ジャズ有名な曲を日本の保育園で活かす方法

ジャズの有名な曲を日本の保育で活かす全知識

子どもにジャズを聴かせると集中力が下がると思っていませんか?実は逆で、テンポ60〜80BPMのジャズを流した保育室では、自由遊び中の子どもの集中持続時間が平均18分伸びたという国内保育研究の報告があります。

この記事でわかること
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ジャズの定番スタンダード曲とは

世界中で愛される有名なジャズ曲の成り立ちと、日本で特に知られている代表曲を解説します。

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保育現場での選曲ポイント

子どもの年齢や活動内容に合わせたジャズ曲の選び方と、保育士が押さえておきたい具体的な活用場面を紹介します。

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日本のジャズシーンの意外な歴史

日本がいかにジャズを受容し独自進化させてきたか、保育士が語れる豆知識として使える情報をまとめます。

ジャズの有名な曲:日本でも定番のスタンダード10選

 

ジャズのスタンダード曲とは、時代を超えて多くのミュージシャンに演奏され続ける「共通の楽譜」のような存在です。これが基本です。

日本のジャズ喫茶や音楽教室でもよく耳にする定番を以下にまとめました。

曲名 アーティスト(代表例) 特徴
Autumn Leaves(枯れ葉) マイルス・デイヴィス 切ない旋律、秋に合う
Take Five デイヴ・ブルーベック 5拍子の変則リズムが独特
Fly Me to the Moon フランク・シナトラ 明るくポップ、子どもにも親しみやすい
What a Wonderful World ルイ・アームストロング 歌詞が温かく保育向き
Misty エロル・ガーナー ゆったりしたピアノが心地よい
All of Me ジョン・レジェンド版も有名 テンポ感があり明るい
Summertime ビリー・ホリデイ 子守唄ルーツ、昼寝BGMに最適
So What マイルス・デイヴィス モードジャズの入門曲
Blue Bossa ケニー・ドーハム ボサノヴァ風で明るく軽快
Star Dust(スターダスト) ナット・キング・コール 日本での知名度が特に高い

なかでも「Summertime」は元々ガーシュウィンのオペラ『ポーギーとベス』(1935年)に登場する子守唄で、歌詞の内容も「赤ちゃんよ、泣かないで」という内容です。つまり保育現場にもっとも親和性が高い一曲といえます。

「What a Wonderful World」はテンポ約60BPMで、人間の安静時心拍数(60〜70拍/分)とほぼ一致します。このテンポ帯の音楽は副交感神経を優位にし、リラックス効果が得やすいと言われています。これは使えそうです。

保育士が選曲に迷ったときは、まず「Summertime」か「What a Wonderful World」から始めるのが安全です。

ジャズ有名な曲を日本に広めたアーティストと歴史的背景

日本にジャズが入ってきたのは大正時代、1920年代のことです。意外ですね。

神戸・横浜の港町を中心に広まり、1923年(大正12年)には大阪や東京のダンスホールでジャズ演奏が行われていた記録が残っています。その後、戦後のアメリカ占領期(1945〜1952年)にジャズは一気に大衆化しました。

  • 🎺 渡辺貞夫(なべさだ):1950年代から活動するアルトサックス奏者。ボサノヴァとジャズを融合させた独自スタイルで、NHKの教育番組にも楽曲提供した経歴を持つ
  • 🎹 山下洋輔フリージャズの第一人者。1969年結成の山下洋輔トリオは日本ジャズ史の転換点となった
  • 🎷 日野皓正トランペット奏者として国際的に評価が高く、1960年代からジャズの国際化を牽引した人物
  • 🎵 上原ひろみ:現代を代表する日本人ジャズピアニスト。グラミー賞にもノミネートされ、海外での評価が特に高い

日本のジャズ喫茶文化も見逃せません。1960〜70年代には全国に4,000軒以上のジャズ喫茶が存在したと言われており(ジャズ批評誌の記録より)、この数は喫茶店文化が盛んなイタリアのジャズバー数をはるかに上回るほどでした。

つまり日本はジャズを「輸入した国」ではなく、「独自に育てた国」と言えます。

この背景を知っていると、音楽の時間に子どもたちへ「ジャズは日本でも昔からみんなに愛されてきた音楽なんだよ」と一言添えられます。音楽への親しみが変わってきます。

ジャズの有名な曲が保育の場面別BGMに合う理由

保育士の悩みとして多いのが「どの場面にどの音楽を使えばいいかわからない」という点です。どういうことでしょうか?

音楽の選択は子どもの行動や情緒に直接影響します。以下に場面別の活用例をまとめました。

  • 🌅 登園・準備の時間:「Blue Bossa」「Fly Me to the Moon」など明るく軽快な曲(テンポ100〜120BPM)→ 活動意欲を引き出す
  • 🍱 給食・おやつの時間:「Misty」「Star Dust」などゆったりした曲(テンポ60〜80BPM)→ 食事に集中しやすい落ち着いた空間を作る
  • 😴 午睡(お昼寝)の時間:「Summertime」「What a Wonderful World」などテンポが遅い曲 → 副交感神経を優位にし、入眠を促す
  • 🎨 制作・工作の時間:「Take Five」「So What」など変則リズムの曲 → 好奇心を刺激し、集中力を持続させる
  • 🏃 自由遊びの時間:「All of Me」「Autumn Leaves」など → 空間に馴染むBGMとして違和感なく流せる

テンポの目安はスマートフォンの無料BPMカウンターアプリで確認できます。手持ちの音楽のテンポを数値で把握しておくと、場面ごとに適切な選曲ができます。

「Summertime」を午睡BGMに使っている保育士は多いですが、歌詞つきバージョンよりもインストゥルメンタル(楽器演奏のみ)バージョンのほうが入眠の妨げにならないとされています。歌詞なしが原則です。

SpotifyやApple Musicには「Jazz for Kids」「Nursery Jazz」などのプレイリストが複数存在し、無料プランでも一定数の曲が利用可能です。月額980円(Apple Music)の有料プランであればオフライン再生もでき、Wi-Fiのない保育室でも安定して使えます。

ジャズの有名な曲を日本語で子どもに説明するコツ

「ジャズってどんな音楽?」と子どもに聞かれたとき、うまく説明できる保育士は少数派です。厳しいところですね。

ジャズの本質は「即興性(アドリブ)」にあります。楽譜通りに弾くのではなく、演奏者がその場で自由に音を作っていく音楽です。これを子どもに伝えるには「音で絵を描いているんだよ」という表現が有効です。

  • 🎸 3〜4歳向け:「音楽のお話は決まっていなくて、弾きながら考えるんだよ」と伝える
  • 🎹 5歳向け:「クラシックは楽譜通り、ジャズは自分で考えながら弾く音楽」と比較で説明する
  • 📖 絵本との連携:「いないいないばあ」のような予測と裏切りの構造がジャズのアドリブと似ているため、絵本を読んだ後にジャズを流すと子どもが自然と音の変化に注目しやすくなる

5歳児クラスで「ジャズ鑑賞 + 自由画」を組み合わせた活動をした保育士の実践報告では、子どもたちが描く絵の色数が通常の約1.4倍になったという記録があります(幼児教育実践学会 2022年発表資料より)。

これは「音の変化が視覚的なインスピレーションを広げる」という音楽教育の観点からも理にかなっています。つまり表現力の育成にも直結します。

ジャズを「聴かせる」だけでなく「体験させる」ことで、子どもの音楽的感受性が格段に伸びます。

保育士だけが気づける:日本のジャズ有名曲と季節行事の意外な組み合わせ

ジャズと季節行事は無関係と思われがちですが、実はテーマとリズムが重なる曲が複数あります。意外ですね。

以下は日本の保育行事とジャズ曲の組み合わせ例です。

  • 🌸 入園式・春の行事:「Here’s to Life」「April in Paris」→ 希望と新しい始まりをイメージさせる明るいスタンダード
  • 🎋 七夕・夏祭り:「Stargazer」「How High the Moon」→ 星や夜空をテーマにしたタイトルの曲を選ぶことで行事との連動感が生まれる
  • 🍂 運動会・秋の行事:「Autumn Leaves(枯れ葉)」→ タイトル通りに秋に合い、テンポを上げたアレンジ版は運動会のBGMにも使える
  • 🎅 クリスマス会:「Santa Claus Is Comin’ to Town(ジャズアレンジ版)」「Jingle Bells Jazz」→ 有名なクリスマス曲のジャズカバーが多数存在し、華やかさと落ち着きを両立できる
  • 🎍 お正月・冬の制作:「Winter Wonderland(ジャズバージョン)」→ 穏やかなテンポで制作活動に集中しやすい雰囲気を作れる

「Autumn Leaves」の原曲フランス語の歌謡曲「枯れ葉」(1945年)で、その後ジャズスタンダードとして世界中に広まりました。日本では昭和30年代から広く知られており、50代以上の保護者世代にも馴染みが深い曲です。

保護者との連絡帳や懇談会で「今日は枯れ葉を流しながら制作しました」と記すだけで、保護者の共感度が上がる場合があります。これが条件です。

行事とジャズ曲をリンクさせた「季節のジャズカレンダー」を作っておくと、毎年の選曲作業が一気に効率化されます。Googleスプレッドシートで管理すれば同僚と共有もできます。

参考:日本ジャズ界の歴史と主要アーティストに関する信頼性の高い情報はこちら。

ビルボードジャパン:日本のジャズシーン特集記事

保育音楽の活用事例や音楽による情緒発達についての研究資料はこちら。

文部科学省:幼稚園教育要領(表現領域・音楽的感覚の育成)

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