峠の我が家 歌詞 あの山を
「峠の我が家」には実は峠がない
峠の我が家 歌詞「あの山を いつか越えて」の原曲背景
「峠の我が家」の原曲「Home on the Range」は、アメリカ・カンザス州で生まれたアメリカ民謡です。
現在ではカンザス州の州歌にもなっています。
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原題のthe Rangeは「平原」を意味します。歌詞の内容からも、バッファローがうろつく場所は平原であり、作詞者がいたカンザス州はまさに大平原で、山と呼ばれるところや峠は皆無なのです。つまり「峠」という日本語訳は、原曲の地理的事実とは異なります。
日本では「峠」という国字(日本で作られた漢字)が、山の坂路を登りつめた境界を指す独特の概念として存在します。山がちの日本には約1万か所もの峠があり、峠には祠が置かれ、民俗的・宗教的な意味合いを持っていました。
日本人の「my home」(故郷)への意識が、無意識的に「峠」と結びついて訳語が生まれたということですね。原曲は広大な平原の自然賛歌ですが、日本版は山や峠を越える旅情へと変換されています。
文化的背景の違いが訳詞に反映された典型例といえます。
峠の我が家「あの山を」の歌詞の意味と構成
「あの山を いつか越えて帰ろうよ 我が家へ」という歌い出しは、故郷への帰還願望を表現しています。この胸に今日も浮かぶふるさとの家路、という歌詞が続き、望郷の念が強調されます。
岩谷時子による日本語訳詞では、1番が「いつか越えて」、2番が「誰と越えて」と変化します。1番では帰還への希望、2番では「流れゆく雲のかなた ふるさとは遠いよ」と距離感が示されます。
参考)峠の我が家 歌詞の意味 和訳 訳詞 Home on the …
「ああ 我が家よ 日の光かがやく 草の道 歌いながらふるさとへ帰ろう」というサビ部分は、明るい情景描写と帰郷への意志が込められています。「ああ!」という感嘆詞には、望郷の想いを深く込めることが歌唱のポイントです。
他にも久野静夫訳や藪田義雄訳など複数の日本語版が存在します。久野静夫訳では「空青く 山は緑 谷間には花咲き」と、より具体的な風景描写になっています。
参考)https://bunbun.boo.jp/okera/tato/touge_wagaya.htm
どの訳詞も共通して、故郷への深い愛着を表現しているのが特徴です。
峠の我が家 歌詞の保育現場での活用時期
「峠の我が家」は3歳児以上の幼児クラスで歌いやすい曲です。音域が広すぎず、メロディーがのびやかで覚えやすいためです。
季節的には秋の遠足シーズンや季節の変わり目に適しています。「あの山を越えて」という歌詞が、実際の散歩や遠足の体験と結びつきやすいからです。保育園では毎月1回のお弁当日に遠足などの活動を予定しているところも多く、その前後に歌うと子どもたちの体験と重なります。
参考)山の子の生活
年長児が美ヶ原登山や山の散歩をする園では、実際に山を越える体験の前後に歌うことで、歌詞の意味がより深く理解できます。「山の端に月はかかり」などの表現も、実体験と結びつくと理解しやすくなります。
四季の変化を感じさせる季節の歌として活用する方法もあります。季節のうたは園児の五感を刺激し、身近なテーマとして理解しやすいためです。
参考)園児が楽しむ季節のうた10選とその魅力 – 一般…
歌う時期を実体験と結びつけることが効果的ですね。
峠の我が家 歌詞「あの山を」の歌唱指導のコツ
歌い出しの「あ」をスムーズに始めることが最初のポイントです。喉に引っかからないよう、スッと発声させる練習をします。
「我が家へ」のリズムを間違えやすいため注意が必要です。特に3拍子のリズムパターンを正確に刻むよう指導します。ピアノ伴奏で拍を強調しながら、子どもたちにリズムを体で感じてもらうと効果的です。
原調のままだと高音が多いため、平均的な子どもの歌いやすい音域までキーを下げる配慮も有効です。ホ長調など、無理のない調で歌わせることで、子どもたちの声帯に負担をかけません。
「ああ!」という感嘆詞は、望郷の想いを込めて歌うよう伝えます。ただし保育現場では、感情表現よりも楽しく歌うことを優先してOKです。
手遊びや身振りを加えると、より楽しく歌えます。「山を越える」動作や「我が家」を指さす仕草など、簡単な振り付けで歌詞の意味が視覚的に理解できます。
子どもの発達段階に合わせた指導法を選ぶことが基本です。
峠の我が家の原曲と日本版の歌詞比較
原曲「Home on the Range」の歌詞は、バッファローがうろつき、鹿やアンテロープが戯れる平原の情景から始まります。「めったに落胆の言葉なんて聞かない そして、空には一日中雲ひとつない」という明るい描写が特徴です。
原曲には「How often at night when the heavens are bright」(夜空が明るく輝く時)という節があり、星空の美しさを讃えています。「空気は澄み 蝶は自由に舞う 爽やかに 軽やかに吹き抜ける」という自然賛歌が続きます。cucanshozai+1
一方、日本語版では「この胸に 今日も浮かぶふるさとの 家路よ」と、故郷への思慕が強調されています。原曲の「どんな輝かしい街にも変え難い」という表現は、日本版では「思い出のあの家」という過去の記憶に変換されています。kkbox+1
久野静夫訳では「空青く 山は緑 谷間には花咲き 幼い日ひとり遊ぶ」と、幼少期の回想が加わります。原曲にはない「楽しい日 悲しい時」という人生の喜怒哀楽も、日本版独自の要素です。
つまり原曲は現在形の自然賛歌、日本版は過去形の郷愁の歌ということですね。
峠の我が家の歌詞の意味と和訳について詳しく解説された資料(原曲と日本語訳の比較、歌詞の成り立ちなど)
峠の我が家を保育で歌う際の独自の工夫
歌詞の内容を絵本や紙芝居と組み合わせる方法があります。「あの山を越えて」の情景を視覚化することで、3歳児でも歌詞の意味が理解しやすくなります。山の絵を描いた大きな模造紙を用意し、歌いながら指でなぞる活動も効果的です。
散歩コースに実際の小高い丘があれば、その場で歌うのも良い体験になります。保育参観で保護者と一緒に散歩コースを歩きながら歌う活動もあります。実際の風景の中で歌うことで、「ふるさと」や「我が家」の意味が体感的に理解できます。
歌詞に出てくる「日の光」「草の道」「雲のかなた」などの言葉を、散歩中に見つけるゲームにすると楽しめます。「今日は日の光がかがやいてるね」と声をかけることで、歌詞と現実がつながります。
年長児には、この歌が実はアメリカ生まれで原曲には峠がないという豆知識を伝えるのも面白いです。
文化の違いへの気づきが生まれます。
楽器を使ったアレンジも有効です。トライアングルやタンバリンで「ああ 我が家よ」の部分を強調すると、子どもたちが参加しやすくなります。リズム打ちを加えることで、音楽活動としての幅が広がります。
歌を単独で歌うだけでなく、総合的な保育活動に組み込むことがポイントです。


