だれかがしろい歌を保育士が子どもと歌う活用ガイド

だれかがしろい歌「だれかが口笛ふいた」を保育士が活かす完全ガイド

実は、歌が上手な保育士ほど子どもの声帯を傷つけるリスクが高い。

この記事でわかること
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「だれかが口笛ふいた」の歌詞・背景

「くりの花白い」というフレーズが有名なNHKみんなのうた発祥の曲。フランス軍歌が原曲という意外な事実と、保育での活用場面を解説します。

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保育士が知っておくべき音域と発声

子どもの年齢別音域と保育士自身の喉ケア。上手く歌おうとするほど子どもを「怒鳴り歌い」に誘導してしまう構造を解説します。

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ピアノ弾き語りと現場活用のコツ

楽譜の選び方から、子どもが歌いたくなる導入設計まで。苦手意識がある保育士でも明日から使えるポイントを具体的にまとめています。

だれかが口笛ふいたの歌詞と「しろい」の意味を知る

 

「だれかがしろい」というフレーズを口ずさんだとき、多くの保育士は「だれかが口笛ふいた」の一節を思い浮かべるはずです。

この曲はNHK「みんなのうた」で1965年(昭和40年)に初回放送されて以来、60年以上にわたって日本の子どもたちに歌い継がれてきた名曲です。歌詞の中でも特に印象的なのが「くりの花白い 山道をゆけば」というフレーズで、「しろい(白い)」という言葉が歌全体に自然な爽やかさをもたらしています。

歌詞全体は2番構成で、1番の舞台は「山道」、2番の舞台は「花ひらく野原・野の道」です。どちらも爽やかな朝の情景を描いており、青空・そよ風・若葉といった自然のイメージが連なります。「みんなで聞いてごらん そよふく風の音を みんなで見てごらん ひかる若葉のみどり」というコーラス部分は、子どもたちに自然への好奇心と観察眼を育てる言葉として、保育の現場でも非常に使いやすい内容です。

原曲は19世紀フランスに作曲された軍歌『サンブル・エ・ミューズ連隊行進曲』です。軍歌が原曲とは意外ですね。作詞者の阪田寛夫(1925〜2005)は『サッちゃん』『おなかのへるうた』でも知られる児童文学作家で、フランス軍の勇猛な行進曲を、爽やかな自然賛歌として完全に生まれ変わらせました。同じく阪田が手がけた『ともだち賛歌』もアメリカ軍歌『リパブリック賛歌』が原曲であり、彼には軍歌を平和的な子どもの歌へと昇華させる独自の創作スタイルがありました。

この楽曲は中学校・高校の音楽教科書にも一時期掲載されており、保育園・幼稚園だけでなく小学校や中学校でも広く活用されてきた曲です。それだけ幅広い年齢層に対応できる普遍的なメロディをもっています。

参考リンク:「だれかが口笛ふいた」の歌詞全文と原曲フランス軍歌についての詳細な解説

だれかが口笛ふいた 歌詞と解説 NHKみんなのうた – 世界の民謡・童謡

だれかが口笛ふいたを保育士が活用できる季節と場面

「だれかが口笛ふいた」が保育の場に合う最大の理由は、歌詞に描かれた情景の豊かさです。

「くりの花白い」「青空のした」「そよふく風」「ひかる若葉のみどり」——こうした言葉は、5月の遠足の前後や、春から初夏にかけての戸外遊びの導入にぴったりです。特に「みんなで見てごらん」「みんなで聞いてごらん」という呼びかけのフレーズは、散歩中に保育士が実際に子どもたちに声をかける言葉とほぼ同じ意味を持っており、歌いながら自然への注意を向けさせる「観察活動」と歌を一体化させることができます。

活用できる場面をまとめると次のようになります。

  • 春〜初夏の季節の歌(4〜6月):チューリップ菜の花が咲く頃から、栗の花が白く咲く5月頃に特にフィット
  • 遠足・お散歩前の導入:「山道をゆけば」「野の道をゆけば」という歌詞が外遊び・散歩への期待感を高める
  • 朝の会帰りの会:爽やかなテンポで落ち着いて歌えるため、1日の始まりや締めくくりにも使いやすい
  • 発表会お遊戯会の合唱曲:2番構成のシンプルな構造と伸びやかなメロディが合唱に適している

独自の視点として、「だれかが〇〇した」という問いかけ構造の歌詞は、子どもの「だれ?」「どこに?」という探索欲を引き出します。歌い終わった後に「くりの花ってどんな花だろうね?」「山道ってどんな道だろうね?」と一言付け加えるだけで、歌活動が自然と言語・知育活動へつながります。このような「歌→問いかけ」のつなぎ方は、3歳以上のクラスで特に有効です。

だれかが口笛ふいたの音域と子どもの発声への影響

「だれかが口笛ふいた」を保育で使う際に、多くの保育士が見落としがちなのが「音域の問題」です。

この曲の音域はへ長調(Fメジャー)で書かれており、主旋律は中音域から高音域にかけてスムーズに動きます。3〜4歳の幼児の歌いやすい音域は、概ね「ファ〜ラ」程度(1オクターブに満たない)から始まり、4〜5歳になると約1オクターブ(ド〜ド)まで広がるとされています。つまり、同じ曲でも「歌わせたい年齢」によって弾くキーを変える必要があります。

問題が起きやすいのは保育士が「元気よく歌おう!」と音量を上げ、子どもたちもつられて叫ぶように歌ってしまうパターンです。音域が合っていない状態で声量だけを上げると、子どもが「怒鳴って歌う癖」を身につけるリスクがあります。専門家の指摘では、こうした状態が続くと声帯に継続的な負担がかかり、声がかすれたり、重症化するとポリープが生じる可能性もあると言われています。小学生に上がる頃に「声がかれやすい子」になっているとしたら、保育時代の発声習慣が一因かもしれません。

保育士自身も同じ構造でリスクを抱えています。保育士が喉に力を入れて歌い続けると、喉を慢性的に消耗し、声帯を傷める可能性があります。実際、保育士のなかには職業的な声の問題を抱える人が少なくありません。

対策としてまず取り組みたいのがキーの調整です。

  • 3歳クラス:原曲より1〜2音下げてニ長調(Dメジャー)かホ長調(Eメジャー)で弾く
  • 4〜5歳クラス:原曲キー(へ長調)をベースに、子どもの様子を見ながら微調整
  • ピアノ弾き語りでの確認ポイント:まず保育士が「無理なく通る声」で歌えるキーかどうかを先に確認する

「子どもが張り上げて歌っていたら、キーを下げるサイン」として覚えておけば十分です。

参考リンク:子どもの音域に合わせた歌の選び方と年齢別のポイント

子どもの音域に合わせた歌の選び方 – 保育ネクスト

参考リンク:幼児の歌唱声域と子どもの歌曲集の音域についての学術的考察(宮崎国際大学)

幼児の歌唱声域と子どもの歌曲集の音域についての考察 – 宮崎国際大学(PDF)

だれかが口笛ふいたのピアノ弾き語り・楽譜の選び方

「だれかが口笛ふいた」はピアノ弾き語りの難易度として、初級〜中級に分類されます。

楽譜販売サイト「Piascore」でも「弾き歌い楽譜 初〜中級」として販売されており、コードネーム付き・2ページ構成という使いやすい仕様が多いです。フランス民謡(PD=パブリックドメイン)のため、無料楽譜として公開されているものも多く入手しやすいことが特徴です。ピアノ塾などの無料楽譜配信サイトでは、100曲以上の童謡の無料楽譜を公開しており、「だれかが口笛ふいた」もドレミ付きの入門レベルから中級レベルまで複数の難易度が揃っています。

ピアノに不安がある保育士がまず確認したいポイントを整理します。

チェックポイント 内容
楽譜の難易度表記 「初級」「弾き歌い入門」表記のものを選ぶ
コードネームの有無 コード表記があると左手のアレンジがしやすい
ドレミルビの有無 楽譜を読むのが苦手な場合はルビ付きから始める
キー変更のしやすさ コード付き楽譜なら移調もしやすい

左手の伴奏が複雑で弾けない、という場合は「左手を1音(ルート音)だけにする」という方法があります。これは保育士向けの簡易伴奏として現場でも広く使われており、メロディを右手で弾きながら歌えれば十分に活動として成立します。

弾き歌いが苦手な保育士の多くは「両手を完璧に弾きながら歌わなければいけない」という思い込みを持っています。それが基本です。しかし実際には、子どもたちにとって重要なのは「保育士の声と表情」であり、ピアノの技術的な完成度は二の次です。むしろ「楽しそうに歌っている保育士」のほうが、子どもの参加率は高くなります。

参考リンク:「だれかが口笛ふいた」ピアノ弾き語り楽譜(Piascore)

だれかが口笛ふいた (フランス民謡) ピアノ弾き語り楽譜 – Piascore

参考リンク:保育士向けのピアノ学習・楽譜選びの考え方(島村楽器)

だれかが口笛ふいたで子どもが歌いたくなる導入設計の独自メソッド

多くの保育士は「歌を教える」ことに意識が向きがちです。しかし子どもの「歌いたい!」という気持ちを引き出すためには、歌い始める前の「導入の30秒」が鍵を握っています。

「だれかが口笛ふいた」の場合、歌詞に「だれかが〇〇した」という探索・想像を刺激するフレーズが繰り返されます。この特性を活かした導入設計が、他の童謡には出せない独自の強みです。

ステップ1:「謎かけ」型の導入

歌う前に「先生の歌の中に、だれかが何かをしているよ。何をしてるか聞いてみてね」と一言置きます。これだけで子どもたちは「聞く」「探す」モードに入り、歌詞への集中度が大きく上がります。

ステップ2:「サビ先出し」で親しみを作る

「みんなで聞いてごらん〜 そよふく風の音を〜」のコーラス部分だけを先に1回歌い、「ここの部分、一緒にやってみよう!」と誘います。繰り返しフレーズをまず覚えることで、通して歌ったときに「知ってる!歌える!」という達成感が生まれます。保育士の喉への負担も軽減されるため、一石二鳥の方法です。

ステップ3:「自然観察」とセットにする

散歩や戸外遊びの前後に歌うとき、「山道ってどんな道かな?みんなで探検しに行く前に歌おう」と文脈をつなげます。歌詞の世界と実際の体験がリンクすると、子どもたちは歌詞を「知識」として吸収しながら歌えるようになります。3歳以上のクラスで特に効果的です。

ステップ4:「だれかは誰なの?」という問いかけ

歌い終わった後に「だれかって、だれだろうね?」と投げかけるだけで、子どもたちは想像力を働かせ始めます。「お友達かな?」「小鳥かな?」など多様な答えが出てくる場合があります。この「答えが一つでない問い」は、言葉の表現力を育てる保育の視点としても価値があります。

保育での歌活動を通じて子どもに育てたい力は、単に「歌が歌える」ということではありません。歌を通した自然への関心、言葉への興味、友だちとの一体感——「だれかが口笛ふいた」はそのすべてを一つの曲の中に持っています。

参考リンク:保育園でうたあそびが子どもに与える影響と選び方のポイント

保育園でうたあそびが子どもに与える影響とは? – 保育のせかい

参考リンク:保育士のための歌唱力・発声練習と選曲の実践的まとめ

歌唱力と保育士と童謡と音域と練習 – 保育園の歌

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