宇野誠一郎と保育園こどものうた
宇野誠一郎の保育園こどものうた代表曲アイアイ
宇野誠一郎の「こどものうた」で保育園の現場でも特に入口になりやすいのが、童謡「アイアイ」です。これは1962年発表で、相田裕美作詞・宇野誠一郎作曲とされ、歌の題材はマダガスカルに生息する原猿アイアイです。
歌詞は「南の島」「丸い目」「長いしっぽ」など、子どもがイメージしやすい特徴が中心で、まず“絵にしやすい歌”として扱いやすいのが強みです。
保育園での実践としては、いきなり通しで歌うより、導入を短く切ると失敗が減ります。
- 0歳児~1歳児:サビ(呼びかけ)部分だけを短く繰り返し、手拍子や膝の揺れで拍を共有。
- 2歳児:歌詞の名詞(おさる・しっぽ・おめめ)に合わせてポーズを固定し、毎回同じ動きにする。
- 3歳児以上:子ども側に「どんな動きにする?」を一度だけ任せ、採用した動きを“クラスの振り”として定着。
さらに意外に使えるのが「図鑑」との接続です。作詞者は“可愛い動物の歌”の依頼でアイアイを知り、図鑑で見た特徴を歌詞にした、というエピソードが語られています。
参考)「実用こどものうた 改訂版」幼稚園・保育園でのアンケートから…
この「図鑑→歌→身体表現」という流れは、活動の正当性(学びの根拠)を説明しやすく、園内共有にも向いています。
参考:アイアイの成立・エピソード(作詞の経緯、2001年の上野動物園来園と3番作詞、保育士試験課題曲化など)
宇野誠一郎の保育園こどものうたニャニュニョのてんきよほう
宇野誠一郎の曲は「言葉遊び」と相性がよく、梅雨時期の活動に組み込みやすい例として「ニャニュニョのてんきよほう」が挙げられます(小黒恵子作詞・宇野誠一郎作曲として紹介されている例があります)。
歌の中にナ行の反復が入るため、発音の面白さが“遊び”になり、正確に歌えなくても成立します。
活動展開は「天気」を主題にしつつ、科学説明を詰め込みすぎないのがコツです。
- 導入:窓の外を見て「今日の空の色」を一言で言う(灰色、白、青)。
- 本編:歌のナ行を“口の体操”として扱い、早口競争にしない(勝ち負けを作りにくい)。
- 展開:猫のしぐさ(顔を洗う、しっぽを立てる)を真似して、身体表現につなげる。
保育士側のメリットは、リトミック寄りにも言語活動寄りにも寄せられる点です。歌がうまく回らないクラスでも「ナニヌネノだけ言ってみよう」と切り替えられ、立て直しが効きます。
参考)https://bunbun.boo.jp/okera/w_osanago/nya_nyu_nyo.htm
宇野誠一郎の保育園こどものうた作曲家プロフィール
宇野誠一郎を“保育園で使う作曲家”として紹介するなら、作品の広がりを押さえると説得力が上がります。宇野誠一郎は1927年生まれで、テレビ「チロリン村とくるみの木」、のちに「ひょっこりひょうたん島」「ムーミン」などの音楽を手がけ、童謡「アイアイ」の作曲でも知られる、とされています。
またアニメ「少年ジャックと魔法使い」で毎日映画コンクール音楽賞、音楽劇「11ぴきのネコ」で紀伊國屋演劇賞を受けたこと、2011年4月26日に84歳で死去したことも同資料に記載があります。
現場での伝え方は、子ども向けには「テレビや人形劇の音楽をたくさん作った人」、職員向けには「映像音楽と童謡の両方で評価された作曲家」と二段階にすると通りやすいです。
特に「こどものうた=教育用に単純」という先入観が出やすい場面では、受賞歴が“音楽としての厚み”を補強してくれます。
参考:宇野誠一郎の略歴・代表領域(テレビ、人形劇、童謡、受賞、没年など)

宇野誠一郎の保育園こどものうた導入ピアノ伴奏
宇野誠一郎の曲を保育園で回すとき、実は“伴奏の上手さ”より“テンポの守り方”が成果を左右します。特に「アイアイ」は、明るい曲調で子どもが先走りやすく、伴奏が追いかける形になると合唱が崩れやすいので、一定テンポを優先したほうが安定します。
また、子どもが歌詞を間違えても止めず、伴奏を回し続ける運用が「最後まで歌えた」体験になりやすいです。
ピアノが苦手な先生向けに、現場で効いた“失敗しにくい伴奏運用”を整理します。
- テンポ設定:最初の1回は遅め(子どもの声が出そろう速さ)で固定。
- 音の引き算:左手はルート音中心、右手は主旋律を薄くなぞる程度にして、歌を主役にする。
- 間奏の扱い:間奏は“次の歌詞を思い出す時間”なので、表情とアイコンタクトで次を示す。
- 立て直し:崩れたら「手拍子だけ」に一旦戻し、拍が揃ってから伴奏を再投入。
「アイアイ」には“怖い背景”がある、というギャップも知られています。作詞者は、アイアイが現地で「悪魔の使い」として気味悪がられていることなどを知らなかった、とする説明があり、日本では明るい童謡として親しまれることになった、という対比が語られています。
この話は子どもへ直接伝える必要はありませんが、職員研修では「歌の背景を知ると、表現(明るさ)をどう扱うか議論できる」題材になり、選曲の説明力が上がります。
宇野誠一郎の保育園こどものうた独自視点クラス運営
検索上位が「曲紹介」や「楽譜」「歌詞」に寄りがちな一方で、保育園の実務では“クラス運営にどう効くか”が重要です。宇野誠一郎の曲は、反復と語感の面白さで「参加のハードルを下げる」力があり、気分の切り替え(着席→活動、戸外→室内)に使うと効果が出やすいです。
たとえば「ニャニュニョのてんきよほう」は、言いにくい音の連続がある分、成功体験が“笑い”と一緒に残り、クラスの空気が硬い日にほぐしやすいです。
独自視点としておすすめしたいのは、「歌を注意喚起に使わない」ルール化です。歌を“静かにさせる道具”として使うと、歌そのものが管理の合図


