桃の節句の食べ物と由来を保育士が子どもに伝える方法

桃の節句の食べ物と由来・意味を保育士が子どもに伝えるコツ

甘酒なら何でも子どもに出してOKだと思っていると、クレームにつながる失敗をします。

🌸 この記事でわかること
🍱

定番5品の由来と意味

ちらし寿司・はまぐり・菱餅・ひなあられ・甘酒それぞれに込められた願いと歴史を解説します。

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子どもへの食育の伝え方

年齢に合わせたクイズやエピソードトークなど、保育現場で使えるアイデアを紹介します。

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保育士が知っておくべき注意点

甘酒のアルコール問題や地域ごとの食べ物の違いなど、現場で役立つ知識をまとめています。

桃の節句の食べ物①ちらし寿司:大正時代からの意外な歴史

 

ちらし寿司はひな祭りの定番中の定番ですが、実は「大正時代以降」に定着したとされており、桃の節句とともに千年の歴史があるわけではありません。意外ですね。江戸時代にはお祝い全般の席で食べられていたちらし寿司が、ひな祭りという行事と結びついたのは比較的新しい話なのです。

ちらし寿司が桃の節句にふさわしいとされる理由は、見た目の華やかさと具材ひとつひとつに込められた縁起の良さにあります。エビは「腰が曲がるまで長生きしてほしい」という長寿の願い、レンコンは穴が開いていることから「将来を見通せるように」、豆は「まめに働く・健康で丈夫に育つ」という意味を持ちます。

具材 込められた意味
🦐 えび 長寿(腰が曲がるまで長生き)
🌿 レンコン 先見の明(穴から先を見通す)
🫛 豆(さやえんどうなど) 勤勉・健康
🥚 錦糸卵 金銀財宝・繁栄
🍣 酢飯全体 「寿を司る」縁起物

ちらし寿司は「寿を司る(すしをつかさどる)」と書くことから、古くより祝いの場に欠かせない存在でした。これが基本です。

保育の食育場面では「この具材には何の願いが込められているでしょう?」とクイズ形式にすると、子どもたちが身を乗り出して聞いてくれます。絵カードを使って視覚的に示すとさらに効果的です。なかでも「えびは年をとっておじいちゃん・おばあちゃんみたいに背中が曲がるまで元気でいてほしい、という気持ちが入っているんだよ」という話は、子どもの頭にすんなりと絵が浮かびやすくなります。

桃の節句の食べ物②はまぐりのお吸い物:良縁と夫婦円満の深い意味

はまぐりには「他の貝とは絶対に合わない」という特徴があります。これが原則です。同じ貝から採れた二枚の貝殻だけがぴったりと合い、どれだけ混ぜても他の貝とは合わせることができません。平安時代の貴族たちはこの性質を利用した「貝合わせ」という遊びを楽しんでいました。神経衰弱のような遊びで、対になる貝殻を当てるゲームです。

この特徴から「一生ひとりの伴侶と添い遂げる」という良縁・夫婦円満の象徴とされてきました。女の子の健やかな成長を願うひな祭りの趣旨と深く結びついているわけです。

保育の場での食育ポイントは、実際に空の貝殻を持参して「このはまぐりのペアを見つけてみよう!」とゲーム感覚で体験させることです。この情報を得た上で試みる価値があります。子どもたちに貝殻の形や模様の違いを観察させることで、自然への興味も引き出せます。お吸い物の出汁の香りを「いい匂いがするね、これはなんだろう?」と嗅がせることも、五感を使った食育になります。

また、はまぐりのお吸い物は見た目がシンプルなぶん「なぜこの料理がひな祭りに?」という問いかけをするだけで、子どもたちの「なぜ?」「知りたい!」という気持ちに火がつきやすい食材でもあります。これは使えそうです。

桃の節句の食べ物③菱餅:実は「母子草」が使われていなかった理由

菱餅のもともとの起源は中国の上巳節にさかのぼります。中国では「母子草(ははこぐさ)」という草を混ぜたお餅を食べていました。ところが日本に伝わると、「母と子を一緒につく(搗く)のは縁起が悪い」という考えから母子草の使用が避けられるようになります。代わりに使われるようになったのが「よもぎ(蓬)」です。

菱餅の3色にはそれぞれはっきりとした意味があります。

  • 🟢 緑(よもぎ):厄除け・健康・長寿。よもぎの力強い生命力を象徴します。
  • 白(菱の実):清浄・子孫繁栄。残雪を表し、純粋さを意味します。
  • 🌸 桃色(クチナシの実):魔除け・桃の花。春の訪れと生命力を表します。

3色が重なることで「雪の下から新芽が芽吹き、桃の花が咲く春の情景」を表しているとも言われています。つまり3色で春の自然そのものを描いているということですね。

現在の3色が完成したのは明治時代とされており、江戸時代は緑と白の2色でした。歴史が積み重なって今の形になっているわけです。

ひし形になっている理由にも諸説あり、「桃の葉の形を模した」「菱の実の形に由来する」「心臓の形をかたどった」などが挙げられています。子どもには「ひし形ってどんな形に見える?」と問いかけてみましょう。「ダイヤみたい!」という声から話を広げることができます。

桃の節句の食べ物④ひなあられ:関東と関西で「まったく別物」の理由

ひなあられは同じ名前でありながら、関東と関西では見た目も味も異なります。これが条件です。保育士として子どもに正しく説明するためにも、地域差を把握しておくことが重要です。

地域 形・種類
関東 球状・ポン菓子タイプ 砂糖がけの甘い味
関西 薄い板状・おかきタイプ 塩味・しょうゆ味
名古屋 円柱形という独特の形状 塩味系が多い

ひなあられの色は、桃色・白・緑の3色が基本ですが、4色(黄色も加えた)のものも存在します。4色の場合は春夏秋冬の四季を表しており、「一年を通じて子どもが健やかに育つように」という意味が加わります。

ひなあられの起源には「菱餅を外で食べやすいよう砕いて煎ったのが始まり」という説があります。ひな人形を外に持ち出して遊ぶ風習に合わせて生まれたとも言われており、菱餅との深いつながりがあるわけです。

保育の場では「あなたのおうちのひなあられは甘い?しょっぱい?」と子どもたちに聞いてみましょう。おうちの地域差や家庭の文化を自然に共有する機会になります。また、3色や4色それぞれの色が何を表すかをクイズにすると、菱餅の話とつなげて復習にもなります。

桃の節句の食べ物⑤甘酒:種類を間違えると保育現場で大問題になる

甘酒には「米麹から作るもの」と「酒粕から作るもの」の2種類があり、この違いを知っておくことは保育士にとって非常に重要です。アルコールが含まれない安全なものは「米麹甘酒」だけです。これは必須の知識です。

  • 米麹甘酒:アルコール0%。子どもに提供できる。自然なブドウ糖の甘みがあり、栄養価も高い。
  • 酒粕甘酒:アルコール約1%が残る可能性がある。子どもには不適切。大人向け。
  • 白酒:アルコール度数9〜10%のリキュール類。未成年は絶対に飲めない。

甘酒と白酒は外見が似ているため混同しやすく、保護者への説明の際にも注意が必要です。白酒はみりんと米麹で作られる白く濁ったお酒で、アルコール度数9〜10%のリキュール類に分類されます。甘酒と名前が似ているため、うっかり提供してしまうリスクがあります。

もともとひな祭りに飲まれていた飲み物は、桃の花びらを清酒に浸した「桃花酒(とうかしゅ)」でした。それが江戸時代に「白酒」に変化し、子どもが飲める形として「甘酒」が普及したという流れがあります。

保育現場での行事食として甘酒を提供する場合は、購入前にパッケージの「原材料」欄を必ず確認することが大切です。「米・米麹」のみで作られている表記であればアルコールは含まれません。アレルギー対応と同様に、事前確認を徹底する習慣が保護者からの信頼につながります。

子どもに甘酒を飲ませても大丈夫? 米麹と酒粕の違いをわかりやすく解説(HAPIKU 食育)

桃の節句の食べ物⑥地域で異なる行事食:保育士が知っておくと話が広がる豆知識

ひな祭りの食べ物は全国一律ではなく、地域によって独自の食文化があります。北海道では赤飯に甘納豆を入れた「甘納豆入り赤飯」を食べる習慣があり、本州出身の保育士が初めて聞くと驚くことが多いです。

長崎県には「桃カステラ」という独自のお菓子があります。長崎カステラの上に桃をかたどった砂糖菓子をのせた見た目が鮮やかな和菓子で、もともとは初節句のお祝いへのお返し品として定着しました。京都には「ひちぎり」という伝統菓子があり、草餅を指でちぎったような素朴な見た目が特徴です。平安時代の宮中菓子が起源とされています。

また、桜餅に関しては、「ひな祭りの伝統的な行事食ではない」という事実はあまり知られていません。桜餅はピンク色で春らしく、食べやすいことから定番化したものであり、菱餅のように平安時代からの歴史的な由来はないとされています。意外ですね。

このような地域差や雑学は、保育の場での子どもたちとのコミュニケーションを豊かにします。「先生の地元では〇〇を食べるよ」という個人的なエピソードを交えると、食文化の多様性を自然な形で伝えられます。さらに、保護者との連絡帳や保育だよりに「桃の節句の食べ物豆知識」として掲載することで、家庭との連携や食育の幅を広げることができます。

地域によって異なるひな祭りの風習の違い(エネフィブログ)
3月3日桃の節句の起源と地域限定の和菓子について(FOODIE)

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