ、食育効果も上がります。

🎲 「野菜あてクイズ」への発展

歌詞のオノマトペだけを歌い、「さてこれは何の野菜でしょう?」とクイズにします。例えば「ピッピッピ!これは何かな?」と問いかけると、4〜5歳児が積極的に手を挙げてくれます。正解したら「大正解!ピーマンでした!ピッピッピ!」と一緒に動いて盛り上げます。

🖍️ 絵を描いてオリジナル歌詞づくり

5歳児クラスなら、「あなたが好きな野菜でオノマトペを作ってみよう」という活動に発展できます。ブロッコリー・アスパラ・さつまいもなど、もとの歌には出てこない野菜のオノマトペを子どもたちが考えてくれます。クラス全員で発表して「みんなの野菜のうた」を作ると、活動の達成感が格別です。

📋 スケッチブックシアターとの組み合わせ

スケッチブックに各野菜のイラストを描いて、歌いながらページをめくるスケッチブックシアターも人気の教材です。手づくりの温かみがあり、市販品を購入しなくても始められます。A4スケッチブック1冊(300〜500円程度)で作れるのでコストも低いです。

📱 テンポ変化でリズム感を育てる

同じ曲をゆっくり→普通→速くと3段階で歌うと、子どもたちは大喜びします。特に「もじゃもじゃもじゃ」の高速バージョンは毎回笑いが止まらなくなります。これは音楽的なテンポ感・リズム感を育てる活動としても価値があります。

マンネリ打破が原則です。「また野菜のうたか…」と思わせないための工夫を、日々の引き出しとして持っておくと保育の質が上がります。

ほいくnote「やさいのうた」振り付き実演・年齢別ねらいと導入の仕方の解説ページ

野菜のうた歌の絵本・教材・動画でさらに深める活用術

「野菜のうた」を保育の中でより豊かに展開したいなら、連携できる教材や参考動画を知っておくと便利です。

📚 関連絵本

手遊びの「やさいのうた」が基になった絵本作品も存在します。フレーベル館から出版されている「やさいの うた」(作:田代卓)は、赤ちゃんから楽しめる「うた絵本」シリーズの一冊で、登場キャラクターの動きに合わせて遊べる構成になっています。0歳児クラスの読み聞かせにも使えます。

その他、食育と連携した野菜絵本としては次のものがあります。

  • 「やさいだいすき」(柳原良平著・こぐま社):たくさんの野菜が明るいイラストで登場し、子どもが自然と野菜への興味を持てる一冊
  • 「ごめんやさい」(わたなべあや著・ひかりのくに):野菜を食べることへの心理的な変化を楽しく描いた絵本
  • 「やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち」(なかやみわ著・白泉社):キャラクター性の高い野菜たちが主役で、特に3〜5歳児に人気

🎬 参考動画

  • 「ほいくis」公式YouTubeチャンネルでは保育士ずんちゃんによる実演動画を配信中です(振り付けの細かいニュアンスを視覚的に確認できます)。
  • ボンボンアカデミーの「やさいのうた〈振り付き〉」は教育系YouTubeとして保育士・教員向けに制作されており、子どもたちに直接見せることも可能です。

🛒 教材購入

ペープサート素材はCreema・minne・メルカリなどのハンドメイドサイトで「やさいのうた ペープサート」と検索すると、500〜800円前後でダウンロードデータが購入できます。印刷して割り箸を貼るだけで完成するので、忙しい保育士でも手軽に準備できます。24種類の野菜や果物に対応した充実セットも見つかります。

絵本・動画・教材の3点セットが条件です。手遊び単体よりも複数の教材を組み合わせることで、子どもへの印象がより深く定着します。

カゴメ「野菜定点調査2025」子どもの好きな野菜・嫌いな野菜ランキング(食育の課題感を裏付けるデータとして参考になります)

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