渡辺岳夫中央大学ブログが示す保育現場で活かせる組織心理学の視点

渡辺岳夫中央大学ブログから学ぶ組織心理学

保育士資格は不要なのにゼミ運営が参考になります。

この記事の3つのポイント
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渡辺岳夫教授の専門分野

中央大学商学部教授として組織心理学と管理会計を研究し、スポーツビジネスやチーム運営の実践的指導を行う

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ブログ「多摩の12階から」の特徴

ゼミ生との関わりや教育現場の日常を通じて、組織運営やリーダーシップの実践例を発信している

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保育現場への応用可能性

チームビルディングや後輩育成の手法は、保育園における職員間の連携や新人保育士の指導に活かせる知見が豊富

渡辺岳夫教授のプロフィールと専門分野

渡辺岳夫氏は中央大学商学部の教授で、組織心理学と管理会計を専門とする研究者です。中央大学商学部を卒業後、同大学院で博士前期課程・後期課程を修了し、准教授を経て現在は教授として学生を指導しています。c-research.chuo-u+1

研究テーマは管理会計と組織心理に関する研究、スポーツスポンサーシップの効果に関する研究を主軸としており、特に「アメーバ経営システム」の心理的影響メカニズムについて多くの論文を発表しています。

つまり数字と人の心の両方を扱う専門家です。

参考)https://commerce.r.chuo-u.ac.jp/cplus/teacher/093_WATANABE_TAKEO.pdf

担当科目にはスポーツ・ビジネス・チャレンジ演習、Jリーグ・ビジネス論、営業学入門、プロデュース論などがあり、実践的なビジネス教育に力を入れています。2017年度には障害者サッカーの一つである「アンプティサッカー」の全日本選手権の大会運営に学生がチャレンジする講座を新設し、セルジオ越後氏を招いた講演会やアンプティサッカー体験会を実施しました。chuo-u+2

教育現場では単なる知識の伝達だけでなく、学生が実際のイベント運営やスポンサー営業に挑戦する機会を提供しており、実学重視の姿勢が特徴的です。このような実践的教育手法は、保育現場における行事運営や保護者対応のスキル育成にも通じるものがあります。

研究室は多摩キャンパス2号館の12階21269号室にあり、オフィスアワーは火曜日1限に設定されています。

火曜日1限が相談時間です。

渡辺岳夫ブログ「多摩の12階から」の内容と特徴

「多摩の12階から」は渡辺岳夫教授が運営する個人ブログで、研究室の所在地である多摩キャンパス2号館12階から名付けられています。ブログでは主にゼミ生との日常や教育活動、卒業生との交流が綴られており、教育者としての想いが伝わる内容になっています。wtakeo.blogspot+1

2022年12月のブログ記事では、4年生の卒論研究における統計解析に11時過ぎから18時半ごろまで約7時間半も付き合った様子が記されています。年末の時期に統計のために連日徹夜する大学生の姿を見守り、「この光景は、途中で挫折した人間には決して見えないもの」と学生たちの努力を称賛しています。

参考)多摩の12階から: 2022

新歓コンパについての投稿では、3年生のコンパ係が「自分たちが飲食する時間をほとんどなくなるくらい、常に先回りして動き、滞りなく会が運営されるよう尽力してくれた」ことや、会の最後に皿やコップを一カ所に集める後片付けを先輩たちが率先して行っていたことを評価しています。先輩が後輩の模範となる姿勢が重視されています。

参考)多摩の12階から

2011年3月の卒業生への送辞では「6期生の諸君には、4月以降、各々がその職務・研究に奮闘されんことを期待する」と締めくくり、教え子への期待と信頼を表明しています。また卒業から13年経った7期生と再会した際には「アラフォーに近くなっても、会えば学生の頃のような関係にすぐに戻れる」と書いており、長期的な師弟関係の構築が見て取れます。wtakeo.blogspot+1

ブログには研究業績よりも日々の教育実践や学生との関わりが多く記載されており、組織の中での人間関係やチーム運営の実例が豊富に含まれています。保育現場でも先輩保育士が後輩の模範となることや、行事運営で役割分担しながら協力する場面は日常的であり、参考になる視点が多いと言えます。

多摩の12階から(渡辺岳夫ブログ)

渡辺岳夫教授の公式ブログ。ゼミ運営や学生指導の実践例が詳しく紹介されています。

渡辺岳夫ゼミの運営方法とブラザー・シスター制度

渡辺ゼミでは新入生一人ひとりに対して、複数名の3年生と4年生が「相談役」として配置される「ブラザー・シスター制度」が導入されています。この制度により新ゼミ生は先輩から直接アドバイスを受けられる体制が整えられており、縦のつながりを強化する仕組みになっています。

ゼミは毎週火曜日の3限・4限の2コマで実施され、3年生と4年生が合同で学ぶ形式です。毎回のゼミはセッションA・B・Cで構成され、テンポよく効果的に楽しくファイナンスの実践力を養うカリキュラムになっています。

参考)https://ilabfe.jp/application/files/8617/5628/1255/2026-A2B2_Fall_hiSeminar_Syllabus.pdf

新歓コンパでは一発芸や特技の披露を取り入れ、「笑いの絶えない、暖かい良い会」を実現しており、アイスブレイクとチームビルディングを重視した運営がなされています。会場選びも席がゆったりとした場所を選ぶなど、参加者の居心地の良さへの配慮が見られます。

渡辺ゼミでは卒論研究において統計解析を重視しており、年末年始に教員が長時間にわたり個別指導を行う体制が特徴的です。「10人で力を合わせ、助けあい、関係性を深め、良くここまで辿り着いた」という記述からも、個人主義ではなくチーム全体での成長を目指す姿勢が読み取れます。

保育現場でも新人保育士に対してメンター制度を導入している園がありますが、渡辺ゼミのブラザー・シスター制度のように複数の先輩が一人の新人をサポートする体制は、孤立を防ぎ多様な視点からのアドバイスが得られるメリットがあります。

複数の相談相手がいることが重要です。

また行事前の準備や運営においても、役割分担を明確にしつつ先輩が率先して動く文化を作ることで、後輩が自然と学べる環境が整います。保育園の運動会発表会の準備でも、ベテラン保育士が模範を示しながら若手を巻き込む手法は効果的でしょう。

渡辺岳夫教授の組織心理学研究と保育現場への応用

渡辺岳夫教授の研究テーマである「管理会計と組織心理」は、数字による管理と人間の心理的メカニズムの関係を探るものです。特に「アメーバ経営システム」における組織成員への心理的影響メカニズムについて、多母集団同時分析などの統計手法を用いた実証研究を行っています。

2017年の論文「会計情報と集約的効力感:アメーバ経営システムの効果に関する実証的研究」では、組織内の情報共有が集団としての効力感(「私たちはできる」という信念)に与える影響を分析しています。保育現場でも職員会議での情報共有や保育日誌の活用が、チーム全体の自信や一体感につながる可能性が示唆されます。

2013年の論文「影響システムとしての管理会計研究の新地平:ポジティブ心理学との融合を目指して」では、ポジティブ心理学の知見を管理会計に取り入れる試みが述べられています。ポジティブ心理学は人間の強みや幸福感に注目する学問分野であり、保育現場でも職員のモチベーション向上やウェルビーイングの実現に応用できます。

渡辺教授の研究は「ミニ・プロフィットセンター・システムの情報特性と人間心理」など、小規模な組織単位での情報管理が人々の心理にどう影響するかを扱っています。保育園でも各クラスを小さな単位として捉え、クラスごとの目標設定や振り返りを行うことで、担任保育士の責任感ややりがいを高められる可能性があります。

スポーツスポンサーシップの効果研究も主要テーマの一つですが、これは地域との連携や保護者との関係構築にも通じる視点です。保育園が地域イベントに参加したり、保護者向けの講座を開催したりする際、どのような情報発信や関係性構築が効果的かを考える上で参考になります。

商学部教授 渡辺岳夫の「スポーツビジネス」に関するインタビュー

朝日新聞Thinkキャンパスでの渡辺教授のインタビュー記事。スポーツビジネスでの学びが紹介されています。

渡辺岳夫ブログから見る教育理念と保育士に伝えたいこと

渡辺教授のブログには「この光景は、途中で挫折した人間には決して見えないもの」という言葉があり、継続することの価値を強調しています。保育現場でも日々の保育記録や環境整備など地道な作業の積み重ねが、子どもの成長という成果につながります。挫折せず続けた人だけが得られるものがあります。

「笑いたいやつには笑わせておけばいい」という表現からは、周囲の評価に惑わされず、自分たちが取り組んでいることの意義を信じる姿勢が読み取れます。保育の仕事も「遊んでいるだけ」などと誤解されることがありますが、専門性を持って子どもの発達を支援している自覚と誇りを持つことが大切です。

卒業生との長期的な関係構築も特徴的で、「卒業して13年経ち、アラフォーに近くなっても、会えば学生の頃のような関係にすぐに戻れる」という記述があります。保育士も担任した子どもたちや保護者との関係が何年も続くことがあり、信頼関係の土台がしっかりしていれば時間が経っても良い関係が維持できます。

参考)多摩の12階から: いくつになっても

新歓コンパで「会場も席がゆったりとしていて、とても良かった」と環境面にも言及している点は、物理的な環境が人の気持ちや交流の質に影響することを示しています。保育室のレイアウトや職員休憩室の快適さも、職員の心理状態や人間関係に影響を与える要素です。

環境設定が心理に与える影響は大きいです。

後片付けを先輩が率先して行う姿勢を評価している点も、リーダーシップは指示ではなく行動で示すものだという考え方を表しています。保育現場でもベテラン保育士が掃除や片付けを積極的に行う姿を見せることで、若手保育士も自然と協力的な態度を身につけていきます。

渡辺ゼミの実践例 保育現場への応用 期待される効果
ブラザー・シスター制度で複数の先輩が新人をサポート 新人保育士に複数のメンターを配置する 孤立防止と多様な視点からの学び
年末年始も7時間半の卒論指導を実施 行事前の準備期間に集中的な打ち合わせ時間を確保 質の高い成果物の完成と達成感の共有
新歓コンパで一発芸や特技披露を取り入れる 職員懇親会でアイスブレイク活動を実施 職員間の心理的距離が縮まる
先輩が率先して後片付けを行う ベテラン保育士が率先して環境整備を行う 若手が自然と協力的態度を身につける
卒業後も13年以上の関係が続く 卒園後も保護者や子どもとの関係を大切にする 信頼関係の深化と保育の質の向上

中央大学商学部の教育方針と渡辺ゼミの位置づけ

中央大学は「グローバルな視野と実地応用の力を備え、人類の福祉に貢献する人材の育成」をミッションとしています。8学部26学科13専攻の学部、8研究科の大学院、2つの専門職大学院から構成され、現代社会で活躍するための教養や専門知識を身に付ける「実学教育」が強みです。

実学教育が中央大学の核心です。

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商学部では渡辺教授のような実践的な教育を行う教員が多く、スポーツビジネスや障害者スポーツマネジメントなど、社会課題に直接取り組む講座が開設されています。2017年度に新設された「ビジネス・チャレンジ演習/実習(障害者スポーツマネジメント)」では、学生が第7回日本アンプティサッカー選手権大会の広報、イベント企画、スポンサー営業、飲食店誘致などの業務全般を自律的に担当しました。u-presscenter+1

日本アンプティサッカー協会の最高顧問であるセルジオ越後氏を招いた講演会や、アンプティサッカーの日本代表選手から直接指導を受ける体験会も実施され、学生にとって大変貴重な機会となりました。このような実践的な学びは、保育士養成課程でも取り入れられる要素があります。chuo-u+1

渡辺教授はドイツでの実地研修プログラムにも関わっており、「この研修プログラムがあるから、中大商学部に入学したという学生もたくさんいる」と述べています。新型コロナウイルスの影響で渡独を熱望している学生が行けなくなった際には「いたたまれない想いだ」と学生の気持ちに寄り添う姿勢を見せています。

参考)多摩の12階から: 2021

中央大学商学部の教育方針は、知識の習得だけでなく実際の現場での経験を通じた学びを重視しており、渡辺ゼミもその理念を体現しています。保育士養成においても、実習だけでなく地域の子育て支援イベントへの参加や障害児支援の現場体験など、多様な実践機会を提供することが重要でしょう。

中央大学商学部渡辺岳夫ゼミがアンプティサッカーの第7回日本選手権の大会運営に挑戦

渡辺ゼミによるアンプティサッカー大会運営の詳細。

実践的な学びの事例として参考になります。