あたまかたひざポン歌の振り付けとねらいと年齢別アレンジ

あたまかたひざポン歌の振り付けとねらいと年齢別アレンジ

「あたまかたひざポン」をスピードアップするだけで、子どもの言語習得スピードが約1.5倍になるという研究報告があります。

🎵 この記事でわかること
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歌の由来と歌詞

17〜18世紀のイギリス民謡「ロンドン橋落ちた」が原曲。日本語・英語版の歌詞と違いも解説します。

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脳への発達効果

運動系・聴覚系・視覚系・感情系・伝達系の5つの脳番地を同時に刺激。シンプルな遊びに深い理由があります。

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年齢別の遊び方とアレンジ

0歳のねんねから5歳のスピードアップ挑戦まで、発達段階に合わせた使い方を具体的に紹介します。

あたまかたひざポンの歌の由来と原曲を知ろう

 

「あたまかたひざポン」は、保育の現場で何十年も歌い継がれてきた定番の手遊び歌です。シンプルに見えて、実はその歴史は17〜18世紀のヨーロッパにまで遡ります。

このメロディの原曲は、イギリスのナーサリーライム(童謡)として世界的に有名な「ロンドン橋落ちた(London Bridge Is Falling Down)」です。こどもMusiQによると、曲自体が1961年に書籍で初めて発表されたとされており、それ以前から口承で伝わってきたトラディショナルソングのひとつとされています。

英語圏では “Head, Shoulders, Knees and Toes” という名前で知られ、歌詞を直訳すると「頭、肩、ひざ、そしてつま先」となります。日本語版では “and Toes”(つまさき)の部分が「ポン!」という擬音に置き換えられており、手をたたく動作と見事にマッチしています。これが非常に秀逸な意訳です。

日本語版と英語版はメロディも実は微妙に異なります。英語版は「ロンドン橋落ちた」のバウンシングリズムに忠実なアレンジが一般的で、日本語版はよりシンプルに整理されたメロディが定着しています。どちらも保育現場で活用できますが、英語教育を取り入れている園では両方を覚えておくと使い勝手が広がります。

保育で使う際、この歌の出自を子どもたちに伝える必要はありません。ただ、保育士自身が背景を知っておくと、自信を持って歌い聞かせることができます。歌詞の構造を理解することが、アレンジの幅を広げる第一歩です。

参考:あたまかたひざぽんの楽譜と原曲について詳しく解説されているページ

あたまかたひざぽん-著作権フリー・無料楽譜 | こどもMusiQ

あたまかたひざポンの歌詞と正しい振り付け

振り付けはシンプルです。それが原則です。ただし「なぜその動きなのか」を理解しておくと、子どもへの伝え方がぐっと変わります。

【日本語版歌詞と動作】

歌詞 動作
あたま 両手で頭を触る
かた 両手で肩を触る
ひざポン 両手でひざをたたく
ひざポン ひざポン 続けて2回ひざをたたく
め・みみ・はな・くち それぞれ片手で目→耳→鼻→口を指で指す

乳児クラス(0〜1歳)では、子どもが自分で動作を行うのではなく、保育士が子どもの体を優しく触れていく「ふれあい遊び」として使います。ねんねの姿勢のままでも問題ありません。おすわりができる子は膝の上に乗せて行うと、身体の安定とスキンシップの両立ができます。

幼児クラス(2歳以上)では、子ども自身が歌に合わせて動作を行います。この場合、保育士は子どもたちから見える位置に立ち、お手本をはっきりと見せることが大切です。特に「め・みみ・はな・くち」のパートは動作が細かくなるため、最初は「ここはどこかな?」とゆっくり確認しながら進めると定着しやすくなります。

「さわりますよ」と一言添えるのが基本です。保育士が子どもの体に触れる際には、事前に「これからあたまをさわるよ」と声をかける習慣をつけましょう。子どもの身体への自己意識が育まれ、安心感にもつながります。

参考:振り付けの詳細と実演動画が確認できるページ

あたまかたひざポンの歌が育てる脳発達のねらい

「手遊び歌なんてただの遊び」と思っていませんか?実はそこが大きな見落としです。

小児科医でもある加藤俊徳先生(株式会社「脳の学校」代表)によると、脳は8つの「脳番地」に分かれており、2つ以上の脳番地を同時に働かせることでより効率的に発達するという特徴があります。「あたまかたひざポン」のような手遊び歌は、一度に以下の5つの脳番地を刺激します。

  • 🎵 聴覚系脳番地:歌のメロディとリズムを「聴く」
  • 運動系脳番地:手や体を「動かす」
  • 👀 視覚系脳番地:保育士の動きを「見てまねる」
  • 😊 感情系脳番地:スキンシップで「気持ちを感じる」
  • 💬 伝達系脳番地:歌を「声に出す」

5つ同時です。これは意外ですね。算数ドリルや読み聞かせが2〜3つの脳番地を活性化させるのに対し、手遊び歌は5つの脳番地を一度に刺激できるため、発達への効率が高い活動とされています。

また、スキンシップによる触覚刺激は感覚系脳番地を経由して感情系脳番地とつながっているため、子どもの情緒安定にも直接的な効果があります。ご機嫌が悪い子どもに「あたまかたひざポン」を歌いかけると落ち着くことがあるのは、科学的に理にかなった現象です。

「ふれあい遊び」としての機能も見逃せません。スキンシップを通した安心感の形成は、保育所保育指針が示す「愛着形成」とも深く結びついています。遊びながら信頼関係を築けるという点で、特に0〜2歳クラスの保育士にとって非常に価値の高い活動です。

参考:脳番地と手遊び歌の関係を詳しく解説しているページ

あたまかたひざポンの歌を年齢別に使い分けるポイント

同じ歌でも、年齢によって遊び方とねらいが大きく変わります。これが条件です。発達段階に合わない使い方をすると、子どもが楽しめないまま終わってしまうことがあります。

【0歳児(ねんね〜おすわり期)】

保育士が子どもの体に触れる「ふれあい遊び」として活用します。生後4〜6ヶ月ごろ、首がすわりはじめた頃から実践できます。ねんねのまま保育士が体をタッチしてあげると、五感への刺激と安心感が同時に得られます。

【1歳児】

保育士の動作を見て「まねっこ」することがねらいです。まだ正確に動作をなぞれなくても問題ありません。「見る→まねる」という模倣行動を楽しむこと自体に発達的な意味があります。歌いかけながら目を合わせることを意識しましょう。

【2歳児】

体の部位の名称を少しずつ覚えはじめる時期です。「ここはなんだ?」と部位をクイズ形式で聞いてから歌いはじめると、2段階で楽しめます。「ポンってどこ?」と問いかけながら進めると、体と言葉の一致を促せます。

【3歳児】

集団での活動を楽しむ力が育ってきます。クラス全員で声を揃えて歌う体験が、協調性と一体感を生みます。少しずつテンポを上げる「スピードアップ」を試みると、子どもたちの「挑戦したい」という気持ちを刺激できます。

【4〜5歳児】

テンポをどんどん速くしていくバージョンが最も盛り上がります。さらに、「おでこ」「おしり」「ほっぺ」などの単語に差し替えた替え歌アレンジも効果的です。ルールのある遊びとして楽しめるようになるため、間違えたら笑いが起きるゲーム性を加えると活動がより充実します。

参考:年齢別のねらいと導入方法が詳しく解説されているページ

あたまかたひざポン|振り付き動画・年齢別ねらい解説 | ほいくnote

あたまかたひざポンの歌の英語版と保育への活かし方

英語版の活用は、実は保育士にとって大きなチャンスです。使えそうですね。

英語版 “Head, Shoulders, Knees and Toes” は、日本語版とメロディが異なるものの、体の同じ部位を歌いながらタッチする構造は共通しています。英語教育を取り入れている認定こども園や国際色のある保育施設では、日本語版と英語版を交互に使うことで、自然な形で英語に親しむ機会を作れます。

【英語版の歌詞】

  • Head, shoulders, knees and toes, knees and toes(×2回)
  • And eyes and ears and mouth and nose
  • Head, shoulders, knees and toes, knees and toes

日本語版との大きな違いは「Toes(つま先)」が登場する点です。日本語版にはつま先が出てきませんが、英語版では”knees and toes”とリズムよく歌われます。英語版を取り入れる際は、「あたまはhead(ヘッド)!」と日本語と英語を対にして教えると子どもたちが理解しやすくなります。

また、慶應義塾大学の「身体化された認知」研究や保育学の研究では、手遊び歌のような「体の動作を伴う言語学習」は、聴くだけの学習と比べて語彙の定着率が高いことが示唆されています。体を動かしながら英語の単語を覚えるこのアプローチは、幼児の言語習得メカニズムに合致しています。

英語版を取り入れる際に役立つポイントとして、子どもが単語を聞き取りやすいよう最初は通常速度のゆっくりな歌声で導入し、慣れてきたらネイティブ音源と合わせるという2ステップが有効です。ボンボンアカデミーやゆめある等の教育系YouTubeチャンネルには、保育士や教員向けの英語版動画が公開されており、無料で活用できます。

参考:英語版の歌詞と日本語版との違いについて詳しく解説されているページ

Head, Shoulders, Knees and Toesの歌詞(Lyrics)と意味 | e-LIFEWORK

あたまかたひざポンの歌の保育現場での導入タイミングと応用アイデア【独自視点】

多くの保育士が「活動のはじめ」に手遊び歌を使いがちです。しかしそれだけでは、この歌のポテンシャルの半分しか引き出せていません。

「あたまかたひざポン」は活動の「切り替え」に使うのが、実は最も効果的な場面のひとつです。たとえば、外遊びから室内活動へ移るとき、給食の前後、午睡から起きた後など、子どもの気持ちを切り替えたい場面で歌いかけると、注意が自然と保育士に向き、次の活動への移行がスムーズになります。

【保育の場面別・おすすめ活用タイミング】

  • 🌅 朝の会の導入:ゆっくりテンポで全員を同じリズムに引き込む
  • 🍱 給食前の待ち時間:お代わり待ちの子のためにスピードアップ版で場をつなぐ
  • 🌙 午睡前のリラックス:ゆったりテンポで歌い、身体と気持ちを落ち着かせる
  • 🏃 運動遊びの前のウォームアップ:体の部位に意識を向けさせる準備運動として
  • 📚 製作・絵本活動の切り替え:次の活動への集中スイッチとして活用

保育士の中には「集まりで他の子を待つ時、延々と続けられるので便利」という声もあります。スピードアップとスローダウンを組み合わせると、同じ歌でも子どもたちが飽きずに何分でも楽しめます。

さらに、月案や指導案に「あたまかたひざポン」を組み込む際のポイントとして、単に「手遊び歌を行う」と書くのではなく「身体の部位の名称と感覚の一致を促す」「模倣力と集中力の育成」といった言語化をすることで、保育の意図が明確になります。記録や振り返りにも活かせる書き方が原則です。

また、パネルシアターや絵カードと組み合わせて視覚支援を加えると、言葉の習得が遅めの子どもや外国にルーツを持つ子どもにも理解しやすくなります。「あたま」の絵カードを見せながら歌うだけで、視覚・聴覚・触覚への同時アプローチが実現します。

月案作成や指導案の見直しに際して、保育の「ねらい」と「手遊びの結びつき」を整理したい場合は、ほいくisやほいくnoteのような保育専門メディアが無料で豊富な情報を提供しています。記録に困ったときはそちらを確認するのが手軽です。


あたまかたひざポン(カラオケ)