七夕さま歌詞の意味と保育士向け指導ポイント完全解説

七夕さま歌詞の意味と保育士向け指導ポイント

「たなばたさま」の作詞者は林柳波ではなく、権藤はなよという女性詩人です。

七夕さま歌詞の完全解説:保育士向けポイント
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歌詞の全文と作者

「ささの葉さらさら のきばにゆれる…」1941年(昭和16年)発表。作詞は権藤はなよ(補作:林柳波)、作曲:下総皖一による文部省唱歌。

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難しい歌詞の意味を解説

「のきば(軒端)」=屋根の端の部分、「きんぎんすなご(金銀砂子)」=金銀箔の粉で作る伝統装飾、「ごしきのたんざく(五色の短冊)」=中国五行説由来の5色。

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保育の5領域への展開

環境・言葉・表現・人間関係・健康、すべての領域に「たなばたさま」1曲でアプローチできます。歌詞理解が保育活動の幅を広げます。

七夕さま歌詞の全文と作詞者・権藤はなよの知られざる背景

 

たなばたさま」は1941年(昭和16年)に文部省発行の教科書「うたのほん 下」に収録された唱歌で、現在まで80年以上にわたって日本中の子どもたちに歌い継がれています。保育現場では毎年7月になると必ず歌われる定番曲ですが、実はこの曲の作詞者について長年にわたって誤解が続いていました。

正式な作詞者は「権藤はなよ(ごんどう はなよ)」という女性の童謡詩人です。本名は権藤はなよ、ペンネームは権藤花代(ごんどう はなよ)といい、明治32年(1899年)生まれで昭和36年(1961年)没。山梨県韮崎市穴山町の出身です。しかし昭和26年〜31年頃、戦後の出版物において補作詞を担当した「林柳波(はやし りゅうは)」が作詞者として単独クレジットされていた時期があり、本来の作者である権藤はなよの名前が長らく埋もれていました。現在は「権藤はなよ 作詞/林柳波 補作詞」という表記が正式とされています。

つまり、正しい作者を知らないまま子どもたちに「林柳波の歌だよ」と教えてしまう保育士さんが出てしまうことも、決してゼロではありません。歌詞の全文はこちらです。

歌詞
1番 ささの葉 さらさら
のきばに ゆれる
お星さま きらきら
きんぎん砂子(すなご)
2番 五しきの たんざく
わたしが かいた
お星さま きらきら
空から みてる

たったの2番、計32文字という短い詩の中に、七夕の夜の情景・日本の伝統文化・子どもの願い・宇宙のロマンが凝縮されています。これが原因で一見シンプルに見えてしまいますが、歌詞の一語一語に深い意味が込められていることが保育士として知っておくべき重要な点です。

権藤はなよに関する詳しい情報は、七夕協会の公式ページにまとまっています。

一般社団法人七夕協会「楽曲たなばたさま」公式ページ

七夕さま歌詞に登場する「のきば」「きんぎんすなご」の本当の意味

保育士が子どもから「のきばってなに?」と聞かれたとき、自信を持って答えられるかどうかは日々の保育の質を左右します。難しい言葉が2番にわたって出てきますが、一つひとつ確認しておきましょう。

まず「のきば(軒端)」とは、家の屋根が外壁よりも外側に張り出している部分のことです。現代住宅では少なくなりましたが、昭和16年ごろの日本家屋には必ずあった構造で、縁側の上に広がる屋根の端にあたります。七夕の時期には、この軒端に笹竹を立てかけたり飾り付けをする風習がありました。歌詞は「その軒端に吊るした笹飾りが、夏の夜風でサラサラと揺れている情景」を描いています。

次に「きんぎんすなご(金銀砂子)」は、漢字で「金銀砂子」と書きます。これは金箔や銀箔を細かく砕いて粉末状にしたもので、蒔絵(まきえ)・ふすま絵・色紙の装飾に使われる日本の伝統的な美術工芸技法です。金の粒がきらきらと輝く様子から、天の川に輝く無数の星々、または夜空にちりばめられた星の光をこの金銀の粉に例えているわけです。現代の子どもたちにとっては「金ぴかのキラキラ粉をまいたみたいに星がいっぱい光っているよ」と伝えると、頭に情景が浮かびやすくなります。

つまり1番の歌詞全体は「笹飾りが夜風にゆれて、夜空には星がきらきら輝いている」という七夕の夜の美しい情景を歌っているということですね。

  • 🏠 のきば(軒端):屋根の端。壁より外側に張り出した部分。昔の日本家屋特有の構造で、笹を飾る場所として登場する。
  • きんぎんすなご(金銀砂子):金・銀の箔を粉砕した伝統工芸素材。蒔絵などに使用する。歌詞では「星がきらきら輝く天の川」の比喩表現。

歌詞の意味をより深く知りたい場合には、世界の民謡・童謡サイトの解説が参考になります。

世界の民謡・童謡「たなばたさま 歌詞の意味」詳細解説ページ

七夕さま歌詞「五色の短冊」の色の意味と保育活動への活かし方

2番の歌詞に登場する「五色(ごしき)のたんざく」は、保育の七夕活動と直結する重要なキーワードです。これが本当は何色なのかを知っている保育士は意外に少なく、「なんとなく5色のカラフルな短冊」という認識のまま活動を進めてしまうことも珍しくありません。

五色とは、中国から伝わった「五行説(ごぎょうせつ)」に基づく5つの色のことです。具体的には「青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)」の5色を指します。日本では黒が縁起が悪いとされるため、紫で代用されることが多いです。この5色はそれぞれ意味を持っており、青は「徳を積む・人間力を高める」、赤は「先祖や親への感謝」、黄は「人を信じ大切にすること」、白は「義務や規則を守ること」、黒(紫)は「学力向上・知恵」を意味しています。

これが保育活動と結びつく点はとても大きいです。ただ「好きな色の短冊に書いてね」と伝えるだけではなく、「何を願うかによって色を選べる」という文化的背景を、年齢に応じた言葉で伝えることができます。たとえば3〜4歳クラスであれば「お友達を大切にしたいなら黄色だよ」「お勉強が好きになりたいなら紫だよ」と具体的に説明すると、子どもたちの目が輝きます。

ちなみに、歌詞の中に音のリズム感を生む工夫があることをご存知でしょうか。1番の最後の「きんぎんすなご(金銀砂子)」の末尾は「ご」で終わり、2番の最初「ごしきのたんざく(五色の短冊)」は「ご」で始まります。これは作詞者が意図的に音を合わせた技法で、しりとりのようにつながることで子どもが2番の出だしを歌いやすくなるように工夫されています。これは面白いですね。

五色の短冊の意味を保育に活かす方法はこちらの記事に詳しく書かれています。

保育コレクション「五色の短冊って何色?七夕の5色の意味や保育実習で役立つ情報」

七夕さま歌詞のオノマトペと子どもの言語発達を促す指導テクニック

「たなばたさま」の歌詞には、保育士にとって非常に使いやすい言語的特徴が凝縮されています。それが「さらさら」「きらきら」というオノマトペ(擬音語・擬態語)の存在です。

オノマトペとは、物や現象の音・動き・状態などを音声で模倣した言葉のことです。日本語は世界でも特にオノマトペが豊かな言語であり、「さらさら」「きらきら」のように感覚的に意味を伝える表現は、語彙の少ない幼い子どもでも直感的に理解できます。研究によると、オノマトペを使った言語教育は子どもの語彙習得速度を高める効果があるとされており、保育の現場での活用価値は非常に高いといえます。

「たなばたさま」の歌詞に出てくるオノマトペはこの2種類です。

  • 🌿 さらさら:軽くて細いものが空気に触れて動く様子。葉が風にそよぐイメージ。
  • きらきら:光が細かく点滅するように輝く様子。星や宝石が光るイメージ。

指導の際に効果的なのは、歌いながら体で表現させるアプローチです。「さらさら」のところでは両手を左右にゆらゆら動かし、「きらきら」のところでは指先を開いて上下に揺らすなど、ボディーパーカッションや手遊びとセットにすることで、子どもたちの感覚と言語が同時に育まれます。これは使えそうです。

また、保育の5領域の観点から「言葉」の領域にダイレクトに関わる活動として位置づけることもできます。「さらさら・きらきら以外にも似たような言葉を知ってる人いる?」と問いかけるだけで、子どもたちが「ぴかぴか」「ぽかぽか」「もふもふ」などの言葉を自分で引き出してくる場面が生まれます。語彙力の発展を意図した活動として記録に残せる点も、保育士にとって大きなメリットです。

保育の5領域への展開については、保育士向けピアノ力ブログでも実践的な観点からまとめられています。

「たなばたさま 歌詞の意味 指導法」保育士に必要なピアノ力ブログ

七夕さま歌詞を使って保育が変わる!独自視点の「ストーリー展開」指導法

多くの保育士が「たなばたさま」を「七夕の定番曲」として歌わせるだけで終わらせているのは、実はもったいないことです。歌詞をひとつの「短編ストーリー」として子どもたちに読み解かせると、保育の深みがまったく変わります。これが保育現場ではあまり知られていない活用法です。

1番の歌詞は「観察の場面」として読めます。夜、縁側から外を見ると、飾り付けた笹の葉が風に揺れていて、空には星がきらきら輝いている。これは主人公(子ども)が七夕の夜に外を眺めている情景です。2番の歌詞は「行動の場面」です。「わたしがかいた」という言葉が登場し、主人公が自分の手で短冊に願いを書いたことがわかります。そしてお星さまが「空からみてる」という結末で締めくくられ、星(=神様・織姫彦星)が自分の願いを見守ってくれているという物語が完成します。

この「観察→行動→見守られる」という3ステップのストーリー構造に気づいてから歌詞を読み直すと、わずか32文字の詩がとても豊かな絵本のように感じられます。保育士さんにとっては、これを出発点にした指導プランが立てやすくなるはずです。

具体的な展開例を以下に示します。

  • 🌙 Step 1:想像させる「夜に空を見上げたらどんな気持ちになる?」と問いかけ、歌詞の世界観(1番)を体験的に導入する。
  • ✏️ Step 2:書かせる歌詞2番「わたしがかいた」に合わせ、実際に短冊に願い事を書く活動を行う。歌と行動を連動させることで、活動の意味が深まる。
  • Step 3:見せる・語る書いた短冊を笹に飾りながら「お星さまが見てるよ」と声かけし、「空からみてる」という歌詞の言葉が現実とリンクする体験を作る。

このような構造化された指導を行うことで、「歌う」「作る」「伝える」という活動がひとつの七夕体験として子どもの記憶に残ります。さらに保護者への活動報告書にも「歌詞のストーリーを通じて伝統行事への理解を深めた」という形で記録しやすくなるため、保育士としての実践記録の質も上がるでしょう。

七夕行事全体を深める保育実践については以下の記事も参考になります。

保育士しごとナビ「脱マンネリ!七夕に子どもたちをワクワクさせる5つの工夫」

ペープサート完成品 七夕さま 軒端あり歌詞バージョン 七夕まつり 保育教材7月