チョロミーとガラピコぷ~を保育で活かす歌・遊び・発達支援
チョロミーのモデルは人間ではなく、チンパンジーです。
チョロミーとガラピコぷ~のキャラクター・番組基本情報
「ガラピコぷ~」は、NHK Eテレで2016年4月から2023年3月まで放送された幼児向け番組です。約7年にわたって放送され、多くの子どもと保育現場に浸透しました。
登場する3キャラクターはそれぞれ明確な個性を持っています。
- 🐒 チョロミー:チンパンジーをモデルにした元気いっぱいの女の子キャラクター。好奇心旺盛で行動力がある
- 🤖 ガラピコ:宇宙からやってきたロボット。論理的で礼儀正しく、子どもたちに数や言葉の概念を伝える
- 🦕 ムームー:のんびり屋の大型生物。感情表現が豊かで、子どもが感情移入しやすいキャラ
チョロミーの声は俳優・佐藤せつじさんが担当し、独特のハスキーボイスが子どもに人気でした。ガラピコはロボットらしいテンポで話し、その対比が番組全体のリズムを生んでいます。
番組の各コーナーはおよそ3〜5分と短く完結しています。これは保育現場にとって非常に扱いやすい構成です。
保育士として知っておきたいのは、この番組がNHKの「Eテレ幼児向けコンテンツ改革」の一環として制作された点です。キャラクターのデザインや歌のテンポは、2〜4歳児の認知発達に合わせて意図的に設計されており、教育的根拠がしっかりしています。
つまり、娯楽番組ではなく「教育コンテンツ」として使えます。
チョロミーの歌が子どもの言語発達に与える効果
チョロミーが歌う楽曲の多くは、繰り返しのフレーズ・オノマトペ・体の動きを組み合わせた構成になっています。この3要素が揃うことで、言語習得の速度が高まるとされています。
東京大学の研究グループが2019年に発表したデータによると、リズムと動作を組み合わせた言語学習は、音声のみの学習と比較して語彙定着率が約1.4倍になるとされています。チョロミーの歌はまさにこの条件を満たしています。
「オノマトペ」を保育で使うのは基本です。
ガラピコぷ~の楽曲には「ぷ~っとふくらむ」「ころころ」「ぐるぐる」といったオノマトペが頻出します。これらは2歳前後の子どもが最初に習得する語彙タイプとも一致しており、発達段階に自然にフィットします。
現場への活用法として、以下のような使い方が挙げられます。
- 🎤 朝の会でチョロミーの歌を1曲流し、歌詞の言葉を繰り返す「エコー活動」を行う
- 📖 絵本読み聞かせの前に「今日はチョロミーみたいに声を出してみよう」と導入する
- 🖐️ 歌いながら体の部位を触る「身体マッピング活動」として応用する
言語発達に不安のある子への対応にも有効です。言葉が出にくい3歳児でも、メロディーに乗せると発声しやすくなるケースが多く報告されています。保育の記録にも「チョロミーの歌で初めて2語文が出た」という事例が実際に存在します。
これは使えそうですね。
参考として、NHKが公開しているガラピコぷ~の教育的意図に関するページも確認しておくと、保護者への説明にも使えます。
NHK for School ガラピコぷ~ 公式ページ(教育活動・指導の参考に)
チョロミー・ガラピコぷ~を使った手遊びと劇遊びの実践例
ガラピコぷ~のキャラクターは、手遊びや劇遊びへの転用が特にやりやすい設計です。理由は3キャラクターの「役割分担」が明確だからです。チョロミー=行動役、ガラピコ=説明役、ムームー=感情役、という構造は、劇の台本に自然に落とし込めます。
実践例①:チョロミー手遊び「ぷ~っとふくらむ」アレンジ
- 「ぷ~っ」で両手を広げる
- 「ふくらむ」で体を大きく丸める
- 「はじける!」で手を叩く
この3ステップだけで、1〜2分の手遊びが完成します。準備物は不要です。
実践例②:ガラピコぷ~をモチーフにした3人劇
- 子ども3人にチョロミー・ガラピコ・ムームーを割り当てる
- テーマは「今日の朝ごはん」「好きな遊び」など日常を題材にする
- 各キャラクターの口調の特徴(チョロミーは元気よく、ガラピコは「計算します」風に)を真似させる
子どもが「なりきる」ことで自己表現力が高まります。
劇遊びは発表会の大演目でなくても構いません。5分程度のミニ劇を日常的に行う方が、子どもの発語・表情・身体表現の発達により効果的とされています。文部科学省の「幼稚園教育要領」でも、「表現」領域において日常的な劇的遊びの重要性が示されています。
文部科学省 幼稚園教育要領(「表現」領域における劇遊び・身体表現の位置づけの参考に)
衣装や小道具は手作りで十分です。チョロミーなら茶色の画用紙で耳を作るだけで子どものテンションが上がります。コスト換算すると1人分の小道具費用は50円以下に収まります。
ガラピコぷ~を使った保育計画への組み込み方と年齢別の活用法
ガラピコぷ~のコンテンツは、年齢によって活用の深さを変えることが重要です。同じ「チョロミーの歌」でも、2歳児と4歳児では受け取り方が全く異なります。
年齢別の活用目安
| 年齢 | 活用内容 | ねらい |
|---|---|---|
| 1〜2歳 | BGMとして流す・保育士が踊って見せる | 音楽への親しみ・模倣行動の促進 |
| 2〜3歳 | 一緒に歌う・簡単な手遊び | 発語・リズム感・集団参加の経験 |
| 3〜4歳 | 歌詞の意味を話し合う・役割を決めて演じる | 語彙理解・感情表現・他者との協調 |
| 4〜5歳以上 | 自分でアレンジした劇を作る・歌詞を変えて歌う | 創造性・自己表現・言語応用力 |
保育計画書への記載方法も工夫が必要です。「ガラピコぷ~の歌を使う」という表現だけでは評価されにくい場合があります。「NHK Eテレの教育コンテンツを活用し、オノマトペによる語彙習得とリズム活動を通じた身体表現の発達を促す」と書くと、指導計画としての説得力が増します。
記録の書き方が評価につながることもあります。
月案や週案に組み込む際は、「歌・語り・動き」の3要素が入っているかを確認するとよいでしょう。ガラピコぷ~のコーナーはこの3要素が自然に揃っているため、指導案のねらいに当てはめやすい番組です。
NHK for Schoolには教師・保育士向けの「指導の手引き」も一部公開されているため、指導計画作成の参考に活用できます。
NHK for School 先生向けページ(指導案・活用ガイドの参考に)
保育士が知らない!チョロミー・ガラピコぷ~の意外な活用場面
ガラピコぷ~は幼児向けとして認知されていますが、特別支援保育や発達グレーゾーンの子どもへの支援にも活用できることは、あまり知られていません。これが独自視点です。
ASD(自閉スペクトラム症)傾向の子どもは、変化や新しい刺激に対して強い不安を示すことがあります。その点、ガラピコぷ~は「毎回同じ構成・同じキャラクター・予測可能な展開」が特徴で、こうした子どもにとって非常に安心感のある素材です。
予測できる展開が安心感を与えます。
日本発達障害学会の研究では、構造化された音楽活動が自閉傾向のある幼児の「要求の発語数」を平均2.3倍増加させたというデータがあります。チョロミーの歌のような繰り返し構造は、まさにこの「構造化」に該当します。
また、場面の切り替えが苦手な子には、「チョロミーが次のお部屋に行くよ〜」という声かけを使うことで、保育士の直接指示よりもスムーズに移動できるケースが報告されています。キャラクターを「仲介役」にする技法です。
こんな使い方もあるんですね。
さらに、外国にルーツを持つ子どもへの言語支援にも活用できます。ガラピコぷ~の歌はシンプルな日本語・繰り返し表現が多く、日本語が母語でない子どもが自然に日本語のリズムに触れる機会を提供します。多文化共生保育の現場では、こうしたメディアを積極的に活用する園が増えています。
- 🌟 特別支援保育:繰り返し構造が安心感を与え、要求言語の引き出しに有効
- 🌏 多文化共生:シンプルな日本語が外国ルーツの子どもの言語習得を補助
- ⏰ 場面切り替え支援:キャラクターを仲介役にした声かけで移行をスムーズに
- 📋 個別支援計画:「好きなキャラクター」を活用した動機づけのツールとして記録
保育士一人ひとりが「このキャラクターが好きな子」を把握しておくだけで、支援の引き出しが増えます。個別支援計画の「興味・関心」欄にチョロミー好きと記録しておくことで、担当が変わっても支援の一貫性が保てます。
国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター(発達障害の幼児への音楽活動活用に関する基礎知識の参考に)

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