にんじゃのうた歌・振り付けと保育現場での完全活用ガイド
「にんじゃのうた」を歌うだけでは、子どもの発達効果を半分以上取りこぼしている。
にんじゃのうた歌の代表3曲と対象年齢の見極め方
保育現場で「にんじゃのうた」と呼ばれる曲は、実はひとつではありません。現場でよく使われる代表曲を3つ押さえておけば、クラスの年齢や場面に合わせてすぐに選べるようになります。
まず1曲目は 「はじまるよ(いちといちでにんじゃになって)」 です。「1と1で忍者だよ〜にんっ!」というフレーズから始まり、数字を1〜5と順番に積み重ねながら忍者・カニ・ねこ・タコ・手はおひざと変化していきます。最後に「5と5で手はおひざ」という歌詞で子どもたちが自然に静かになるため、朝の会や活動前の導入として使われることが非常に多い曲です。対象年齢は 2〜3歳からが扱いやすく、シンプルな振り付けで乳児クラスでも取り入れやすいです。
2曲目は 「にんじゃのつくりかた(にんじゃのつくりかた)」 です。「1と1で呪文を唱えて、2と2で刀をぬいて」という歌詞で、1から5の指の動きを通じて忍者に必要な装備を順番にそろえていきます。最後の「忍者のできあがり!にんにん」では子どもたちが大声で叫べるので盛り上がりやすく、3〜5歳の幼児クラスで特に人気です。
3曲目は 「しゅりけんにんじゃ」 です。NHKの番組「おかあさんといっしょ」で放送され、よしお兄さん(小林よしひさ)の歌唱で知られるこの曲は、作詞:谷口國博・作曲:中川ひろたかによるもの。歌詞には「にんじゃってなんじゃもんじゃ」「シュシュシュで〜しゅりけん」という耳に残るフレーズがあり、しゃがむ・ジャンプ・チョップといった全身運動が組み込まれています。ちょうど1曲が1〜2分程度と短いため、運動遊び前の準備体操としても重宝されます。つまり3〜5歳児の準備体操に最適です。
| 曲名 | 対象年齢 | 使いどころ |
|---|---|---|
| はじまるよ(にんじゃになって) | 2〜3歳〜 | 朝の会・活動前の導入 |
| にんじゃのつくりかた | 3〜5歳 | 絵本読み聞かせ後・ごっこ遊びの導入 |
| しゅりけんにんじゃ | 3〜5歳 | 運動遊び・体操の準備体操 |
これが基本です。曲ごとに対象年齢と使い方が異なるため、場面を意識して使い分けると保育の質がぐっと高まります。
にんじゃのうた歌詞と振り付け(はじまるよ・にんじゃのつくりかた)
振り付けを覚えるときは「指の本数に合わせたポーズ」という法則さえわかれば、あとは自然に体が動きます。ここでは「はじまるよ」と「にんじゃのつくりかた」の振り付けを整理します。
🥷 はじまるよ(いちといちでにんじゃになって)の振り付け
| 歌詞 | 動作 |
|---|---|
| はじまるよ はじまるよ はじまるよったら はじまるよ | リズムに合わせて手拍子 |
| 1と1で忍者だよ にんっ! | 両手の人差し指を1本立て、上下に重ねる(忍者ポーズ) |
| 2と2でカニさんだよ ちょきん! | 両手でチョキを作り、顔の横でカニが歩く真似 |
| 3と3でねこのひげ にゃあ! | 両手の指を3本立てて頬につけ、猫のひげを表現 |
| 4と4でタコのあし ひゅーん! | 両手の指を4本立てて左右に振る |
| 5と5で手はおひざ | 両手をひざの上に置く |
最後の「5と5で手はおひざ」が自然なクールダウンになります。子どもたちが次の活動に集中しやすい状態に移行できるのが、この曲の最大の強みです。
🥷 にんじゃのつくりかたの振り付け
| 歌詞 | 動作 |
|---|---|
| 1と1で呪文を唱えて | 両手の人差し指を上下に重ねて忍者ポーズ |
| 2と2で刀をぬいて | 右手を腰に当て鞘をつくり、左手で刀を抜く真似 |
| 3と3で頭巾をかぶって | 指3本を立てて頭の上から下に動かし頭巾を被せる真似 |
| 4と4で木の葉にかくれて | 指4本を目の前で交差させて顔を隠す |
| 5と5で手裏剣なげて | 手を重ねてシュッと手裏剣を投げる仕草 |
| 忍者のできあがり にんにん | 人差し指を1本立てて上下に重ね、忍者ポーズ |
それが基本の流れです。慣れてきたら「4と4で木の葉にかくれて」を「4と4であしあとけして」にアレンジし、床の足跡を消す仕草に変えると子どもたちが喜びます。「にんじゃのできあがり ドロン!」と言葉を変えて保育士が「あれ?みんなが消えちゃった!」とキョロキョロするだけでクスッと笑いが起きますよ。
参考に、動画と歌詞が確認できる保育士バンクの記事をあわせてチェックしてみてください。
保育士バンク:にんじゃ手遊び(はじまるよ・にんじゃのつくりかた)歌詞と振り付け解説
にんじゃのうた「しゅりけんにんじゃ」歌詞と全身運動の使い方
「しゅりけんにんじゃ」は手遊びというより全身体操に近い曲です。単なる歌遊びとして扱うと、体への刺激が弱くなります。
歌詞の構造はシンプルで、同じ展開が繰り返されます。
> にんじゃって なんじゃもんじゃ
> にんじゅつ つかって どこいく にんじゃ
> はやいぞ にんじゃ つよいぞ にんじゃ
> しゅりけん シュシュシュで〔あししゅりけん〕
「しゅりけん シュシュシュで」の後に来る部分が毎回変わります。「あししゅりけん(足を蹴り上げる)」「あたましゅりけん(頭の横でシュッとする)」「にんじゃチョップ(手刀を振り下ろす)」と3パターンの動きが繰り返され、子どもたちは「次は何が来るかな?」と集中し続けます。これは使えそうです。
全身を使う動きが含まれているため、3〜5歳児クラスの運動遊び前の「準備体操」として約2分間活用するのが特に効果的です。「体が十分に温まってから本格的な運動に移行する」という流れが自然につくれます。NHK Eテレの番組を通じて広まり、多くの保育園・幼稚園で定番化しているのも、この全身運動としての有用性が認められているからです。
楽譜は「NHK出版」から提供されており、保育士がピアノ伴奏をする際には信頼できる楽譜を使うことをおすすめします。
NHK出版:しゅりけんにんじゃ ピアノ伴奏譜(楽譜)

にんじゃのうた歌が子どもの発達に与える5つの効果と保育のねらい
「にんじゃのうた」を保育で使う場合、ただ楽しいからという理由だけでなく、発達上の根拠を持って取り入れることが大切です。月案や指導案に書けるねらいとして整理しておくと、実践に説得力が生まれます。
① 手指・運動機能の発達
指を1本・2本・3本と正確に折り分ける動きは、細かい手先の制御を練習するのにとても適しています。大阪芸術大学の研究論文によると、手遊びは「言葉の発達や数の理解を助け、旋律を記憶する・拍子を感じる・リズムを記憶するといった経験ができる」とされています。これは必須の知識です。
② 数の理解と認知発達
「にんじゃのつくりかた」「はじまるよ」いずれも1〜5の数字を順に扱う構成で、数を指の本数として体で覚えることができます。数の概念が育ち始める2〜4歳期に取り入れることで、楽しみながら数を体感できます。
③ 語彙の獲得と想像力
「ずきん」「かたな」「ドロン」「にんじゅつ」など、普段の生活ではなかなか耳にしない言葉に触れることで語彙が広がります。忍者というキャラクターになりきることで、想像の世界を広げる力も養えます。
④ コミュニケーションと一体感
全員が同じポーズをとる体験は、「楽しい」という感情を共有する場になります。0〜1歳児との手遊びはスキンシップとしても有効で、信頼関係の構築に直結します。コミュニケーションが深まるということですね。
⑤ 集中力と切り替えの力
「はじまるよ」の最後に「5と5で手はおひざ」とくるパターンを繰り返すことで、子どもたちは「次は静かにする番だ」という切り替えを自然に身につけます。活動の導入場面でこの曲を使うと、保育士が「静かにしてください」と言わなくても場が整います。
保育における手遊びの効果について、大阪芸術大学の研究論文もあわせて確認しておくと指導案の根拠として活用できます。
保育における「手遊び」の効果(大阪芸術大学・PDF)
https://www.osaka-geidai.ac.jp/files/2021geikyou5_2.pdf
にんじゃのうた歌からひろがる忍者ごっこ・折り紙手裏剣・衣装連携術
「にんじゃのうた」を歌い終えた後、そのままで終わらせているとしたらもったいないです。手遊び歌は「ごっこ遊び」や「製作」に連携させるときに最も効果を発揮します。
🥷 忍者ごっこへの展開
「にんじゃのつくりかた」を歌い終えた後、「みんな忍者になれたね!では修行の時間だ!」と声をかけることで、そのまま忍者ごっこに移行できます。忍者ごっこは3〜5歳児が対象で、特別な準備なしでも始められます。
具体的な「忍法」として保育室でできる修行は次のようなものがあります。
- 🦶 忍法!抜き足差し足の術:つま先立ちで静かに歩く(バランス感覚・体幹を鍛える)
- 🌿 忍法!隠れ身の術:黒いポリ袋や大判タオルで身を隠す(ルール理解と想像力)
- 🪨 忍法!飛び石の術:フラフープや新聞紙を飛び石に見立てて跳ぶ(跳躍力・空間把握)
- 🕸 忍法!くもの巣くぐりの術:椅子に張ったスズランテープをくぐる(柔軟性・身体コントロール)
- ⚖️ 忍法!バランスの術:片足立ちで忍者ポーズ(5歳児向け・体幹・集中力)
修行をひとつクリアするごとにシールを貼るスタンプラリー方式にすると、達成感が積み重なって最後まで意欲的に取り組めます。
🥷 折り紙手裏剣との連携
「5と5で手裏剣なげて」のポーズを本物の折り紙手裏剣を持って行うと、テンションが一気に上がります。折り紙手裏剣は2枚の折り紙を組み合わせて作るため、4〜5歳児の製作にも最適です。和柄の折り紙を使うとさらに雰囲気が出ます。
🥷 衣装づくりとの連携
画用紙で作ったハチマキや腕輪を子どもたちに事前に作らせておくだけで、歌のときの気持ちの入り方が変わります。変身アイテムがあると、子どもたちは「自分が本当に忍者になった」という気持ちになれます。これは発達における「なりきり遊びの充実」というねらいにもつながります。
保育のねらいは「ごっこ遊びを通して想像の世界をふくらませることを楽しむ」「忍者になりきって、友だちと関わりながら遊ぶ」の2点が柱になります。
忍者ごっこの遊び方・ねらい解説(ほいくis)
【保育士だけが知る】にんじゃのうた歌を運動会・発表会で使う独自の演出術
「しゅりけんにんじゃ」「まじめ忍者!」などは運動会・発表会のダンスとして使う保育園も多くあります。ただ、歌に合わせて振り付けをするだけでは観客席の保護者に「また手遊びダンスだ」と思われて終わってしまいます。細かい演出の工夫で印象が大きく変わります。
まず、入場演出から差をつけましょう。子どもたちが忍者の衣装(黒いはちまきと手作り腕輪)を着けて「忍び足」で登場するだけで、会場の雰囲気が変わります。ポイントは「保育士が先に忍者の格好をして師匠役になること」です。保育士自身が本気でなりきっている姿を見ると、子どもたちのスイッチが入ります。
次に、巻物(手紙)の演出を取り入れてみましょう。本番前日または当日の朝に「本物の忍者から修行の命令書が届いた」という設定で、巻物風の紙を渡します。内容は「今日の発表会を無事にやり遂げよ」などシンプルな一文で十分です。子どもたちは「自分は本当の忍者の修行をしているんだ」というモチベーションで舞台に上がれます。
また、ダンス中に「にんじゃチョップ」「ドロン!」のかけ声を全員でそろえる練習をしておくと、保護者席から笑いや拍手が起きやすくなります。手裏剣を投げた後に「すぐ拾う」という動作を振り付けに入れているベテラン保育士もいて、これが毎回会場で笑いを取るポイントになっているという実例もあります。
運動会のダンス曲として「しゅりけんにんじゃ」以外も選びたい場合は、以下のリンクで忍者テーマの曲を一覧で確認できます。乳児クラスから使える「ぼくたち忍者でござる」なども紹介されています。
保育に使える忍者テーマのダンス・体操ソング一覧(ラグ)
