今月のうた 保育園 季節の歌
今月のうたのねらい:保育園で季節の歌を選ぶ基準
保育園の「今月のうた」は、“曲が好きかどうか”だけでなく、ねらい(育てたい経験)から逆算すると選びやすくなります。たとえば季節の歌なら、子どもがその月の自然・行事・生活(寒さ、衣替え、年末年始など)に気づくきっかけになります。
ねらいの立て方の例(1つに絞ると指導がラクです)
- 季節:天気・自然・衣服・食べ物など、季節の変化を言葉にする。
- 行事:クリスマス・お正月など、行事を楽しみに待つ気持ちを育てる。
- リズム:手拍子・楽器で拍を感じ、テンポの違いを味わう。
- 言葉:くり返しの歌詞で語彙を増やし、発音や抑揚を楽しむ。
「ねらい」を明文化すると、同じ“季節の歌”でも選曲が変わります。例えば12月なら、行事に寄せるなら「あわてんぼうのサンタクロース」「ジングルベル」などが候補になりやすく、冬の情景を味わうなら「たき火」「雪のペンキ屋さん」などが候補になります。実際に保育現場のアンケートでも、12月は冬やクリスマスに合う歌・手遊びを年齢別に取り入れる例が紹介されています。
12月の歌の実例(年齢別の候補や取り入れ方の参考)。
12月に乳児・幼児別の歌が具体例つきで整理されています。
今月のうたの手遊び:季節の歌を歌う前の導入と切り替え
「今月のうた=歌う時間」になりがちですが、最初の1分で手遊びを挟むと参加率が上がります。特に乳児や、気持ちの切り替えが苦手な子には、手遊びが“見て真似できる入口”になります。
保育園の現場では、季節の歌をそのまま歌うだけでなく、手遊びや体の動き、ペープサートなどを組み合わせて世界観をつかみやすくする工夫がよく紹介されています(例:「雪のペンキ屋さん」に雪だるまのペープサート、楽器遊びを合わせる等)。
すぐ使える「導入→歌」セット例(季節の歌に汎用的)
- 導入30秒:手を温める動き(こすこす→ぱっ→ぎゅっ)+「寒いね」
- 手遊び30秒:雪・風・星など“今月のモチーフ”を手で表現
- 本編:今月のうた(1番だけ→慣れたら2番)
- 余韻:BGMで流しながら片付け、次の活動へ
意外と効く小技
- 歌い始める前に「今日は“どこ”の歌?」と聞く(空・山・街・家など)
- 手遊びに“止まる”瞬間を作る(止まる=集中の練習になる)
- 0〜2歳は「サビだけ口ずさむ」でもOK(“参加できた”が大事)
今月のうたの年齢別:保育園の乳児と幼児で季節の歌を変えるコツ
同じ季節の歌でも、乳児と幼児では「ねらいの置き方」と「難易度調整」が別物です。上位記事でも、0〜2歳は集団で“歌を歌いましょう”の形が難しいため、手遊びを季節の歌として活用したり、3〜5歳向けの歌をサビだけ取り入れる考え方が提示されています。
年齢別の調整ポイント
- 0歳児:音を浴びる、安心して揺れる(抱っこ・膝の上でリズム)
- 1歳児:まねる、繰り返す(同じフレーズで手や体が動く曲)
- 2歳児:ことばが出る、役になりきる(動物・乗り物・擬音が強い曲)
- 3歳児:みんなで合わせる(手拍子・簡単な振り付けをそろえる)
- 4歳児:場面を想像する(歌詞の情景を絵や製作に展開)
- 5歳児:行事理解、表現を深める(英語の一節、楽器アンサンブル等)
12月の具体例(保育園の“今月のうた”にしやすい)
- 冬の情景:たき火、雪のペンキ屋さん、雪だるまのチャ・チャ・チャ(リズム遊びにも展開しやすい)
- クリスマス:あわてんぼうのサンタクロース、ジングルベル(鈴・ベル・トライアングルとの相性が良い)
※こうした選曲が、年齢別の取り入れ方とセットで現場事例としてまとめられています。
年齢別の12月曲・導入例の参考。
今月のうたの季節の歌:行事と生活(12月〜おしょうがつ)をつなぐ展開
季節の歌を「行事の歌」に寄せると、子どもは“カレンダーの中の自分”をつかみやすくなります。12月は特に、クリスマスの高揚感と、年末の落ち着き・新年への期待が同居する月なので、「今月のうた」の並べ方でクラスの空気づくりができます。
おすすめの組み立て(12月の例)
- 月前半:冬の情景(たき火/雪のペンキ屋さん)で季節を味わう
- 行事直前:クリスマス(あわてんぼうのサンタクロース/ジングルベル)で盛り上げる
- 月末:おしょうがつ(伝統遊びの話題へ)で次月につなぐ
活動への展開アイデア(歌→遊び・製作)
- 「雪のペンキ屋さん」:白い絵の具や綿で“雪の景色”を作る(見立て遊び)
- 「ジングルベル」:ベル係・タンバリン係など役割分担(協同・順番)
- 「おしょうがつ」:凧・こま・羽子板など“知っている/知らない”を話す(生活経験の共有)
ポイントは、歌を“イベントのBGM”で終わらせず、生活の中に回収することです。歌詞の一部を保育者が日常会話で使うと(例:「北風が〜」「もうすぐおしょうがつ」)、子どもが歌を思い出しやすくなります。
今月のうたの独自視点:保育園の季節の歌を「音の環境」で育てる方法
検索上位は「おすすめ曲リスト」中心になりやすい一方で、現場で差が出るのは“歌わせ方”より“音の環境づくり”です。歌が得意な子だけが目立つ時間にならないよう、クラス全体の安心感と参加の幅を広げる設計が、今月のうたを「毎月の積み上げ」に変えます。
音の環境づくりの具体策(今日からできる)
- 「歌う」以外の参加も正解にする:手拍子・口パク・揺れる・楽器1音でもOK。
- BGMの使い分け。
- 登園〜自由遊び:同じ曲を小さめ音量で流し“耳なじみ”を作る。
- 活動の導入:ピアノや歌声で“今から始まる”をはっきりさせる。
- 伴奏のテンポは固定しない:子どもの呼吸や声量に合わせて少し遅くしても成立する。
- 「歌詞を覚えさせる」より「場面を共有する」:絵カードや小物で情景が先に立つと、言葉は後から付いてくる。
ちょっと意外な観察ポイント(記録にも使える)
- 同じ歌でも、子どもが反応するのは“サビ”より“オノマトペ(擬音)”のことが多い。
- 冬の歌は「体が固くなる」子が増えやすいので、歌の前に指・肩・首を動かすと声が出やすい。
- 盛り上げる歌(クリスマス)と落ち着く歌(子守歌系)を同日に置くと、生活のリズムが整いやすい。
「今月のうた」は、選曲だけで完成ではありません。季節の歌がクラスに“住み着く”ように、音量・タイミング・参加の多様さまで含めて設計すると、毎月の歌の時間がぐっと楽になります。


