鳥のさえずり効果音フリー素材を保育士が安全に活用する全ガイド
「フリー」と書いてあっても、クレジット未記載で使うと規約違反になりトラブルに発展することがあります。
鳥のさえずり効果音が保育現場にもたらす科学的な効果
鳥のさえずりには、単なる「かわいい音」以上の働きがあることが研究で明らかになっています。学術誌「Scientific Reports」に掲載された研究では、295人の被験者にヘッドホンで6分間の鳥のさえずりを聴かせたところ、不安感・被害妄想・うつのスコアがそれぞれ有意に低下したと報告されています。保育士も子どもも同じ空間にいる以上、この効果は保育室全体に波及することになります。
自然音には「1/fゆらぎ」と呼ばれる波形が含まれています。これは規則性と不規則性がちょうどよく混ざり合った波形で、川のせせらぎや木の葉のそよ風にも見られる自然界特有のリズムです。この波形が自律神経を整え、ストレスホルモンのコルチゾールを低下させると考えられています。保育室に鳥のさえずりを流すだけで、落ち着かない子どもの情緒を整える補助的な効果が期待できるわけです。これは使えそうです。
また、音の多様性という観点も重要です。鳥の鳴き声は、他の自然音とは異なり「音程とリズム」の両方を持つ唯一の自然音です。龍城保育学研究の資料によると、音程とリズムがある音は子どもの聴覚発達を促進し、言語への興味を引き出す可能性があるとされています。つまり、BGMとしての効果だけでなく、保育の教育的な文脈でも活用できる素材ということです。
保育活動で具体的に効果が見込める場面をまとめると、以下のとおりです。
- 🌅 朝の会・登園タイム:登園してきた子どもの緊張をほぐし、保育室に安心感を作り出す
- 😴 お昼寝タイム:不規則な生活音をマスキングし、入眠しやすい環境を整える
- 🖍️ 制作・絵描き活動:集中力を高める環境音として機能する
- 🌱 自然観察・季節の導入:春の声、夏のひぐらし……季節感のある音で活動への興味を引き出す
- 📖 絵本の読み聞かせ前:子どもの気持ちをリセットして聴く姿勢を作る
つまり鳥のさえずりは、「飾り音」ではなく保育の質を底上げするツールです。
鳥のさえずりの効果についての詳しい研究内容は、以下のページが参考になります。
鳥のさえずり効果音フリーサイトを選ぶ前に知るべき著作権の基本
「フリー素材サイトからダウンロードしたから大丈夫」と思いがちですが、実はその判断が落とし穴になることがあります。著作権法では、鳥の鳴き声であっても「最初に録音した者(レコード製作者)」に著作隣接権が発生します(著作権法第2条第1項第5号・第6号、第96条から第97条の3)。つまり、自然界の音だからといって誰でも自由に録音・配布・使用できるわけではありません。著作隣接権が原則です。
「著作権フリー」という言葉も注意が必要です。これは「著作権を全部放棄した」という意味ではなく、「利用規約の範囲内なら無料で使っていいですよ」という意味に過ぎません。サイトごとに条件が異なり、クレジット表記が必要なものや商用利用が不可のもの、再配布が禁止されているものも多くあります。
保育士が特に注意したい具体的なポイントをまとめると下のようになります。
- 📌 クレジット表記:不要のサイトと必要なサイトがある。必要なのに省くと規約違反になる
- 📌 商用利用の可否:保育園・幼稚園が事業として使う場合は「商用利用」に該当する可能性がある
- 📌 再配布禁止:ダウンロードした音源を他の保育士にメールで送ることも再配布にあたる
- 📌 改変の可否:音を切り貼りしてオリジナル教材にする場合は改変許可が必要なサイトがある
ポケットサウンドを例に挙げると、基本的な利用にはクレジット表記またはリンクが必要ですが、「学校行事など教育機関でのご利用の際、リンクが困難である場合は免除」とされています。この一文があることで、学校行事という公的な場での使用では表記不要になるわけです。なら問題ありません。
著作権の基礎についての詳しい解説は、以下のページをご覧ください。
川のせせらぎや鳥の鳴き声などを録音した者は著作権法で保護されますか|文化庁著作権Q&A
鳥のさえずり効果音フリーのおすすめサイト5選【利用規約・音質比較】
保育現場での実用性・規約の使いやすさ・音質の3軸から厳選した5サイトを紹介します。以下の表で主要な条件を一目で確認できるようにまとめました。
| サイト名 | クレジット表記 | 商用利用 | 鳥音源の種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 効果音ラボ | 不要 | ✅ 無料 | ★★★★★ | 報告不要・規約が最もシンプル |
| ポケットサウンド | 必要(教育機関は免除) | ✅ 無料 | ★★★★☆ | 早朝・森・小鳥など豊富なシーン別音源 |
| DOVA-SYNDROME | 不要 | ✅ 無料 | ★★★☆☆ | BGMタイプが多くBGM感覚で使いやすい |
| On-Jin ~音人~ | 個人・サークル向け | 要確認 | ★★★★☆ | メジロ・ウグイスなど種類別の音源が充実 |
| Springin’ Sound Stock | 不要 | ✅ 無料 | ★★★☆☆ | ガビチョウ・キジバトなどリアルな野鳥音 |
🏆 効果音ラボは、クレジット表記不要・商用無料・報告不要という3条件がそろった、保育士にとって最も使い勝手のよいサイトです。オオルリ・ヒヨドリ・キビタキなど日本固有の野鳥の鳴き声が種類ごとに整理されており、「春らしい音が欲しい」「里山の雰囲気を出したい」という場面別の選択も容易です。なお、音源の再配布だけは禁止されています。これだけ覚えておけばOKです。
🎵 ポケットサウンドは「早朝の鳥のさえずり」「森の中の小鳥」など、シーンを想定したタイトルがついているため、活動内容に合わせて探しやすい点が好評です。教育機関での利用はクレジット免除、かつ月額プランに加入すれば完全クレジット不要になるため、保育活動に頻繁に使うなら検討の価値があります(月額プランは有償)。
🎶 DOVA-SYNDROMEは、音楽的なアレンジが加わった「野鳥のさえずり」BGMが充実しています。単純な環境音というよりも、朝の会や読み聞かせの導入BGMとして映える音源が多いのが特徴です。著作権・提供等の表示も不要です。
自然・動物の効果音一覧|効果音ラボ
早朝の鳥のさえずり効果音素材|ポケットサウンド
フリーBGM素材「野鳥のさえずり」|DOVA-SYNDROME
鳥のさえずり効果音フリーを保育活動で使う際のシーン別活用術
鳥のさえずりを「ただ流しておく」だけではもったいない場面があります。活動の目的に合わせて使い方を変えると、子どもの反応や集中度が大きく変わります。
朝の会・登園後の自由あそびタイムには、音量を控えめ(目安は会話が普通にできる程度、40〜50dB程度)に設定してBGMとして流すのが効果的です。特に月曜日や長期休み明けなど、子どもが緊張している日の朝は、1/fゆらぎを含む鳥のさえずりが場の雰囲気をほぐす手助けをしてくれます。ウグイスやオオルリなど「誰もが知っている鳴き声」の音源を選ぶと、子ども自身が「あ、鳥だ!」と反応しやすくなります。いいことですね。
お昼寝タイムでは、外の騒音や廊下の足音をカバーするマスキング効果が期待できます。ポイントは「単調に繰り返すループ音源を選ぶこと」で、変化の激しい音源は逆に眠りを妨げることがあります。ポケットサウンドの「早朝の鳥のさえずり」はループ対応の音源で、この用途に向いています。音が途切れてもよいように、スマートフォンの「リピート再生」機能を使うか、ループ対応のwavファイルを使うのが確実です。
自然観察・季節の導入活動には、季節に合った鳥の鳴き声を事前に調べておくことで、教育的な付加価値が生まれます。たとえば春であれば「ウグイス(ホーホケキョ)」、夏であれば「ヒグラシ(カナカナ)」を選ぶと、子どもが実際に外で耳を傾けたときに「あ、聞いたことある!」という気づきにつながります。これは単なる環境音の域を超えた、自然教育としての活用です。
制作・工作活動では、過度に音楽的なBGMよりも「環境音としての鳥のさえずり」のほうが子どもの集中を妨げにくい場合があります。歌詞や旋律のある音楽は脳の言語処理エリアを刺激してしまうのに対して、自然音は意識に入りにくく集中の邪魔をしない点で優れています。
活用シーン別の音源選択をまとめると以下のとおりです。
- 🌅 朝の会・自由あそび:ウグイス・オオルリなど「知名度の高い鳴き声」を選ぶ(効果音ラボ推奨)
- 😴 お昼寝:ループ対応・単調な環境音タイプを選ぶ(ポケットサウンド「早朝の鳥のさえずり」)
- 🌱 季節導入・自然観察:季節の鳥に合わせた種類別音源を選ぶ(On-Jin「メジロ」など)
- 🖍️ 制作・集中活動:旋律のないBGM感覚の鳥の音源を選ぶ(DOVA-SYNDROME)
保育士だけが知る!鳥のさえずり効果音フリー活用のNG例と工夫
便利なフリーの鳥のさえずり効果音ですが、使い方によっては逆効果になるケースや、トラブルに発展するケースがあります。現場で起きがちなNGパターンを具体的に確認しておきましょう。
NG例① 音量が大きすぎる
子どもの集中を助けようとして音量を上げすぎると、鳥のさえずりが「雑音」になってしまいます。WHO(世界保健機関)は子どもの聴覚保護の観点から、保育環境の音圧レベルを85dB以下に保つことを推奨しています。鳥のさえずりは40〜50dBを基準に流すのが理想で、これはほぼ「静かな住宅街の音」と同程度のレベルです。スマートフォンなら画面外の置き場所から再生し、音量は最大の3割程度に設定するのが目安になります。
NG例② サイトをよく確認せずに使う
「フリー素材」と書かれたサイトであっても、On-Jinのように「個人・サークル向け」と明記しているサイトがあります。保育園は事業者扱いになる場合があるため、商用利用の可否を事前に確認することが重要です。厳しいところですね。On-Jinの場合、商用・法人利用については利用規約を改めて確認し、不明な点は問い合わせるのが安全です。確認する、この一手間がリスクを防ぎます。
NG例③ ダウンロードした音源を同僚に転送する
「良い音源を見つけたから」と音声ファイルをLINEやメールで同僚に送ってしまうのは、ほとんどのサイトで禁止されている「再配布」に該当します。音源ファイル自体を共有するのではなく、URLを共有してそれぞれがダウンロードしてもらうかたちが正しい共有方法です。URLを送るだけにする、これが原則です。
保育士ならではの工夫:季節で音源を切り替える
同じ「鳥のさえずり」でも、季節感に合わせて音源を変えると子どもの感受性を育てる教育的な効果が加わります。具体的には、春はウグイス、夏はホトトギスやヒグラシ、秋冬は比較的静かな雑木林の音源というサイクルが保育室の四季感を豊かにします。効果音ラボには「イイジマムシクイ(伊豆諸島固有種)」など珍しい鳥の音源もあるため、自然に詳しい保育士ならば「これは何の鳥でしょうか?」というクイズ的な導入にも応用できます。意外ですね。
鳥のさえずりが聴覚発達や保育に与える効果についての参考論文(保育学研究)は以下からご確認いただけます。


