イタリア語の歌で有名な曲を保育士が現場で活かす方法
イタリア語が苦手な保育士でも、子どもたちと一緒に歌える有名曲は意外と多くあります。
イタリア語の歌で有名な曲の基本一覧と保育士が押さえるポイント
「イタリア語の歌といえばオペラ」と思い込んでいる保育士は少なくありません。でも実際には、子どもたちが耳にしたことのある有名なイタリア語の歌は、オペラ以外にも幅広く存在しています。
代表的なものをまとめると、次のようになります。
- 🎶 「フニクリ・フニクラ」(Funiculi Funiculà):1880年にルイジ・デンツァが作曲。ナポリのロープウェイ開業を祝った曲で、世界中で知られる陽気なリズムが特徴です。
- 🎶 「オー・ソレ・ミオ」(O Sole Mio):1898年作曲。「わが太陽」という意味で、日本でも耳なじみのあるメロディーです。
- 🎶 「サンタ・ルチア」(Santa Lucia):19世紀のナポリ民謡。ゆったりとしたリズムで歌いやすく、小学校音楽の教科書にも掲載されています。
- 🎶 「ヴォラーレ」(Volare):1958年にドメニコ・モドゥーニョが発表し、グラミー賞を受賞したポップス。現代でもCMや映画に使われています。
- 🎶 「カルミナ・ブラーナ」のうちのイタリア語曲:厳密にはラテン語混在ですが、イタリア語圏の声楽教育で広く用いられています。
つまり、イタリア語の歌の「有名どころ」は幅広いジャンルに分布しています。
保育士として重要なのは、曲そのものの知名度よりも「子どもが反応しやすいかどうか」です。リズムが規則的で、繰り返しフレーズがある曲ほど、子どもの耳に残りやすい傾向があります。「フニクリ・フニクラ」などは、まさにこの条件を満たしています。
また、NHKの「みんなのうた」や音楽教育番組でもイタリア語の歌が取り上げられることがあるため、子どもたちがすでに聞いたことがあるケースも珍しくありません。これは使えそうです。
イタリア語の歌で有名な「フニクリ・フニクラ」を保育現場で使うコツ
「フニクリ・フニクラ」は、保育士がイタリア語の歌を現場で使いたいと思ったとき、最初に選ぶべき一曲です。理由は明確で、テンポが速く・リズムが単純・繰り返しが多い、という3条件がそろっているからです。
子どもたちはリズムの繰り返しに強く反応します。言語を理解しなくても、口ずさめる「音のパターン」があればそれで十分です。実際に幼児音楽の研究では、2〜3歳児でも4回以上同じフレーズを聴くと自発的に声を出して合わせようとするデータがあります。
具体的な使い方としては、次のような場面が向いています。
- 🏃 朝の体操・お遊戯のBGM:テンポが速いため体を動かしやすく、朝の会で流すと子どもたちが自然と動き出します。
- 🎭 お遊戯会・発表会のオープニング曲:異国感があるため、「ちょっと特別な演目」として保護者にも印象づけやすいです。
- 🎵 楽器遊びの伴奏曲:タンバリンやカスタネットなどの打楽器と相性が抜群で、リズム教育にも活用できます。
発音が不安な保育士は多いですが、結論はシンプルです。「フニクリ・フニクラ」に限っては、子どもと一緒に「なんとなく音に乗る」だけで十分です。完璧なイタリア語発音より、保育士が楽しそうに歌っている姿の方が、子どもへの影響は大きいとされています。
音源はYouTubeやSpotifyで無料・有料問わず豊富に存在します。NHKクリエイティブ・ライブラリーなど著作権フリーの素材を確認してから使うと、発表会でのトラブルを防げます。著作権には注意が必要です。
イタリア語の歌で有名なオペラ曲を子ども向けにアレンジするアイデア
有名なイタリア語のオペラ曲は「難しい」「子どもには早い」と思われがちですが、実はアレンジ次第で幼児向けの音楽活動に十分使えます。
例えば、ヴェルディ作曲「乾杯の歌(Libiamo ne’ lieti calici)」は4/4拍子で非常にリズムが取りやすく、「ラ・ラ・ラ」と口ずさむだけでも声楽的な発声練習になります。保育士が子どもたちに「みんなで大きな声を出す練習」として使っている事例も実際に存在します。
また、プッチーニ作曲「ある晴れた日に(Un bel dì vedremo)」は、抒情的なメロディーが特徴で、お昼寝前の静かな時間に流すBGMとして最適です。曲のテンポはおよそ♩=60〜72(1分間に60〜72拍)で、人の安静時の心拍数に近いため、リラックス効果があるとされています。
アレンジのアイデアをまとめると。
- 🎨 有名なメロディーに日本語の歌詞をつけて歌う:著作権切れの作品であれば自由に詞をつけることができます(作曲家の没後70年以上が目安)。ヴェルディ(1901年没)やプッチーニ(1924年没)の作品はすでにパブリックドメインです。
- 🥁 打楽器でリズムだけ取り出す:曲を流しながらカスタネットで拍を刻む活動は、0〜2歳児クラスでも取り組みやすいです。
- 🖼️ 曲に合わせて絵を描く:「この音楽を聴いてどんな絵が思い浮かぶ?」という問いかけで、表現活動と音楽活動を組み合わせた保育が実現できます。
著作権の切れた有名曲から始めるのが基本です。安心して使える範囲を確認してから保育に取り入れると、保護者対応でのトラブルも防げます。
イタリア語の歌で有名な曲を発表会で選ぶ際の注意点と著作権
保育の発表会でイタリア語の歌を使う際、多くの保育士が見落としがちなのが「著作権使用料」の問題です。
日本では、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)が管理する楽曲を保育の発表会や演奏会で使用する場合、原則として使用料が発生します。ただし、入場料を取らない・録音・録画を販売しない、などの条件を満たす場合には「演奏権の非営利目的免除」が適用されることがあります。これが条件です。
JASRACの公式ページでは、曲ごとの管理状況を検索できます。有名なイタリア語の歌でも、現代のアレンジ版や日本語カバー版は別途管理されているケースがあるため注意が必要です。
具体的な確認ステップは以下のとおりです。
- 📋 ステップ1:使いたい曲名をJASRACの「J-WID」で検索し、管理状況を確認する。
- 📋 ステップ2:保育園・幼稚園が加入している音楽利用の包括契約の有無を、園長または事務担当に確認する。
- 📋 ステップ3:パブリックドメイン(著作権切れ)の曲を選ぶ場合は、「没後70年以上」を目安にする。
有名なイタリア語の歌の多くは19世紀作曲で著作権切れのものが多いですが、現代のアレンジ音源は別管理です。「原曲の楽譜に戻って使う」という方法が、著作権上もっとも安全な選択肢です。意外ですね。
保育士だけが知る:イタリア語の歌で有名な曲が持つ意外な言語教育効果
これはあまり知られていない視点です。イタリア語の有名な歌を保育現場で使うことが、子どもの言語発達に与えるポジティブな影響について、近年の研究が明らかにしています。
イタリア語は「母音の多い言語」として知られており、日本語と音韻構造が似ています。日本語の母音は「あいうえお」の5種類ですが、イタリア語も同様に5母音(a, e, i, o, u)が基本です。これが基本です。
この類似性により、日本語を母語とする子どもがイタリア語の歌を聞いたとき、英語やフランス語に比べて「音を真似しやすい」という特徴があります。東京大学の音声言語研究でも、日本語話者はイタリア語の音韻を最も習得しやすい外国語のひとつと位置づけています。
保育士が意識すべき言語教育的な使い方は次のとおりです。
- 🗣️ 子音よりも母音を強調して歌う:「フニクリ」の「ウイ」など、母音を伸ばして発音することで、口の動きを意識させる発声練習になります。
- 👂 「聴く」活動を先に行う:歌わせる前に2〜3回曲を流すだけで、子どもが音のパターンを自然に習得します。これを「インプット先行型音楽教育」と呼びます。
- 🤲 身体動作と組み合わせる:音楽と動きを連動させることで、語彙記憶の定着が高まるとされています。幼児の記憶は「身体記憶」が中心であるため、動きのある活動は特に有効です。
有名なイタリア語の歌を「ただ歌う」だけでなく、言語感覚を育てるツールとして位置づけることで、保育の質がワンランク上がります。これは使えそうです。
また、イタリア語の有名な歌を通じて「世界には色々な言葉がある」という多文化理解の芽生えを育てることができます。保育指針の「豊かな感性と表現」「言葉による伝え合い」にも直結する視点であり、発表会後の保護者向け説明でも自信を持って語れるポイントになります。
参考として、幼児期の音楽教育と言語発達の関係については、以下のページが詳しくまとめています。
文部科学省:幼稚園教育要領(言葉・表現領域の内容と音楽活動の関係)

フランス語 スペイン語 イタリア語 3言語が同時に身につく本

