わ~お! 歌を保育士が活かす振り付けとねらいを年齢別に解説
「わ~お!」の曲は、保育活動中に流しているだけで子どもが自然に笑顔になります。
わ~お! 歌の基本情報と歌詞の構成
「わ~お!」はNHK Eテレ『いないいないばあっ!』で放送され、全国の保育現場に広まった一曲です。作詞はもりちよこ、作曲は小杉保夫が手がけており、2000年代から長く愛用されています。対象年齢は主に0歳〜2歳児とされていますが、振り付けをアレンジすれば3歳以上の幼児クラスでも十分楽しめます。
歌詞は「みんなみんな ぴょーんぴょん」という呼びかけから始まり、「さいしょはゆび!」「ハイハイだよ!」「はしるよ!」など、保育士が場面を切り替えながら動きを誘導するセリフが随所に挿入されています。指でツンツンする「ぴぴぴのぴ」パート、ハイハイで追いかけ合う「だんごむし」パート、「5・4・3・2・1・わーお!」というカウントダウンパートなど、複数のシーンが連続する構成になっています。これが特徴的です。
各パートで動きがはっきり切り替わるため、保育士がセリフを大きな声で言うだけで子どもたちが自然に次の動作へ移れます。曲全体の時間は約3分で、乳児クラスが集中できるちょうどいい長さです。「指→おしり→ハイハイ→走る」という流れは、子どもの運動発達の順序とほぼ一致しており、身体の使い方を自然に練習できる構成になっています。
| パート名 | 歌詞の一例 | 主な動き |
|---|---|---|
| オープニング | みんなみんな ぴょーんぴょん | ジャンプ・手を振る |
| 指パート | ぴぴぴ ぴぴぴのぴ | 指でツンツン |
| だんごむしパート | だんごむし まって まって | ハイハイ・丸まる |
| カウントダウン | 5!4!3!2!1!わーお! | 指折り・ジャンプ |
| ラストサビ | わおわお わ~お! | 走る・全身で表現 |
曲情報の詳細は歌ネットの公式ページで確認できます。
わ~お! 歌を保育に取り入れるねらいと発達効果
「わ~お!」を保育に取り入れる際は、目的を意識することが大切です。この曲には、大きく分けて3つのねらいが設定できます。
まず1つ目はリズム感と身体感覚の発達です。「ぴょーんぴょん」「どんぱん どどんぱどん」といったオノマトペ(擬音語)が豊富に含まれており、リズムに乗って身体を動かすことで、神経系の発達を促すことができます。文部科学省の調査によると、幼児期に外遊びや全身運動を多く経験した子どもほど運動能力が高い傾向にあることが報告されています。「わ~お!」のような曲に合わせたダンスは、楽しみながら運動量を確保できる点で非常に効果的です。
2つ目は語彙力・発語の促進です。「さいしょはゆび!」「ハイハイだよ!」といった短いセリフが繰り返されるため、言葉と動作が結びつきやすくなっています。0歳後半〜1歳代は発語が始まる重要な時期で、耳から繰り返し聞いた言葉は記憶に定着しやすくなります。リズムのある言葉は特に脳に残りやすいとされており、語彙の土台づくりにも貢献します。
3つ目は愛着形成と社会性の育成です。「みんなでね こんにちわ~お!」という歌詞が示すように、この曲は「みんなで一緒にやる」ことを大切にしています。保育士と目を合わせながら動きを真似る体験は、子どもに安心感を与え、大人への信頼感(愛着)を育む土台になります。
つまり、発達・言語・情緒の3領域に一度にアプローチできます。
芦屋大学が発表した保育者の歌唱に関する研究でも、手遊び歌は音楽的能力だけでなく、乳幼児期の発達全般に関わるものとして位置付けられています。
芦屋大学「幼児の表現活動を支える保育者の歌唱についての一考察」(PDF)
わ~お! 歌の年齢別振り付けと導入のポイント
振り付けは「年齢別に調整する」が基本です。同じ曲でも、0歳・1歳・2歳では楽しみ方もねらいも変わってきます。それぞれのポイントを見ていきましょう。
【0歳児クラスの場合】
0歳児はまだ自分では立って踊れないため、保育士が膝に乗せてあやしたり、一緒に体を揺らしたりするふれあいダンスがメインになります。「ぴょーんぴょん」のリズムで上下に揺らしたり、「ぴぴぴのぴ」で保育士が子どもの指や頬をそっとツンツンするだけで、子どもは大喜びです。肌の接触がある分、愛着形成の効果が特に高い使い方といえます。運動会では抱っこしながら踊る親子ダンスとして取り入れる園も多く、保護者からも好評です。
【1歳児クラスの場合】
1歳前後になるとつかまり立ちや歩行が始まるため、立った状態で体を揺らしたりジャンプの真似をしたりできるようになります。「だんごむし」パートでのハイハイは、1歳児が得意な動作なので特に盛り上がります。全員でいっせいにハイハイし始める場面は、保育室が一気ににぎやかになる名場面になります。保育士が先頭でハイハイしながら「まって まって!」と呼びかけると、子どもたちはさらに喜んでついてきます。
【2歳児クラスの場合】
2歳になると走ることや方向転換ができるようになるため、「はしるよ!」のパートを存分に活かせます。簡単なルール(「だんごむしになったら丸まる」など)を理解できる年齢なので、セリフに合わせた動きをしっかりと楽しめます。曲をよく覚えている子は、保育士よりも先にセリフを口ずさむこともあります。これは言葉の発達を示す嬉しいサインです。
保育でのダンス選びや導入のポイントについては、マイナビ保育士の記事も参考になります。
保育で取り入れたいダンス26選!子どもがノリノリになる人気で簡単な曲 – マイナビ保育士
わ~お! 歌を運動会・発表会で活かすアレンジアイデア
「わ~お!」は日常保育だけでなく、運動会や発表会でも大いに活躍する曲です。ここでは現場でよく使われているアレンジアイデアを紹介します。
フープを使った親子体操
近年、保育園の運動会でフープ(輪っか)を使った「わ~お!」の親子体操が注目されています。子どもがフープの中を通り抜けたり、保護者がフープを持って子どもを誘導したりと、親子のコミュニケーションが生まれる演出ができます。「だんごむし」パートでフープをトンネル代わりにしてくぐる動作は、子どもの空間認識能力も育むことができて一石二鳥です。
衣装で世界観を演出する
0歳・1歳クラスの発表会では、動物をモチーフにした衣装と組み合わせるのが定番です。「わーお!」という驚きの感嘆詞と動物のイメージは相性が良く、ウサギや小鳥、ひよこなどの耳・羽のついた帽子を被せるだけで、観客(保護者)から歓声が上がります。衣装は手作りする必要はなく、100円ショップの材料で製作できるヘアバンドタイプが取り入れやすいです。
カウントダウンパートをクラスの見せ場に
「5・4・3・2・1・わーお!」のカウントダウンは、発表会の中で最も盛り上がる場面のひとつです。子どもたちと保護者が一緒に数を数えられるよう、スクリーンに数字を表示したり、保育士が大きく指を折りながら誘導したりする工夫をすると、会場全体が一体感で盛り上がります。
曲に合わせたアレンジ振り付けの注意点
振り付けのアレンジは基本的に自由ですが、公のイベントで映像を録画・配信する場合は著作権の扱いに注意が必要です。JASRAC(日本音楽著作権協会)の情報によれば、入場料をとらず、出演者への報酬もない、営利を目的としない園内の発表会での演奏・ダンスは原則として使用許諾の手続き不要です。ただし、その様子をDVDに複製して配布したり、インターネットで配信したりする場合は別途許諾申請が必要になります。無料イベント内での使用と複製・配信は別のルールが適用されます。手続きについてはJASRACの公式サイトで確認できます。
学校などで音楽を使うときのルール – JASRAC PARK(公式)
保育士だけが知る!「わ~お! 歌」で子どもが2倍楽しむ独自テクニック
ここでは、マニュアルには載っていない現場発の活用テクニックを紹介します。
「セリフの間」を長くとる
「わ~お!」の曲には「さいしょはゆび!」「ハイハイだよ!」といった保育士のセリフパートがあります。このセリフをただ読み上げるのではなく、少し間を置いて子どもの顔を見渡してから発言すると、子どもたちの目線が自然と保育士に集まります。「次は何が来る?」というワクワク感が生まれ、集中力が格段に上がります。これは使えそうです。
曲を流す前に「予告」をする
突然曲をかけるよりも、「今から『わーお!』するよ! 最初はどんな動きだっけ?」と子どもたちに質問してから始めると、準備態勢が整いやすくなります。2歳児であれば「ゆび!」と答えてくれることもあり、子ども自身が能動的に参加するきっかけになります。記憶力の発達を促す良い機会にもなります。
だんごむしパートで「追いかけっこ」にする
「だんごむし まって まって」の場面で、保育士が先に四つん這いになって逃げ始めると、子どもたちが本能的に追いかけてきます。ハイハイは全身の筋力と協調性を使う高度な動作で、楽しみながら全身運動できます。1歳児クラスでは特に盛り上がります。曲の長さに合わせてほどよく逃げ回るのがコツです。
「しーーーっ」の場面で静と動を楽しむ
歌の途中に登場する「しーーーっ…」という場面は、子どもたちを一瞬静止させる絶好のチャンスです。保育士が人差し指を唇に当て、大げさにそっと静止すると、子どもたちも面白がって静かになります。続くサビで一気に盛り上がることで、静と動の対比が子どもの感情を揺さぶり、より強い喜びが生まれます。
歌詞の中の動物・自然に注目させる
「そらそら おそらに わおわおわお」という歌詞は、空や自然への意識を向けさせる良い機会です。晴れた日に園庭や屋外で曲を流しながら踊れば、空を見上げる動作と歌詞がリンクし、自然環境への興味も育てることができます。室内ではトンボや鳥など空飛ぶ生き物の絵カードを天井近くに飾っておくだけで、歌詞のイメージが豊かになります。
ダンスの振り付けを子どもに教えるコツについては、以下のページが実践的でとても参考になります。


