くだものれっしゃの歌と振り付け・保育活用ガイド

くだものれっしゃの歌を保育で活かす方法と振り付けガイド

「くだものれっしゃ」は手遊びのためだけの歌と思っていませんか?実は1歳児クラスから0歳児壁面と連動した遊びに使えて、食育の導入まで幅広く活用できます。

この記事のポイント
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歌詞と基本情報

作詞・作曲の背景、歌詞の全体像、擬音の楽しさを解説。秋の果物がリズムよく登場する構成が子どもの語彙力や季節感を育みます。

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振り付け・年齢別ねらい

3〜5歳を中心に年齢別のねらいと導入の仕方を紹介。擬音に合わせた体の動かし方や保育士のポイントもカバーします。

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保育教材・食育への活用

スケッチブックシアター・ペープサート・列車ごっこなど多彩な活用例と、食育活動との組み合わせ方を具体的に解説します。

くだものれっしゃの歌詞と作詞・作曲について知っておきたいこと

 

「くだものれっしゃ」は複数のバージョンが存在することをご存知でしょうか。実は作詞・作曲の組み合わせが複数流通しており、保育現場で混乱が生じやすい曲のひとつです。

代表的なバージョンとして広く知られているのが、作詞:八代球磨男・作曲:小林つや江のバージョンで、こちらは古くから保育の現場で歌われてきた版です。もうひとつ、作詞:こわせたまみ・作曲:高井達雄のバージョンも流通しており、YouTubeなどの動画サイトでは両方が混在しています。曲名表記も「くだものれっしゃ」と「くだもの列車」が混在しているため、楽譜を探すときは注意が必要です。

歌詞の基本的な内容は共通していて、「かったたたたーん おとがする」という軽快な擬音から始まります。くりのき山から栗が、かきのき峠から柿が、りんごの里からりんごが、みかんの村からみかんが次々と列車に乗り込んでくる様子を歌う構成です。つまり「秋の果物が列車で旅をする」という情景が軸になっています。

歌詞の中に出てくる秋の果物は「くり」「かき」「りんご」「みかん」の4種類が基本で、これはそのまま9月〜11月に旬を迎える食材と一致します。保育士にとって重要なのは、この歌が「食べ物の名前を自然に覚えさせる」仕掛けを内包している点です。繰り返しのリズムと擬音が子どもの記憶定着を助けるため、一度歌うだけでも「くり」「かき」という言葉が子どもたちの口から出てきやすくなります。語彙力の土台ができていくということですね。

項目 内容
作詞(版①) 八代球磨男
作曲(版①) 小林つや江
作詞(版②) こわせたまみ
作曲(版②) 高井達雄
おすすめ月 9月〜11月(秋)
対象年齢 1歳〜(幼児クラス中心は3〜5歳)
ジャンル 童謡・手遊び歌食育

楽譜が欲しい場合は、ナツメ社の「これなら弾ける!保育のうたピアノ伴奏160」に収録されているバージョンが活用しやすいです。難易度は簡易楽譜の中でもやや高めですが、ピアノスキルを上げたい方に向いています。

【くだものれっしゃ】秋の保育園で旬の果物を教えられる曲【食育】|ゆきかざブログ(楽譜・演奏動画の情報あり)

くだものれっしゃの振り付けと年齢別の保育ねらい

振り付けを覚えるだけで現場で使えるわけではありません。年齢に合わせた「ねらい」と「導入の仕方」がセットになってはじめて、活動が子どもに響くものになります。

歌い始めの「かったたたたーん おとがする」では、両手を体の前でリズムよく揺らしながら列車が走るような動作を表現します。子どもが視覚的に「列車が走っている」とイメージできるよう、保育士が体ごと左右に揺れながら歌い出すと効果的です。この動きが臨場感を生み出し、子どもたちを自然と歌の世界に引き込んでいきます。

「くりのきやまから くりさんのせて」のパートでは、両手を使って栗の形を表したり、胸の前で「乗せる」動作を入れると一体感が高まります。

🍐 年齢別のねらいと導入方法

  • 🌱 3歳児:「かたたたたーんって音、どんな列車かな?」と問いかけ、擬音の真似から導入する。ねらいは歌詞と動作の結びつきを楽しみ、言葉とイメージをつなぐこと。
  • 🌿 4歳児:「この列車には何が乗っているかな?」と果物カードを見せながら興味を引く。ねらいは果物の名前や順番を覚え、歌詞の世界に共感しながら表現力を育てること。
  • 🌳 5歳児:「今度は自分たちで新しい果物を考えて歌ってみよう!」と創作を促す。ねらいは列車ごっこや即興ストーリーで協働遊びと創作表現につなげること。

保育士がテンポをあえて少しゆっくりにしたり、速めに変化させることで、リズム感・模倣力・集中力を刺激できます。これは使えそうです。

また、保育士バンク!の調査によると、「くだものれっしゃ」は1歳児頃から取り入れられると紹介されており、0歳児クラスでも壁面装飾と連動させながら雰囲気として歌うことができます。3歳未満でも「歌ってもらう体験」自体が情緒の安定につながるため、決して幼児クラスだけの歌ではありません。幅広い年齢に対応できるということですね。

ペープサートや果物カードをあわせて用意しておくと、子どもの目線が集まりやすくなり、より集中した状態で活動できます。特に3歳前後の子どもは視覚情報と音の組み合わせに強く反応するため、実物大の果物イラストを使うのが効果的です。

くだもの列車|まな&ゆうによる振り付き動画とねらい詳細|ほいくnote(年齢別ねらい・導入の仕方を確認できます)

くだものれっしゃの歌を使ったスケッチブックシアター・ペープサートの作り方

「くだものれっしゃ」は手遊び以外にも、スケッチブックシアターやペープサートとして視覚的に展開できる曲です。歌に合わせて教材を動かすことで、子どもたちが「何が来るかな?」と期待感を持ちながら参加できる構造になります。

スケッチブックシアターの場合、使うのはたった2ページで完結させることもできます。1ページ目に線路や列車のベースを描いておき、2ページ目に果物のキャラクターが次々と現れるしかけを作るだけです。果物カードを貼り付ける・マジックテープで着脱式にするといった工夫を加えると、歌いながらキャラクターを次々と「乗せる」動作ができ、臨場感がぐっと上がります。

ペープサートでは、列車本体と栗・柿・りんご・みかんのキャラクターをそれぞれ棒に貼り付けて動かします。子どもが「次は何が乗るかな?」と歌に乗って予測できるようになると、記憶の定着も早まります。

🎨 保育教材の種類と特徴まとめ

  • 📒 スケッチブックシアター:材料費が安く(スケッチブック+画材のみ)、製作が1〜2時間で完成することが多い。隙間時間の導入に最適。
  • 🎭 ペープサート:棒状なので子どもに持たせることもでき、5歳児クラスでは子ども自身が演じることも可能。発表会的な使い方にも向いている。
  • 🧲 ラミネートシアター(マジックテープ式):パーツが繰り返し使えて衛生的。乳児クラスでの使用に特に向いており、耐久性も高い。
  • 🧤 手袋シアター:保育士の手に果物キャラクターをつけて演じる。1対1の場面や少人数の乳児クラスで温かみのある活動になる。

教材ひとつひとつを製作する時間がない場合、minne(ミンネ)などのハンドメイドサイトでスケッチブックシアターや型紙素材が販売されています。型紙データを購入してラミネート加工するだけで完成するタイプは、製作時間を大幅に短縮できます。必要に応じて確認してみるといいでしょう。

【スケッチブックシアター】くだもの列車【童謡】|こどもっと(シアターの制作アイデアと動画あり)

くだものれっしゃの歌と食育活動を組み合わせる保育実践アイデア

「くだものれっしゃ」は食育の入口として機能する、数少ない童謡のひとつです。食育が原則です。歌に登場する果物を実際に見せたり触らせたりすることで、「知識として知っている」から「感覚として体験した」への転換が生まれます。

具体的には、歌を歌った後に本物の栗・柿・りんご・みかんを保育室に持ち込み、色・形・においを一緒に確認する流れが効果的です。特に「かきのき峠で かきさんのせて」という歌詞を歌った直後に本物の柿を見せると、子どもたちの目の色が変わります。歌詞の地名(栗の木山、柿の木峠、りんごの里、みかんの村)は架空のものですが、「どんな場所かな?」と話を広げることで地域・自然への関心にもつながります。

🍽️ 食育と連動した活動の流れ(例)

  • ① 歌を歌って果物の名前に親しむ(導入:5分程度)
  • ② 本物またはイラストの果物を見せ、色・形・においを話し合う(探索活動:10分)
  • ③ 「他にどんな果物が乗りたいかな?」とオリジナルの歌詞を考える(創作:5〜10分)
  • ④ 給食・おやつで同じ果物が出たときに「あの列車の歌と一緒だね」と声をかけて定着を図る(再会場面)

「保育所保育指針」では食育を「生きる力の基礎を培う活動」として位置づけており、歌を入口にした感覚体験はこのねらいに直結します。

食育活動として遠足で果物狩り(りんご狩り・みかん狩りなど)に出かける前後にこの歌を取り入れると、遠足への期待感が高まり、実体験との記憶の結びつきも強まります。先に歌を覚えてから体験に臨むことで、子どもたちが「あ、りんごの里だ!」と感じる瞬間が生まれます。これは保育士ならではの演出です。

3歳児の発表会演目としても選ばれることがあります。シンプルな振り付けで全員が参加しやすく、保護者にも季節感のある場面を見せられるため、11月前後の発表会の一演目として検討する価値があります。

【保育園で楽しめる9月の歌】秋の手遊びや童謡15曲まとめ|保育士バンク!(くだものれっしゃの年齢別活用ヒントあり)

保育士だけが知っておきたい「くだものれっしゃ」の独自活用術:発語支援・語彙力向上への応用

「くだものれっしゃ」を「秋に歌う曲」としてだけ使っている保育士は、この曲の持つ力の半分しか引き出せていません。発語支援の視点から見ると、この曲は言葉の発達を意図的に促せる構造を持っています。

「かったたたたーん」という擬音語は、口・唇・舌を複雑に動かすことを自然に促します。この動作は言語習得における口腔機能の土台づくりに直結しており、幼児期の発語支援の場でも活用できる要素です。擬音を繰り返し発声することで唇や顎の筋肉が鍛えられ、他の言葉の発音にも好影響を与えます。

また、歌詞は「果物の名前」を繰り返す構造になっており、語彙習得の基本である「繰り返し接触」を自然に満たしています。2歳の子どもが語彙習得で必要とするのは「同じ言葉に繰り返し出会うこと」であり、この曲はその機会を1回の歌の中に複数回内包しています。

🔤 言語発達の観点から見た「くだものれっしゃ」の構造

  • 🗣️ 擬音語(オノマトペ)の「かったたたたーん」:口腔機能の練習として機能し、1〜2歳でも真似しやすい音の並び
  • 📚 繰り返しの語彙接触:「くり・かき・りんご・みかん」が複数回繰り返され、語彙の定着を促す
  • 🎶 一定のリズムパターン:「○○から ○○のせて」という反復構造が、子どもの予測力・パターン認識力を育てる
  • 📍 地名+果物の組み合わせ:「くりのきやま」「かきのきとうげ」などの連語が記憶の手がかりを増やす

発語がゆっくりな子どもに対して、全員と同じペースで「覚えさせる」ことを目的にするのではなく、「まずは擬音だけ一緒に口ずさめたらOK」という姿勢で接することが大切です。「かったたたたーん」だけでも声が出れば十分な関わりになります。それだけ覚えておけばOKです。

さらに、「5歳児クラスでオリジナルの歌詞を作る」活用法は語彙力の応用段階として機能します。「ぶどうのやまから ぶどうをのせて」のように子ども自身が歌詞を考えると、語彙の能動的な使用につながり、言葉の学習としての密度がぐっと高まります。この応用活動は国語的な表現力の土台にもなるため、5歳児の後半に特におすすめです。

【新人保育士】保育園で定番!手遊び&体操〜これだけは覚えたい曲リスト|ほいくパス(くだものれっしゃを含む定番手遊び一覧)

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