森の小人 歌詞の意味と由来
「森の小人」は実は戦前に別の歌詞で作られました。
森の小人の歌詞全文と基本情報
「森の小人」の現在の歌詞は以下の通りです。
参考)http://www13.big.or.jp/~sparrow/MIDI-morinokobito.html
一番
- 森の木陰で どんじゃらほい
- しゃんしゃん手拍子 足拍子
- たいこたたいて 笛吹いて
- 今夜はお祭り 夢の国
- 小人さんがそろって にぎやかに
- あほういほういよ どんじゃらほい
三番
- お手々つないで どんジャラホイ
- ピョンピョン はねはね輪になって
- 森の広場を 廻ります
- 今夜は明るい 月の夜
- 小人さんがそろって 元気よく
- ア ホイホイヨ ドンジャラホイ
作詞は玉木登美夫と山川清、作曲は山本雅之です。
昭和16年(1941年)に発表されました。
ただし現在の形になったのは戦後の昭和22年です。つまり戦前と戦後で歌詞が変わっているということですね。wikipedia+1
「どんじゃらほい」という囃子詞が子どもたちの耳に残りやすく、保育園や幼稚園で長く歌い継がれています。シャンシャンという手拍子の音や、ピョンピョンという擬音語が、子どもたちの身体表現を自然に引き出します。uta-net+1
リズムが明るく跳ねるような曲調なので、0歳児から5歳児まで幅広い年齢で楽しめます。特に2歳以降は歌詞を覚えて一緒に歌えるようになるでしょう。
森の小人の歌が作られた複雑な歴史
この童謡には意外な過去があります。www13.big.or+1
もともとは昭和14年に山本雅之が「蟻の進軍」という歌詞に曲をつけました。しかし戦時中という時局から「蟻の進軍でもあるまい」という理由で発売が自主規制されました。その後、玉木登美夫の作詞で「土人のお祭り」として内容を変更します。
「土人のお祭り」の歌詞は以下のようなものでした。wikipedia+1
- 椰子の木陰でドンジャラホイ
- シャンシャン手拍子足拍子
- 太鼓叩いて笛吹いて
- 今夜はお祭りパラオ島
- 土人さんが揃ってにぎやかに
- アホイホーイよドンジャラホイ
当時日本の委任統治領だったパラオ島の夜祭をテーマにしたものでした。昭和16年に発売されましたが、戦時下であまり売れませんでした。wikipedia+1
戦争が終わると多くの童謡が戦意高揚の言辞があるとしてGHQにより発禁とされました。「土人のお祭り」には問題となる言辞はないとして発売しようとしたところ、GHQから待ったがかかりました。weblio+1
理由は「土人」という表現が差別的であるというものです。
作詞者の玉木登美夫はすでに昭和21年1月5日に亡くなっていたため、当時のディレクター山田律夫が山川清の名前で歌詞の一番を現在のものに変え、曲名も「森の小人」に変更しました。昭和22年に発表されるとたちまち人気を得て、誰にも歌われるようになったのです。
このように3回も歌詞が変わった背景には、時代の価値観の変化が反映されています。保育士として知っておくと、童謡の奥深さを感じられますね。
森の小人の歌詞に込められた意味
現在の歌詞は夢の国での小人たちのお祭りを描いています。worldfolksong+1
「森の木陰」という場所設定は、子どもたちにとって安心感のある空間を表現しています。木陰は暑い日でも涼しく、隠れ家のような特別な場所です。そこで小人たちがお祭りをしているという設定が、子どもたちの想像力をかきたてます。
「手拍子足拍子」「太鼓たたいて笛吹いて」という表現は、音楽の楽しさを全身で感じることを示しています。これは保育の中でリズム遊びや表現活動につながる要素です。実際に手を叩いたり足踏みしたりすることで、子どもたちは音楽を体感できます。
「お手々つないで」「輪になって」という歌詞は、友だちとの協同性を育む内容になっています。保育所保育指針でも重視される「協同性」の基礎を、歌を通して自然に学べるのです。
参考)森の木陰でドンジャラホイ♪ 童謡『森の小人』歌詞 ドラえもん
「夢の国」「明るい月の夜」といった幻想的な世界観は、子どもたちの情緒を豊かにします。現実から離れたファンタジーの世界に入り込むことで、創造力が育まれるでしょう。
小人たちが「にぎやかに」「元気よく」お祭りをしている様子は、子どもたちの活発な姿と重なります。歌を通して、自分たちも楽しく遊ぶイメージができますね。
森の小人の「小人」表現をめぐる現代的な課題
実は「小人」という言葉自体が差別的呼称だとして、近年は合唱などで敬遠されているという指摘があります。
これは身体的特徴に基づく表現が、特定の人々への差別につながる可能性があるという考え方からです。童話の「白雪姫」でも「七人の小人」を「七人の妖精」と言い換える動きがあるとの報告があります。
ただし、この童謡における「小人」は架空のファンタジー上の存在として描かれています。お姫様、魔女、妖精と同じカテゴリーの物語の登場人物です。
実在の人物を指しているわけではありません。
保育現場でどう扱うべきでしょうか?
一つの方法は、歌う前に「お話の中の小さな人たち」という文脈をしっかり伝えることです。絵本や紙芝居で「森の小人」の世界観を視覚的に示すと、子どもたちはファンタジーとして理解できます。
もう一つは、保護者への配慮です。園だよりなどで「この歌は昭和時代から歌い継がれてきた童謡で、ファンタジーの世界を表現したもの」と説明しておくと、誤解を防げます。
現代の価値観に配慮しながら、文化的遺産としての童謡を大切に伝えていく姿勢が求められますね。
森の小人を保育園で効果的に使う年齢別のコツ
年齢によって歌の楽しみ方を変えると効果的です。
0〜1歳児クラス
この年齢では歌詞の理解よりもリズムと音の響きを楽しみます。保育士が抱っこしながら「どんじゃらほい」のリズムに合わせて優しく揺らすと、心地よい体験になります。「しゃんしゃん」の部分で手を叩く真似をすると、模倣の力が育ちます。
2歳児クラス
簡単な歌詞を一緒に歌えるようになります。「どんじゃらほい」「しゃんしゃん」といった擬音語は特に覚えやすいでしょう。手拍子や足踏みを実際にやってみると、リズム感が身につきます。輪になって手をつなぐ経験も、この時期から始められますね。
3〜4歳児クラス
歌詞の意味を理解し始めるので、「森の小人たちがお祭りしているんだね」と世界観を共有できます。簡単な振り付けを加えると、表現遊びに発展します。例えば「太鼓たたいて」で太鼓を叩く動作、「笛吹いて」で笛を吹く真似などです。
5歳児クラス
より複雑な動きを組み合わせたダンスにチャレンジできます。グループに分かれて、小人役・太鼓役・笛役など役割分担して演じると、協同的な活動になります。発表会などで披露する場合、三角帽子と赤い靴という歌詞にある衣装を作ると、より世界観が深まります。
各年齢の発達段階に合わせることが基本です。
保育士による「森の小人」の振り付け動画では、実際の保育現場で使える動きが紹介されています。
森の小人を手遊びやダンスに展開する独自アイデア
歌うだけでなく、身体表現に発展させると子どもたちの興味が広がります。
手遊びバージョン
- 「森の木陰で」→両手で木の形を作る
- 「どんじゃらほい」→左右に揺れる
- 「しゃんしゃん手拍子」→実際に手を叩く
- 「足拍子」→その場で足踏み
- 「太鼓たたいて」→太鼓を叩く動作
- 「笛吹いて」→笛を吹く動作
- 「お手々つないで」→隣の友だちと手をつなぐ
- 「ピョンピョンはねはね」→その場でジャンプ
- 「輪になって」→円形に並ぶ
この流れなら3歳児以上で無理なく楽しめます。
楽器を使った活動
実際に太鼓や鈴、カスタネットなどを使って、歌に合わせて演奏します。「太鼓たたいて」の部分で太鼓グループが演奏し、「笛吹いて」で笛グループ(リコーダーや鍵盤ハーモニカ)が演奏するという分担もできます。
これは5歳児向けの高度な活動です。
劇遊びへの発展
森を作って小人たちの世界を再現します。段ボールで木を作り、緑の布で森の雰囲気を出します。子どもたちは小人役になりきって、お祭りごっこを楽しめます。この活動は想像力と協同性を同時に育てられますね。
戸外活動との組み合わせ
実際に森や公園に行き、「森の小人がいるかもしれないね」と探検ごっこをすると、自然への興味が高まります。木陰を見つけたら「ここでお祭りしてるかな?」と想像を膨らませましょう。自然保育や森のようちえんの考え方とも相性が良い歌です。sony-ef+1
ソニー幼児教育支援プログラムの実践事例では、自然の中での保育について詳しく紹介されています。
参考)https://www.sony-ef.or.jp/preschool/pdf/practice/vol002_3o4.pdf
季節行事との連動
夏祭りや秋祭りの時期に歌うと、「お祭り」というテーマが実体験と結びつきます。実際の太鼓や笛の音を聞く機会を作ると、歌詞の理解が深まるでしょう。
オリジナルの振り付けを子どもたちと一緒に考えるのも楽しい活動です。「どんな動きがいいかな?」と問いかけることで、子どもたちの主体性が育ちます。
森の小人の歌を使った保育のねらいと効果
この歌を保育で使う具体的なねらいを整理しましょう。
音楽的発達
リズム感、音程、テンポ感など基礎的な音楽能力が育ちます。「どんじゃらほい」という特徴的な囃子詞は、日本の伝統的なリズムパターンです。これを自然に身につけることで、日本文化への親しみも生まれます。
身体表現力
手拍子、足拍子、ジャンプ、回転など様々な動きを含むため、身体の使い方が上達します。特に「輪になって」という動きは、空間認識能力を育てます。友だちとの距離感を調整しながら円を作る経験は、3〜4歳児にとって重要な学びです。
社会性と協同性
「お手々つないで」「小人さんがそろって」という歌詞は、集団で活動する楽しさを伝えています。一人で歌うより、みんなで歌う方が楽しいという経験が、協同性の基礎になります。
想像力と創造性
「夢の国」という非日常的な設定が、想像の世界を広げます。小人たちがどんな姿をしているか、どんなお祭りをしているかを想像することで、創造力が育まれます。絵を描いたり、物語を作ったりする活動にも発展できますね。
文化的素養
昭和時代から歌い継がれてきた童謡を知ることは、文化の継承です。祖父母世代も知っている歌なので、世代を超えた交流のきっかけにもなります。敬老の日の行事などで一緒に歌うと、良いコミュニケーションになるでしょう。
情緒の安定
明るく楽しい曲調は、子どもたちの気持ちを前向きにします。朝の会や帰りの会で歌うと、一日の始まりや終わりを気持ちよく迎えられます。
これらの効果を意識して保育計画に組み込むと、より計画的な保育ができますね。

