はるなのはな歌の選び方と保育での活かし方
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はるなのはな歌とは何か?保育現場での定義と種類
「はるなのはな 歌」と聞いたとき、保育士の方によってイメージする曲が少し異なることがあります。これは特定の1曲ではなく、「春の花をテーマにした歌」「春の名のついた花の歌」という意味で検索・活用されることが多い言葉です。つまり、保育現場で春に使われる花モチーフの歌全般を指すキーワードとして機能しています。
代表的な曲を整理すると以下のようになります。
- 🌼 おはながわらった(作詞:保富康午 / 作曲:湯山昭):花がほほえむ様子を歌った、春の定番中の定番。1〜5歳まで幅広く使えます。
- 🌷 チューリップ(文部省唱歌):「さいた さいた チューリップの花が」の歌い出しで誰もが知る曲。発音がシンプルで1歳児クラスからでも対応可能です。
- 🌸 春が来た(作詞:高野辰之 / 作曲:岡野貞一):「春が来た どこに来た」のフレーズが繰り返され、子どもが言葉を自然に覚えやすい構成になっています。
- 🌸 ひらいたひらいた(わらべうた):花が開いたり閉じたりする動作と連動できる手遊び歌。輪になって遊ぶことで社会性も育ちます。
- 🌺 春よ来い(作詞:相馬御風 / 作曲:弘田龍太郎):3月の卒園シーズンに歌われることの多い情緒豊かな一曲です。
これらの歌に共通するのは、「春の花」という視覚的イメージと歌詞が直結していること。つまり歌を歌いながら自然と「花が咲く様子」を想像できるように設計されています。
子どもの語彙は6歳時点で約3,000語とされており、小学校入学前の時期に1日あたり平均9語ずつ語彙を獲得していると研究で示されています(北里大学の幼児語彙発達研究より)。春の花をテーマにした歌には「つぼみ」「かおり」「さいた」「ひらく」などの言葉が豊富に含まれており、この語彙爆発の時期に意図的に取り入れる価値が非常に高いと言えます。
つまり、どの春の花の歌を選ぶかより、年齢に合った難易度の曲を継続的に歌うことが基本です。
保育音楽の専門情報サイト「すくいく」では、3月〜5月の保育現場で使える春の歌の楽譜や音源を月齢別に提供しています。曲選びの参考に活用できます。
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はるなのはな歌が保育に与える発達的効果と科学的根拠
「歌を歌う」という活動は、保育現場では日常的に行われています。しかし、それがどれほど子どもの発達に影響しているかを正確に理解している保育士は意外と少ないかもしれません。これは使えそうな情報です。
東京藝術大学の研究資料によると、音楽活動を通じてコミュニケーション能力・主体性・自発性・自己表現能力・集中力・社会性など、乳幼児の様々な能力を育むことができると明示されています。単純に「楽しいから歌う」ではなく、脳と体の発達に直接働きかけているのです。
春の花の歌が特に有効な理由を、発達の視点から整理すると以下のとおりです。
- 🧠 言語能力の向上:歌詞のリズムと繰り返しが言葉の記憶を助け、語彙の定着を促進します。音楽と言語の関連性を示す研究(Hannon & Tavares, 2011)でも、音楽的活動が言語発達にプラスの影響を与えることが確認されています。
- 👁️ 季節感・自然への感受性:「おはながわらった」を歌いながら実際に花壇の花を見ることで、言葉と視覚体験がリンクします。この五感を使った学びは認知発達を促進します。
- 🤝 社会性・協調性:みんなで声を合わせて歌う体験は、他者と歩調を合わせるという基本的な社会性を育てます。特に4〜5歳クラスでは合唱形式にすることで効果が高まります。
- 💬 情緒の表現:「春の喜び」を歌で表現することで、子どもは感情に言葉を乗せる練習ができます。
幼児期の4〜5歳は脳の聴覚野が最も発達する時期とも言われており(ヤマハ音楽振興会の調査資料より)、この時期にたくさん歌を歌う経験を積むことで、神経細胞の数が多くなると判明しています。脳の発育に直結する活動です。
保育所における音楽教育の効果については、岡山大学の研究論文「音楽による幼児の表現活動の意義と保育者の援助に関する研究」でも、音楽活動が発達レベルに合わせた表現を可能にすると述べられています。
岡山大学学術成果リポジトリ:音楽による幼児の表現活動の意義と保育者の援助に関する研究(PDF)
春の花の歌に数字をイメージしやすい例で言えば、たとえば「おはながわらった」の歌詞に登場する言葉は約20種類以上。わずか1曲に、色・動作・気持ちを表す言葉が凝縮されています。継続的に歌い続けることで、子どもの語彙はこれらの言葉を確実に吸収していきます。
つまり、春の歌は「楽しい活動」ではなく「確かな発達支援ツール」です。
はるなのはな歌の年齢別・月別の選び方と保育への導入のコツ
「はるなのはな 歌」を保育に取り入れる際、どの年齢にどの曲を使うかは非常に重要なポイントです。合わない難易度の曲を使うと、子どもが覚えられずに歌活動自体が単調になってしまうことがあります。これは避けたいですね。
🌱 乳児クラス(0〜2歳)向け
この年齢では、難しい歌詞より「繰り返し」と「リズム」が重要です。「チューリップ(さいた さいた〜)」や「ひらいたひらいた」など、同じフレーズが繰り返される構造の曲が向いています。手の動きを加えることで体とリズムが連動し、記憶定着も高まります。
| 月 | おすすめの歌 | ポイント |
|---|---|---|
| 3月 | 春よ来い | 「春よ来い 早く来い」のシンプルな繰り返し |
| 4月 | チューリップ | 入園式後の導入に最適な明るい曲 |
| 5月 | ひらいたひらいた | 手遊び付きで体と連動しやすい |
🌿 幼児クラス(3〜5歳)向け
語彙が急増するこの時期は、少し情景描写が含まれる歌が適しています。「おはながわらった」「春が来た」など、自然の様子を言葉で描写した曲を選ぶことで、言語能力と想像力を同時に育てられます。
| 月 | おすすめの歌 | ポイント |
|---|---|---|
| 3月 | 春よ来い/うれしいひなまつり | 卒園前の情緒的な時期に合った曲 |
| 4月 | おはながわらった/春が来た | 新学年のスタートに前向きな気持ちを引き出す |
| 5月 | みどりのそよ風/こいのぼり | 初夏の自然や行事とリンクした歌 |
導入のコツとして、歌を始める前に「今日はどんな花が咲いているか知ってる?」と問いかけることが効果的です。子どもが頭の中で花のイメージを持った状態で歌に入ることで、歌詞と体験がリンクしやすくなります。
また、保育士の側が笑顔でアイコンタクトをとりながら歌うことが大前提です。先生が楽しそうに歌っていると、子どもは自然と引き込まれていきます。理論よりも先生の表情が子どもの心に届く、ということです。
歌詞を黒板に書いたり、歌う前に歌詞を音読するなどの工夫も語彙定着に有効です。これだけ覚えておけばOKです。
はるなのはな歌と手遊びを組み合わせた保育活動の実践アイデア
「はるなのはな 歌」を単体で歌うだけでなく、手遊びと組み合わせることで活動の幅が一気に広がります。意外な視点ですが、保育士がピアノに完全に集中しているときより、ピアノを弾かずに歌と手遊びをセットにするほうが子どもの集中度が上がるケースがあります。
その理由は、視覚・聴覚・触覚の3つが同時に刺激されるからです。大阪芸術大学の研究資料では、「手遊びは音楽的な能力を伸ばすだけではなく、多くの場面において言語発達・数の理解・記憶力向上にも寄与する」と述べられています。
春の花をテーマにした手遊び歌の具体例を紹介します。
- 🌸 おはながわらった(手遊びバージョン):両手で花を作り、「わらった」のところで手を開く動作を加えます。0歳児でも保育士の動きを見てまねることができます。
- 🌷 チューリップ(手で花を作る):両手の指先で「つぼみ→開く」の動作を繰り返します。歌の構造とまったく同じテンポで動けるので、リズム感が自然に育ちます。
- 🌿 ひらいたひらいた(輪になって):全員が輪になって手をつなぎ、「ひらいた」で輪を広げ「つぼんだ」で縮める集団遊びです。5〜6人のグループに分けると全員が動作を実感しやすくなります。
- 🎵 はるですね はるですよ(ぞうさんの手遊び):長い鼻のぞうさんが登場する春の手遊び歌で、体全体を使った表現あそびです。3歳以上のクラスで特に盛り上がります。
手遊びを保育に組み込む際の注意点として、最初に保育士がゆっくりとお手本を見せることが必要です。「先生と一緒にやってみよう」の声かけで始め、子どもが動作を覚えたら少しずつテンポを上げていきます。
また、同じ手遊び歌を複数回繰り返すことで記憶に定着させることが肝心です。「1回やって次に進む」よりも「3〜4回繰り返す」ほうが発達支援としての効果が高くなります。反復が定着を生む、というのが基本原則です。
さらに手作り楽器を取り入れるアイデアもあります。ペットボトルに小石を入れたマラカスを子どもに持たせ、「チューリップ」のリズムに合わせて振るだけで、音楽体験が格段に豊かになります。材料費はほぼゼロでできる活動です。
わたしの保育:人気の手遊び歌を年齢別に紹介!子どもと保育士の距離がグッと縮まる
保育士が知らないと損する「はるなのはな歌」の著作権と弾き歌いの注意点
春の花の歌を保育に活用するうえで、保育士として必ず知っておきたいのが著作権の問題です。「保育園でみんなで歌うだけなら自由にできる」と思っている方は多いですが、実はシーンによってリスクが大きく変わります。
結論は著作権法が絡む場面とそうでない場面に注意が必要です。
✅ 著作権が問題にならない主なケース
著作権法第38条第1項では、「営利を目的とせず、観衆から料金を受けず、実演家等に報酬を支払わない場合は公に上映・演奏できる」と定められています。保育活動内での歌唱は、基本的にこの条件を満たしていることが多いです。
⚠️ 著作権が問題になりやすいケース
- 発表会・運動会の様子を録画した動画を保護者全員にDVDで配布する
- 園のホームページやSNSに歌の動画をアップする(曲によっては問題になる)
- 歌詞をコピーして大量に印刷し配布する(歌詞は著作物として保護されている場合がある)
特に要注意なのが動画配布です。著作権法に違反した場合、「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」という罰則が定められています(著作権法第119条第1項)。刑法上の窃盗罪(10年以下の懲役)と同程度の重さです。痛いですね。
対策としては、卒園式や発表会の動画に著作権フリー音楽を使用するか、YouTubeなどJASRACと包括契約済みのプラットフォームを活用するのが現実的な対応です。著作権フリーの音楽は「MusMus」「甘茶の音楽工房」など複数の無料サービスで提供されており、保育現場でも活用が進んでいます。
📌 弾き歌いについての補足
ピアノの弾き歌いに関しては、「ピアノが上手くなければ子どもが楽しめない」と思っている保育士も多いですが、これは半分正解で半分誤解です。大切なのは演奏の完成度よりも表情とテンポの安定です。多少弾き間違えても、笑顔で子どもを見ながら歌い続けることのほうが、子どもにとっての「楽しさ」に直接影響します。
保育士向けの弾き歌い練習には「保育士弾き歌い伴奏集(STEP1)」シリーズ(ドレミ楽譜出版社)が、簡単なアレンジで春の歌を多数収録しており、初心者にも取り組みやすいと定評があります。
JASRAC公式サイトでは保育所向けの著作権利用ガイドを公開しています。


