立体感と保育と製作と折り紙と紙皿

立体感と保育と製作

立体感と保育と製作
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平面を立体に変える発想

「折る・丸める・重ねる・浮かせる」の4手法で、同じ画用紙でも立体感が一気に出ます。

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年齢別に難易度を調整

乳児は貼る中心、幼児は切る・折るを少しずつ増やすと、達成感と安全を両立できます。

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安全と片付けまで設計

誤飲・アレルギー・汚れ対策まで含めて「製作」と考えると、現場が回りやすくなります。

立体感の保育の製作のねらいと環境

 

立体感のある製作は、完成が“映える”だけでなく、「触って確かめる」「見る角度で変わる」体験が入るぶん、子どもの気づきが増えます。特に保育園の集団活動では、同じ材料でも仕上がりに差が出やすく、作品の個性を認め合う場づくりにもつながります。

ポイントは、技法を子どもに一気に渡さないことです。「今日は丸める」「次は重ねる」というように、立体のルールを小分けにして提示すると、工程が整理されて混乱が減ります。

立体感づくりを支える環境設定として、机上に「素材の見本トレー」を置く方法が有効です。例えば、丸めた新聞紙、折った折り紙、少し浮かせた画用紙パーツなど、立体の“部品”を先に見せると、子どもが完成形を想像しやすくなります。

また、壁面装飾や吊るし飾りに展開する前提なら、乾燥・耐久・落下を見越して、作品の重さや接着剤の選定まで最初に決めておくとスムーズです。

  • ねらい:観察(角度・影)、指先(丸める・つまむ)、表現(重ね方の選択)
  • 環境:素材トレー、乾燥スペース、作品置き場(つぶれ防止)
  • 保育者の声かけ:正解提示より「この影どうなってる?」など気づきの問い

立体感の保育の製作の素材と折り紙

立体感を出す素材で定番は折り紙ですが、「折る」だけが立体ではありません。低年齢なら、折り紙を“ちぎる・丸める・くしゃくしゃにする”だけでも体積が生まれ、立体感が作れます。1歳児向けに、折り紙に触れながら指先を使うアイディアを集めた記事でも、折る以外の関わり(ちぎる・丸める等)が紹介されています。参考:1歳児からできる折り紙遊びのアイディア(折る以外の関わり)
一方で年長クラスになると、折り紙1枚で立体物を作る工程に挑戦でき、完成時の達成感がぐっと上がります。保育で使える立体的な折り紙製作として、宝石・箱・くす玉などの例がまとまった記事もあり、装飾展開のヒントになります。参考:保育に使える立体的な折り紙製作(宝石・箱・くす玉など)

意外と見落としがちなのが「光の反射」を利用した立体感です。光沢のある折り紙を混ぜるだけで、同じ形でも“ふくらみ”が強く見えます。立体の実体を増やせない時(時間がない・材料が薄い)ほど、色と質感で立体感を補う発想が効きます。

  • 乳児:折り紙は「丸める」「握る」「貼る」中心でOK
  • 幼児:折る工程を増やし、最後に“飾る”時間を必ず確保
  • 素材の組み合わせ:画用紙+折り紙(光沢)+丸シールで立体感が出やすい

立体感の保育の製作の紙皿と割りピン

紙皿は、立体感を最短で作りやすい素材です。曲面があるので、切り込みを入れて少し起こすだけで、平面に戻りにくい立体ができます。さらに「動く仕掛け」を入れると、立体感は“形”から“現象”へ広がり、子どもの食いつきが上がります。

そこで使いやすいのが割りピンです。紙皿シアターの作り方を解説した記事でも、割りピンで中央を固定して回転させる工程が“心臓部”だと説明されています。参考:紙皿シアター(割りピンで回転の仕掛け)
割りピンを安全に使うコツは「穴の位置」と「飾りの貼り方」にあります。制作のポイントとして、紙の端に穴をあけると破けやすいので端から少し離すこと、飾りは土台にまたがって貼ると動かなくなるので注意することが説明されています。参考:割りピンの使い方(穴位置・貼り方の注意)

  • 紙皿の強み:曲面=最初から立体、乾きが早い、軽い
  • 割りピンの強み:回転・揺れが作れ、立体感が“動き”に変わる
  • 注意:穴は端から離す/貼り物が可動部をまたがないようにする

立体感の保育の製作の絵の具と安全

立体感を深めるには、影やグラデーションを描ける絵の具が便利ですが、保育では安全と片付けがセットです。画材の安全性の目安としてAPマークが知られており、APマークは厳しい評価基準をクリアし人体に無害で安全と認められた画材・工芸材料に与えられる、と説明しているメーカー情報があります。参考:製品の安全性(APマークの説明)
さらに、肌に塗って乾くとはがせるタイプの絵の具(天然ゴムラテックス由来)を紹介した記事では、洗い落としの手間が減り、異常があればすぐはがせる点がメリットとして挙げられています。ただしゴムアレルギー等の注意も触れられており、園で扱うなら必ず事前確認が必要です。参考:肌に安全な絵の具(乾くとはがせるタイプの特徴)

立体感づくりに直結する“意外なコツ”は、「濃淡を塗る」より先に「光源を決める」ことです。例えば窓側から光が来る設定にして、作品の右下だけ少し濃くすると、子どもの作品でも急に立体感が出ます。保育者が先に光の方向を示すだけで、絵が上手い・下手とは別の軸で完成度が上がります。

  • 安全の見方:APマークなどの安全表示を確認する
  • 片付け設計:水の量、拭き取り手順、乾燥場所まで“活動設計”に入れる
  • 立体感の塗り:光源を決め、影の位置を1か所だけ統一する

立体感の保育の製作の歌とリズム(独自視点)

検索上位では「作り方」中心になりやすい一方で、現場で効くのは“作業のテンポ設計”です。保育園での製作は、手順を説明しても集中が切れやすい瞬間が必ず出ます。そこで「歌」を工程管理に使うと、立体感づくりの成功率が上がります。

例えば、丸める工程は「同じ動作を一定回数」くり返すので、短いリズム(4拍・8拍)に合わせやすいです。「まるめる→ひらく→またまるめる」を1番・2番に分けると、言葉での指示よりスッと入ります。折り紙の工程も「山折り・谷折り」を擬音化して歌に乗せると、集団でもズレが減ります。

さらに意外に効果があるのが、“完成した立体を見せる歌”です。作品発表で1人ずつ説明させると時間がかかりますが、「見せる→回す→置く」を歌の合図で揃えると、全員が短時間で立体感(角度の違い)を共有できます。製作と歌を切り離さず、歌を「手順」「切り替え」「鑑賞」の合図にする発想は、制作時間が伸びやすい園ほど効きます。

歌の入れどころ 立体感への効き方 ねらい
丸める工程 手の動きが揃い、形の大きさが安定 集中の維持
折り紙の工程 折り線の位置が揃い、立ち上がりが良くなる 手順の共有
鑑賞の合図 角度を変えて見る動作が入り、立体感を実感しやすい 観察と言語化

参考:立体の遊び・製作アイディアが多く、季節や素材の探し方のヒントになります。
「立体」に関する保育や遊びの記事一覧


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